Tier 10 スウェーデン(パンユーロ) 重戦車 Kranvagn (クランヴァン/クランヴァグン/クローンヴァグン)
KRV(EMIL)計画に基づいて製造された試作重戦車の第3案にして完成形。Emil IIの各種性能を順当に強化した車両であり、乗り慣れていれば今までと変わらない使用感で戦えることだろう。
Kranvagn は優れた戦車なので、伝説迷彩が2つ用意されています。Kranvagn で1戦目を終えると、これら迷彩のオファーを受け取ります。
Nidhögg | Nord |
---|---|
ニーズヘッグ—この偉大なスカンジナビアの竜の恐ろしいアゴで、敵は恐怖で震え上がるでしょう。 | ノール—獅子、3つの王冠、青地に黄色の十字。これらは Kranvagn の故郷であるスウェーデンの象徴です。 |
(ここまで公式解説)
価格は2,550
適用中は車両名が「Kranvagn Nidhögg」となる。
「ニーズヘッグ」は北欧神話に登場するドラゴンの名前。世界樹ユグドラシルの根をかじっており、ラグナロク*1をも生き延びるという。
目の部分が盛り上がっているが当たり判定はない。貫通アシストでは貫通できるように見えるが気のせいである(Icebreakerの前面と同じ)。
『新エッダ』の作者スノッリが誤ってこの語RagnarökをRagnarökrと同一視したことが原因で「神々の黄昏」という誤訳が生まれたという。--Wikipediaより、一部改変。
詳しくは、こちらを参照されたし。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%82%AF
価格は2,550
適用中は車両名が「Kranvagn Nord」となる。
スウェーデンの国旗を全面にあしらった非常に目立つ迷彩。T34(1776)やChieftain Mk. 6、AMX M4 49らを彷彿とさせる。
「Kran」の「a」は、日本語の「ア」と「オ」の中間のような音であり、したがって冒頭で示したような表記揺れが生じている。自分の好きな読み方で良いだろう。
以下の議論はパンユーロページの掲示板より引用。
105
名無し戦車長 2020/10/13 (火) 18:40:57 c227d@26309
新スウェーデンルートを編集しているのですが「kranvagn」に関して、英語では「g」は発音しないと思うので日本語表記を「クランヴァン」に統一したいのですがどうですか?もし詳しい方でご教授いただければ幸いです…
106
名無し戦車長 2020/10/13 (火) 19:13:17 34fb1@e5400 >> 105
変更の必要なし
107
名無し戦車長 2020/10/13 (火) 19:58:59 2c393@046f2 >> 105
何故英語読み?
109
名無し戦車長 2020/10/13 (火) 21:23:00 8aff1@d32a5 >> 105
本家wot wikiの方でもクランバン(クランヴァン)って感じで「グ」は発音してないから、「グ」無しで統一でいいのでは?
111
名無し戦車長 2020/10/13 (火) 21:51:09 3b171@bac0a >> 105
スウェーデン読みのがいいな。Tigerを英語読みでタイガーと表記するより、ドイツ語読みでティーゲルorティーガーの表記するみたいに
113
木主 2020/10/13 (火) 23:03:57 c227d@26309 >> 105
どうやら本家WOTでも表記ゆれに関する話があったみたいです。一応「クランヴァグン」が公式の出す英語表記のようですがスウェーデン語読みに近いとされる「クローンヴァグン」の記述もあるのでこれと併記したいと思います。また名称に関する説明を設けて一般に使われる「クランヴァン」にも触れておきます。
v11.3 | ・APCR/HEAT/HE 弾の平均貫通力: 253/330/60 mm → 250/310/60 mm ・APCR/HEAT/HE 弾の平均ダメージ: 400/340/515 HP → 410/350/530 HP ・自動再装填時間: 12.73/8.81/7.83 秒 → 13.71/9.79/6.85 秒 ・装填時間(連射間隔): 3 秒 → 2.73 秒 ・砲塔旋回時の散布界: 0.1 → 0.11 |
直近90日の平均勝率:53.17%(2021年7月14日現在、BlitzStars調べ、ver8.0.x)
※平均勝率は参考数値であり、その車両の絶対的な強さを示すものではありません。
基本性能(v11.3.0)
車体 | Tier | 国籍 | タイプ | 耐久値 (HP) | 車体装甲厚 前面/側面/背面 (mm) | 最高 速度 (km/h) | 初期 重量 (t) | 本体価格 (クレジット) |
Kranvagn | X | パンユーロ (スウェーデン) | 重戦車 | 2350 | 100/80/50 | 30/18 | 44.77 | 6,100,000 |
---|
実用出力重量比(hp/t) | 13.5 |
---|
武装
自動再装填砲
Tier | 名称 | 連射間隔(s) | 各装填時間(s) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均 攻撃力 | 弾倉合計攻撃力 | 精度(m) | 照準速度(s) | 弾倉/総弾数 | 弾薬費(Cr/G) | 重量(kg) | 俯仰角 |
残弾数 | |||||||||||||
X | 12 cm akan L/40 | 3 | 13.71/9.79/6.85 (計:30.82s) | APCR HEAT HE | 250 310 60 | 410 350 530 | 1230 1050 1590 | 0.345 | 2.3 | 3/48 | 1015 3600 9 870 | - | +10° -9° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0/1/2 |
砲塔
Tier | 名称 | 装甲厚(mm) 前面/側面/背面 | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
X | Kranvagn | 225/70/37 | 28 | 250 | - |
---|
射界 | 全周 |
---|
エンジン
Tier | 名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
X | SFA F12 | 550 | 15 | - |
---|
履帯
Tier | 名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
X | Kranvagn | 48.00 | 25 | - |
---|
乗員
- Commander
- Driver
- Gunner
派生車両
派生元:Emil II
派生先:なし
開発ツリー
Emil II | ━ | Kranvagn 212,500 | ━ | 12 cm akan L/40 |
━ | Kranvagn | |||
━ | SFA F12 | |||
━ | Kranvagn |
:必要経験値
:必要クレジット
解説
スウェーデンルートの終着点でありKRV(EMIL)計画に基づいて製造された試作重戦車の第3案。
圧倒的なハルダウン性能とオートリローダー砲が特徴で非常に低いDPMをどのようにカバーするかが重要になってくる。
装甲
- 砲塔
砲塔正面は225mm+傾斜で実質装甲厚が360~390mmにも達し、同格重戦車の貫通上げた課金弾ですら貫通は厳しいほどの強固さを誇る。
さらに俯角を活かしたハルダウンをすればおよそ480mmまで防御力を上げることができ、駆逐の課金弾でさえ貫通は不可能となるため鉄壁と化す。(それでも高貫通課金弾で強引にぶち抜いてくる百駆や祖国砲にオサムライサンがいる時は慢心しないようにしよう。)
中央下部の傾斜が若干緩く平地で狙うとすればこの箇所であるが、それでも340mmほどが確保され安定した貫通はやはり厳しいだろう。
キューポラは実質80mmと弱点であるがかなり小さく狙いづらい。揺動式砲塔であることから俯角を取るとキューポラ部分を多く晒してしまうが、仰角を最大限にとれば完全に隠れるので覚えておくと良いだろう。
また、俯角を最大限取ることで、高貫通の弾を持ってしても貫通できなくすることができる。
側背面は相変わらずとても薄く、前線で少しでも突出してしまうと榴弾を貫通される可能性があり、さらに滅多打ちにされる危険性もあるので、敵味方の位置関係の把握も重要になってくる。
地形を活用し、マシマシでハルダウンするとゲーム内最高クラスの貫通力を持つ百駆や侍でも貫通することは難しい。
- 車体
楔形装甲の車体は装甲厚と傾斜が前身から変化しておらず、280~290mmほどであるが、重戦車の通常弾ぐらいならば跳弾を期待できる優秀な防御力を持つ。さらに少しでも撃ち上げ状態になれば強制跳弾角度になるなど安定して貫通させることは困難である。
ただし、その形状ゆえに昼飯や豚飯に適正がなく防御力はこの数値で頭打ちであるほか、車高の低さも相変わらずで近距離での戦闘では完全に発揮されにくいことに注意しよう。
車体下部も200mmほどと弱点であることも変わっていないが、Tierの上昇により相対的に抜かれやすくなった。もっとも基本的に隠す部分であるため、あまり影響はないと思われる。
側面は80mmと引き続き装甲圧で弾くタイプの積極的な豚飯は厳しい。
なお特殊常備品が搭載可能であり、改良型サンドバック装甲+サンドバック装甲+拡張パーツをマシマシにすると最大でHPが2703になる。HPマシマシで打たれ強さに磨きがかかりダメージ交換等の戦術もやりやすくなる。他の常備品・特殊消耗品との兼ね合いも考えながら、車両を自分好みの性能に変更しよう。
主砲
- 12cm akan L/40
特徴であるオートリローダー砲。
単発400×3で合計が1230と瞬間火力は僅かに上昇し、通常弾貫通力は250mmと平均的である。しかし課金弾貫通力が340mmと同格トップクラスまで強化され不満点の一つは無くなった。
装填時間は素で13.71/9.79/6.85で合計約30秒、前身のEmil 2とは異なる装填時間の配分なので注意。オートリローダーらしく3発全弾を吐き切ってからの最大瞬間DPMは3000程*2と高いが、全弾吐き切った後のDPMは約2000程度とTier10戦車最低値まで落ちてしまい息切れが顕著である。この数値はTier7~8相当であり、重戦車のHPが非常に多いTier10では火力不足を感じることもあるだろう。
しかし、瞬間火力を活かす為に一々全弾が装填されるまで待っていると、30秒近くも時間を要してしまう。その間に他の味方戦車にヘイトが集まって撃破されてしまい、数の差を付けられてしまう事があるだろう。
かといって全弾を吐ききって撃ち合っていると、先述した低DPMが足を引っ張る上に折角の瞬間火力が死んでしまうので、とにかく戦況を見極めて撃たずに装填を待つのか、撃ち切るのかの判断が非常に重要になってくる。全弾を撃ちきった後の非常に低いDPMは最大の泣き所であるので、戦線を崩されないことを意識して戦いたい。
俯角は9°と十分だが仰角はわずか10°しかなく、相手が少しでも高い場所にいると撃てなくなってしまうので注意。オートリローダーの再装填時間は基本的に(射撃後の遅延)+(再装填時間)である。全弾撃ち切った後は(再装填時間)のみを要し、(射撃後の遅延)は発生しない。
本車*3の場合は、1発目=3+8.32=(11,32)、2発目=3+9.30=(12,30)、3発目=0+13.22=(13,22)が実際の再装填時間となる。弾倉に3発全て弾が入っている状態が一番DPMが高く、弾倉が空の状態が一番DPMが低くなる。
常にとまでは言わないが、素のDPMが非常に低いため即座に撃ち込むか、ある程度装填が完了するまで待つべきか、要所要所で戦況をよく見て射撃を行おう。
機動性
総論としては遅い部類に入る。
AMX 50 B, T57 HeavyとTier10のオートローダー重戦車達は重戦車として平均以上の機動力を持っている為に勘違いされることも多いが、本車の機動力はIS-4に近い。
それ故に遊撃には向いておらず、むしろ前述の装甲と貫通力を活かして最前線で戦うのが吉。
勿論戦況に合わせて特殊消耗品である改良型エンジンブーストを使用した細かな側面取りが出来るなら戦術に組み込むべき。
また砲塔旋回速度が極めて遅く、アメリカ駆逐ルートの砲塔旋回速度に毛が生えた程度になっている。車体も同時に旋回させてもNDKへの対処は難しい。前線でいかに距離を詰められないかが鍵になる。
立ち回り方
機動力が低めで陣地転換が苦手な為、基本的には最前線で殴り合うタイプのオートリローダー。
弾倉に弾がフルに入った状態が1番装填が早いものの、それでも大したDPMを持たず、車体下部が狙われるほど押し込まれると脆い。
鉄壁のハルダウンで丁寧に相手のHTを削り、隙あらばオートローダーの弾倉火力で一気に削りにかかるのが理想。
しかし吐ききってしまうと瞬間火力が無くなる為、相手に対するプレッシャーも少なくなる。吐き切る判断は中戦車ルートの戦況や味方戦車の単発火力、3発装填を待つか否かなどのアドリブの判断力が求められる。戦況を読むPSが露骨に反映される戦車とも言える。
特徴
長所
- 課金弾の貫通が良い
- 良好な俯角(9度)
- 無敵の正面砲塔装甲
- オートリローダーゆえの高い瞬間火力
- オートリローダーからくる隙のなさ
- 速い後退速度
- 特殊消耗品が使用可能
短所
- 低すぎるDPM
- ハルダウンをするとキューポラが露出する
- 信頼性に欠ける車体装甲
- 中軽戦車の榴弾すら貫通する非常に薄い砲塔後部装甲
- クレジット係数が低い
- 低すぎるエンジン馬力による低い最高速度と加速性能
- 足りない仰角
歴史背景
長いためいくつかに折りたたみ
↑試験時の車体はEmil IIと同じ形状をしている。
Kranvagn(クローンヴァグン/クランヴァグン)*4とは、KRV(EMIL)計画で試作された重戦車である。
「Kranvagn」はスウェーデン語で「クレーン車」を意味する秘匿名称。
1943年、スウェーデン陸軍はフィンランドを通じてT-34の存在を知った。
当時スウェーデン陸軍に配備が始まっていたStridsvagn m/42ではこれに対抗し得ないと判断され、直ちに後継車輛の開発が始まった。
とはいえ、戦時中~大戦直後のスウェーデン戦車開発は停滞期にあり、Stridsvagn Leo、Stridsvagn Pilen、Stridsvagn Lansen、Stridsvagn Prickenなどの新型戦車が提案されたものの、いずれも軍の要求を満たしていないなどの理由から計画段階で中止となっていた。
1949年頃、(中立国ゆえにベルリンパレードには参加していなかった)スウェーデン陸軍は諜報部の報告から他国に一歩遅れてソ連のIS-3重戦車の情報を知り、これに対抗する新型戦車の開発を始動させた。
↑スウェーデンで描かれたIS-3の図。よく見ると右上にJosef Stalin IVの文字もあり、IS-3の発展型も意識していた事が伺える。
それまではT-34を基準に開発が進められていた各計画案の性能を刷新し、Stridsvagn Lansenを25トン級に拡大し、強力な主砲を搭載する計画案も提示された。
しかし、ここまで提案された戦車はいずれも旧式のStridsvagn m/42をベースにしていた為、当然ながら設計限界に突き当たっていた。
そこでArtillerikanonvagn 1949または15 cm kanonvagn fm/49と呼ばれる新型自走砲の計画案を新型重戦車の車体設計へ転用する事を決定した。
一方、1946年10月にエリク・ギルナー(Stridsvagn 103?の開発者スヴェン・べルゲの上司)を中心としたKATF(王立兵器開発局)のメンバーはフランスを訪問した。
この時、スウェーデンはフランスからいくつかのドイツ戦車を購入し、その中にはTiger II(1980年代にスクラップにされ、現在は71口径8,8 cm砲しか残っていない)や各種自走砲も含まれていた。
フランスはスウェーデンを良い商売相手と考えたのか、1951年にAMX M4およびAMX-50重戦車の技術を提供し、さらに新型のAMX-13軽戦車の販売交渉も行った。
しかし、スウェーデン陸軍のカール・アウグスト・エーレンスヴァルド将軍は、AMX-13軽戦車を試験のために1輌(アーセナル博物館に現存)を輸入させたが、俯仰角不足などの様々な問題からスウェーデンでの運用に適さないと判断し、1953年4月に300輌も予定されていた量産車の導入を退けた。
↑スウェーデンに輸入されたTiger II。
↑テストされるAMX-13。
これらフランスとの交流からスウェーデンは揺動砲塔(Oscillating turret)の導入を検討したが、AMX-50のFAMH社製の砲塔とは大きく異なった機構を新型重戦車には計画した。
フランスのAMX-50は上部が俯仰角制御、下部が砲塔旋回を行う揺動砲塔を有していたのに対し、スウェーデンの揺動砲塔は中央部+後部が俯仰角制御、前方+下部が砲塔旋回を行う予定だった。
これは揺動砲塔の欠点の一つである砲塔の耐弾性の低さを解消し、スウェーデンの求める広い俯角をも実現可能だったのである。
この揺動砲塔の新型重戦車は「KRV」または「Emil」の秘匿名称を付けられ、1951年に初期草案がまとめられた。
同年の初期案では計画重量28トンに40口径12cm砲、1952年秋までには計画重量35トンに67口径10,5cm砲、52年10月には40口径15cm砲がボフォース社から提案された。
さらにEmil I、II、III(E1、E2、E3)のモジュールの組み合わせごとに3種類の大きな区分けが提案されたが、これはアメリカのコンチネンタル社から複数のエンジンが輸入できるようになった事に起因する。
↑初期案
↑Kranvagnに搭載されたSFA F 12エンジン。アメリカのAV-1790エンジンのライセンス生産仕様。
計画段階の数値は以下のもの。
- Emil I(Alt E1)
主砲は12cm砲、全長6.4mの車体、AOS-895エンジン、最高速度48km/h、重量は30.7~35.5トン。 - Emil II(Alt E2)
主砲は10,5cm砲または15cm砲、E1から10cmずつ車体を延伸、砲塔正面170mmかつ車体正面145mm、AV-1195またはAVS-1195エンジン、最高速度45~55km/h、重量は34.1~39.2トン。 - Emil III(Alt E3)
主砲は10,5cm砲または15cm砲、E2からさらに延伸して全長は6.7m、E2から砲塔側面60~80mmおよび車体側面30~40mm増厚、AV-1790エンジン、最高速度60km/h、重量36.4~41.8トン。
この中から最終的に重タイプのEmil IIIが理想的な性能であった事から採用された。
↑3種類の主砲
↑各モジュールの組み合わせ
揺動砲塔および主砲を担当したボフォース社ではProject 6400の名称が付けられ、車体を担当したランツヴェルク社ではTankette(豆戦車)という名称が与えられた。
↑ランツヴェルク社による車体図面
しかし、ボフォース社は10,5cm砲と15cm砲とそれに対応する揺動砲塔を同時開発する必要があり、1953年にはおおよその計画が固まっていたにも関わらず、技術的な問題で開発は遅延し続けていた。
試作車両の完成目標は1955年、試作車両の試験は1956年、量産予定はさらに数年後と遅れに遅れてしまった。国防相のトールステン・ニルソンやスウェーデン陸軍のニルス・スウェドルンド将軍はイギリスと交渉を進め、Centurion Mk.IIIをStridsvagn 81として導入したのであった。
ボフォース社は10,5cm砲では火力不足とされた事から15cm砲の開発を優先したものの、15cm砲の弾薬で問題が発生した他、砲垂直安定装置(スタビライザー)の問題にも直面し、完成目標だった1955年になっても砲塔と主砲の製造は全く手付かずの状態となっていた。
当のボフォース社は「努力する」としていたものの、揺動砲塔および新型主砲の技術的な問題が全く解消できない事から実質匙を投げた状態になっていた。
1954年末にランツヴェルク社が担当していた車体は製作され、1956年5~6月に2両分の車体が完成したが、ボフォース社内ではProject 6400、すなわちKRV(EMIL)計画は中止となった。
仮に10,5cm砲や12cm砲に妥協したとしても、開発遅延や製造・運用コストの高騰による高コスト化により、どのみち採用されなかった可能性が高いと言われている。
スウェーデン陸軍としてもStridsvagn 81の輸入によって(多少要求を満たしていないにしても)戦力は確保できた為、色々な意味で過剰すぎたKRV(EMIL)計画は試作段階での中止を判断したのだろう。
なお試作車両の試験自体は継続され、1957年には各種改良が施された事で予定重量は45トンへ増加し、ダミー砲塔を搭載して試験された。
これら2両分のKranvagnの試作車体を無駄にできるほどスウェーデンは裕福ではなかった為、これらは別の車両の開発に役立てる事になった。
- Stridsvagn 103
1つ目の車体は、Centurion Mk. 10の砲塔を搭載したKranvagn/CenturionもしくはStridsvagn Kとして計画されたものの、最終的にはStridsvagn 103の油気圧サスペンションの実証試験車両として利用された。
この時、Centurionの20ポンド砲を固定装備して試験され、このデータを元に次世代主力戦車Stridsvagn 103の開発が進められた。
↑試験時のKranvagn
↑Stridsvagn 103C - Bandkanon 1
もう1つの車体は当初の予定通り、自走砲の車体に転用された。
この時の試作自走砲Akv 151(Artillerikanonvagn 151)は性能が良好と判断されたものの、コスト面からそのままでは採用されなかった。のちにStridsvagn 103との互換性を重視した各種改良を加えられてBKn1(Bandkanon 1)として採用・量産された。
↑Akv 151
↑Bandkanon 1
スウェーデン戦車開発史の重要な立ち位置にあるKranvagnとAkv 151の兄弟は、現在スウェーデンのアーセナル博物館の倉庫で二人並んでひっそりと余生を過ごしている。
↑現在のKranvagnとAkv151。ゲーム内のEmil IIやKranvagnの元になったモックアップの写真が上に乗っている。
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ツリー化、枝化とは?
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- コメント3に関連したコメント4 -- 2018-09-28 (土) 9:00:00
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