本来はその地域にいなかったが、何らかの理由で外の地域から入ってきた生物のこと。
「外来生物」「侵略種」「帰化種」などとも呼ばれる。
対義語は「在来種」。
目次
現実世界での外来種
- 現実では、人間の活動や環境の変化によって流入してきた生物をこのように呼ぶ。
ここでいう「人間の活動」とは、意図的に運んだか偶発的に運ばれたかは問われないため、
「乗り物に意図せず付着した状態で運ばれたものが他地域で繁殖してしまった」なども含まれる。
また、流入した時代や対象地域の規模などは関係なく、いずれも等しく外来種と呼ばれている。
極端な話、「A町だけの固有種の植物を隣のB町に持ち込み繁殖させた」などであっても、
B町からすれば立派な外来種である。
- 外来種による影響は枚挙にいとまがない。
まず、その地域において生態系から外れた存在であり流入する事によって生態系が狂う原因になり得る。
肉食性の生物であった場合、在来種を食べて絶滅の危機に追いやってしまったり、
在来種と近い生態の生物であれば、在来種のニッチを奪ってしまうこともあり得るのだ。
また在来種との交雑によって雑種が誕生する等のリスクや、
外来種として他への地域に広がった細菌やウイルスによる病気の蔓延も発生する。- こうした事情もあり、悪影響が懸念される一部の生物については生きたままの運搬や飼育が規制されている。
モンハンにおける外来種
- モンハンでは人為的な流入だけでなく、他のモンスターの活動によって
住む地域を追われたモンスターが他の地域に定着したものも外来種のように扱っている節が見られる。
大抵の原因は生態系に多大な影響を及ぼす古龍種によるものではあるが。
なお、メインシリーズにおいて明確に「外来種」という言葉が使われた例はない*1ため、
概念としてはともかく、作中世界に外来種というワードが実際に存在するかは定かではない。
- 現実と同じく、モンハン世界にも生態系や食物連鎖と言うものはきちんと存在しているが、
強力なモンスターの影響などによって他のモンスターが他の地域に移動してしまうということはよく見られる。
それにより元の生態系が狂い、様々な悪影響が起こったことで、
ハンターに狩猟依頼が出されるケースも少なくはない。
それどころか、メインシリーズのMHP2あたりからはまさにそれを
ストーリーの中心に据えている作品も多数見受けられるようになってきている。- これは、「外来種とそれによる悪影響」をテーマにすることで、
モンスターを狩猟しなくてはならない理由を補強できるというゲーム的な事情も影響している可能性がある。
実際に初期作品では素材獲得、拠点防衛、村人の保護、国からの依頼といった
モンスターハンター世界の常識に由来する状況がプレイヤーがモンスターを狩る主な理由となっていたが、
外来種による生態系への影響を防ぐ、という名目はモンハン世界の生態系の存在を強調するだけでなく、
プレイヤーにとっても共感しやすい現実世界の状況に通ずる狩猟理由であり、より強い動機付けが可能と言える。
- これは、「外来種とそれによる悪影響」をテーマにすることで、
- ちなみに、特定のテリトリーを持たずに広範囲を徘徊するモンスターである、
イビルジョーやバゼルギウスなどに関しては、出現地域で外来種のように扱われているかは微妙なところ。
その地域の生態系を狂わせる存在と言う意味では確かに外来種と言っても良いのかもしれないが。
MHP2
- MHP2では砂漠地帯から雪山へと飛来してきたティガレックスが
ポッケ村の人々の生活を脅かしていた。
なお、原因はティガレックスがポポの肉の味を知ってわざわざ飛んできていたことだったが、
これは隊商が使役するポポを襲った可能性が指摘されている。
その後の作品でもティガレックスは寒冷地によく姿を現すようになっている。- このケースはポポの肉に味を占めたティガレックスが寒冷地に出没するようになっただけで、
生息地域の拡大というよりは単に各個体が嗜好に従って遠征しているに過ぎないとも言える。
ティガレックスの皮膚は寒冷地帯に適応しておらず寒さを苦手としているとされ、
現実世界の外来種のように生態系に影響を与えるほど長く定住はしないと思われる。
- このケースはポポの肉に味を占めたティガレックスが寒冷地に出没するようになっただけで、
MHP3
- MHP3では普段は霊峰で暮らしていて滅多に人里に姿を見せないジンオウガが、
アマツマガツチに追い立てられる形で渓流などに進出してきてしまう事件が起きた。
これにより渓流の在来種であるガーグァやアオアシラなどの生息が脅かされる一方で、
雷光虫はうまくジンオウガとの共生関係を築くことに成功している。
MH3G
- MH3Gでは夜のモガの森に、孤島には本来生息していなかったはずのモンスターたちが
多数進出してきていることが確認されている。
決定的な証拠こそないが、ナバルデウスによる地鳴り騒動の後に発生したことから、
その一件が原因の1つであると見ている人物もいる。
MH4G
- MH4Gでは本来はごく限られた地域にしか生息していないはずのセルレギオスが
同時多発的に様々な地域に大挙して飛来してくると言う大きな事件が起こった。
原因は、狂竜ウイルスを克服し極限状態となった個体によって
他の個体が住処である未知の樹海を追われてしまったことであった。
MHX
MHW(:I)
- 生態系表現に特に力が入れられた作品であるMHWorldにおいては、外来種に纏わる設定が度々描写された。
同作では死期を悟った老齢の古龍が海を渡って新大陸を目指す古龍渡りという現象が物語のテーマとなったが、
これは新大陸の生態系にとっては正しく「古龍という外来種」の到来を意味している。
天災にも匹敵する力を持ち、天寿を全うするほどの年月を生きた強大な古龍種の影響力は凄まじく、
古龍渡りが発生するたびに新大陸の地図や生態系が書き変わるほどの影響が発生していたという。 MHW:Iでは大いなる存在が引き起こした地殻変動で大陸各地に絶大な影響が及び、
異常行動を起こしたレイギエナの大群が渡りの凍て地へ大移動する、
地殻変動によりイヴェルカーナが渡りの凍て地から新大陸への飛来を余儀なくされる、
新大陸各地で古龍の活性化が起こり、瘴気の谷と密接に結び付いた古龍が本来あり得ない地域に出現するなど、
途轍もない規模の外来種の流入が発生、各地の生態系が激変する結果となった。- 最終的に大いなる存在は打破されたものの、その過程で生じた外来種の流入の余波は解消できず、
現在も渡りの凍て地に適応したレイギエナが頂点捕食者としての地位を占めているなどの影響が見られる。
- 最終的に大いなる存在は打破されたものの、その過程で生じた外来種の流入の余波は解消できず、
- MHWorldで登場したゼノ・ジーヴァは古龍を現大陸から新大陸へと招き寄せる力を、
その成体であるムフェト・ジーヴァに至ってはあらゆる生物を特定の地域に誘引し、
更に周辺地域の地脈エネルギーをコントロールすることで自然環境と生態系を自由自在に改変する力を披露している。
これは自らの意思で他の生物を呼び寄せる、つまり特定地域に意図的に外来種を流入させる行為に他ならず、
「環境改変と生物の誘引により望むがままの世界を創造する」という常識外れの極みのような所業であった。
MHRise
- MHRiseではイブシマキヒコが起こす嵐に追い立てられた多数のモンスターたちが恐慌状態となり、
大挙して人里に襲い来ると言う災禍が巻き起こっていた。
また、本来は人前に姿をあらわす事がほぼ無い僻地に生息するオロミドロやヤツカダキが
人里近くまで姿を出すようになったと言う影響も起こっている。
MHR:S
- MHR:Sではキュリアの影響で様々なモンスターが狂暴化し、
本来の生息地とは違う地域にも姿を見せるようになると言う問題が起こった。
エルガドに主人公である猛き炎が赴く事になったのも、外来種である盾蟹ダイミョウザザミが大社跡へ出現するようになり、
かつ、その場に里の人々にとっては未知の外来種も姿を見せたことがきっかけとなっている。
MHF
- MHFではバルラガルが海を泳いでメゼポルタ管轄域に現れた外来種と定義されている。
海を渡ってきた理由は特に説明されていないが、表現からして人間の活動とは関係のない形での流入だと思われる。
なお、メインシリーズで外来種という用語が登場したことはないため、現状ではこれがシリーズを通して唯一の事例である。
MHST2
- MHST2ではハコロ島に本来は生息していないはずのアンジャナフが出現すると言う騒動が起こった。
また、ドスガレオスに住処を追い出されたガノトトスがルルシオンの街のすぐ近くへと移り、
ハンターたちを手こずらせていた。
ストーリーの終盤以降は、とある地域に非常に強力なモンスターたちが多数出現すると言う事態も発生するようになる。- なお外来種であると明言はされていないものの、
同作の寒冷地であるロロスカ地方には明らかに場違いなモンスターが多種生息している。
これは、以前にこの地域で大きな被害を出したとある現象が関係している可能性も考えられる。
「各地に元々生息していたはずのリオレウスたちが次々と姿を消す」と言う現象も発生している。 - なお外来種であると明言はされていないものの、
余談
- 地脈から表出した莫大な古龍の生命エネルギーが溢れる龍結晶の地においては、
出現するモンスターの殆どが高純度なエネルギーを求めて現れた外来種であるという。
また、龍結晶の地では古龍を始めとした強大なモンスターが次々と現れるために弱小モンスターが淘汰され、
翼竜とごく一部の獣人種などを除いて小型~中型モンスターがほぼ生息していない。
これもある意味で外来種がもたらした既存の生態系の崩壊と言えるかもしれない。- 判明している中ではドドガマルが龍結晶の地の在来種らしい。
龍結晶を化合して食すという競合相手のいない食性と比較的臆病な性質が功を奏し、
化物だらけの龍結晶の地においても独自の地位を築きつつ生き残っているようだ。
- 判明している中ではドドガマルが龍結晶の地の在来種らしい。
- ハンターが狩猟対象とするモンスターではないものの、
MH2では本来は砂漠にしか生息していないはずのスネークサーモンが
ジャンボ村の村内を流れる川や砂漠以外の各地のフィールドでも釣り上げることができてしまう。
村で釣れることに関してはたそがれの釣り人が自ら放流したからだと明言しているが、
これは現実で起きている外来種の持ち込み問題と全く同じことである。
他のフィールドで釣れる理由に関しては不明だが、
彼が得意気に放流を明言していた辺り、こちらも彼の仕業である可能性がある。- 一応、時系列で言えばMH2より後の時代であるMHP2以降の作品では、
(食材アイテムの扱いが変わったから等のメタな事情はさておき)スネークサーモンは全く釣れない。
よって、フィールドにおいては外来種として定着せずに淘汰されたと解釈することもできなくはない。
まあ、本来の生息地である砂漠でも全く釣れなくなってはいるのだが。
- 一応、時系列で言えばMH2より後の時代であるMHP2以降の作品では、
- MH3シリーズでは聡明な第一王女がある地域での飛竜の絶滅を防ぐべく、
別の地域から同種の飛竜の卵を移送することを計画し、ハンターに卵の納品を依頼している。
これは「元から存在する飛竜種の数を増やすために新たに卵を持ち込む」計画であるため、
現実世界で言うところの外来種の持ち込みには当たらない。- 現実世界では絶滅危惧種を一時的に安全な場所で保全・繁殖させ、
元の生息域に戻して個体数を増やすという絶滅危惧種保護の取り組みが行われている。
有名な例で言えば、日本の一部地域におけるアカウミガメの保護活動などが挙げられる。
卵をモンスターに委ねるという違いはあるが、第一王女の取り組みも似たようなものだろう。
- 現実世界では絶滅危惧種を一時的に安全な場所で保全・繁殖させ、
関連項目
世界観/天災
世界観/古龍渡り
フィールド/モガの森 - 作中において現在進行形で外来種の流入が多発したフィールド