Churchill I

Last-modified: 2025-12-14 (日) 23:14:47


Tier 5 イギリス 重戦車 Churchill I(チャーチル ワン)

wotb_churchill1_001.png
 
中間砲・初期砲を搭載した状態
wotb_churchill1_002_6pdr.png
QF 6-pdr Gun Mk.V(中間砲)搭載時の姿。
 
英国砲らしい低単発・手数型の主砲で、俯角を9度取れるのが強み。
同格以下相手であればそれなりに戦えるが、格上HT相手には苦しい。
 
 
wotb_churchill1_003_stockgun.png
QF Mk.X(初期砲)+改良砲塔を搭載時の姿。
 
Tier4相当の手数型主砲。
俯角を10度取れるが力不足の一言に尽きる。中間砲への換装後に出撃しよう。
 
 
wotb_churchill1_004_dont_war.png
QF Mk.X(初期砲)+初期砲塔を搭載時の姿。
 
旧日本海軍の軍艦の副砲みたいでちょっとカッコいいが、初期砲しか積めない。
敵に初期砲搭載をアピールするようなものなので、必ず改良砲塔への換装を行おう。
 
その他の画像
image.jpeg
 

時のイギリス首相、ウィンストン=チャーチルの名を冠した歩兵戦車
塹壕戦を想定した長大で鈍重な車体は機動戦には不適なものの、歩兵戦車としては十分にその役割を果たした。
当初は歩兵戦車ながら榴弾のない2ポンド砲(初期砲)を搭載したため、車体前部に3インチ(76.2mm)榴弾砲が取り付けられている。
なお、改良砲塔はチャーチルIII型のものである。

 

☕️のんびり愉快なチャーチル一家☕️(関連車両)
6ポンド砲を搭載、ソ連にレンドリースされ活躍した妹: Churchill III
アメリカン砲弾も使える75mm砲を搭載した妹: Churchill Mk. VI
溶接構造を採用した後期型の妹(派生先): Churchill VII
95mm榴弾砲を搭載した高単発の妹: Churchill VIII
ⅦをベースにWGが微調整を施した妹: Churchill W
Tortoiseの砲を搭載した異形の妹: Churchill Gun Carrier

 

基本性能(v7.1.0)

車体Tier国籍タイプ耐久値
(HP)
車体装甲厚
前面/側面/背面
(mm)
最高
速度
(km/h)
初期
重量
(t)
本体価格
(クレジット)
Churchill IVイギリス重戦車650~700177/63/5026/1435.93400,000 cra.png
 

武装

砲塔:Churchill I(初期)

Tier名称発射
速度
(rpm)
弾種平均
貫徹力
(mm)
平均
攻撃力
DPM
(HP/分)
精度
(m)
照準
時間
(s)
総弾数弾薬費
(Cr/G)
重量
(kg)


IVQF Mk.X21.43AP
APCR
84
121
50
45
1072
964
0.361.715018 cra.png
1200 cra.png 3 gda.png
130+20°
-10°
 

砲塔:Churchill III(後期)

Tier名称発射
速度
(rpm)
弾種平均
貫徹力
(mm)
平均
攻撃力
DPM
(HP/分)
精度
(m)
照準
時間
(s)
総弾数弾薬費
(Cr/G)
重量
(kg)


IVQF Mk.X24.00AP
APCR
84
121
50
45
1200
1080
0.361.516018 cra.png
1200 cra.png 3 gda.png
130+20°
-10°
VQF 6-pdr Gun Mk.V13.33AP
APCR
HE
130
180
15
90
80
100
1200
1066
1333
0.411.97245 cra.png
2400 cra.png 6 gda.png
32 cra.png
450+20°
-9°
VI75 mm Gun Vickers HV8.57AP
APCR
HE
145
202
38
160
135
200
1371
1157
1714
0.362.184100 cra.png
2800 cra.png 7 gda.png
56 cra.png
591+12°
-4°
 

砲塔

Tier名称装甲厚(mm)
前面/側面/背面
旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
IVChurchill I101/88/88202307,200
VChurchill III127/90/90202407,500
 

エンジン

Tier名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
IVMeadows D.A.V.36020724
IVBedford Twin-Six375201,531
 

履帯

Tier名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
IVChurchill I43.00158,150
VChurchill III43.00208,150
 

乗員

  1. Commander
  2. Driver
  3. Gunner
  4. Radio Operator
  5. Loader
 

派生車両

派生元:Matilda
派生先:Churchill VII


開発ツリー

MatildaChurchill I
12,990fa.png
Gun.png
QF 2-pdr Mk.X
turret.png
Churchill III
1,200fa.png
Gun.png
QF 6-pdr Gun Mk.V
4,370fa.png
Gun.png
75mm Vickers HV
5,900fa.png
turret.png
Churchill I
Churchill VII
27,000fa.png
900,000cra.png
engine.png
Meadows D.A.V.
engine.png
Bedford Twin-Six
1,000fa.png
suspension.png
Churchill I
suspension.png
Churchill III
2,000fa.png
 

fa.png:必要経験値


 

解説

歩兵戦車としては先代にあたるマチルダⅡとは立ち回りが大きく変わり、重装甲+速射性頼みのゴリ押し戦法や積極的なハルダウンは難しくなった。
機動力も先代から大きく低下し、「履帯裏の悪魔」と呼ばれる弱点も加わってしまった。
 
ここからの本ツリーは立ち回りを見直し、Tier7のBlack Princeまでは「豚飯」等の防御テクニックをより活用しつつ、守り重視で粘り強く戦っていく事になる。
見習い英国紳士諸氏にとっては一つの大きな壁となるであろうが、英国戦車らしい個性をプラスに転じて勝ち筋を掴もう。

 

装甲

装甲はそれなりの厚みを確保してはいるが、車体も砲塔もその大半が垂直装甲で構成されており、棒立ちだと同格からも抜かれやすい。
(マチルダⅡは装甲形状が複雑なので謎弾きを誘発させやすかったが、本車輌ではそれも期待しづらい)
それゆえ、豚飯やよそ見を用いて装甲を傾斜させるのみならず、敵からの射線(特に複数の敵と対峙する際)を把握し、装甲に対して斜めに撃たせるよう立ち回る必要がある。

代わりに耐久値(HP)は同格重戦車の水準を満たすレベルを確保しており、タフさは充分。
それでも序盤はしっかりHPを温存させ、中~終盤での単発交換や殴り合いに備えよう。主砲のDPMは高いので、HPさえ残っていれば勝機はある。
そのためにも、本車輌のクセが強い装甲の特性を理解しておきたい。

  • 車体
    本車輌は硬い側面装甲(60mm)を使った「豚飯」での防御スタイルが基本となる。
    豚飯の角度をキツめにする事で格上の弾もある程度弾けるが、過度な期待は厳禁。抜かれたら角度を更にキツくするか、大人しく隠れよう。
     
    車体正面下部は他の戦車同様に薄く(76mm)、同格以上を相手する際の昼飯はおすすめできない。
    他の車体正面部分についても、スペック通り177mmを確保できているのは副砲周囲部分のみで…他の部分は88mmしかなく、昼飯の角度を取ってもさしたる防御力は期待できない。
    下記の「履帯裏の悪魔」対策という意味でも、本車輌での昼飯は限られた状況か緊急用と割り切ろう。
     
  • 「履帯裏の悪魔」について
    本車輌の履帯は車体を上下にグルリと囲む形で巻かれており、正面から履帯を撃たれると車体にまでダメージが及んでしまう。
    具体的にいえば、貫通力100mm以上のAP/APCR弾であれば本車輌の履帯を車体ごと貫通可能であり、「履帯を切られて同時にダメージを受ける」という最悪の展開を招く。
    これはチャーチル一族の多くや同類の履帯構成を持つ戦車にとって大きな弱点なので『履帯裏の悪魔』と呼ばれている。
     
    この弱点を知っている戦車長は、正面棒立ち状態はもちろん…豚飯状態でも優先的に履帯を正面から狙ってくる。
    ただでさえ逃げ足の遅い本車輌が足止めを喰らったまま削り倒されるのはダンケルク状態悪夢の一言に尽きる。
    豚飯をやる際もそうでなくても、履帯正面を隠す習慣を身につけておこう。
    参考:『履帯裏の悪魔』
    _20160828_082306.JPG
    6ポンド砲視点。ご覧の通り、履帯の中に「み」が入っている。
    まめちしき:履帯裏の悪魔ってどうして生まれたの?
    wotb_churchill1_int001.jpg
    だいたいこいつのせい。(Mk I* Heavy Tank
     

    第一次世界大戦において「塹壕を越えて機関銃弾を跳ね返し、敵の戦線を突き破る」目的で開発されたのが、近代的な戦車という存在のはじまりである。
    一般的な履帯を備えた車輌は、戦車誕生以前から「車体の外側に履帯を備える」形態だったのだが…当時の技術水準だと、その形態だと塹壕を突破するには不十分な能力しか確保できなかった。
    そこで英国は「長い車体の周囲をグルリと履帯で囲み、履帯前部を極限まで高く上げ履帯自体も長くする事で走破能力を確保する」というアイデアを採用した。
    それこそが上画像の元祖・戦車こと、Mark1タンクである。
     
    履帯の内側にはみっちり車体が詰まっており、履帯裏の悪魔はここに誕生した。
    近代戦車史の始まり、それは履帯裏の悪魔の歴史の始まりでもあったのだ。
     
    この形式は武装の搭載箇所が制限される等の欠点こそあったものの一定の成功を収め、追従する車輌も出現した。
    しかしながら「塹壕を越える」という大前提そのものが第一次大戦レベルの古いコンセプトなのは事実であり、まもなく廃れたスタイルでもある。
    第二次大戦期にこのスタイルを採用したチャーチルもフランス等の一部車輌も、古いコンセプトの戦車ゆえの悲しみ(履帯裏の悪魔)を背負ってしまったといえる。

 
  • 砲塔
    本車輌の砲塔はかつて「正面の垂直装甲が88mm」という形状通りの豆腐状態だったが、バフによって正面装甲厚が127mmに強化され、それなりの防御力を持つ。
    側面も垂直装甲ながら90mmとなかなかの装甲厚なので、砲塔を傾ける事によって傾斜を確保し防御力を高める「よそ見」が有効である。
    (砲塔を斜め30度ほど傾けた場合の実質装甲厚は140mm程度。それ以上の貫通力を持つ敵車輌もマッチングするので、例によって過信は禁物)
     
    上記の「豚飯」と「よそ見」を併用し、履帯正面を隠す事で、本車輌の防御力は輝くと言っていい。
    但し…本車輌の6ポンド砲(中間砲)等の「手数型」の主砲を搭載している場合だと、よそ見を行う動作で大切な射撃チャンスを減らしかねない。
    射撃と防御のタイミングをよく考えよう。
     

砲性能

初期砲の2ポンド砲は先代にあたるマチルダさん(Tier4の女王)の初期砲にして史実砲でもあり、ガレージやトレモで愛でる以外の用途で使うべきではない。
フリー経験値を用いる等して、6ポンド砲(中間砲)を開発し終えてから戦闘に参加しよう。

なお、この中間砲はTier5軽戦車Crusaderの最終砲でもあり、同車輌の開発後であれば乗り出しが楽になる。オートローダーの方ください
この中間砲に限らず、英国各ツリーは開発パーツの互換性が割と高めなのも魅力のひとつ。
複数の英国ツリーを進める戦車長諸氏は、計画的に植民地経営ツリー開発を進めていこう。

  • QF 6-pdr Mk.V(中間砲)
    Churchill IIIの史実砲であり、いかにも英国砲らしい低単発+手数型の主砲。
    「俯角9度」という魅力こそあるものの、ハルダウンをやろうにも履帯裏の悪魔が盛大に邪魔をしてしまい、俯角を活かせる状況は(側面ハルダウン等)限定的。
    また、上記した通り「よそ見」との相性もいまひとつ。とはいえ同格や格下を相手するには十分。最終砲開発までがんばろう。
    最終砲の俯角のなさにどうしても馴染めない紳士は、格上への苦戦承知で敢えてこちらを使い続けるという選択肢もなくはない。
  • 75mm Gun Vickers HV(最終砲)
    Churchill Mk. VIの史実砲。高いDPMと貫通力(APCR:202mm)を持ち、格上相手でも戦える最終砲。
    単発火力こそ平凡だが貫通力のみならず精度も優秀で、鈍足車輌ゆえの射撃チャンスの少なさを補うに足る実力はあるといえる。
    「俯角が4度に制限される」という弱点もあるにはあるが、「履帯裏の悪魔を隠しつつ戦う」という地形適応能力云々以前の大問題がある本車輌においては、スコーンの粉が散った程度の話ではある。
 

機動性

もはや語るまでもない、チャーチルの🇬🇧🇬🇧ですらある鈍足「紅茶がこぼれない」という比喩にも納得できる。
 
最高速度25km/hはマチルダさんよりノロマで、加速も旋回速度も今ひとつ。
砲塔旋回速度も速いとは言えないので、砲塔と車体を同時に旋回させて速度を補おう。それでもNDK耐性は期待してならない。
拡張パーツで最高速を盛っても知れたものなので、搭乗員スキルも併せて加速力や車体・砲塔の旋回速度を強化し、豚飯やよそ見のキレを増すとよい。

 

立ち回り方

最高速度25km/hという鈍足ゆえ…戦闘開始時に素早く進撃ルートを決定する判断力と、「足の遅さを頭脳で補う」戦況の先読みが求められる。
味方の初動を素早く見極め、極力迷わずに進んでいこう。

ここで注意したいのは、序盤で陣取る地形である。
本車輌は地形適応能力に乏しく、目立つ弱点もある。安易に味方にホイホイ付いていって近距離のハルダウン戦にでもなったら「お荷物確定」であり、そこから下手に引くと突出してきた敵から撃ち下ろされ、薄い天板を撃ち抜かれかねない。特に最終砲は俯角のみならず仰角も12度と乏しく、状況によっては撃ち上げすらできず一方的に撃たれるばかり…という、悲惨な結末にもなり得る。

ではどうすればいいのか?と言えば
味方の視界と射界が届く範囲内で、なるべくチャーチルが得意な地形(ポジ)に陣取る」という方法がある。
その際の注意点は以下。
 

  • 味方からあまり離れ過ぎず、適度な距離を保つ
  • 敵が側面や後方から接近しても味方が対応可能な場所を選ぶ
     (もしくは障害物やマップ端等を用いて物理的に側面や後方を取られづらいようにする)
  • 視認範囲外から敵駆逐が撃ってきそうな場所(いわゆる駆逐ポジの射線上)はできれば避ける

チャーチルに限らず、重戦車の多くは目が悪い。
当然ながら「敵が見えないと撃てない・気付けない・避けられない」ので、視認範囲が広い味方中戦車・軽戦車の目を借りる事になる。
豚飯やよそ見を多用する都合上、多方面からの攻撃には撃たれ弱い…という弱点を味方の目で補いつつ、
敵が見えている状態であれば、射線管理を忘れずに得意の豚飯とよそ見でガンガン弾きながら、狙いすました紳士の一撃をお見舞いしてやろう。

また、上記の解説-装甲の項でも触れたが、序盤では意識して耐久値(HP)をキープした戦闘を心がけよう。
中盤以降に十分なHPが残っていれば、相手次第ではDPMにモノを言わせての殴り合いや強攻も選択肢に入る。
とはいえ中間砲・最終砲共に単発火力が高いとは言えないので、与ダメージ量的な欲はかかず「敵の枚数を減らす」事を優先すると、後の展開が楽になる。
 
総論として「強戦車」とはお世辞にも言えない。英国紳士向けのクセが強い一台だといえる。
幾らクレジット係数が高いとはいっても、勝てなければ稼ぎもへったくれもない。稼ぎ目的で乗るのなら、まずは車輌との相性を考えた上で乗ろう。
しかし、人は選ぶものの…乗って・愛でて楽しい車輌でもある。歩兵戦車で重戦車に打ち勝つカタルシスを、あなたも。

 

特徴

長所

  • 同格HTトップのDPMと貫通力(最終砲)
  • チャーチル一族の中では優れた俯角9度(中間砲)
  • 豚飯に適しており優秀な側面装甲
  • よそ見をするとそれなりに弾く砲塔
  • 同格一位のクレジット係数

短所

  • 👿履帯裏の悪魔(デビルしゃたい)👿
  • 紅茶がこぼれない程度の鈍足(ここ教科書に出ます)
  • 悲しみの俯角4度(最終砲)
  • 垂直装甲主体で構成されており、謎弾きを期待しづらい
  • 車体正面上部の装甲厚詐欺
  • 史実では超信地旋回可能なのにゲームではできない

初期の研究

  • フリー経験値等を用いて6ポンド砲(中間砲)と改良砲塔を開発してから出撃しよう。
     上記の通り、中間砲はCrusaderと互換する。最終砲はCromwellと互換。
  • 鈍足を少しでも補うため、最終砲より先にエンジンと履帯を開発すると戦闘時のストレスが減って良い。
     

歴史背景

 
チャーチル戦車の詳しい歴史
wotb_churchill1_history001.jpg
チャーチル歩兵戦車 < Mk.IV Churchill Infantry tank(A22) >
 
第二次世界大戦を戦い抜いた本車輌は、開発開始当時の歩兵戦車であるマチルダⅡ歩兵戦車バレンタイン歩兵戦車を置き換える存在とされ、主砲に加え多数の機銃を搭載した多武装重戦車「A20」として開発が開始された。
このA20はハーランド・アンド・ウルフ社で開発されたものであるが、チャーチルの直接の原型となる「A22」への抜本的な改良はGM傘下の英国法人である中堅自動車メーカーのボクスホール社が手掛け、量産も同社が行った。
 

ダンケルクの戦いでの大敗において多数の戦車を失った状態で本土へ逃げ帰ったイギリス軍は戦車の早急な調達を強いられており、ドイツ軍が展開した「電撃戦」により地上戦における戦車の重要性が増した事も相まって…本車輌は試験が不十分な状態で量産開始、1941年6月には部隊配備も始まった。

本車輌には様々な新機軸が採用され、操縦も当時の戦車としては珍しいハンドルバー式を採用。これは超信地旋回をも可能にするメリット・ブラウン式変速/操向機によるものだったが、試験が不十分だった事が裏目に出てトラブルを多発させてしまう。
しかしながら、製造メーカーの対策チームが前線に派遣されて対応を進め、改良後はむしろ信頼できる強力な戦車として名を馳せる事になったのである。
やっぱり英国といえばあきらめない不屈のジョンブル魂ですね!

また、上記の通り「多武装戦車」A20をベースにしている事から、A20時代に車体両脇から突き出させる予定だった2ポンド砲・7.92mmベサ機銃を搭載するスポンソン(Mark1戦車の両脇に出てるアレ)を除去した名残として、車体側面には脱出用ハッチが設けられていた。防御面が若干不利になりかねない要素とはいえ、歩兵に随伴して守り戦う歩兵戦車としては使い勝手が良好だったようである。

A20重戦車について補記

A20重戦車はMark1に始まる菱形戦車シリーズの流れを汲み、当初は車体両側面のスポンソンに主砲や機銃を搭載する旧態依然とした姿で開発されていたが、
その後スポンソンは撤去され突起物の少ない銃眼となり、代わりにマチルダⅡの主砲と旋回砲塔が流用される形で主武装となった。
写真が現存する旋回砲塔搭載型のA20は、この「後期試作型」といえる個体と思われる。
A20は全2両(A20E1/E2)が試作され、1940年に試験が実施された。

 

WoT/Blitzにおいて「鈍足戦車」として敬遠され親しまれている本車輌の元凶もといネタ元となったのは、開発元のボクスホール社の子会社・ルートン社のブランド「ベッドフォード」を冠する水平対向6気筒×2(計12気筒)液冷ガソリンエンジンである。
本車輌ではこの6気筒エンジンを2基連結する構成で12気筒エンジンとした…までは良いのだが、いささかパワー不足で信頼性にも乏しかった。しかしながら一方で高いトルクを発生するという強みもあり、上記のメリット・ブラウン変速/操向機でも低速のギア比を高く(ローギア)する事により、元の高トルクも相まって非常に粘り強い低速走行性能を獲得するに至った。
元のA20が第一次世界大戦的な「塹壕戦」を想定した古臭く長大な車体と巨大な履帯を装備していた名残である「クラシックな」車体構成も良い方向に作用し、チャーチル戦車が実戦で悪路や森林における高い走破能力を評価された所以でもある。
 
設計思想が古いからといって、悪い事ばかりではないのである。かのソードフィッシュ複葉機といい、英国の兵器はこういうエピソードに事欠かない。
だから鈍足でも嫌いにならないでね…

 
image_0.jpeg
 

本車輌は第二次世界大戦の末期まで生産と運用が続けられ、英国及び本車輌を供与されたソ連を含む味方国の勝利に少なからぬ貢献を果たした。
豊富な実戦経験ゆえ改良も重ねられ、架橋戦車等の工作車輌を含む多くの派生型がある。

実戦投入当初は上記の通りトラブルに悩まされたものの改良で克服し、ノルマンディー上陸作戦以降はその重装甲と高い走破能力を駆使し、歩兵戦車としての使命を全うしている。
本車輌にとって幸運だったのは、ノルマンディー上陸以降は本格的な戦車戦よりも歩兵随伴任務へ投入されたため、鈍足やクラシックな車体構成が足枷になる機会が少なく、むしろ「適材適所」的な運用に恵まれた事だろう。
第二次世界大戦後も朝鮮戦争を戦い、この戦いにおいても凄まじい走破性で敵味方のド肝を抜いた。そんな本車輌の退役は1965年である。
(派生型である架橋戦車型は1970年代まで現役運用)

 

第一次世界大戦の戦訓を引き摺ったままな本車輌の車体構成は、古臭くも実戦で磨かれた説得力と得難い魅力に溢れている。
ダンケルクでの大敗に端を発する性急な実戦投入とその後の悪戦苦闘、克服。そして、クラシックな歩兵戦車としての激しい戦い。
勇ましく華々しい戦車戦よりも、地道な進軍や歩兵支援で輝きを見せ終戦まで戦い抜いたチャーチル戦車。

そこにはタイガー戦車のようなヒロイックさはない。しかし、その勇姿と活躍が少なからぬ人々を魅了しているのもまた事実である。

 

Blitzでも相変わらずの鈍足で…そもそも戦車戦向けではない「歩兵戦車」ゆえ、上手く立ち回るには紅茶と慣れが要る。
効率よく勝率を稼げる「強戦車」を欲するのであれば、わざわざチャーチルを選ばずともそういう戦車は他に存在する。

しかし、本車輌で胸のすく勝利を勝ち取った後の紅茶は極上だ。
英国紳士を目指す戦車長諸氏はもちろん、不屈のジョンブル魂の片鱗に触れてみたい戦車長も是非、チャーチルのハンドルを握ってみよう。

 

 
WoT公式「戦車辞典」より
試作型であるA22は、ヴォクスホール・モータース(Vauxhall Motors)社により1940年秋に製造されました。量産開始は1941年の夏。初期の型には履帯のフェンダー(泥除け)が無く、異なるファン(換気扇)を装備しており、車体には3インチ榴弾砲が取り付けられていました。チャーチル(Churchill)Mk.1の総生産数は300輌でした。

少々余談だが、チャーチル1の名前にもなっている元イギリス首相ウィンストン・チャーチルは、第一次世界大戦(1914-1918年)より前に、まだ「戦車」が生まれる前の時代に海軍大臣として当時は珍しかった装甲車両の可能性に目を付け、時の首相アスキス(1908-1916年)に装甲車両の開発を働きかけた人物としても有名。その後にイギリスのMk I* Heavy Tank(1916年制式採用)やフランスのRenault FT(1917年製造)といった戦車が現れ、20年後、イギリスは首相チャーチルのもとに第二次世界大戦(1939-1945年)を戦った。

 

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  • コメント1 -- 2018-09-28 (土) 6:00:00
    • コメント1に関連したコメント2 -- 2018-09-28 (土) 7:00:00
    • コメント1に関連したコメント3 -- 2018-09-28 (土) 8:00:00
      • コメント3に関連したコメント4 -- 2018-09-28 (土) 9:00:00

上のように、関連するコメントを子要素にすることを「ツリー化」「枝化」などと言います。
この「ツリー化」を行わないと、どのコメントに対する意見なのか分かりにくくなることがあり、混乱を招くため、必ず関連するコメントをするときは「ツリー化」を行ってください。

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  • 「なりすまし」が行われない
    「なりすまし防止」欄で解説していますが、エイリアスがログインすることにより固定されるため、他人からなりすましをされる可能性が極めて低くなります。
  • コメントごとに「通報」を行うことが可能
    ログインすることでコメントごとに通報をすることが可能になります。
    詳しくは「コメントを通報するには」へ。
  • ログインしても匿名性を保てる
    通常、ログインするとハンドルネームが表示されてしまいますが、「アカウントと関連付けない」を選択してから投稿すると、ログインしてないコメントと同様に表示されます。

Diffanaと異なり、メールアドレス、Twitterから登録可能で、本Wikiの運営会社(wikiwiki.jp)が運営しているので、比較的信頼度の高いサービスとなっています。

また、zawazawaによるコメント欄では、どのコメントとどのコメントが同一人物なのか、ある程度特定することが可能です。

  1. 同一かどうか確認するには、まず各コメント欄上部にある「すべて表示」をクリック(タップ)します。
  2. 各コメントの投稿日時の後ろに、英数字が記載されていますが、これは「エイリアス」といい、ブラウザ、回線等を総合的に判断して乱数によって自動的に設定されます。
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    このエイリアスを確認することにより、投稿されたコメントがどのコメントと同一人物なのかを判断することができます。
    また基本的にブラウザ、回線を変更してもこのエイリアスは変更されないため、なりすまし防止にも役立ちます。
コメントを通報するには

コメントを通報するには

ページと関係ないコメント、他人の誹謗中傷、晒しコメントなど、不適切なコメントはコメントごとに通報することができます。

  1. 通報を行うには、まず通報したいコメントの末端に表示される、「zawazawaで見る」をクリック(タップ)します。
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  2. 当該のコメントがzawazawaで表示されるので、「通報...」をクリック(タップ)します。
    なお通報する際はzawazawaアカウントでのログインが必要ですが、通報自体は匿名で行われます
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  3. 通報の理由を記入し(任意)、送信をします。
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また通報用フォームや運営掲示板から通報をすることも可能です。

過去のコメントはアーカイブから参照してください(表示されている場合のみ)。

アーカイブ

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