【ドラゴンクエストVI 幻の大地】

Last-modified: 2020-11-10 (火) 19:44:27

・DQ本編シリーズ

DQ1DQ2DQ3DQ4DQ5DQ6DQ7DQ8DQ9DQ10DQ11

DQ1・2DQ1・2・3BSDQ1

DQ6関連一覧
キャラクター - 地名 - 職業 - 呪文 - 特技 - 装備品(武器/よろい/たて/かぶと/装飾品) - 道具 - モンスター仲間) - 音楽 - 台詞 - 裏技

作品データ

『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』
オリジナル版
発売日1995/12/9
対応環境スーパーファミコン
媒体ROMカセット(32Mbit)
型番SHVC-AQ6J-JPN
価格(税別)11,400円
移植・リメイク
対応環境発売日
ニンテンドーDS2010/1/28
iOS,Android2015/6/11
廉価版(【アルティメットヒッツ】
対応環境発売日
ニンテンドーDS2011/2/3
海外版
対応環境発売日
ニンテンドーDS北米 2011/2/14
欧州 2011/5/20
iOS,Android2015/6/24

海外版タイトル
(英語)DRAGON QUEST VI Realms of Revelation

概要

【ドラゴンクエストシリーズ】第6作。
発売日は1995年(平成7年)12月9日。対応機種はスーパーファミコン。開発はそれまでの【チュンソフト】から【ハートビート】に変わった。
当時の学校は第2土曜日が休みになったため、初めて土曜日の発売となった。同年に発売されて大きな話題となったWindows95にあやかったのか、午前0時から発売した店もあった。
当時はSFCのゲームソフト全般で大容量化に伴うROMの高騰現象が起きており、本作も例に漏れず定価は1万円を超え、限定版や本体同梱セットなどを除けばDQシリーズ最高価ゲームの座を保っている。
 
SFCでの新作はDQ5に続いて2作目になるが、容量が前作の2.5倍以上の32メガビット(4MB)となり、グラフィックやサウンドが前作と比べて大幅に進歩した。
ストーリー上の位置づけはDQ4から続いてきた【天空シリーズ】の第3作とされている。
DQ4はキャラクター路線、DQ5はドラマ路線と続いてきたが、今作では「発見」をテーマとして、ドラマ性と自由度の高さの両立を謳った作品となった。
また2つの世界を往復しながら進行するシナリオを採用し、片方の世界で起きたことがもう一方の世界に影響を及ぼすようになっている。ソフトにはその2つの世界の白地図が添付され、自由に書き込みができるようになっている。
システム面では職業・転職のシステムが再登場。上級職の概念が登場したほか、僧侶や魔法使いの呪文だけでなく他の職業も様々な「特技」を覚えるようになり、戦術の幅が広がった。
 
後にニンテンドーDSとスマホ向けにリメイク版が発売されている。
海外展開は前作同様オリジナル版では行われず、DS版とスマホ版で行われている。

開発

制作開始は1992年10月。
なお、本作の制作風景を取材した本が発売8ヵ月前に図書館向けに発行されている。
 
制作を始めるにあたってまずはスタッフの間で前作の反省点を挙げるということが行われ、まずそこで挙がったものは「自由度」である。
これについては、かつてDQ3のときに「船入手後に次に行く場所がわからない」との意見が多かったことから、DQ4以降は次に行く場所のヒントを得やすくしていた。
しかしその結果自由度は低くなり、特に前作DQ5ではシナリオ重視も相まって、プレイヤーが自分で発見を楽しめる要素が少なくなっていた。
今作ではこのことを反省し「初心に返って、世界を自由に歩いている感じのRPGにする」というコンセプトで開発。
【堀井雄二】は同時に開発を進めていたリメイク版『DQ1・2』を自身でプレイしてみて自由度の高さを改めて感じたことから、今作の自由度重視の方向性を決定した。
イベントも主人公が勝手に動くシーンを減らし、感情移入しやすいような方向性で作られた。
 
今作では、1つのマップ上に町などを増やすとすぐに次の町に着いてしまいつまらないということで、マップを拡げない代わりに、2つのフィールドマップを用意。
それも、当時の多くのRPGのようにストーリーを進めてマップが増えるのではなく、2つ同時に行けてしまえば面白いのではということで、最初から2世界を往復しながら進行するシナリオを採用した。
ストーリーについては、堀井曰く当時社会的に流行していたという「自分探し」がテーマとして盛り込まれている。
メイン世界が2つあることに加えて、進行に応じて台詞が何度も変わるようにしたため、当初は3,000ページほどの予定だった開発資料は総計約5,000ページ(台詞だけで8cmのファイル9冊分、マップやデータもすべて含めるとファイル20冊分)となった。ROM容量も当初24メガビットの予定だったのを32メガビットに拡大している。
 
また、自分で考えて解く楽しみを味わってもらうことと、学校や職場でのプレイヤー同士の情報交換によるコミュニケーションの活性化を意図して、今回は難易度も上昇させた。
モンスターのパラメータについても、今回は従来よりこちらと比べて相対的に強めに調整されている。最初は前作と同じ水準で作っていたが、主人公たちが様々な特技を覚えられる今作では戦闘があまりにも簡単に終わってしまうことから、せっかくのモンスターアニメーションを見てほしいという理由もあって再調整された。
 
今回はビジュアル面にも力が入れられている。これはファイナルファンタジーシリーズなど他RPGから影響を受けてのことだと堀井が語っている。
戦闘は「見せる戦闘シーン」を目指してモンスターアニメーションや呪文特技エフェクトを強化し、イベントシーンも演出を派手にしている。
サウンド面でも今回はサウンド制作チームが組まれ、独自のサウンドドライバによってシンフォニーオーケストラに近い高品質な音楽が制作された(詳しくはこちら)。
 
制作発表は1993年7月7日の記者会見で行われ、ゲーム画面とサブタイトル、キャラクターの初公開は1994年8月となった。
発表当初、エニックスは1995年3月までの発売を視野に入れていたが、アイデアの練りこみに時間を要し、堀井がリメイク版DQ1・2や『クロノ・トリガー』(スクウェア)の制作を同時に担当していたことも響いた。
1995年6月になって「同年冬」、そして9月半ばに「12月9日」と発売日が正式に決まり、発表後の延期こそ無かったものの、結局当初の予定より半年ほど延びている。
また、世間ではこの1995年頃からインターネットが一般家庭に普及し始め、大手企業が続々とウェブサイトを開設。そのさなか【エニックス】も自社サイト内で本作の基本情報を紹介した。ゆえに本作は公式サイトが設けられた最初のDQ作品となった。
 
(参考:『ファミコン通信』1994年10月21日号・1995年1月20日号・12月22日号、『週刊ファミ通』1996年2月9日号、【月刊Vジャンプ】1996年1月10日増刊号 など)

作品の特徴(オリジナル版)

今回は、道具管理の仕様変更、戦闘コマンドの増加などをはじめとしたUI面での変更点も多い。このUIは翌年発売のSFC版DQ3にも継承されている。キャラ移動の仕様も前作までから一新され、移動がスムーズになった。
また本作から、カジノ以外のお楽しみ要素も充実するようになった。
 
新転職システムの登場によって、従来の経験値とレベルのみによる成長システムからの脱却が図られた。キャラメイキングが無い本作では、このシステムによってストーリー上のキャラ設定と育成の自由度を両立させることに成功している。
それに伴って【特技】が大幅に増加。戦い方の自由度が増した一方で、消費MPゼロで使える特技の大量増加で、単体回復呪文を除いた戦闘呪文全体の相対的な価値が下がっている。
中盤まで人間キャラが少なかった前作と比べ、今作は序盤のうちに5人の人間キャラが揃うので、転職システムを上手く活用することで人間のみでも十分攻略可能となっている。
前作同様にイベントシーンでの仲間キャラの台詞は序盤では多いものの、ルイーダの酒場で組み替えが可能になる中盤以降はほとんど喋らなくなる。
 
RPG初心者にある程度配慮して作られていた前作までと異なり、本作は前述のように難易度がやや高めに調整されている。特に戦闘では敵のステータスがこちらに比べて軒並み高く、特定の対処法が必要になる場合が多い。
また、ストーリー中盤まではレベルを上げすぎると職業の熟練度を上げて特技・呪文を覚えることができなくなるため、結果的にレベル上げに制限を受けることになる。中盤の壁と言われる【ムドー】【ブラスト】戦は、レベルを過剰に上げて強引に倒すといった戦略は封じられているも同然である。
一般にはシリーズ最高難度はDQ2と言われるが、人によっては本作はそれ以上と感じるかもしれない。

演出面

開発会社が変わり、前作までとの大幅なイメージチェンジが図られている。
グラフィック面ではFC時代のチープさを残していた前作から大きく進歩し、SFCの性能を存分に活かし細部まで描き込まれたグラフィックとなった。
マス単位の概念は残っているものの、フィールドマップの森や山などは従来のようなギザギザ感を感じさせないような滑らかさを持ったグラフィックで描かれている。
木漏れ日・霞・霧などの演出や、城・町ごとに床の色や壁の模様に変化を持たせるといった、リメイク版『DQ1・2』から登場した要素も受け継がれている。
移動中のメッセージウィンドウは縦3行分と前作よりスリムになり、横幅が画面いっぱいに広がった。主人公たちの位置によっては画面下部ではなく上部に表示されることもある。
キャラクターのサイズは前作からさらに大きくなり縦横比が2:1になったほか、イベントで主人公が起き上がる動作なども細かく描かれたり、驚きや疑問を表す「!」「?」のフキダシが飛び出す演出も導入されるようになった。
 
戦闘画面は一画面すべてを使って風景画を描画するようになり、各ウィンドウは半透明に。
前作から登場した敵モンスターに対する攻撃・呪文・特技のアニメーションも健在。さらに今作からはモンスター自体も行動時にアニメーションするようになり、アニメーションが終わってから従来のメッセージが表示される。ただしラスボス戦を除いてアニメーションに効果音は付かない。
戦闘メッセージウィンドウはDQ4以前と同じ4行分に拡大。戦闘終了後のメッセージも行単位表示となった。
 
音楽はイベント用の曲がさらに増えたほか、今作ではモチーフが多用されている。
距離によって音の大きさが変わる滝の音や、祭り中に屋内に入るとBGMの音量が小さくなるといった、凝った演出もなされた。
ステレオ音声を採用しているためモノラルだと聞こえない音もある。
また、キャラが台詞を話す際の効果音が本作から3階調に分けられた。

主なシステム

プレイヤーキャラクター・パーティ

【プレイヤーキャラクター】には前作同様に【人間】と仲間モンスター(後述)が登場。人間キャラはストーリー上で増えていくが、【アモス】は仲間にしなくてもクリア可能。
人間キャラには前作同様にストーリー進行で変化する「肩書き」があり、今作では後述する【職業】と併存している。
 
今作でも【馬車】によるスタンバイシステムが引き続き登場するが、馬車を入手するタイミングは前作までよりも早まり、序盤の2人パーティの時点で手に入る。
馬車内も含めた【パーティ】は最大8人で、バトルメンバーは前作の最大3人からDQ4と同じ最大4人に戻った。
今作では馬車同伴のダンジョンは減ったが、すべてのダンジョンにおいてスタンバイキャラの呪文等が使え、経験値や熟練度も加算されるようになった。
中盤以降は【ルイーダの酒場】に主人公・バーバラ以外のPCを預けることが可能となる。
 
前作では「仲間モンスターの特殊攻撃と【呪文】の総称」であった【特技】は、今作からは「呪文とは別の各種の技能」という扱いになり、戦闘中のコマンドも分離された。一部【MP】を消費するものがあるが、大半は無消費で使用できる。
移動中の特技も登場し、これらについてはじゅもんコマンドで一括して扱われる。

職業・転職

今作では【職業】の概念が再登場したが、キャラクターメイキング制だったDQ3とはそのシステムが異なり、上述のストーリーキャラクターや仲間モンスターが【転職】で職に就いていく形である。
各キャラとも職についていない序盤戦は従来通りに【経験値】蓄積での【レベル】アップでキャラ固有の呪文・特技を覚えて戦っていくが、中盤以降は主人公を含めて全てのPCが転職できるようになり、キャラやモンスター種に関係なく呪文や特技を習得させることができる。転職してもレベルや容姿の変化は無く、代わりに各ステータスが一定比率分増減する。
 
経験値に関係なく一度戦闘に勝利するごとに職業の【熟練度】が1ポイント上昇し、その積み重ねで「職業レベル」が上がり呪文や特技を覚えていく。一度覚えた呪文や特技は他の職に転職しても使えるため、回復呪文や全体攻撃特技を全員に覚えさせて活用させるといったことも可能。
職業レベルが★8になるとその職業のマスターとなる。複数の職をマスターすることで上級職にも転職可能になるほか、「さとり」を持っていると転職できる隠し職業もあり、これらの職ではマスターした際に特定のステータスが上昇するなどのマスター特典が付く(マスター特典は他の職業に引き継げない)。

仲間モンスター

戦闘で起き上がったモンスターを仲間に加える【仲間モンスター】システムが前作から継承された。人間と同様にレベル上げやアイテムの装備、転職も可能。
今回は仲間になる条件として【魔物使い】に転職したPCが戦闘に参加していなければならない。
仲間モンスターの種類は前作よりも減少したが、職業では覚えられない【ベホマズン】を覚えたり、AI使用時に2回攻撃を行うなど仲間モンスターならではの利点を持つ種もいる。
今作では仲間モンスターもルイーダの酒場に預けることができるが、イベントで仲間になるPCには専用枠が用意されているのに対し、戦闘で仲間にしたモンスターは別枠で、預けられる数に制限がある。
 
仲間モンスターのうちスライム系のモンスターは【スライム格闘場】に出ることができ、3連戦(最強クラスのみ4連戦)勝ち抜きでクラスに応じた賞品がもらえる。

ふくろ

従来の【預かり所】に代わる機能として、持ち運びのできる【ふくろ】が登場。使わないか持ちきれないアイテムをふくろに入れておくことで、手に入れた全てのアイテムを持ち歩けるようになった。1アイテムのふくろ内での所持数は99個まで。
このため、「アイテムを拾ったものの持ちきれず諦めざるを得ない」といった事態が起こらなくなり、回復アイテムを大量に買い込んで持ち歩くことも可能になった。
ただし初登場の本作のふくろは預かり所のコマンドをそのまま引き継いだ方式であり、ふくろの中から直接使うことはできず、使うアイテムは誰かに持たせる必要がある。
これに伴い従来の預かり所はゴールドのみを預かる【ゴールド銀行】に変更された。

記憶システム

町などの人物の台詞を後から見られる【記憶システム】が搭載された。
会話後にXボタンを押すことでその台詞を記憶することができ、覚えた台詞は主人公の特技【おもいだす】などを使って移動中いつでも見ることができる。
この機能でアイテムなどにまつわる「言い伝え」を記憶し、探索時にそれを思い出すことで謎解きを楽にするというのが本来の使い方だが、特定の人物の台詞集を作ったりといったことも可能。

井戸

本作から【井戸】を調べることもできるようになった。
特に本作では調べると異世界に移動する井戸もあり、重要な移動手段となっている。
それ以外の井戸は調べると井戸の中のマップに切り替わり、人が住んでいたり、アイテムがあったり、はたまたダンジョンのようになっていたりすることもある。
ただし【いどまじん】などのトラップモンスターが出る場合もある。

かっこよさ

今作では装備するアイテムによって上がったり下がったりする【かっこよさ】のステータスが新登場。
かっこよさは戦闘には影響しないが、中盤から参加できる【ベストドレッサーコンテスト】をクリアするのに必要となる。コンテストではかっこよさの値に加え、装備の組み合わせによってボーナスポイントが加算される場合もあり、そのポイントが一定値以上で優勝でき、ランクに応じた賞品が貰える。
このコンテストはランク3の優勝賞品がストーリー進行上で必須であるため、かっこよさを全く無視してゲームを進めるわけにもいかない。
 
関連施設として【おしゃれなかじや】も登場した。この施設で装備品を鍛えてもらうと、そのアイテムのかっこよさ(一部武具は威力も)を上げることができる。
イベントでの強化を除けばシリーズ初の「装備品自体を強化させる」システムでもあり、同じ名称のアイテムでも鍛える前後で別アイテムとして扱われる。

その他の変更点

全般

  • 呪文・特技にカーソルを合わせると消費MPの他に、その効果が簡潔に画面に表示されるようになった。これによって説明書や本などで調べる手間が省けるようになった。
  • ステータスウィンドウのHP・MP・Lvの行間が狭くなり、状態変化は最大4文字で「Lv:◯◯」の表示に上書きで表示されるようになった。

キャラ・育成関連

  • HPとMP以外のステータスの最大値は255から500に引き上げられ、HPやMPも全体的にインフレした。
  • かっこよさとの入れ替わりで【うんのよさ】が削除。
  • 【呪い】の概念が無く、装備品・敵による呪いとも存在しない。ただし装備するとこちらを不利にする装備品は存在する。
  • ゲーム進行中での名前の変更が可能となった。

アイテム・ゴールド関連

  • 武器・防具以外で装備可能な道具(腕輪や指輪・靴など)が【装飾品】というカテゴリで管理されるようになり、一人につき1つしか装備できなくなった。
  • 【ゴールド】を6桁まで持てるようになった。

移動中

  • フィールドマップ以外では半マス単位での移動で、速度が従来の倍になった。一方フィールドマップではDQ4以前のように1マス単位の移動で、速度も従来どおり。
  • マップ端まで行くとスクロールが停止し、主人公たちが画面中央に固定されなくなった。
  • ステータスウィンドウは立ち止まっていても自動的に表示されなくなり、Aボタンでメニューを開く必要がある。
  • 【地図】閲覧専用のボタンが割り振られた。オートマッピングで訪れた場所が一目でわかる【ふしぎなちず】も初導入。
  • コマンド関連の変更
  • まんたんコマンドがMP効率を無視した仕様に変更され、以降の作品ではこれが標準化した。
  • 【ルーラ】は再びキャラ成長による習得に戻り、【キメラのつばさ】もルーラと同じ効果に戻った。ただし異世界への移動はできなくなった。
  • 【時間経過システム】が廃止。シナリオが複雑になりすぎるとの理由による。イベントで夕方や夜になる事はある。

施設・寄り道関連

戦闘関連

  • 従来の【ランダムエンカウント】から【歩数エンカウント】に変更。モンスターの出現頻度が安定するようになった。
  • 前作にあった、モンスターの【グループ】ごとに固まっての表示と地上・空中の2段表示の仕様は削除(前者はDQ11で再登場する)。
  • AI戦闘は学習機能が廃止され、最初から相手の特徴に応じて適切な行動をとるが、道具は一切使用しなくなった。【作戦】【じゅもんせつやく】が削除され、【おれにまかせろ】が導入。
  • 個人コマンドが6択に増え、「こうげき/とくぎ/じゅもん/どうぐ/ぼうぎょ/そうび」に統一。「そうび」で1手消費することなく全ての部位の装備を変更できるようになった。
  • 「◯ひき」の表示が「◯匹」に変更。
  • 呪文・特技ウィンドウで前回選択したカーソルの位置が記憶されるようになった。
  • 戦闘終了後はBGMが戦闘前の続きからフェードインで流れるようになった(ラストダンジョン除く)。
  • レベルアップ時のHP・MP以外の各ステータスの上昇値は「+数値」で一括表示されるようになった。

設定

舞台

本作は2つの大きなワールドマップが存在する二重構造の世界であり、両方の世界を何度も行き来するというシナリオとなっている。
この2つの世界は上下に重なっている構造であり、地面に空いた大穴から下の世界に移動できるほか、井戸やフィールドマップ上の階段でも行き来できる。【ルーラ】での行き来はできない。
物語を進めていくことにより、下の世界が【現実の世界】で上の世界が【夢の世界】であることが判明する。
地形は上下世界で全く異なるが、【ライフコッド】【レイドック】など上下両方に存在する城や村が存在し、片方の世界で起きた変化がもう一方の世界にも影響を及ぼす。
【シエーナ】など同じ位置に別の施設が存在するケースもあり、夢と現実ということを意識しながら両世界を比べれば面白い発見があったりする。
なお夢の世界の4カ所にある前述の大穴は大魔王によって封印された建造物や町の跡地であり、手下の各魔王を倒すことによって封印が解けて大穴が埋まり、それらが復活する。
このほかに終盤になると、敵地である【はざまの世界】が登場する。
 
今作ではDQ4の章やDQ5の時代の流れのような「区切り」は無いものの、ストーリーを進めていくうちに町の状況や住人の台詞が何度も変わるようになり、テキスト量は多い。
 
世界が二重構造であることから乗り物の数も多く、馬車を除くとこれまでのDQシリーズで最多の6種類が登場。
現実の世界には【神の船】があり、これは【マーメイドハープ】を入手すれば【あわあわ船】となってシリーズ初の【海底】探検も可能になり、これによって【浅瀬】の下も潜れる。
夢の世界には海上用の【ひょうたん島】、低空飛行用の【空飛ぶベッド】と夢ならではの乗り物がある。
他に上下両方の世界で使える低空飛行用【まほうのじゅうたん】、通常飛行手段である【ペガサス】がある。ペガサスははざまの世界への唯一の移動手段ともなる。

キャラクター

スタート時は主人公1人のみでの冒険だが、序盤で徐々に仲間が増えていき、以下のうちチャモロまでの5人が揃う。テリーは中盤以降のシナリオで登場するものの、加入は終盤になってからである。

上記のうちチャモロ以外の各キャラには隠された真実があり、ストーリーを進めていくうちに明らかになっていく。
なお【鳥山明】は今作のキャラデザインについて【月刊Vジャンプ】1996/1/10増刊号で、「DQ5までのキャラと同じではつまらないので今回は全員、思いっきり軽装にしました。冒険者たちといったイメージですね」と語っている。

ストーリー

プロローグ

「このために今までずいぶん長い旅をしてきたのですものね」
どこかでの焚き火。主人公は2人の仲間とともに魔王【ムドー】を討伐しようとしていた。
仲間のオカリナで現れる【黄金の竜】に乗りムドーの城へ。だが、ムドーの術によって主人公率いる一行は全滅
気が付くと主人公はベッドから転げ落ち目を覚ます。そこは山奥の村ライフコッドだった。

シナリオ

主人公はまず【ライフコッド村長】に頼まれてお使いに行く途中、「幻の大地」と呼ばれるもう一つの世界を体験。その後村祭りで聞いた精霊の声に従って村を旅立つ。
レイドックの兵士となった主人公は、【レイドック王】からの指令で【ラーのカガミ】を入手。これによって2世界の関係が解明し、主人公は旅の最中に集まった仲間たちとともにムドーとの決戦に再挑戦する。
ムドー討伐後は、母でもある王妃【シェーラ】の言葉に従い、どこかにいるという自分自身の本体を探すため旅を続ける(当初から操作する主人公は本体の見ている夢)が、その最中にムドーをも超える黒幕の存在が徐々に明かされていく。
やがて本体との融合を果たし、世界に散らばる伝説の4武具を集め、夢の世界を束ねる【ゼニス】を復活させる。
そして主人公たちはペガサスではざまの世界に乗り込み、【マサール】【クリムト】大賢者兄弟の力を借り、大魔王【デスタムーア】との戦いに挑む。
 
自由度の高さを謳った本作だが、自由度とドラマ性を両立させた作品でもあるため、ストーリー進行面では【ロトシリーズ】に比べるとやはり自由度は低め。
ムドー討伐前は一定条件を満たさないと通れない【関所】が多く、ほとんど人物から指し示されたとおりの順番でしか進めない。
ムドーを討伐し船を手に入れて以降は、次の目的地が明確に提示されなくなり、行動可能な範囲内から自分で目的地を発見していくという展開となるが、始めのうちは前作と同じく【浅瀬】【水門】などが進路を阻む。
ひょうたん島・空飛ぶベッドを入手すれば夢の世界での行動範囲がかなり広がるものの、メインのシナリオは現実の世界で進んでいくため、マーメイドハープで海底に潜れるようになるまで、結局は一本道で進んでいく。
海底に潜れるようになった後は一気に行動範囲が広がって2世界のほとんどの場所へ行けるようになるため、伝説の4武具はどの順番でも集められるが、進行自由度が本格的に高いと言えるのはこの期間だけである。
 
個々の町のシナリオでは、主人公たちと直接的な関連の無い "町の住人" を援助することによって進行に必要なアイテムが貰えたりする形式が多くなったが、その過程では彼らの心情の変化が描かれるなど、人物自体にもより深く掘り下げが行われるようになった。
それらは相互の関連の無い独立した話になっていることが多く、特にムドー討伐からマーメイドハープ入手までは、結果的に「お使いストーリー」(町→ダンジョン(+ボス)→町)の寄せ集めという形になっている。
このような傾向は後の作品でも強くなっている。

曖昧さを残した設定

DQ4やDQ5と同じ天空シリーズとされている本作では、【ゼニスの城】【天空城】と酷似しているものの、それ以外に共通する要素はゲーム内では見られない。【ロトシリーズ】のように明確に繋がりが示されることもなく、前2作で伝説の存在だった【エスターク】も名前は出ず、ある程度関係ありそうなキャラも明言はない。
その他にも、ミレーユがいつ実体を取り戻したのかなど、ゲーム内では明かされない部分も多い。
このように本作は多くの点がプレイヤーの想像にゆだねる形になっている。そのため突飛な考察も多くなされている。
 
【堀井雄二】によると、天空シリーズ作品相互の関連の薄さについては、ゲームの面白さを考慮した理由があってのことだという(【天空シリーズ】の頁参照)。
また1996年に出版された『隔月刊ゲーム批評』では以下のようにコメントしており、答えはあえてゲーム内では示さない方針を取っている。

バーバラがマスタードラゴン(笑)という話もあるんですよね。そこまでいっちゃうと逆にちんけになるような気がして、あえていってないんですよ。
そういう意味でみんな気になっていた、ミレーユがいつ実体化したんだという問題。ミレーユは、最初から実体を取り戻していたんですよね。そういう設定なんですけれども、「僕はまだミレーユの実体見つけてません」とかいう意見もある(笑)。
その辺どこまで書くかという問題があって、書くことはできるんですけど、饒舌になってしまうし、それでは想像して楽しむという要素がなくなってしまうというのがありまして。匂わしてるのが必要なんです。
(中略)
ある種ゲームというのは、ユーザーがやって初めて完成していく、という変なメディアではあるんです。その辺ユーザーがイメージでつくれる部分を私は残しておきたい。完全にすべての情報を与えてしまうんじゃなくて、「俺はこう思った」とかいろんな思い入れがあると思うんです。

人気と評価

本作の出荷本数は約320万本。280万本とやや低迷した前作から持ち直し、再び300万本の大台を突破した。
 
『週刊ファミ通』900号記念(2006年)の「読者が選ぶ心のベストゲーム100」では、発売から10年経過してリメイク版も発表されていなかった本作は、印象が薄れていたことも相まってか、ナンバリング8作品中最下位の34位。
1000号記念「未来に伝えたいゲーム」(2008年)では55位(シリーズ中7位)となっている。
同誌30周年企画(2016年)での機種別「思い出のゲームランキング」のSFC部門でも、前作の2位に対して本作はTOP10入りを逃す結果となった。
前述のような曖昧さを持ったストーリーに加え、夢と現実が交錯するという作品舞台、サウンドがほんわかしていたこともあり、2000年代半ば頃のネット上では「記憶喪失ゲーム」「中身が思い出せないゲーム」と呼ばれていた。
しかし、リメイク版が発売された事や深いストーリー、設定が再評価され、今ではドラクエシリーズの中でも高い評価を得ており、多くのファンを獲得している。

リメイク

ニンテンドーDS版

オリジナルから約14年後の2010年1月28日、天空三部作のDS展開の一環としてDQ4・DQ5に続いて発売された。DQ4・DQ5では行われていた据置機でのリメイクが本作では行われなかったためDS版が初のリメイク作品となり、現時点ではオリジナル版発売から他機種で発売されるまでの期間が最も長い。
開発は【アルテピアッツァ】。同年内の出荷本数は約129万本。
初回封入特典として、DQMB2Lで使えた「伝説の賢者・大魔女バーバラ」のレジェンドヒーローカードが同梱された。
2011年には欧米でも発売され、DQ6としての海外初進出も果たした。なおサブタイトルは上述のとおり "Realms of Revelation" だが、発表時は "Realms of Reverie" となっており、DQ4・DQ5と同様欧州ではナンバーが省略される予定であった。
 
難易度バランスの調整が図られたほか、DQ4やDQ5と同様に仲間会話機能やDSの【すれちがい通信】を使ったおまけ要素の追加が行われた。
UIはDS版DQ4・DQ5と共通化されており、フィールドマップ以外のマップや戦闘背景が3Dのポリゴン(マップは視点変更可能)、キャラやモンスターが2Dのドット絵で描かれている。
マップの構造はほとんどの場所で変わっていないものの、SFC版には無かった風車や巨大な貝殻・虹などの演出が追加され、美麗さの増したマップも多い。
音楽は【序曲のマーチ】【東京都交響楽団】によるオーケストラ演奏版、それ以外はDSの内部音源であり、一部の曲はオーケストラ版に基づいたアレンジがされた。
仲間会話システムの導入により台詞の量はSFC版のさらに2倍となった。
 
しかしそれ以外は追加要素の少ない作品となっており、モンスターや呪文・特技の追加は無く、新規アイテムに関しても後述する2点のみ。曖昧さを残しているストーリーを補完する追加イベントも後述のデスコッド以外にはほとんど無い。
また仲間モンスターシステムがスライムスカウトに変わった結果パーティ組成の自由度が狭められており、SFC版から問題視された特技と呪文の格差もそのまま。
演出についてもオリジナル版の解説で述べた "場所によるBGM・SEの音量の変化" が消えているなど劣化点が見られる。

主要な追加・変更要素

●仲間スライム
戦闘でモンスターを仲間にするシステムが削除され、代わりに特定の場所にいるスライムを仲間にする【スライムスカウト】を導入。PCのモンスターはスライム系8匹と【ドランゴ】のみになった。
これに伴い、基本職の【魔物使い】【魔物マスター】に変更され、特殊能力も変更された。
ただし、今作の装備品でモンスター専用のものはいずれもスライム系が装備可能なので、装備者がいなくなって削除された装備品はない。
【スライム格闘場】は存続し、仲間スライムが参加可能。
 
●すれちがいの館
夢の世界の南西部にあった占いの館が【すれちがいの館】に変わり、すれちがい通信による【すれちがい夢告白】ができる。
すれちがい件数が増えることで新たな仲間スライムを仲間にできるようになる。

シナリオの変更点

●ヒントの強化
今作はメインのストーリーに変更は無いが、ゲームの進行をスムーズにするための変更が行われている。
その一環として、【ラーのカガミ】入手時やはざまの世界到着時などにヒントや状況変化を表すメッセージや台詞が追加された。
「◯◯を使いますか?」という確認が自動的に出るようになった場面もある。
また冒険の途中で【グランマーズ】の家に寄るとヒントが得られるようになったほか、彼女や【シェーラ】の台詞により上下の世界の関係性にかなり早い段階から直接言及されるようになった。SFC版では匂わせる程度だったものが、「夢」「現実」という直接的な表現で完全にネタバレする形に変わっている。
 
●天空シリーズの時系列明確化
裏ダンジョン【デスコッド】では、SFC版では「モンスターと一部天空シリーズキャラ」のみだった村の住民のパターンを「ちかいみらい(DQ4キャラ)/とおいみらい(DQ5キャラ)/いまのまものたち(モンスター)」から1つ選択可能になった。
これによって【天空シリーズ】3作の時系列がゲーム内で初めて明らかにされた(これらは一度選択すると変更不可)。

その他の変更点

DS版DQ4・DQ5と共通化されている事項はこちらを参照。
 
キャラ・育成関連

アイテム関連

  • 【ふくろ】の仕様が後の作品に合わせられ、移動中ならふくろの中のアイテムを使えるようになった。
  • 移動中の【どうぐ】でのアイテム選択後のサブコマンドに【インパス】が追加。
  • 地図機能が標準搭載されたため、アイテムの「ふしぎなちず」「せかいちず」が削除。

移動中

  • 仲間との【会話システム】追加。代わりに【記憶システム】が削除され、SFC版で「おもいだす」なしでは攻略が難しかったところは会話システムでヒントが得られる。
  • ストーリーを進めてグランマーズに会うと【ルーラ】の行先に【べっせかいへ】が追加されるようになった。これにより夢・現実の世界相互の行き来が可能。
  • 【本棚】で読める本が大幅に増加。「夢告白の舞台」を発見できることもある。

寄り道要素

戦闘

  • 作戦は主人公以外の個別に設定する方式になり、【みんながんばれ】【バッチリがんばれ】に変更。また、AIは特殊効果を持つ道具も使うようになった。
  • 天空シリーズ内のUI統一の影響で、個別コマンド「じゅもん」が「とくぎ」に、「そうび」が「どうぐ」に統合され4択になった。使いたい技を探すのにSFC版よりも手間がかかるようになってしまった。
  • 【マホターン】【マホカンタ】など、一部の補助呪文の効果がターン経過で切れるようになった。ただし、【スカラ】系や【バイキルト】などは変更なし。
  • 【マダンテ】の威力がSFC版の2/3に弱体化。
  • 全ての雑魚敵のHPが2割減少、報酬(経験値とゴールド)は2割増加。

マップ関連

 
このほか、一部の特技やアイテムの仕様、イベントやボスの演出の変更などが行われている。詳細については各種該当頁を参照。

スマホ版

DQシリーズ8作品のスマホ展開の一環で、DQ5に次ぐ7作目として、2015年6月11日から配信された。開発はアルテピアッツァ、キャトルコール。iOS、Androidに対応。
Android版はGoogle Playのほか、2017年2月からはAmazonアプリストアでも配信されている。
海外各国でも配信が行われている。
 
基本的にDS版のベタ移植で、DS版同様に天空シリーズ内で統一されたUIを使用している(詳細はこちら)。画面ドラッグによるキャラ移動にも対応し、移動パッドを非表示にすることも可能になった。
冒険の書のクラウドセーブも可能。
BGMはバトルロードシリーズなどと共通のシンセサイザー音を使用している。
 
その他DS版との違いは以下。

  • エリアごとの熟練度上げ限界レベルが大幅に上昇し、特にムドー戦直後の育成がしやすくなった。
  • テリーの初期能力がさらに強化。レベルは33、職歴はDS版の2職に加えて【僧侶】【魔法使い】もマスターしており、ステータスも若干上昇。
  • 仲間スライムとドランゴの【性別】が明確に表示されるようになった。
  • すれちがいの館が【まぼろしの館】に変更。すれちがい夢告白の代わりに、各地の本棚から見つかる【夢のカケラ】を集めることで新たなスライムを仲間にできる。
  • プレゼントコードによる配信限定アイテムが追加(配信サービスは2015年9月で終了)。

関連作品