- 存護
お茶目な少女。写真撮影など、この年頃の少女が興味を持つような物事すべてに「執着」するべきだと思っている。
漂流する恒氷の中から目覚め、自分に関する記憶をすべて失っていることに気付いた少女は、しばらく思い悩んだ後、生まれ変わった日を自分の名前にすることに決めた。
この日、三月なのかは「誕生」した。
- 巡狩
仙舟の服に着替え、剣を扱う武侠少女となった三月なのか。
雲璃と彦卿に弟子入りして剣術を学び、仙舟でたくさんのいい「思い出」を作ろうと張り切っている。
- ストーリー詳細1
なぜ三月なのかは写真を撮るのか?
「第一に、ウチみたいな女の子はこういうことが好きなはずだから」
「第二に、写真に撮ったものは忘れたりしないから」
三月なのかが写真を撮る際に学んだことは?
「まず、暗黒料理は細部まで撮影すること!『撮ることは食べることと同じである。よく味わうべし』ってね」
「あと、自分が目を閉じて誰かを撮影すると、絶対に相手も目を閉じてるんだ!」
なぜ三月なのかはカメラを肌身離さず持ち歩いているのか?
「次にウチを氷の中に閉じ込める時は、絶対カメラも一緒に入れてよね!」
では、なぜ三月なのかはスマホを使って写真を撮らないのか?
「言われてみれば、なんでだろ——って、カメラのほうがそれっぽいからに決まってるじゃん!」
- ストーリー詳細2
能力は「六相氷」だが、三月なのかはそれは氷ではなく、ある種の凝固した結晶だと主張している。
「何度も言わせないでよね。あんなに綺麗な氷、見たことある?」
戦闘時に使用している弓矢も「六相氷」で形成したものだが、彼女は弓矢を使うことに不満を持っている。
「だって、弓を使うエースなんて見たことある?」
「それに、ウチが作った矢でウチが作った盾を攻撃しても何も起きないじゃん!」
そのため、以前は「斬星破宙・ビッググラスソード」という名の奥義の修行に励んでいたが、未だに成果は出ていない。
「三月ちゃん、名前からしてそれって大剣よね?」
「うん。でも、氷の像を落とした方が…効果があるかも」
- ストーリー詳細3
「車掌」のパム、「ナビゲーター」の姫子、「護衛」の丹恒、「なんでもできる」ヴェルトに対して、彼女は「勇者」を自称している。
三月なのか本人でも列車での自分の役割を説明することはできない。
しかし彼女の一挙手一投足は、しばしば列車組の行動方針に影響を与えている。
「三月ちゃんが転んだぞ……」
「三月、頭上の鉛鉱の玉に注意しろ」
「三月ちゃん、あっちの景色は撮った?」
「俺はなのかを信じている。あの子が不味いと言ったものは、本当に不味いからな」
つまり三月なのかは周囲を不安にさせているのではなく、むしろ気にかけられているのだ。
もちろん、三月なのかはそんなことには気付かずに、開拓者にぴったりな列車の役割を全力で考えている。
- ストーリー詳細4
様々な兆候が示していても、ずっと宇宙を漂っていた三月なのかにとって、目覚めた時の状況は悪いものではなかった。
何しろたまたま通りかかった列車に乗ることができて、そこの乗客たちも親切そうだったのだから。
唯一の問題は、周りの状況はそれなりに理解できても、自分のことはまったくわからないということだった。
「ウチは誰で、どこから来たんだろ……」
三月なのかは鏡の中の自分を見つめ、姫子が用意してくれた服を試着しながら、何十通りもの自分の身の上を想像した。
しかし、どれが自分の過去で、どれが自分のような少女に相応しい過去なのか…三月なのかはわからなかった。
彼女に選べるのは今の自分だけであり、彼女が想いを馳せることができるのは、この先の未来だけである。
三月なのかは恐れを抱くと同時に、喜びも感じていた。
- ストーリー詳細・仙舟
初めての羅浮、建木の天災、演武典礼…仙舟の変化を目の当たりにしてきた彼女は、自身の成長もその目で見届けてきた。
写真の中の少女は、花や木々の間を颯爽と駆け抜けている。そして力強い剣捌きによって散った花びらが、はらはらと彼女の服に舞い落ちていた。
どうやら以前の三月なのかとは一味違うらしい。
流れるような足の運び、余裕のある表情、いつの間にか双剣の扱いにも慣れてきたようだ。その成長は彼女自身、今の自分は本当に自分なのかと疑うほどである。
「う~ん…自分が何者なのか、その答えは自分で探さないと…」
彼女は心を決め、期待に胸を膨らませながら空を見上げた。無数の星々、無数の世界が彼女を見つめている。
「過去が…少しずつ増えてきてる」
彼女の過去と未来は、少しずつ新しい色に染まってきている。