原動機のこと。いわば車の心臓でもある。
ちなみに、電気自動車にはエンジンが無い!というのは嘘。電気で動力を得るモータ等は電動機*1と呼ばれる立派なエンジンの一種である。*2
以下に湾岸マキシでよく目にするエンジンの名称と大まかな搭載車を記す。
トヨタ
ハイフン前は「開発順+エンジン形式+世代*3」、ハイフン後は「そのエンジンの仕様」という命名法則がある。例えば2JZ-GTEであれば「2番目に開発されたJ系、第2世代エンジン群(Z)、スポーツツインカム(G)、ターボ仕様(T)、電子制御インジェクションエンジン(E)」という意味である。
なお本作に収録されているエンジンはないが、ダイナミックフォースコンセプト採用の2017年以降は「エンジン形式+排気量2桁+同一ブロック開発順*4」-「エンジン仕様」と日産に近い形になった。GRスープラは2017年以降の販売だが、これはBMWのエンジンなので例外。
- 5M-GEU
2.8L、CELICA XX 2800GT (MA61)に搭載された直列6気筒エンジン。同時期の初代ソアラ2.8GT(MZ11)や6.7代目クラウン2800ロイヤルサルーン(MS112/MS123)にも搭載された。
5Mと7Mの「U」は触媒付きエンジンの意味。当時は触媒有無の変遷期だったため、触媒付きエンジンにはUが振られたが、現在は全車触媒付きになったので、Uには別の意味が振られている。 - 7M-GTEU
3.0L、5M-GEUをベースに4バルブ化、排気量アップ等改良が加えられたM型最終エンジン。湾岸マキシでは搭載車種こそ存在しないが、原作では悪魔のZの前オーナー「朝倉晶夫」のかつての愛車70スープラ(MA70型*5)に搭載されていた。
その他、2代目ソアラ3.0GT(MZ21)にも搭載されていた。 - 1JZ-GTE
2.5L、CHASER Tourer V (JZX100)、MARK II TOURER V (JZX100)、SOARER 2.5GT-TWINTURBO(JZZ30)、SUPRA 2.5GT TWIN TURBO R (JZA70)に搭載され、M型エンジン亡き後、トヨタの直列6気筒主力エンジンとなった。
その分搭載モデルの数も膨大であり、上記モデル以外でもマークⅡ/チェイサー/クレスタ/ヴェロッサ(JZX81~JZX100/JZX110)、マークⅡブリット、11代目クラウン/クラウンエステート(アスリートシリーズ)等多岐に渡る。 - 2JZ-GTE
3.0L、Supra RZ (JZA80)、ARISTO V300 VERTEX EDITION (JZS161)に搭載されたJZ系で最強を誇るエンジン。-GE(ノンターボ)は多数搭載車種が存在するものの、ターボモデルは上記2車種しか存在しない。
そのハイパワーぶりと耐久性から主にドリフトやゼロヨンレースでのエンジンスワップに用いられ、チューニング次第では2000馬力も狙える強力なエンジンとして「トヨタ史上最強のエンジン」の呼び声も高く、国内外問わず評価の高いエンジン。2020年台のD1GPでは「まずこのエンジンを搭載するのが勝つ車の前提」としても過言ではないレベルで使用されている。 - 4A-GE
1.6L、SPRINTER TRUENO GT-APEX(AE86)に搭載される4バルブツインカムエンジン。前モデルである2T-Gと同様、トヨタの大衆車に数多く搭載された。後期になるとスーパーチャージャー搭載モデルや5バルブヘッド等バリエーションも多数存在する。
主な搭載車種は4~8代目カローラ/スプリンターシリーズ(AE8#系~AE111)、3~5、7代目カリーナ(AA63~T170、T210系)、3、4代目セリカ(A60、ST162)、初代MR2(AW11)等。
AWやAE92等、一部の4Aは「4A-GELU」という形式番号となっているが、Uは上の触媒付き、「L」はFF系車種*6でエンジン横置きの意味。その後FFは全車横置きに統一されたためにLの文字は廃止された。同じく縦横存在した3SにL付きエンジンがないのは、すでにFF車は横置き統一となっていたためである。 - 3S-GTE
2.0L、MR2 GT-S (SW20)に搭載される直列4気筒エンジン。4A-Gと同じくラインナップの中核となっていたエンジンでもある。こちらもNA仕様が存在したり、年次改良での変更等バリエーションは非常に多い。
頑丈かつパーツも多かった事からベースエンジンにされる事も多く、有名な所ではかつて全日本GT選手権(現SUPER GT)に参戦していたスープラ(JZA80)やJTCC(全日本ツーリングカー選手権)に参戦していた土屋圭市選手のアドバン・チェイサー(JZX100)にも搭載された。
主な搭載車種は初代~3代目セリカGT-FOUR(ST165~ST205)、2、3代目カルディナ(T210、T240)。 - 1UZ-FE
CELSIOR (UCF10)に搭載されるV型8気筒エンジン「F」は燃費重視ツインカムエンジン「ハイメカツインカム」の意味。シリンダーブロックの製造にトヨタ独自の「吸引鋳造法」が初めて使われた。『エンジンを掛けても、ヘッドカバーの上に置いたワイングラス(勿論ワイン入り)の中身が溢れない』という程、圧倒的な静粛性が持ち味のエンジンで、トヨタを代表する高級車に採用された。
主な搭載車種は8代目クラウン(UZS131)、初代~3代目クラウンマジェスタ(UZS141/143/145/147/151/157/171/173)、初代アリスト(UZS143)、3代目ソアラ(UZZ30)、初代、2代目セルシオ(UCF10、UCF20)。 - 2GR-FSE
CROWN ATHLETE (GRS204)に搭載されるV型6気筒エンジン。Dual VVT-i付き筒内直接燃料噴射(D-4S、型式の「S」の部分)を採用したエンジン。直噴仕様となるがいわゆる直接噴射だけではなく、ポート噴射式も併用した世界初の機構を持つエンジン。
主な搭載車種は、2代目マークX(GRX133)、IS350(GSE21)、GS350(GRS191、GRL10.15)、GS450h(GWS191)等
日産
命名法則は「エンジン形式+排気量2桁+エンジン仕様」。例えばRB26DETTであれば「RB系エンジン+2600cc+ツインカム(D)+電子制御インジェクション(E)+ターボ(T)+ターボ(T)。
- L28E
2.8L、Fairlady Z 280Z-T (S130)に搭載された日産内製の直列6気筒エンジン。悪魔のZに搭載されているエンジンはこれをベースに排気量を上げたものになる*7。S130Zの海外仕様にはターボモデル(ET)も存在した。
なおL型自体はL13からL28まで出ているが、L13-L20Bは4気筒で、L20(無印)-L28が6気筒と、同一シリーズ内に気筒数の違いまで含んでいる。
頑丈かつ数多く出回った事から日産ワークス製のLYヘッド*8やOS技研のTC-24*9等、エンジンの構造を大幅に変えるようなパーツまで登場した。
主な搭載車種は4、5代目セドリック/5、6代目グロリア(330、430)、4代目ローレル(C31)、初代レパード(F30)等。 - VG30ET(DE/DETT)
3.0L、FAIRLADY Z 300ZX (Z31)(VG30ET)、LEOPARD 3.0 Ultima (F31) (VG30DE)、Fairlady Z 300ZX TWIN TURBO (Z32)(VG30DETT)に搭載される、L28から変わる日産のフラッグシップ級車両に搭載されたV型6気筒エンジン。手前からSOHC&ターボ、DOHC&NA、DOHC&ツインターボとなる。
国産車280馬力規制を作ったのはこのVGエンジンである。搭載車種も多岐に渡り、ここの3機種だけでも6~8代目セドリック/7~9代目グロリア(Y30~Y32)、初代シーマ(F-Y31)初代、2代目レパード及びレパードJフェリー(F30、F31、JY32)、3、4代目フェアレディZ(Z31、Z32)がある。 - VQ35DE
3.0L、FAIRLADY Z Version S (Z33)に搭載されたV型6気筒エンジン、旧態化が目立ってきたVGエンジンを置き換える為に登場した。日産の昨今のフラッグシップ級モデルのほぼ全てに搭載されている為、バリエーションや搭載車種等も非常に多くなっている。
主な搭載車種は2代目ステージア(M35)、11代目スカイライン(V35)、初代フーガ(Y50)、初代、2代目エルグランド(E50、E51)等。 - VQ37VHR
3.7L、FAIRLADY Z Version ST (Z34)、FUGA 370GT Type S (KY51)、SKYLINE COUPE 370GT Type S (CKV36)に搭載されるV型6気筒エンジン。VHRのVは可変バルブ機構のV、HRはHigh-RevolutionでVQシリーズの高回転仕様という意味。
実はVQ-HRシリーズはVQ-DEシリーズから80%以上が変更されたほぼ新設計エンジンで、単純な排気量アップ版ではない。ぶっちゃけなんでVQの名前が残ったのが謎というレベル。
Z33後期のVQ35HR搭載モデルにはボンネットにパワーバルジが復活したが、それが設けられた理由が「VQ35HRは高さが高くなってそのまま載せるとボンネットにあたってしまうため、旧Zトリビュートも兼ねてボンネットに逃がしを設けた」ためである。
チューニングベースとしても非常に優秀で、ECUに手を加え、吸排気系を交換するだけで100馬力以上出力が上がるという報告もある。 - S20
2.0L、SKYLINE GT-R (KPGC10)、SKYLINE 2000GT-R(KPGC110)に搭載される、プリンス自工が設計した直列6気筒エンジン。プリンス(日産)R380に搭載されたGR8というレーシングエンジンをベースに市販車に搭載できるようにデチューンした物、最終のワークス仕様ではリッター100psを超えるなど圧倒的速さ、強さを誇り、GT-R伝説を作り上げた。
戦闘機のエンジンを設計した人物が手掛けている事もあり、現代のエンジンに負けず劣らずの工作精度で組まれたエンジン単体の価格は、車両本体販売価格の半額近くを占めたと言う。その他の搭載車はフェアレディZ432/432R(PS30、PS30S、PS30SB)。
ただ元々がレーシングエンジンだったため、扱いの難しさはデチューンしても変わらず、コンディションを保つのが非常に難しかったとか。 - RB26DETT
2.6L、SKYLINE GT-R (BNR32)、SKYLINE GT-R V-spec (BCNR33)、SKYLINE GT-R V-specII (BNR34)、STAGEA Autech Version 260RS (WGNC34)に搭載される直列6気筒エンジン。R32型スカイラインで登場し『Gr.Aで2年間負けないエンジン』として開発され、Gr.Aで無敵を誇っていたフォード・シエラコスワースを完膚無きまでに叩き潰してグループ1をGT-Rワンメイク化し、2年どころか4年近く戦い抜き最終的にGr.Aが消滅してしまう要因を作ったというモンスターエンジン。
2568ccという中途半端な排気量も、レースのレギュレーションに適合するように調節した結果である。基本的にスカイラインGT-R専用であるものの、シャシーを共有しているステージアにも搭載された。
鋳鉄ブロック故の重さや排気量の少なさから来るトルク不足には悩まされるが、ぶん回した時の刺激としては日本のエンジンでは随一とされ、Over11000回転、ブースト2kg/cm超え、推定1400馬力を受け止めた実績がある*10。 - VR38DETT
3.8L、GT-R (R35)シリーズに搭載されるエンジン。GT-Rを復活させるに当たり、完全新規で開発されたエンジン。
組み立ては横浜工場で行われるが、通常の流れ作業ではなく、専門の職人(匠)が専用の部屋で一機ずつ組み付けていき、品質検査を合格して*11初めて車体に載せられる。そして慣らし運転を行い、それらを全て完了したエンジンは、ヘッドカバーに匠の名前が記されたネームプレートを付けられてユーザーの元に届けられる…と言った感じで徹底的な品質管理を行なっている、名実共に日産最強のエンジン。 - SR20DET
2.0L、SILVIA K's (PS13)、180SX TYPE III (RPS13)、SILVIA K's AERO(S14)、Silvia spec.R (S15)に搭載された直列4気筒エンジン。雑多かつ旧態化していたZ型、FJ型、CA型等を置き換える為に登場した。その為、2.0Lモデルでも相当数存在し、搭載モデルも非常に多い。モデル最終盤には可変バルブリフト機能が追加されてSR20VETとなった。シルビア用のDETとはエンジンの搭載向きの関係で直接は乗らないのだが、ヘッドを移植するパターンも多い。
初期はロッカーアーム式のバルブと脆弱なアルミブロックに悩まされたものの、経験値が蓄積されるうちに他の4気筒エンジンと変わらない実績を上げるまでになった。
主な搭載車種は5~7代目シルビア(PS13~S15)、180SX(RPS13)、8、9代目ブルーバード(U12、U13)、4代目パルサー(N14)等。
ホンダ
一応「エンジン形式+排気量+制作順」なのだが、C32AとC32Bはほぼ別のエンジンだったりと微妙な部分も多い。
- C30A
3.0L、NSX (NA1)に搭載されたエンジン。元々はレジェンド用に開発された2.7LのC27Aを搭載予定だったが、排気量を拡大し、B型が採用を始めていたVTECを採用したのがこのエンジン。NAでありながら280馬力、最高回転数は8000rpmを許容する高回転ユニットである。
後期モデルからC32Bへ変更されたが、ATモデルは最後までこのエンジンのままだった。*12 - C32B
3.2L、NSX-R (NA2)に搭載されたエンジン、上記のC30Aをベースに排気量を3.2Lまで拡大したエンジン。1997年の一部改良時にMTモデルのみに設定された。
馬力自体は自主規制の280馬力のままだが、僅かながらトルクが大きくなっている。 - F22C
2.2L、S2000 Type S(AP2)に搭載されたエンジン。F20C(F22cとは別)は2LのNAながら250馬力を達成し、最高回転数は9000rpmという超高回転ユニットとなっている。
これをベースに排気量を拡大し、最高回転数とパワーを若干落として実用域のトルクを太らせたのがS2000 Type S (AP2)に搭載されるF22Cになっている。とは言ったものの、F22Cもノーマルの段階でレブリミット8000回転、最大パワーが7800回転という高回転型である事には変わりないんだが…
マツダ
ロータリーに関しては「排気量(四捨五入)+ハウジング形状+エンジン仕様」で固定だが、レシプロエンジンについては2桁目(排気量)の部分が数字と英字が入り混じっていて読みにくい。
現行のSKYACTIVに関しては1900cc以下は数字表示だが、2LはE、2.2LがH、2.5LがY。ただし3.3Lはなぜか「3」表記。
- 10A・12A・13B
マツダを代表する2ローターのロータリーエンジン。一般的なレシプロエンジン搭載車は数あれど、ロータリーエンジンを搭載しているクルマは湾岸マキシではマツダ車のみである。
10BはCosmo SPORTS (L10B)、12AはSAVANNA GT (S124A)とSAVANNA RX-7 TURBO SE-Limited (SA22C)(12A-T)、13BはSAVANNA RX-7 GT-X (FC3S)(13B-T)、RX-7 Type R (FD3S)(13B-REW)、RX-8 Type S (SE3P)(13B-MSP)に搭載されている。
10Aの時代では耐久性に悩まされる場面もあったが、時代の流れと共に克服していき、12Aではターボモデル、13Bではシーケンシャルツインターボ等も登場した。 - 20B
EUNOS Cosmo TYPE-S (JCESE)のみ搭載された3ローターエンジン。2ローターは他国の市販車にも搭載車は時折見られるが、3ローターは共産圏を除くと20Bが唯一になる。バブルでイケイケドンドン状態だったマツダを象徴するとされる贅沢なエンジンの一つ。
三菱
1桁目が気筒数、2桁目が使用燃料、3桁目が系列、4桁目が仕様。ただ1993年以降は同じ系列でディーゼルとガソリンの両バージョンを作ることがなくなったため、エボXの4B11のように2-3桁目をまとめて系列にすることも多い。
- 4G63
GALANT VR-4 (E-E39A)、LANCER Evolution III GSR(CE9A)、LANCER EVOLUTION V GSR (CP9A)、LANCER EVOLUTION VI GSR(CP9A)、LANCER Evolution VIII MR GSR(CT9A)、LANCER Evolution IX MR GSR (CT9A)に搭載されていた直列4気筒エンジン。通称シリウスエンジンとも呼ばれる。
1979年に発売された2代目ランサーことランサーEXの輸出仕様からランエボIXに至るまで実に30年近く搭載され、進化に進化を重ねていたため現在でも『世界最高の2Lターボエンジンの一つ』の呼び声が高い。エボⅨに搭載された4G63にはMIVEC(連続可変バルブタイミング機構)を搭載するがこのMIVECはリフト量の変化は行わず、吸気側のみの連続可変バルブタイミングである。
スバル
1-2桁目が形式、3-4桁目が排気量。ただ昔のエンジンだと排気量と数字が一致しないものもある。
- EJ20
初代のレガシィ(BC/BF)からWRX STI (VAB)までスバルのスポーツモデルに搭載され続けた水平対向4気筒エンジン。左右対称のピストン運動がボクシングに似ている事から通称ボクサーエンジンとも呼ばれる。
30年近くの実績と改良が施された御長寿である。これは極端に長かった日産のL型エンジンを除けば稀である。三菱4G63と並び4気筒最強エンジンの候補に上がるレベル。
ALCYONE SVX Version L (CXD)に搭載されたEG33も、EJ20のボアを95mmまで広げたEJ22をベースに2気筒足した系列エンジンである。
WRCでの活躍だけでなく、SUPER GTに参戦するBRZにも搭載されており2021年にはシリーズチャンピオンに輝いた。
水平対向の宿命として各種整備(特にタイミングベルト関連とプラグ交換)が難しかったりもするが、それも味とされる。
2025年をもってスバルはEJ20を36年間に及ぶモータースポーツでの活躍から現役を引退させる事が発表され、SUPER GTに参戦中のBRZ GT300も2026年からはALCYONE SVX Version L (CXD)に搭載されたEG33をベースに排気量を2932ccに縮小し、これにツインターボを組み合わせたものを搭載して走らせることとなった
その他
- GM Small Block
生産台数1億台とも言われる小排気量V8OHVエンジン。
排気量バリエーションは多すぎて書ききれないほど、下は262Ci(4.3L)から454Ci(7.4L)まである*13。
現在5世代目のLT-Small Blockまで生産されているが、材質が鋳鉄からアルミになった程度で、基本寸法自体は初代から全く変化がないんだとか。
そのため昔のSmall Block搭載車両に新型のSmall Blockを乗せるのも可能。なんならアフターメーカーが「エンジン単体」を平然と通販している。更に言うと「エンジンとECUとトランスミッションのセット」まで販売されている。
このセットのせいで「とりあえず車であれば何にでもV8」を乗せたがるアメリカ人の病気は深刻化したとも言える。
高回転化には不利とされるOHVと大排気量ながら軽々と6500回転、モデルによっては7000回転以上ぶん回るという、DOHC&小排気量が基本の日本からしたら異次元にも程があるエンジン。
それでいてGen3以降のアルミブロックシリーズではRB26単体より50Kg程度、ターボまで勘案すれば70Kgぐらい軽いという意外なエンジンである。
エンジン仕様自体もブチ切れチューンの高回転向けから排気量を活かしたトルク型、なんならスーパーチャージャーで更にドンまであり、コルベットのようなスポーツカーからエスカレードのような高級SUVまでGMのトップレンジを一手に担うエンジンとなっている。
ちなみにSmallと銘打っているということは当然Bigも存在し、そちらは348Ci(5.7L)から632Ci(10.3L)まで存在する*14。
あと8世代目コルベットZ06に搭載されているGemini Small Blockこと「LT6」は333Ci(5.5L)&DOHCという異端児。DOHCヘッドという禁じ手に更に禁じ手であるツインターボを重ねたZR1向け「LT7」は量産車向けエンジンながら1000馬力を突破した。
- Chrysler Hemi engine
L型エンジンのように片側で給排気する「ターンフロー」が一般的だったOHVだが、そのままではどうしてもヘッド形状を最適化やバルブ径の拡大がしにくかった。
そのため半球形の燃焼室を求めクロスフローエンジンを実用化したのがこのHemiエンジン。HemiとはHemisphericalの略で「半球」の意味。
当時としては驚きの高出力を発揮しSmall Blockと同様にマッスルカーの象徴となった。
ちなみにHemiと名付けられたエンジンは3世代存在するが、Small Blockとは異なり世代間の互換性は皆無。あとGen3に至ってはDOHC4バルブに似たペントハウス型燃焼室となり、Hemiの名は単なるハイパフォーマンスアピールとなっている。
チャージャー*15・ヘルキャット向けに制作された462Ciユニット、通称「Demon」は大容量スーパーチャージャーも追加され1000馬力を突破。エンジン自体はノーマルのままドラッグスリックを装着すると「発進時にウィリーする」というハイパーマッスルエンジンである。
なおチャージャー生産終了を記念した限定車「ラストコール」のトリを飾った「Demon 190」は更に過激化したエンジンを搭載し、ドラッグスリックだけ履かせたほぼノーマル状態で1/4マイル9秒切りを達成、ドラッグレースを管轄する全米ホッドロッド協会(NHRA)が「パフォーマンスが高すぎて危険なのでロールケージかドラッグシュートを装備しない限り管轄のレースにエントリーさせない」という出禁処置を行ったことで話題となった。