Tier 10 ソ連 Object 140(オブイェークト・ストー・ソーラク)



4,000
適用中は車両名が「Object 140 Terror」となる。



価格は6,500
適用中は車両名が「Obj. 140 Desert Assault」となる。


価格は4,000
車両はObject 140だが、他のソ連Tier10車両にもそれぞれ同様の付属品を購入、適用できる。





戦後第一世代戦車であるT-54の量産を成功させたソ連は、早くも火力・防御・機動力の三大要素に優れた画期的次世代戦車の開発をスタートさせた。
Object 140は、ウラル貨車工場第520設計局から提出された試作戦車である。
| BUFF/NERF | |
| v11.15 | ・最高速度: 60 km/h → 64 km/h ・エンジン出力: 740 馬力 → 757 馬力 ・装填時間: 5.66 秒 → 5.55 秒 ・視認範囲: 265 m → 260 m ![]() |
| v11.3 | ・AP/HEAT/HE 弾の平均貫通力: 240/290/50 mm → 244/298/50 mm ・AP 弾の平均ダメージ: 300 HP → 310 HP ・100 m の散布界: 0.326 m → 0.307 m ・照準時間: 3.3 秒 → 3.4 秒 ・装填時間: 5.37 秒 → 5.66 秒 |
| v10.3.0 | ・視認範囲を 270 m から 265 m に縮小 ・AP/HEAT/HE 弾の平均ダメージを 310/260/420 HP から 300/250/410 HP にそれぞれ低下 ・装填時間を 5.9 秒から 5.37 秒に短縮 ・100 m での散布界を 0.336 m から 0.326 m に縮小 ・出力重力比を 19.5 馬力/t から 20.6 馬力/t に上昇 ・砲塔の旋回速度を 41.72 度/秒から 45.89 度/秒に上昇 ・車体上部の装甲を 100 mm から 90 mm に弱体化 ・砲塔下部の装甲を 225 mm から 185 mm に弱体化 ・主砲防盾の装甲を 250 mm から 190 mm に弱体化 |
| v9.0 | ・グラフィックを改善 ・最高速度を 55 km/h から 60 km/h に向上 ・エンジン出力を 580 馬力から 700 馬力に強化 ・視認範囲を 260 m から 270 m に拡大 ・静止時の隠蔽率を 0.29 から 0.3 に向上 ・車輌の耐久性を 1,850 HP から 1,800 HP に低下 ・車体の下部装甲を 110 mm から 70 mm に低下 ・砲塔の前面装甲を 240/170/120/100 mm から 225/120/80/80 mm にそれぞれ低下 ・砲塔の側面装甲を 196/187 mm から 80/80 mm にそれぞれ低下 ・砲塔にあるキューポラの側面装甲を 160 mm から 80 mm に低下 |
| v3.6 | ・APCR 砲弾の貫通性能を 264mm から 240 mm に弱体化 ・HEAT 砲弾の貫通性能を 330 mm から 290 mm に弱体化 ・砲塔装甲を再構成、弱体化 |
直近90日の平均勝率:50.0%(使用者57,000人中)(2025年12月03日現在、BlitzKit調べ、ver11.15.0)
※平均勝率は参考数値であり、その車両の絶対的な強さを示すものではありません。
直近90日の平均勝率:50.4%(使用者38,000人中)(2025年5月11日現在、BlitzKit調べ、ver11.8.0)
基本性能(v11.15.0)
※以下の数値は最終装備かつ、スキル・付属品・拡張パーツの効果が未反映の数値
| 車両名 | Tier | 国籍 | タイプ | 耐久値 (hp) | 車体装甲厚 前面/側面/背面 (mm) | 最高 速度 (km/時) | 重量 (t) | 視認 範囲 (m) | 隠蔽率 静止中/移動時/発砲時 (%) | 本体価格 (クレジット) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Obj.140 | X | ソ連 | 中戦車 | 1800 | 90/80/55 | 64/20 | 35.62 | 260 | 30.0/21.7/5.94 | 6,100,000 |
| 実用出力重量比(hp/t) | 38.6 |
|---|
主砲
| Tier | 名称 | 装填時間 (秒) | 発射速度 (発/分) | 弾種 | 平均 ダメージ (hp) | 平均貫通力 (mm) | DPM (hp/分) | 弾速 (m/秒) | 着弾分布 (m) | 照準時間 (秒) | 仰俯角 (度) | 総弾数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X | 100 mm D-54TS mod. 56 | 5.55 | 10.81 | AP HEAT HE | 310 250 410 | 244 298 50 | 3350 2702 4431 | 1535 900 900 | 0.307 | 2.00 | +17°/-6° | 50 |
※「着弾分布」:100mでの着弾分布。
※「照準時間」:照準円が最大まで広がった状態から、3分の1の大きさへ収束するまでにかかる時間。ゲーム内では最小の大きさへ収束するまでにかかる時間が表示されています。
砲塔
| Tier | 名称 | 装甲厚 前面/側面/背面 (mm) | 旋回速度 (度/秒) |
|---|---|---|---|
| X | Object 140 | 225/80/65 | 45.9 |
エンジン
| Tier | 名称 | 出力 (馬力) |
|---|---|---|
| X | TD-12 | 757 |
履帯
| Tier | 名称 | 旋回速度 (度/秒) |
|---|---|---|
| X | Object 140 | 56.3 |
乗員
- Commander(Radio Operator)
- Driver
- Gunner
- Loader
派生車両
派生元:T-54
派生先:なし
開発ツリー
| T-54 | ━ | Object 140 280,000 | ━ | 100 mm D-54TS mod. 56 |
| ━ | Object 140 | |||
| ━ | TD-12 | |||
| ━ | Object 140 | |||
:必要経験値
解説
T-62Aと比べて軽戦車寄りな性能をしている中戦車。Object 140に繋がる単体のルートは存在せず、T-54から開発可能となっている。T-54から開発する際はお好みでどうぞ。ここではT-62Aと比較しながら解説していく。
T-62Aとの比較表(搭乗員100%, 常備品非搭載時)
| タ イ プ | 国 籍 | 名称 | 耐久値 (最大位) | 車体 装甲 前面 側面 背面 (mm) | 砲塔 装甲 前面 側面 背面 (mm) | 発射 速度 (発/分) | 貫徹力 AP(APCR) HEAT HE (mm) | 攻撃力 AP(APCR) HEAT HE | DPM AP(APCR) HEAT HE (HP/分) | 精度 (m) | 照準 時間(秒) | 拡散 移動時 車体旋回時 砲塔旋回時 (m/s) | 弾速 AP HEAT HE (m/s) | 最高 速度 (km h) | 実質出力 重量比*1 (hp/t) 舗装路 整地 不整地 | 旋回 速度 砲塔 車体 (度/秒) | 俯仰角 (度) | 視界 範囲 (m) | 隠蔽率 静止中 移動時 発砲時 (%) |
| 中 戦 車 | ソ 連 | T-62A | 1900 | 145 78 47 | 255 161 65 | 9.06 | 245 300 50 | 330 280 440 | 2993 2539 3990 | 0.345 | 1.82 | 0.10 0.10 0.07 | 990 870 830 | 55/20 | 33.9 28.2 18.2 | 48 58.4 | +17° -6° | 255 | 26.8% 20.1% 5.3% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Object 140 | 1800 | 90 80 55 | 225 80 65 | 10.81 | 244 298 50 | 310 250 410 | 3350 2702 4431 | 0.307 | 2.0 | 0.08 0.08 0.05 | 1535 900 900 | 64/20 | 38.6 32.7 21.3 | 45.89 56.32 | +17° -6° | 260 | 30% 21.7% 5.94% |
Object 907との比較表(搭乗員100%, 常備品非搭載時)
| タ イ プ | 国 籍 | 名称 | 耐久値 (最大位) | 車体 装甲 前面 側面 背面 (mm) | 砲塔 装甲 前面 側面 背面 (mm) | 発射 速度 (発/分) | 貫徹力 AP(APCR) HEAT HE (mm) | 攻撃力 AP(APCR) HEAT HE | DPM AP(APCR) HEAT HE (HP/分) | 精度 (m) | 照準 時間(秒) | 拡散 移動時 車体旋回時 砲塔旋回時 (m/s) | 弾速 AP HEAT HE (m/s) | 最高 速度 (km h) ;前進/後退 | 実質出力 重量比*2 (hp/t) 舗装路 整地 不整地 | 旋回 速度 砲塔 車体 (度/秒) | 俯仰角 (度) | 視界 範囲 (m) | 隠蔽率 静止中 移動時 発砲時 (%) |
| 中 戦 車 | ソ 連 | Object 907 | 1800 | 94 70 40 | 180 160 46 | 9.34 | 248 300 50 | 320 270 420 | 2988 2522 3922 | 0.288 | 1.73 | 0.12 0.12 0.06 | 1400 790 710 | 60/25 | 37.2 31.9 14.9 | 50.06 46.9 | +17° -7° | 260 | 30.2% 22.7% 5.98% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Object 140 | 1800 | 90 80 55 | 225 80 65 | 10.81 | 244 298 50 | 310 250 410 | 3350 2702 4431 | 0.307 | 2.0 | 0.08 0.08 0.05 | 1535 900 900 | 64/20 | 38.6 32.7 21.3 | 45.89 56.32 | +17° -6° | 260 | 30% 21.7% 5.94% |
数値上はよく似た2両。Obj.140はDPMや弾速、砲拡散などで秀で遊撃戦に優れる。一方でObject 907はObj.140よりは信頼できる砲塔装甲に加え、全車両中最高の砲精度、特集消耗品に照準調整、常備品に強化火薬、特殊メカニズムに追跡弾を装備し、味方のサポートが可能な点で差別化が図られている。
装甲
車体は優れた傾斜によりT-62Aよりも高い防御力を持つが、砲塔では被弾面積が小さい代わりにこちらが劣っている。
本家では耐久値はT-62Aに負けていたものの、なぜかblitzではこちらの方が耐久値が高い。…と思ったが調整され、現在はこちらの方が100低い。
- 車体
正面装甲厚は前身のT-54よりも減厚され、90mm装甲となっている。
T-62Aよりも44mm薄く、傾斜が増しているとはいえ、実質装甲厚は190mm程度と基本的に格下からでも貫通されてしまうことに変わりはない。
しかし本車両は、正面装甲の鋭い傾斜を利用し、地形などで傾斜角を増すことで強制跳弾を狙うことが可能である。そのうえ、車体下部は装甲厚と傾斜が上部と同じで190mm程度と弱点になってないため、相手さえ選べば昼飯も選択肢に入るだろう。このように細かく傾斜角を変化させ、跳弾や課金弾の使用を強いることで撃ち合いにおける優位を築こう。相手の貫通力と腕次第ではこの装甲特性を活かして、多少強気に出れることも可能にするのが、強みの一つである。
車体側面は80mmと最低限の厚みは確保されているが、側面上部が鋭い傾斜があるとは言え57mm装甲であるため、口径の大きい重戦車や駆逐相手に豚飯を行うのは危険である。 - 砲塔
砲塔はお椀型をさらに潰したような形状で、T-62Aに比べ被弾面積は狭く傾斜も鋭いが、T-62Aが満遍なく200mm以上の装甲厚であるのに対してこちらは砲塔下部の225mm装甲から上部にかけて120mm、80mmと薄くなっているため、砲塔装甲については大きく劣っている。
v3.6に続きv9.0、v10.3と幾度となく砲塔装甲が弱体化され、さすがにv11.15にて少し強化されたが、それでも正面で跳弾が期待できるのは一部分だけになり、側面にいたっては80mmと大口径の榴弾が貫通しうる薄さになっている。
最も防御力があるのは砲塔下部であり、正面が実質250mmとその左右の傾斜部分が実質330mmを誇り、並みの通常弾を防御するには十分なレベルを持つ。
しかし、砲塔正面の中央部から上部にかけては実質150~200mm程度とこの部分の防御力はかなり低い。砲塔の中腹が格下にも貫通されるため、ハルダウンでの跳弾は期待しない方がよい。ただ避弾経始に秀でた形状をしているだけあって跳弾を誘いやすく、狙いを狂わせる動きをすることで生存率が大きく上がるといえる。
また天板は37mmと極めて薄く、強制跳弾角度であるため中戦車相手には気にする必要はないものの、重戦車や駆逐相手では3倍ルールで抜かれてしまうことがあるほか榴弾の爆風ダメージにも気を付けたい。
キューポラはT-62Aと比べると大きめなうえに薄く左右についており160mmほどと容易に貫通されるため、ハルダウン中も狙わせないように細かく動こう。 - モジュール配置
車体正面向かって左に大きな燃料タンク、車体中央も広く弾薬庫、そして車体後部全体にはエンジンが搭載されている。容易に弾薬庫が被弾するので不用意に車体側面を撃たせないほうが良い。
主砲
- 100 mm D-54TS mod. 56
T-62Aの主砲と似た性能だが単発火力で下回りDPMで勝る性能である。単発火力は310でTier10最低クラス*3だがDPMは3350にもなり同格MTの中で2位、最大値ではなんと約3734に達し、MTではドイツのレオパルト1に次いで高い。またRPMはTier10最高クラスで、最大強化をすれば通常時装填4.98s、アドレナリン起動時は装填4.26sまで短縮される。
貫通力は通常弾で244mm、課金弾で298mmとT-62Aよりもそれぞれ1mm、2mm劣っているが、v.4.7.0アップデートで通常弾の弾種がAPCRからAPとなったため、標準化の恩恵で以前よりも貫通力は上昇している。弾速も落ちていない。(T-62Aの弾速よりも55%優秀)
しかし、課金弾はHEATで貫通力は298mm止まりで、装填棒を搭載する場合、重装甲相手には的確に弱点を狙うか機動力で補う必要がある。
以前まではあちらの方が砲性能では上回っていたが、v9.0のバランス調整によって全く同じ値に調整された。v10.3にてT-62Aの砲性能が単発火力を除き弱体化されたことで、現時点では単発火力(20)と照準速度(0.18秒)こそ劣っているが、Obj.140の方が総じて優れているいえる。
0.307mと優れた砲精度に加え、移動時のレティクル拡散が0.08とTier10の中で最も小さく、APの弾速もTier10の中で一位という優れもので、良好な機動力との相性も良い。
砲拡散が小さいため明確な弱点ではないが、実は照準時間がTier10MTではT-22 mediumに次いでワースト2の遅さである。止まって撃つ動作に些か不満を感じることがあるかもしれない。なお、俯角はT-62Aと同じ6度となっている。
総論として課金弾貫通力と俯角の低さ以外、特にストレスがたまることはなく、Tier10の主砲らしく優秀と言える。一応、拡張パーツの砲弾調整の搭載で課金弾貫通力の低さを改善することも可能だが、高機動力を持つ本車両では装填棒を搭載し機動力で貫通力を補いつつ長所のDPMを伸ばすのが理想である。(とは言え貫通力298mmではE 100等の処理が厳しい所もあるので、HEAT貫通: 298mm → 337mmと困ること無い貫通力を確保できる砲弾調整も十分選択肢である)
機動性
v11.15の機動力のbuffにより、最高速度がT-54から8km/h高い64km/h*4となった。
エンジンの出力がT-54より向上したことに加え、履帯の性能が非常に向上しており実質的な出力重量比はT-54の1.72倍の38.6hp/tに強化されている。
これは軽戦車をも凌駕する数値であり、加速力は勿論、上り坂や起伏の激しい地形でも殆ど減速せず軽戦車顔負けのトップクラスの機動力を発揮する。
旋回性能こそT-62Aとほぼ同等であるが、最高速度と加速力の両方で上回っており、長距離の陣地転換ではT-62Aよりも迅速に動くことができる。
総評
T-62Aと比べて"守"で劣り、"攻・走"に秀でる。こちらの方が軽戦車寄りな性能であり、高い砲性能と機動力を駆使して高い火力を活かす立ち回りが求められる。
隠蔽も同格MTではトップクラスで、偵察も捗るのでT-54 ltwtに近い性能の戦車と言える。T-54では機動力が物足りなかった戦車長にとってはT-54 ltwtに近い操作性に感動を覚えるだろう。
特徴
長所
- T-62Aを9km/h上回る最高速度
- 非常に優秀な砲塔及び車体旋回速度
- Tier10MTではトップクラスのDPM
- 全MT中最速の通常弾APの弾速(1535m/s)
- Tier10最小のレティクル拡散(0.08)
- Tier10トップの実質出力重量比(38.6 hp/t)
- Tier10MTではトップクラスの隠蔽率
短所
- Tier10最低レベルの単発火力
Tier10MTではワースト2の照準時間 - 物足りない俯角(-6°)
- 2つある目立つキューポラと薄い天板によって信用性の欠ける砲搭装甲
- モジュール耐久値が低い
歴史背景
"Wikipedia"、"topwar.ru"、"namuwiki"、"Tank Archives"参照

概要
WG公式説明
Object 140はT-54の後継車両として開発された試作の中戦車である。
ニジニ・タギルにおいて1953年から1958年にかけて開発が続けられ、2両の試作車両が製造されたものの、
Object 430が支持されていた為、本計画は中止になってしまった。
Object 140(Obiekt 140)は、T-54中戦車の後継として1953年から1958年にかけてロシアのニジニ・タギルで開発された試作中戦車である。根本的に新しい戦車として設計され、2両の試作車が製造されたものの、後述する技術的な問題により、1958年にプロジェクトは中止となる。Object 140の設計や特徴は、T-55とT-62や、後にT-64のベースとなるObject 430に活用されている。
開発経緯
1940代後半から運用していたT-54主力戦車では、西側諸国の新型戦車に対して優位性が保てなかったため、1951年頃からT-54に代わる新たな主力戦車の開発計画が開始される。
その一環として、ニジニ・タギルのウラルヴァゴンザヴォド工場(UVZ)のOKB-520設計局の責任者を務めていた、若いエンジニアのレオニード・N・カルツェフの主導により、Obj.140の開発が進められた。 カルツェフはT-54主戦戦車のT-54A(Object 137G)とT-54B(Object 137G2)の近代化を担当した技術者である。
カルツェフが設計したObj.140は、モロゾフが設計したObj.430と開発競争となり、結果的に比較テストによりObject 140は不採用となった。
これは、Obj.140がObj.430と比較して性能面で劣っていたということではなく、むしろ先進的な駆動システムやスタビライザーを搭載していた。
当初、カルツェフはT-54のV-54エンジンをベースに580馬力にパワーアップしたV-36エンジンの採用を計画していたが、当時T-54の開発を担当していたイワン・トラシューチンやV-2エンジンの設計者がV-54エンジンの構造変更に反対し、頓挫。カルツェフは、農業用やその他の国内用途のVシリーズエンジンを製造していた、バルナウル・エンジン工場の主任設計者エフゲニー・アルティメージェフに依頼。 アルティメージェフはこのアイデアを高く評価し、580馬力バージョンの開発に同意した。 最初のプロトタイプが完成した後、重量は36.5tとなり、設計仕様を0.5トンオーバーした。 カルツェフは、重量を書類上(当時の設計者の常套手段)で偽装するのではなく、実際に軽量化することを選択。 このため、アルミ製ロードホイールとアルミ製エンジンカバーが導入された。 エンジンは車体底部まで回転するようになり、エンジンルームの高さは低くなったが、エンジンにさらなる改良が加えられ、メンテナンスがかなり複雑になった。
1957年、ウラルヴァゴンザヴォドはObj.140の試作車を2両製造し、まもなく試験運用を開始した。 カルツェフは回想録の中で、組み立てや工場での試験中に、この戦車が不当に複雑で、操作や修理が困難であることをますます認識するようになったと回想している。
必要な板材の一部を鋳造できたのはソ連全土で1工場だけで、エンジンルームの特定部品は連続生産がまったくできなかった。 カルツェフは、彼のエンジニアがタンク下のハッチから排気コレクターを取り付けるのに、歯科医の鏡を使う必要があったと述べている。 眠れない夜が続いた後、これらの問題解決が難しいと判断したカルツェフは、自ら中央委員会に手紙を書き、プロジェクトの中止を要求することにした。
驚いたことに、カルツェフは1600万ルーブルの公金をプロジェクトに浪費したことに対する処罰を受けることはなく、次に彼はT-55(Object 155)と呼ばれる別のT-54主力戦車の近代化に着手する。
Obj.140の設計は、T-55やObj.430、T-62の設計にも引き継がれることとなる。Obj.140用に設計されたアルミ製ロードホイールは、後にT-72戦車にも採用された。また、台車車輪構造はT-72やT-90にも適用されている。
構成


モルニヤ2面安定化システム(スタビライザー)を備えた100 mm D-54TS戦車砲を装備。50発の弾丸が搭載された。
Obj.140には、使用済み薬莢を排出する機構、統合自動消火システム、原子防護システム、後にT-55、T-62、T-72戦車に採用された熱煙システムがあった。
砲塔はスタンプを押したようなドーム型を採用したが、前面だけは防御力を高めるために傾斜を鋭く残した。この形状のおかげで内部空間が可能な限り広く確保され、砲塔前部の高さを低くすることができた。Obj.140の砲塔は、T-54よりも87mmも低くなっている。これは、トラニオンを低くし、壁を可能な限り高く傾斜させることで実現した。これにより、必要な装甲面積が減少し、重量が軽減された。
車体は先進的で独創的なデザインになっており、砲塔の周囲は円錐形になっている。これにより、狭いホイールベースと広い砲塔リングという一見矛盾する要求を満たすことができた。 船体形状は上部から下部にかけて円錐形から六角形状となっている。
前述の技術的解決策を採用した車体と砲塔を使用することで、砲塔と戦闘区画のレイアウトの問題を解決した。この戦車は、砲塔と車体全体のシルエットを縮小しつつ、より強力な砲を搭載することができ、なおかつ各乗員に割り当てられるスペースを拡大することができた。 車体中央部の船体と砲塔の高さは、乗員が適切に機能し、武装を整備することを可能にした。その他の場所の高さは可能な限り低くされた。
Obj.140は、TD-12(8D12U-1)4ストロークV型12気筒V-2型ディーゼルエンジンを使用していた。総馬力は2100回転で580馬力、エンジンの重量は、T-54戦車に搭載された895kgのV-54エンジンと比較して1000kgであった。
エンジンとトランスミッションのコンパートメントのレイアウトもオリジナルだった。エンジンはタンクに対して垂直で、タンクの左側に傾いている(左側のシリンダーブロックは水平から7度傾いている)という非常に斬新な配置になっている。
トランスミッションと制御装置は、摩擦クラッチ付きの機械式2軸遊星ギアボックスを採用していた。ギアボックスの機能は合理的に設計されており、非常に小型・軽量であった。このギアボックスは、リバースも含め、所望の速度とパワーを提供した。
遊星回転機構のマウントに合わせたフープにギヤボックスを設置し、ギヤボックスのドライブシャフトに載る円筒形のベースを持つハーフフープを使ってエンジンに連結することで、ギヤボックスのキャリブレーションはほとんど不要になった。ギアボックスとエンジンのドライブシャフトのアライメントは、表面の精密な仕上げによって保証された。 結合リンケージにより、回転機構やエンジンを取り外すことなくギアボックスを取り付け、取り外すことができた。また、ギヤボックスや回転機構を取り外すことなくエンジンを取り外すこともできた。これらのデザイン・ソリューションは非常に先進的なものであった。
派生型
Object 142は、1957年から開発されたT-54/55との互換性を高めた改良型。 エンジンルーム付きの車体後方設計がT-54/T-55ベースに変更され、T-55のV-55エンジンが搭載され、サスペンションもT-54とT-55に適用された支持輪のない5対ビュー輪トーションバータイプに変更。 前述の変更点を除く残りの仕様は140とほぼ同じ。 1958年に試験を経て合格したが生産は行われなかった。
WoT公式「戦車辞典」より
T-54の後継として、ニジニ・タギルにおいて1953年から1958年にかけて開発された試験的な中戦車です。試作車輌が2輌製造されたものの、本車の開発は1958年に中止されました。
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zawazawaによるコメント欄は、もちろんログインせず、誰でも書き込むことが可能ですが、ログインすることにより以下のようなメリットがあります。
- 「なりすまし」が行われない
「なりすまし防止」欄で解説していますが、エイリアスがログインすることにより固定されるため、他人からなりすましをされる可能性が極めて低くなります。 - コメントごとに「通報」を行うことが可能
ログインすることでコメントごとに通報をすることが可能になります。
詳しくは「コメントを通報するには」へ。 - ログインしても匿名性を保てる
通常、ログインするとハンドルネームが表示されてしまいますが、「アカウントと関連付けない」を選択してから投稿すると、ログインしてないコメントと同様に表示されます。
Diffanaと異なり、メールアドレス、Twitterから登録可能で、本Wikiの運営会社(wikiwiki.jp)が運営しているので、比較的信頼度の高いサービスとなっています。
また、zawazawaによるコメント欄では、どのコメントとどのコメントが同一人物なのか、ある程度特定することが可能です。
- 同一かどうか確認するには、まず各コメント欄上部にある「すべて表示」をクリック(タップ)します。
- 各コメントの投稿日時の後ろに、英数字が記載されていますが、これは「エイリアス」といい、ブラウザ、回線等を総合的に判断して乱数によって自動的に設定されます。

このエイリアスを確認することにより、投稿されたコメントがどのコメントと同一人物なのかを判断することができます。
また基本的にブラウザ、回線を変更してもこのエイリアスは変更されないため、なりすまし防止にも役立ちます。
コメントを通報するには
ページと関係ないコメント、他人の誹謗中傷、晒しコメントなど、不適切なコメントはコメントごとに通報することができます。
- 通報を行うには、まず通報したいコメントの末端に表示される、「zawazawaで見る」をクリック(タップ)します。

- 当該のコメントがzawazawaで表示されるので、「通報...」をクリック(タップ)します。
なお通報する際はzawazawaアカウントでのログインが必要ですが、通報自体は匿名で行われます。

- 通報の理由を記入し(任意)、送信をします。

また通報用フォームや運営掲示板から通報をすることも可能です。
過去のコメントはアーカイブから参照してください(表示されている場合のみ)。




