収録拡張 | カード名 | コスト | カード種別 | 効果 |
海辺 | 停泊所 | 2 | アクション-持続 | +1 カードを引く +1 アクション あなたの手札からカード1枚を裏向きにして脇に置く(この下に入れる)。 あなたの次のターンの開始時、それをあなたの手札に加える。 |
略奪 | 檻 | 2 | 財宝 | 手札を最大4枚(このカードの)脇に伏せて置いてもよい。 |
持続 | 次に勝利点カード1枚を獲得したとき、このカードを場から廃棄し、脇に置いたカードをターン終了時に手札に加える。 |
※持続カードの例
概要
海辺で初登場した、使用後に発揮する効果(以下、【持続効果】と呼称する)を予約するカード種別。後に各種拡張でで再登場している。
カード枠が橙色になっていおり、【持続効果】が残っている間はクリーンアップフェイズで場から捨て札にならない、という特徴を持つ。
【持続効果】は厳密なタイプ分けがなされるわけではない&複数のタイプを持つ場合もあるが、大まかに以下のようなタイプに分かれれる。
- 「次ターンの開始時」に【持続効果】を発揮するモノ
- 「このターンの後に追加ターンを得る」という【持続効果】を発揮するモノ
- 「使用者の次ターンが来るまで」に、他プレイヤーの特定の行動に対して【持続効果】を発揮するモノ
- 「各ターンの開始時」に【持続効果】を発揮する(=ゲーム終了まで場に出続ける)モノ
- 「次にXしたとき」に【持続効果】を発揮するモノ
利用法
- 特性上、場に出ている期間が長く、場に出ているカードをカウントする効果(豊穣の角笛など)とシナジーがある。
一方、捨て札&デッキのカードをカウントする効果(賢者の石)や場に出ているカードが使用できなくなる効果(将軍など)に対してはアンチシナジーとして働くことがある。 - 使用時効果と【持続効果】が異なる場合が多く、「持続カードAがデッキに1枚だけだと、例えデッキを引き切っても2ターンに1度しか使用時効果or【持続効果】を得られない」ということになる。
毎ターン使用時効果or【持続効果】を得たいのであれば、デッキに複数枚採用する必要がある。 - 特にゲーム序盤で、「持続カードがデッキのリシャッフルに入るか否か」で持続カードの使用頻度に差が出る場合があるので注意が必要。
例えば、初手研究-銀貨とした際、通常2ターン目終了時はデッキが12枚となるため、以下の【例A】と【例B】では「(特定の行動を3ターン目に行ったか?あるいは4ターン目に行ったか?により、)5~6ターン目における研究使用頻度に差が出る」という事態となる。
【例A】
- 3ターン目に研究が手札にあり、使用し屋敷を廃棄。
- 4ターン目に研究の【持続効果】を処理するので、4ターン目のクリーンアップフェイズに研究が場から捨て札になる。
その後、山札からカードを5枚引くためにデッキのリシャッフルが発生するが、この時研究はリシャッフルに混ざる=高確率で5~6ターン目に2回目の使用機会が訪れ、6ターン目時点で使用回数は2回となる場合が多い。
【例B】
- 3ターン目は研究が手札になく使用できない。
- 4ターン目に研究が手札にあり、使用し屋敷を廃棄。
この場合の4ターン目のクリーンアップフェイズでは、【持続効果】が残っている研究が場から捨て札にならないので、
山札からカードを5枚引くためにデッキのリシャッフルが発生しても、研究はリシャッフルに混ざらない=ほとんどの場合5~6ターン目に2回目の使用機会が訪れず、6ターン目時点で使用回数は1回となる場合が多い。
詳細なルール
持続カードが使用したターンに捨て札になる場合
- 持続カードは、(【持続効果】が残っているため)通常は使用したターンのクリーンアップフェイズで場から捨て札にならない。
ただし、以下のような「【持続効果】が残らない」という場合は使用したターンのクリーンアップフェイズで場から捨て札になることに注意。- 停泊所、道具、資料庫、納骨堂、幽霊、貨物船、研究、王家のガレー船、契約書、封鎖、岩屋、王子を使用したが、脇にカードを置かなかった。
- 前哨地、航海を使用したが、連続3ターン制限により追加ターンが得られなかった。
- 策士、秘密の洞窟を使用したが、手札を指定枚数捨てなかった。
- 村有緑地、艀、要塞、ゴンドラ、アンフォラを使用したが、現在ターンの効果のみを発揮した。
- 駐屯地を使用したが、1枚もトークンを置かなかった。
- 秘境の社、旗艦、豊穣を使用したが、現在ターンに【持続効果】を処理した。
- 現場監督を使用したが、指定のカードを獲得しなかった。
- フリゲート船を使用したが、他のプレイヤー全員がアタック効果を受けなかった。
- 使用した持続カードが女魔術師、追いはぎ、悟り、習性の影響で【持続効果】を発揮しなかった。
持続カードがターン終了時に場にない場合の注意
- 持続カードが何らかの理由により場を離れた場合、【持続効果】はターン終了時にすべて失われる、というルールがあるので注意。
※英語版移動動物園(拡張)改版に伴う2025年2月エラッタによる。- 持続カードAが【持続効果】で脇にカードを置いている場合、【持続効果】が失われると、カードが脇に置かれ続けることになる。
なお、脇に置かれ続けるカードは「プレイヤーAのカード」であり続ける。(例えば、得点計算時に「プレイヤーAのカード」を数える場合に、この脇に置かれ続けるカードもカウントする。)
特に以下の【脇にカードを置く持続カード】と【場の持続カードを移動させる効果】との組み合わせに注意が必要と言える。*1
- 持続カードAが【持続効果】で脇にカードを置いている場合、【持続効果】が失われると、カードが脇に置かれ続けることになる。
【脇にカードを置く持続カード】
停泊所、道具、資料庫、納骨堂、貨物船、研究、王家のガレー船、契約書、封鎖、岩屋、檻、操舵手、王子、Church、幽霊
【場の持続カードを移動させる効果】の例
チョウの習性、馬の習性、ウミガメの習性、増築*2
※旧版採用する場合とエラッタ前ルールの採用する場合は割愛。
実際の動きの例は以下の通り。
【例1】プレイヤーAの10ターン目に、玉座の間Aで灯台Aを使用したが、灯台Aがターン中に場から移動した場合
- 玉座の間Aの効果で、灯台Aの1回目の使用が発生するので、通常通り使用する。(灯台の効果で「+1アクション+1金、次ターン開始時+1金、次ターンの開始時まで、アタック効果を受けない」を得る。)
- 玉座の間Aの効果で、灯台Aの2回目の使用(=再使用)が発生するが、この時馬の習性を選択する。(馬の習性の効果で「灯台Aを由来する山に戻し、+2ドロー+1アクション。」を得るので、灯台Aが場から移動する。)
- プレイヤーAの10ターン目を進行する。(この間は1.で得た効果は発揮し続けているので、このタイミングでは他プレイヤーが使用したアタックカードの効果を受けない。)
- プレイヤーAの10ターン目のターン終了時を迎える。灯台Aが場に無いので1.で得た効果はすべて失われる。
- プレイヤーBのターンが来るが、1.で得た効果は発揮されていないので、プレイヤーAは他プレイヤーが使用したアタックカードの効果を受ける。
- プレイヤーAの11ターン目の開始時が来るが、1.で得た効果は発揮されていないので、プレイヤーAが「(1.で一度発揮した)次ターン開始時+1金」は得られない。
【例2】プレイヤーAの10ターン目に、玉座の間Bで停泊所Aを使用したが、停泊所Aがターン中に場から移動した場合
- 玉座の間Bの効果で、停泊所Aの1回目の使用が発生するので、通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)
- 玉座の間Bの効果で、停泊所Aの2回目の使用(=再使用)が発生するが、この時馬の習性を選択する。(馬の習性の効果で「停泊所Aを由来する山に戻し、+2ドロー+1アクション。」を得るので、停泊所Aが場から移動する。)
- プレイヤーAの10ターン目を進行する。(一応、この間は1.で得た効果は発揮し続けているが、この例の場合は意味がない。)
- プレイヤーAの10ターン目のターン終了時を迎える。停泊所Aが場に無いので1.で得た効果はすべて失われる。
- プレイヤーAの11ターン目の開始時が来るが、1.で得た効果は発揮されていないので、プレイヤーAが「(1.で一度発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」は得られない。
※結果として、1枚のカードが脇に置かれ続けるが、これは「プレイヤーAのカード」であり続ける。(例えば、得点計算時に「プレイヤーAのカード」を数える場合に、この脇に置かれ続けるカードもカウントする。)
【「カードを再使用する効果」を持つカード】との組み合わせに関する注意
- 持続カードを使用した【「カードを再使用する効果」を持つカード】(玉座の間、ティアラなど)は、使用した持続カードが場に残る限り同じように場に残り、持続カードが場から離れたターンのクリーンアップフェイズで捨て札になる。
- つまり、使用した持続カードが全ての使用時に先述の[持続カードが使用したターンに捨て札になる場合>#discard]]となった場合は、【「カードを再使用する効果」を持つカード】も場に残らないことに注意。
- 【「カードを再使用する効果」を持つカード】により持続カードが再使用されたが、【「カードを再使用する効果」を持つカード】がターン終了時に場にない、という場合は、『【「カードを再使用する効果」を持つカード】により再使用された分の【持続効果】はターン終了時にすべて失われる』というルールであるので注意。
※英語版移動動物園(拡張)改版に伴う2025年2月エラッタによる。
実際の動きの例は以下の通り。
【例3】プレイヤーAの10ターン目に、玉座の間Cで宮廷Aを使用し、宮廷Aで停泊所Bを使用したが、宮廷Aがターン中に場から移動した場合
- 玉座の間Cの効果で、宮廷Aの1回目の使用が発生するので、通常通り使用する。
- 宮廷Aの効果で、停泊所Bの1回目の使用が発生するので、通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)
- 宮廷Aの効果で、停泊所Bの2回目の使用(=再使用)が発生するので、通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)
- 宮廷Aの効果で、停泊所Bの3回目の使用(=再使用)が発生するので、通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)
- 玉座の間Cの効果で、宮廷Aの2回目の使用(=再使用)が発生するが、この時馬の習性を選択する。(馬の習性の効果で「宮廷Aを由来する山に戻し、+2ドロー+1アクション。」を得るので、宮廷Aが場から移動する。)
- プレイヤーAの10ターン目を進行する。(一応、この間はi~iii.で得た効果は発揮し続けているが、この例の場合は意味がない。)
- プレイヤーAの10ターン目のターン終了時を迎える。宮廷Aが場に無いので宮廷Aによる再使用にあたるii.とiii.で得た効果はすべて失われる。
- プレイヤーAの11ターン目の開始時が来るが、まずi.で得た効果は発揮されているので、「(i.で発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」は得られる。
しかし、ii.とiii.で得た効果は発揮されていないので、プレイヤーAが「(ii.で一度発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」と「(iii.で一度発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」は得られない。
※結果として、2枚のカードが脇に置かれ続けるが、これは「プレイヤーAのカード」であり続ける。(例えば、得点計算時に「プレイヤーAのカード」を数える場合に、この脇に置かれ続けるカードもカウントする。)
【例4】プレイヤーAの10ターン目に、山砦で停泊所Cを再使用したが、停泊所Cがターン中に場から移動した場合
- プレイヤーAの10ターン目に、最初に使用するアクションとして停泊所Cを使用する。
停泊所Cの1回目の使用が発生するので、通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)- 山砦の効果で、停泊所Cの2回目の使用(=再使用)が発生するが、この時通常通り使用する。(停泊所の効果で「+1ドロー+1アクション、手札を1枚脇に置き、次ターンの開始時手札に加える」を得る。)
- プレイヤーAの10ターン目を進行し、ターン終了時を迎える。
この時、山砦は【「カードを再使用する効果」を持つカード】ではないので、停泊所Cの再使用にあたる2.で得た効果は失われない。- プレイヤーAの11ターン目の開始時、「(1.で発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」と「(2.で発揮した)次ターンの開始時(脇に置いたカードを)手札に加える」は問題なく得られる。
【「動かさずに使用する効果」を持つカード】との組み合わせに関する注意
【「動かさずに使用する効果」を持つカード】で持続カードを使用した場合、【「動かさずに使用する効果」を持つカード】が場から捨て札になるタイミングは、「使用した持続カードが場に出ていれば、場から捨て札になるであろうタイミング」を踏襲する。- 英語版移動動物園(拡張)改版に伴う2025年2月エラッタにより、【「動かさずに使用する効果」を持つカード】は持続カードを使用できなくなったので、「【「動かさずに使用する効果」を持つカード】と持続カードとの組み合わせ」は注意する必要がなくなった。
- 【「動かさずに使用する効果」を持つカード】と「持続カードを使用した【「カードを再使用する効果」を持つカード】」との組み合わせは引き続き注意する必要がある。こちらについてははみだし者のページを参照。
持続カード一覧
持続カード | ||||||||||
王国カード | 停泊所 | 灯台 | 漁村 | 隊商 | 前哨地 | 策士 | 商船 | 船着場 | 地下牢 | 道具 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
魔除け | 隊商の護衛(■) | 沼の妖婆(■) | 呪いの森(■) | 橋の下のトロル(■) | 雇人 | 女魔術師(■) | 資料庫 | 守護者(■) | 秘密の洞窟 | |
ゴーストタウン(■) | 納骨堂(■) | 悪人のアジト(■) | カブラー(■) | 夜襲(■■) | 貨物船 | 研究 | 村有緑地(■) | 艀 | 門番(■) | |
首謀者 | 輸入者 | 王家のガレー船 | 追いはぎ(■) | 契約書(■) | 航海 | 駐屯地 | 要塞(■) | 将軍(■) | 霊術師 | |
サル | アストロラーベ(■) | 船乗り | 潮溜り | 封鎖(■) | コルセア(■) | 海の魔女(■) | 海賊(■) | 岩屋 | 調査 | |
檻(■) | 秘境の社 | 現場監督 | セイレーン(■) | 密航者(■) | キャビンボーイ | 上陸部隊 | 旗艦 | 豊穣(■) | ゴンドラ(■) | |
縄(■) | 乗組員 | 拡大 | ロングシップ | 操舵手 | 切り裂き魔(■) | フリゲート船(■) | 埋められた財宝(■) | 川船 | 侍(■) | |
王子 | Captain | Church | ||||||||
サプライ外 | チャンピオン | 幽霊(■) | アンフォラ(■) | 尽きぬ杯(■) | 船首像(■) | 宝石(■) |
余談
持続カードの歴史
- 海辺では、次のターンに効果を発揮するアクションカード群として登場。
- 冒険では、持続中相手に効果を及ぼす持続アタックカードが登場。
- 冒険では同時に、永続的に持続する雇人やチャンピオンが登場。
- 持続タイプを持つ非アクションカードとして、夜想曲では持続の夜行カード、同盟では持続の財宝カードが登場した。
- 略奪では、「次に」条件を持つカードとして再登場した。