E 100

Last-modified: 2025-12-20 (土) 22:39:40


Tier 10 ドイツ 重戦車 E 100 (エー フンダート)

 
E100_1110.JPG
↑15cm砲を装備している状態。12.8cm砲に比べ、短い砲身とマズルブレーキの有無で判別可能。
E100_1111.JPG
↑丸みを帯びたサイドスカートと箱形の砲塔が特徴的だ。
12.8cm砲の画像
E-100125.png
伝説迷彩
伝説迷彩「頑健なファイター」
E100_1112.JPG
E100_1113.JPG
頑健なファイター
2,840 gda.pngで購入可能。
適用中は車両名が「E 100 Stalwart」となる。
砲塔側面に白字で車両名が描かれているがなぜか「-」が付いており「E-100」となっている。
伝説迷彩「Jötunn」
Jötunn.jpg
Jötunn_.jpg
価格は2550 gda.png
適用中は車両名が「E 100 Jötunn」となる。
Jötunnとは北欧神話に登場する「霜の巨人」を指す。アイスランド語や古ノルド語でヨツン、ヨトゥン、ヨートゥンなどと発音される。自然が持つ破壊的な力の象徴であり、神々と度々争ったとされる。
伝説迷彩「フリームスルス」
Hrimthurs.jpg
Hrimthurs 2.jpg
Hrimthurs 3.jpg
適用中は車両名が「E 100 Hrimthurs」となる。
ver8.2以前の画像
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E-100125.png
Screenshot_20171208-212839~3.png
 

Tier XでIS-7と並び人気の高い重戦車。車体正面上部を始めとした非常に高い防御力に加え、強力な単発火力を誇る15cm砲を一応搭載することができる。
課金弾がHEATであるため扱いに注意が必要なほか、精度や弾速・通常弾貫通力にもやや難がある。
度重なるアップデートで一部の弱点は改善されつつあるが、依然として得意不得意がはっきりしているため油断は禁物。

 
車両性能に関する変更点
BUFF/NERF
v11.15エンジン出力: 1,260 馬力 → 1,330 馬力
後退速度: 15 km/h → 12 km/h
・主砲「12.8 cm Kw.K. 44 L/55E」
 ・100 m の散布界: 0.364 m → 0.355 m
 ・主砲の装填時間: 10.55 秒 → 10.07 秒
 ・照準時間: 4.8 秒 → 4.6 秒
・主砲「15 cm Kw.K. L/38E」
 ・主砲の装填時間: 18.98 秒 → 17.74 秒
 ・AP/HEAT/HE 弾の平均ダメージ: 660/580/1,020 HP → 645/570/990 HP
v11.3エンジン出力: 1200 hp → 1260 hp
重量出力比: 9.3 馬力/t → 9.7 馬力/t
車体の旋回速度: 27.86 度/秒 → 26.75 度/秒
主砲「12.8 cm Kw.K. 44 L/55」
 ・AP 弾の平均貫通力: 250 mm → 256 mm
 ・装填時間: 12.46 秒 → 10.55 秒
 ・照準時間: 5.9 秒 → 4.8 秒

主砲「15 cm Kw.K. L/38」
 ・AP 弾の平均貫通力: 258 mm → 254 mm
 ・AP 弾の平均ダメージ: 680 HP → 660 HP
 ・砲塔旋回時の散布界: 0.1 → 0.12

v10.3AP/HEAT/HE 弾の平均ダメージを 640/545/960 HP から 680/580/1,020 HP にそれぞれ上昇
装填時間を 17.45 秒から 18.98 秒に延長
v9.0砲塔前面の主装甲を 250 mm から 270 mm に強化
車体の旋回速度を 20.83 度/秒から 26.04度/秒に向上
装填時間を 16.49 秒から 17.45 秒に延長
100 m の散布界を 0.384 m から 0.403 m に拡大
v3.9・15 cm Kw.K. L/38砲のAP貫通力:258mm
v1.5・12,8 cm Kw.K. 44 L/55砲の装填速度:13.23秒
・15 cm Kw.K. L/38砲の装填速度:16.27 秒
 

直近90日の平均勝率:49.9%(使用者173,000人中)(2025年12月03日現在、BlitzKit調べ、ver11.15.0)
※平均勝率は参考数値であり、その車両の絶対的な強さを示すものではありません。

過去の統計

直近90日の平均勝率:49.1%(使用者201,000人中)(2025年5月11日現在、BlitzKit調べ、ver11.8.0)
直近90日の平均勝率:52.78%(2021年7月14日現在、BlitzStars調べ、ver8.0.x)

基本性能(v11.15.0)

※以下の数値は最終装備かつ、スキル・常備品・拡張パーツの効果が未反映の数値

車両名Tier国籍タイプ耐久値
(hp)
車体装甲厚
前面/側面/背面
(mm)
最高
速度
(km/時)
重量
(t)
視認
範囲
(m)
隠蔽率
静止中/移動時/発砲時
(%)
本体価格
(クレジット)
E 100Xドイツ重戦車2750200/120/15030/12129.42505.10/2.60/0.696,100,000cra.png
 
※15 cm Kw.K. L/38E搭載時
実用出力重量比(hp/t)10.3
 

主砲

Tier名称装填時間
(秒)
発射速度
(発/分)
弾種平均
ダメージ
(hp)
平均貫通力
(mm)
DPM
(hp/分)
弾速
(m/秒)
着弾分布
(m)
照準時間
(秒)
仰俯角
(度)
総弾数
X12,8 cm Kw.K. 44 L/55 E10.555.69AP
APCR
HE
460
390
600
256
311
65
2741
2324
3576
920
1150
920
0.3552.17+20°/-7°72
X15 cm Kw.K. L/38E17.743.38AP
HEAT
HE
645
570
990
254
334
85
2182
1928
3348
757
606
757
0.4032.78+20°/-7°50
 

※「着弾分布」:100mでの着弾分布。
※「照準時間」:照準円が最大まで広がった状態から、3分の1の大きさへ収束するまでにかかる時間。ゲーム内では最小の大きさへ収束するまでにかかる時間が表示されています。

 

砲塔

Tier名称装甲厚
前面/側面/背面
(mm)
旋回速度
(度/秒)
XE 100270/150/15016.7
 

エンジン

Tier名称出力
(馬力)
XMaybach Neues Projekt1330
 

履帯

Tier名称旋回速度
(度/秒)
XE 10025.0
 

乗員

  1. Commander
  2. Driver
  3. Gunner
  4. Radio Operator
  5. Loader
 

派生車両

派生元:E 75
派生先:なし
関連車両Jagdpanzer E 100

 

開発ツリー

E 75E100
259,000fa.png
Gun.png
12.8 cm Kw.K. 44 L/55
turret.png
E-100-Turm Ausf. B
Gun.png
15 cm Kw.K. 44 L/38
64,800fa.png
engine.png
Maybach HL 295 Ausf. B
suspension.png
E-100-Ketten
 

fa.png:必要経験値

解説

装甲

車体
車体正面上部は200mmの傾斜60度で実質約400mmで、この値はMausを上回る。この部位を真正面から貫通できる戦車はごく一部のTD、具体的にはHo-Ri Type IIIJg.Pz. E 100Object 268しかおらず、しかも拡張パーツの砲弾調整を積んで課金弾を使用した場合のみである。
しかし正面下部は150mmの傾斜50度で実質約240mm程度、下手をすれば格下の通常弾でも貫通できる。そして車体下部に大きなエンジン判定があり、下部を晒すのは相変わらず危険である。

側面は120mmと数値だけ見るとE 75と変わらないように見えるが、丸みを帯びたサイドスカートが60mmの追加装甲扱いであり、さらに太い履帯は40mmの空間装甲扱いなので、HEAT弾をことごとく吸収する。豚飯や昼飯を駆使すれば脅威の防御性能を発揮してくれるだろう。
このため仮にMTに側面を取られたとしてもHEAT弾を吸収できる可能性があるが、AP系にはそれほど強い訳ではない。相手の砲ロ径にもよるが、豚飯の角度が甘いと履帯ごと側面を撃ち抜かれてしまう点には注意。

なおモジュール配置は通常のドイツ車両仕様である。正面下部にトランスミッション、側面上部に弾薬庫、車体後部にエンジンと燃料タンク。
 
砲塔
砲塔正面は30度程度の傾斜が付いた270mmの傾斜装甲で、実質約310mm前後*1の装甲となる。これにより、貫通力を上げていない軽中戦車の課金弾*2は防ぐことが可能。
重戦車の課金弾や貫通力を強化した中戦車には安定して貫通されるため、依然としてMausと同様に防御力を底上げする「よそ見」のテクニックの取得は必須である。
防盾は実質500mm以上が確保されており非常に硬く、砲塔正面を狙われた場合に当たって弾く場合がある。とはいえ全く期待できるものではないので、よそ見はやはり必要である。

また砲塔の頂上部についている棒状の物体(ステレオレンジファインダー)が実質220mm程度で、共に正面から狙える弱点となっている。特にハルダウン中には隠すことも出来ないため注意が必要。

なお、砲塔後部には弾薬庫(280HP/大口径砲2発分)が詰まっているので注意。

よそ見の目安Ver9.0以前の画像

砲塔の形状はほぼ箱形なので、以下の図(BLITZ HANGERのモデルを使用)の様に装填中は砲塔を30度ほどよそ見して見かけの装甲厚を更に増すことが出来る。
正面装甲が340mm程度、左側の側面装甲部は400mmを超え、Tier10駆逐の課金弾ですら貫通させることがほぼ不可能となる。
E100_yosomi.png

角度は真上から見た時に砲塔の底面の対角がサイドスカートの端に乗る程度と覚えておこう
(敵が真正面にいてなおかつ車体正面を敵に向けている場合)。
E100_yosomi2.png

 

主砲

砲はE75から引き継いだ12.8cmと新たに開発する15cm砲がある。
12.8cm砲は装弾数・リロード時問が改善され、以前よりも使い易くなっている。15cm砲と迷ったらこちらの12.8を積んでおけば良い。

  • 15 cm Kw.K. 44 L/38
    同格TD並みの高い単発火力を持ち、甲高い轟音と共に大口径の砲弾を発射するロマン砲である。
    重戦車中1位のAPで660、榴弾は驚異の1020となっている。しかし装填時間が絶望的に長く、DPMは同格HT中堂々のワースト1なので1発を大事に撃っていく必要がある。弾を外すか弾かれるくらいなら高威力のHEを撃とう。
    APの貫通力が254mm(砲弾調整で貫通力を上げれば271mm)まで上がったが、IS-4やMausなど、同格重戦車と正面から対峙するときは貫通力が334mm33-4(砲弾調整で貫通力を上げれば367mm)のHEAT弾に頼らざるを得ない場面が多い。無論、HEAT弾は空間装甲に弱いので用心すること。
    精度は他重戦車と比べると悪め。しかしE 100自体が重戦車であり最前線で戦うのが仕事であるので、それほど気になることはないだろう。

また大口径により榴弾の貫通力も85mm(貫通強化で94mm)と高く、爆風範囲も広い。
Grille 15WT auf Pz. IV、軽戦車の側背面に撃つ・相手戦車の占領妨害や履帯切り・HEATでも貫通の見込みが乏しい相手(側面しか見せていない重戦車、頭だけ見せているソ連・中華戦車等)へチクチクダメージを与える・ミリ残しの相手を確殺するなど使用機会は多い。だいたい10~13発くらいは積んでおこう。

 

機動性

130トン近い重量に見合った鈍重さで、加速や旋回には遅れをとる。
1200馬力のエンジンを持ってしても出力重量比が足りておらず、坂道などで大きく減速してしまう。

最高速は30km/hで平地での最高速への到達は存外早いため、同郷のMausより幾分かはマシといったところ。
しかしとっさの陣地転換や切り返しは依然難しいため、前線の位置や敵軽中戦車の回り込みなどを予想しながら進軍することが要求される。

最新アプデに伴い、後退の最高速が15km/hから12km/hにナーフされた。以前よりもやや慎重に撃ちに行く必要がある。

 

総論

ドイツ高Tier重戦車の常ではあるが、最前線がこの戦車の持ち場である。
重装甲ゆえに金弾を撃たれることもしばしばあるだろうが、車体下部を隠すことや昼飯・豚飯を駆使することで相当耐えることができるはずである。よって自分に敵の注目を集めさせて、味方に側面をついてもらう戦い方が有効だろう。また最高速度が30km出るなど、ある程度陣地転換に融通がきくのもこの戦車の強みだ。
以上よりE 100は重装甲・高めの単発火力・中機動力といった特徴を持つ、ドイツ車両にしてはバランスのとれたオールラウンダーという位置付けが相応しい。

 

立ち回り方

Tier10車両のページで言うまでもないが決して芋や狙撃はしてはならない。
これまでのツリー同様、高火力の主砲と硬い装甲を駆使して前線を張ることがこの車両の仕事となる。
分厚い側面にはサイドスカートもあるため豚飯をしていればかなり弾いてくれる上に、HPは2750とかなり多め(Tier10車両2位)である為、その高火カとHPを活かした単発交換で敵より優位に立つ事が出来る。
余談であるが、前述の通り人気車両のため、非常にMバッジを取りにくい車両でもある。

小隊を組むのなら敵車両をスポットしてくれる中戦車や、同じE 100と組んだ高火力小隊も良いだろう。

 

特徴

長所

  • 大口径・重装甲故の威圧感(15cm砲)
  • ゲーム内5位の高い単発火力(15cm砲)
  • 伸びのいい榴弾ダメージ(15cm砲)
  • 高いDPM(12.8cm砲)
  • ゲーム内3位の豊富なHP多少の無茶が効く
  • そこそこ頼れる砲塔装甲(通常時:310mm,よそ見時:350mm)
  • 非常に堅牢な車体装甲上部・防盾部
  • 空間装甲としての役割を果たすサイドスカートと転輪部

短所

  • 劣悪な機動力と隠蔽率(前線に着くまでに手痛い通行料を取られることも)
  • 薄い上に面積の広い車体下部(ドイツ戦車おなじみのトランスミッション判定付き)
  • 砲塔が垂直なのでよそ見が必要(よそ見中は攻撃不可)
  • 遅めの砲塔旋回
  • 車高が高いためソ連戦車に張り付かれると詰む(最後の足掻きとして榴弾を撃つか運ゲーショットをするしかない)
  • 長い装填時間により低すぎるDPM(15cm砲)
  • 初期砲よりも貫通力が下がってしまう砲(15cm砲)
  • 劣悪な照準速度と砲精度(15cm砲)
  • WGに存在を忘れられているため強化は期待できない
  • 現状どちらの主砲を選んでも同格重戦車の下位互換的存在

歴史背景

クリックで表示
E-100_0.png
2015-12-31 13.48.43.jpg

wikipediaより
 E 75、E 50、E 25、E 10の一連の戦車と同じく、戦車の各種構成品を共通化して生産性を高め、また重量ごとに戦車の標準化を行おうという E(Entwicklungstypen=開発タイプ)計画の一環として計画されたEシリーズ版Mausとも言うべき重戦車。
ちなみに本車両以外のEシリーズは車体すら完成していない。
外見も避弾経始に優れた装甲スカートで丸みを帯びた車体に箱型の砲塔が乗った姿をしている。一見、それまでのEシリーズらしからぬ戦車にも見えるが、車体後部の排気管の形状にEの系譜の証を見る事ができる。
 試作車輌はTiger IIと同じ HL230P30 エンジン (700hp) を搭載予定であったが、生産型では HL234 エンジン (800hp) 又は計画中であった過給器付エンジンとなる予定であった。
 マウスの砲塔の流用が予定されていたため、12.8 cm 戦車砲 (12.8 cm Kw.K 44 L/55) 及び 7.5cm 戦車砲 (7.5 cm Kw.K 44 L/36.5) が装備されることになっていたが、最終案として 15cm 戦車砲 (15 cm Kw.K. 44 L/38) 及び 7.5 cm 戦車砲 (7.5 cm Kw.K. 44 L/36.5) 又は 17 cm 戦車砲 (17 cm Kw.K. 44) の搭載も計画されていた。ただし17cm戦車砲を搭載するには砲塔のスペースが足りないので他の駆逐戦車同様の固定式砲塔に改めなければならなかった。このゲームではJagdPz E 100として実装されている。
 また、30.6cm ロケット推進砲も用意されていたようだが詳細は不明である。
 車体前面装甲厚はマウスと同じ200mmであるが傾斜角60°で取り付けているためマウスを上回る防御力を備えている(単純計算で400mm厚に相当する。実際には砲弾が滑りやすい高傾斜な点を考慮にいれると400mmを大幅に超える厚み分の耐弾性を持つと思われる)。車体側面装甲厚は120mmで垂直に取り付けているが、その上に避弾経始に優れた曲面を持つ60mmの装甲スカートを装着する構造となっている。

 

WoT公式「戦車辞典」より
1943年6月、アドラーヴェルケ製作所はE 100の開発を受注しました。しかし、1944年にこの重戦車の開発は中止されました。終戦までに車体のみが完成し、これは後にイギリス軍に接収されました。

 
戦車研究室より:長文

戦車研究室より

E-100超重戦車

E-100は、第2次世界大戦の長期化に対応してドイツ陸軍が戦車開発の標準化、規格化を推進しようとしたプロジェクト「Eシリーズ」の中から生まれた超重戦車である。
ちなみにEシリーズの”E”は、ドイツ語で「開発」を表す「Entwicklung」の頭文字を採ったものである。
ドイツ陸軍兵器局第6課はEシリーズの設計に当たって、次の点に注意するよう求めた。

当時戦車の戦闘力が高まるにつれ、より大口径の火砲を搭載し車体が大型化する傾向があったが、これは必然的に車体重量の増加をもたらし悪影響を及ぼしつつあった。
これを避けるためEシリーズは極力車体を大型化(すなわち重量の増加)すること無く、戦闘室容積を拡大することが求められた。

この結果、Eシリーズに採り入れられた設計上の工夫は次のようなものであった。
まず第1点は機関系をパワーパックとして小型一体化して、車体後部に配置するというものであった。
これは小型一体化することで機関室のスペースを縮小するだけでなく、車体後部の機関室から車体前部の変速・操向機に繋いでいたドライブシャフトのスペースを節約することもできた。

またパワーパックを車体後部に置くことは、前面装甲板を強化することで生じる車体重量のアンバランスを改善する代償重量の役割を果たすことにもなった。
なお、使用するパワーパックについては小型一体化と共に製造および保守の容易さも求められ、Eシリーズの全車種に対して2種類のパワーパックで間に合わせることとされていた。
第2点は、サスペンションの外部搭載の試みであった。

当時のドイツ陸軍戦車は先進的なトーションバー(捩り棒)式サスペンションを採用していたが、このサスペンション方式は緩衝性能が優れている反面、トーションバーが車内下部を貫通しているため車内スペースが減少し、車体下面に脱出用ハッチが設けられないなどの問題があった。
このためEシリーズでは各車で装置の形状に若干の相違はあるものの、全て車体外側にサスペンションを取り付ける方法が採られることになった。

この他地雷に対する防御力も向上させることが求められ、車体下面装甲の強化が図られた。
また戦車の駆動方式はフロントドライブの方が、履帯が外れるトラブルが少ない等の優れた点があるにも関わらず、Eシリーズではパワーパックを車体後部に置いてリアドライブとしたが、これは地雷による被害に対して抗堪性を高める目的もあった。
Eシリーズではその他に装甲板、火力コントロールの安定化などの研究も行われた。

Eシリーズは1944年に生産されるドイツ陸軍戦車の後継として位置付けられており、戦闘重量10~15t級のE-10駆逐戦車、25~30t級のE-25駆逐戦車、パンター戦車の後継となる50t級のE-50戦車、ティーガーII戦車の後継となる75~80t級のE-75戦車、そして130~140t級のE-100戦車の5種類の開発が計画されたが、いすれも途中で開発が中止されたり試作車の製作途中で終戦を迎えている。

E-100戦車はEシリーズの中で最大クラスの車両であったが、意外なことに1945年5月の敗戦までにシリーズ中で最も試作車の製作が進んでいた。
E-100戦車の開発は、1943年6月30日に開始された。
開発契約はフランクフルトのアドラー社に与えられ、ヤェンシェック博士を中心に開発作業が進められた。

しかし1944年11月にヒトラーによって、E-100を含む当時計画されていた全ての超重戦車の開発中止命令が出されたため、E-100戦車の量産化を目標とした開発作業は取り止められ、試作車の製作だけがわずか3名のアドラー社の技師によって、ハウステンベックに置かれたヘンシェル社の工場で細々と続けられた。
しかし結局完成には至らず、製作途中のE-100戦車の試作車は1945年春に侵攻してきたアメリカ軍(恐らくホッジス中将の率いる第1軍の先遣部隊と思われる)に接収された。

E-100戦車の車体形状はパンター戦車やティーガーII戦車と類似したものであったが、車体がそれ以上大型化することを防ぐため、パンター戦車やティーガーII戦車では適度な傾斜が与えられていた側面装甲板は垂直とされ、その分減少する耐弾性の向上を図って、車体側面には3分割された着脱式の装甲スカート(装甲厚は50~60mm程度と思われる)が装着されるようになっていた。

車体の装甲厚は前面が200mm、側面が120mm、後面が150mmで、同時期にシュトゥットガルトのポルシェ社が開発を進めていた超重戦車マウスよりは若干劣るものの、充分過ぎるほどのものであった。
E-100戦車の車内レイアウトは車体前部が操縦室、車体中央部が砲塔を搭載した戦闘室、車体後部が機関室という一般的なものであった。

Eシリーズの設計指針とは異なり、E-100戦車は従来のドイツ陸軍戦車と同じくリアエンジン/フロントドライブ方式を採用しており、車体内にドライブシャフトが走っていた。
E-100戦車の試作車は車体部分が途中まで製作されただけで砲塔については結局製作されず、試験時には同重量のダミー砲塔を搭載することとされた。

計画ではエッセンのクルップ社が開発したマウス戦車と同一の全周旋回式砲塔を搭載することになっており、武装は主砲として55口径12.8cm戦車砲KwK44を装備し、さらに副砲として36.5口径7.5cm戦車砲KwK44を主砲の右側に同軸装備するという重武装であった。
また最終的には主砲として38口径15cm戦車砲KwK44、または17.4cm戦車砲KwK44を装備することが考えられていた。

E-100戦車の弾薬搭載数は、12.8cm砲搭載型の場合マウス戦車と同じく12.8cm砲弾24発、7.5cm砲弾200発で、15cm砲用の弾薬はこれより少なくなるものと思われるが、正確な数字は出されていない。
E-100戦車の砲塔側面には前後にクレーン装着用の固定具がそれぞれ上下に装着される予定で、これがマウス戦車の砲塔との相違点となっている。
このクレーンは装甲スカートの着脱に用いるもので、取り外した装甲スカートの装着具も兼ねていた。

E-100戦車のエンジンについてはE-50戦車、E-75戦車と同様、フリードリヒスハーフェン・マイバッハ発動機製作所製のHL234 V型12気筒液冷ガソリン・エンジン(出力800hp)が使用される予定であった。
変速機は新たに開発された同社製の「メキドロ」(Mekydro)半自動変速機(前進8段/後進4段)で、戦闘重量140tのE-100戦車を路上最大速度40km/hで走行させることが可能となっていたそうである。

しかし、実際はエンジンおよび変速機は試作車の製作時には間に合わなかったため、走行試験のためにティーガーII戦車に使用されたマイバッハ社製のHL230P30 V型12気筒液冷ガソリン・エンジン(出力700hp)と、同社製の「オルファー」(Olvar)OG401216B半自動変速機(前進8段/後進4段)がとりあえず搭載されたという。
ティーガーII戦車と同じエンジンを搭載したこともあって、E-100戦車の機関室レイアウトはティーガーII戦車と酷似しており、エンジン点検用ハッチの左右には吸/排気グリルが設けられていた。

これは中央の円形グリルから外気を導入し、その前後に設けられた長方形のグリルから熱気を排出するもので、エンジンへの空気は点検用ハッチ中央に配された2個の装甲カバー付き吸気口から導入される。
この他車体後面の排気管や燃料注入カバー、冷却水注入カバー、吸気口カバーなどもティーガーII戦車に酷似していたが、潜水装備は最初から考慮されてはいなかった。

E-100戦車のサスペンションはアドラー社が新たに開発したもので、他のEシリーズと同様車内スペースに影響しないように車体側面に外装式に取り付けるよう設計されていた。
このサスペンションは車体側面中央部に前後に走る小型の構造材を設け、各転輪アームの前後に縦型コイル・スプリングを収めたケースを縦に装着してその上端を前述の構造材に取り付け、ケースの下端は転輪アームの下部前後に張り出した固定部に取り付けるという極めて簡単な構造であった。

各サスペンションアームには複列式の転輪が取り付けられ、片側8個の転輪がティーガーII戦車と同じくオーバーラップ式に配置されていた。
E-100戦車の転輪は直径900mmで、内部にゴムを収めた鋼製転輪であった。
第1、第2、第8転輪のサスペンションアームには、それぞれショック・アブソーバーが装着されていた。

E-100戦車の履帯は幅が1,020mmもある巨大なもので、この幅広履帯のおかげで接地圧を抑えることができた。
車体前部の起動輪と後部の誘導輪はいずれも外側部分を取り外すことができたが、これは鉄道輸送の際に貨車からはみ出さないように採られた措置で、加えて第2、第4、第6、第8転輪の外側部分も外した状態で、幅550mmの狭い鉄道輸送用履帯を装着して貨車に搭載するようになっていた。

車体側面の装甲スカートが着脱式となっていたのはこの鉄道輸送を考慮したためで、外された装甲スカートは鉄道輸送時には砲塔側面に装着するようになっていた。
結局E-100戦車はサスペンションが不足し、車内部品も不完全な試作車体のみが完成するに留まり、アメリカ軍がヘンシェル社のハウステンベック工場に到達した時には虚しくその残骸を晒していたに過ぎなかった。

E-100戦車に関心を持ったアメリカ軍は試作車の製作作業の続行を命じ、1945年5月頃には機関系や転輪などを装着して車体のみが一応完成した。
しかし走行自体はできなかったようでこの時点でアメリカ軍は興味を失ってしまったのか、E-100戦車の試作車体をイギリス軍に提供してしまった。

E-100戦車を受け取ったイギリス軍は1945年6月にトレイラーに載せて海路イギリスに運び、ボーヴィントン戦車試験場で履帯の装着が行われた。
しかしイギリス軍もまた本車への興味を失ってしまったようでその後の記録には登場せず、恐らくスクラップとなってしまったものと思われる。

<E-100戦車>

全長:    10.27m
車体長:   8.69m
全幅:    4.48m
全高:    3.29m
全備重量: 140.0t
乗員:    6名
エンジン:  マイバッハHL234 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン
最大出力: 800hp/3,000rpm
最大速度: 40km/h
航続距離: 120km
武装:    38口径15cm戦車砲KwK44×1
        36.5口径7.5cm戦車砲KwK44×1 (200発)
        7.92mm機関銃MG42×1 (5,000発)
装甲厚:   40~240mm


コメント

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    するとこのように表示される
    Screenshot 2023_06_12 17_09_11.png
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    ドロップ報告板 World of Tanks Blitz Wiki 掲示板 - zawazawa - Google Chrome 2023_06_12 17_08_07.png
  4. 画像で示されているプレビューボタンを押して問題がなければ送信。
ツリー化、枝化について

ツリー化、枝化とは?


  • コメント1 -- 2018-09-28 (土) 6:00:00
    • コメント1に関連したコメント2 -- 2018-09-28 (土) 7:00:00
    • コメント1に関連したコメント3 -- 2018-09-28 (土) 8:00:00
      • コメント3に関連したコメント4 -- 2018-09-28 (土) 9:00:00

上のように、関連するコメントを子要素にすることを「ツリー化」「枝化」などと言います。
この「ツリー化」を行わないと、どのコメントに対する意見なのか分かりにくくなることがあり、混乱を招くため、必ず関連するコメントをするときは「ツリー化」を行ってください。

  • ツリー化を行うには既存のコメント文頭にある、〇をクリック(タップ)し、●にしてからコメントを投稿してください。
    Desktop Screenshot 2019.09.28 - 01.24.40.13.png
  • zawazawaから投稿する場合は、既存コメント下部の+をクリックし、「>>〇(数字)」と表示された状態にしてからコメントを投稿してください。
    Desktop Screenshot 2019.09.28 - 01.25.44.30.png
    Desktop Screenshot 2019.09.28 - 01.25.52.09.png
ツリー化を間違えた場合

ツリー化を間違えた場合
投稿後にツリー化を行うことはできません。
後からツリー化を行う場合は、まず投稿したコメントの末端部分、投稿日時横の「zawazawaで見る」アイコンをクリック(タップ)します。
Desktop Screenshot 2019.09.28 - 01.24.48.37.png
リンク先で投稿したコメントの詳細表示がされるので、「削除」をクリック(タップ)して、投稿したコメントを削除してから、再度投稿しなおしてください。
Desktop Screenshot 2019.09.28 - 01.25.32.74.png

ログインするメリットとなりすまし防止

ログインするメリットとなりすまし防止

zawazawaによるコメント欄は、もちろんログインせず、誰でも書き込むことが可能ですが、ログインすることにより以下のようなメリットがあります。

  • 「なりすまし」が行われない
    「なりすまし防止」欄で解説していますが、エイリアスがログインすることにより固定されるため、他人からなりすましをされる可能性が極めて低くなります。
  • コメントごとに「通報」を行うことが可能
    ログインすることでコメントごとに通報をすることが可能になります。
    詳しくは「コメントを通報するには」へ。
  • ログインしても匿名性を保てる
    通常、ログインするとハンドルネームが表示されてしまいますが、「アカウントと関連付けない」を選択してから投稿すると、ログインしてないコメントと同様に表示されます。

Diffanaと異なり、メールアドレス、Twitterから登録可能で、本Wikiの運営会社(wikiwiki.jp)が運営しているので、比較的信頼度の高いサービスとなっています。

また、zawazawaによるコメント欄では、どのコメントとどのコメントが同一人物なのか、ある程度特定することが可能です。

  1. 同一かどうか確認するには、まず各コメント欄上部にある「すべて表示」をクリック(タップ)します。
  2. 各コメントの投稿日時の後ろに、英数字が記載されていますが、これは「エイリアス」といい、ブラウザ、回線等を総合的に判断して乱数によって自動的に設定されます。
    comment2.png
    このエイリアスを確認することにより、投稿されたコメントがどのコメントと同一人物なのかを判断することができます。
    また基本的にブラウザ、回線を変更してもこのエイリアスは変更されないため、なりすまし防止にも役立ちます。
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*1 308~316mm
*2 Sheridanの課金弾(310mm)を除く