Tier 7 ドイツ 駆逐戦車 / 略称: JPanther / 日本語表記: ヤークトパンター
↑ 8,8 cm Pak 43 L/71
Jagdpantherの史実装備。
正確には8,8 cm Kw.K. 43 L/71の砲架を本車用に改造した8,8 cm Pak 43/3である。
↑ 10,5 cm Pak L/52
全体的に傾斜装甲が取り入れられた独特のシルエットをしている。
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 850 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 80/50/40 |
最高速度(前/後)(km/h) | 55/12 |
重量(初期/最終)(t) | 44.33/46.04 |
実用出力重量比(hp/t) | 15.20 |
主砲旋回速度(°/s) | 26 |
視界範囲(m) | 350 |
本体価格(Cr) | 1,345,000 |
修理費(Cr) | 5,780~ |
超信地旋回 | 可 |
ロール | 万能型駆逐戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
7,5 cm Pak 42 L/70 | 15.79 | AP APCR HE | 150 194 38 | 135 135 175 | 2,132 | 0.33 | 1.7 | 925 1,156 925 | 80 | 109 2,800 98 | 1,740 | -8°/+14° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8,8 cm Pak L/56 | 11.11 | AP APCR HE | 145 194 44 | 220 220 270 | 2,444 | 0.35 | 1.7 | 773 966 773 | 60 | 252 3,200 252 | 2,050 | -5°/+14° |
8,8 cm Pak 43 L/71 | 9.84 | AP APCR HE | 203 237 44 | 240 240 295 | 2,361 | 0.32 | 2.3 | 1,000 1,250 1,000 | 57 | 252 4,400 252 | 2,562 | -8°/+14° |
10,5 cm Pak L/52 | 7.32 | AP APCR HE | 200 244 60 | 320 320 420 | 2,341 | 0.34 | 1.7 | 950 1,188 950 | 40 | 1,030 4,800 650 | 3,000 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Maybach HL 210 TRM P30 | 650 | 20 | 850 |
---|---|---|---|
Maybach HL 230 TRM P30 | 700 | 20 | 1,200 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
Jagdpanther | 45.5 | 30 | 15,000 |
---|---|---|---|
Jagdpanther verstärkteketten | 49.0 | 32 | 15,000 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
FuG 5 | 310 | 50 |
---|---|---|
FuG 7 | 415 | 70 |
FuG 12 | 710 | 150 |
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Radio Operator | 5 | Loader |
---|
拡張パーツ
Class2 | Class2 | × | Class2 | Class2 | Class2 | ||||||
× | × | Class2 | Class2 | Medium |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
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静止時 | 13.11% | 2.74% |
移動時 | 7.87% | 1.64% |
派生車両
派生元 | Jagdpanzer IV(TD/60,500) |
---|---|
派生先 | Ferdinand(TD/77,500) |
射界
射界 | 左11°/右11° |
---|
開発ツリー
7,5 cm Pak 42 L/70 (初期/53,000) | ━ | 8,8 cm PaK L/56 (9,500/66,000) | ━ | 8,8 cm PaK 43 L/71 (16,500/112,180) | ┳ ┃ | 10,5 cm PaK L/52 (16,800/116,490) |
FuG 5 (初期/630) | ━ | FuG 7 (1,360/8,160) | ━ | FuG 12 (7,200/43,200) | ┃ ┗ | Ferdinand (77,500/2,570,000) |
Maybach HL 210 TRM P 30 (初期/35,500) | ━ | Maybach HL 230 TRM P 30 (15,800/54,000) | ||||
Jagdpanther (初期/19,390) | ━ | Jagdpanther verstärkteketten (14,770/32,720) |
車両に関する変更履歴
v0.6.7 | 上位サスペンションの旋回速度を 3 deg/sec減少 移動時の照準拡散量を5%増加 10.5cm K18 L/52の装填時間を 7.2 secに変更 8.8cm PaK 43 L/71の装填時間を 4.8 secに変更 |
v0.7.1 | 7.5cm L/70と8.8cm L/56のモデルを修正 8.8cm PaK 43 L/71のリロード時間が4.8秒から5.3秒へ増加 |
v0.7.2 | ビジュアルモデルを修正、調整 |
v0.9.3 | HDモデル化 |
v0.9.4 | モデルの不具合を修正 |
v0.9.5 | モデルにおける不具合を修正(主砲のサイズを修正) |
v0.9.6 | 視認範囲を 370 m から 350 m に減少 |
v0.9.9 | 車輌モデルに関する不具合を修正 |
v0.9.12 | 10,5 cm Pak L/52の弾速を 805/1,006/805 m/s から 950/1,188/950 m/s に変更 |
v0.9.15 | 8,8 cm Pak L/56のAP弾の貫通力を132mmから145mmに増加 |
v0.9.17.1 | 8,8 cm Pak L/56のAPCR弾の貫通力を171mmから194mmに増加 |
v1.9.0 | 7,5 cm Pak 42 L/70の総弾数を68発から80発に変更 派生先車輌からJagdpanther IIを削除 |
解説
- 概要
Tier7のドイツ駆逐戦車。
大戦後期、MIAG社*1がPantherの車体をベースに開発・量産した有名な重駆逐戦車である。
この車両を期に、今までの小柄な駆逐戦車から大型の重駆逐戦車へとシフトチェンジしていく。本車はその中間に位置するような性能である。
Jagdpanzer IVと比べて攻撃力が大きく強化されたが、正面装甲は80mmのまま。車体の大型化に比例して茂みに隠れにくくなり、隠蔽率も低下している。
- 火力
互換性はないが、砲ラインナップは同国Tier8HTのVK 45.02 (P) Ausf. Aと似たものとなっている。
俯角は8,8 cm Pak L/56以外は-8°とまずまずの数値。- 7,5 cm Pak 42 L/70
Jg.Pz. IVの中間砲であり、Tier7駆逐戦車としては力不足である。この砲の出番はまずない。 - 8,8 cm Pak L/56
乗り出しの時にフリー経験値を使えない場合はこの砲を乗せることになる。貫通力に大きな不安要素を抱えており、通常弾運用でTier相応の戦力になるのはかなり難しい。
本砲を搭載したときのみ俯角が-5°しか取れないのも難点であり、背の高い本車両にとっては痛手。初期砲よりマシとはいえ厳しい戦いを強いられる。 - 8,8 cm Pak 43 L/71
Jagdpantherの史実砲。Tiger (P)の最終砲と同様の砲であるが、互換性はない。
後述の10,5cm砲と比べて単発攻撃力が低く照準時間が長いが、精度や弾速で優れる。
AP弾の価格が10,5cmの約1/4と安く、クレジット収支ではこちらが上回るものの、やはり駆逐戦車として低めの単発は満足いかないことも多いだろう。
より初期状態が楽なNashornで先に本砲を開発済みであれば引き継ぐことができる。手間はかかるが、Tierが一つ下であるが故、そちらで開発しておけば本車での乗り出しがかなり楽になるだろう。 - 10,5 cm Pak L/52
全体的にバランスが良く、特に優れた照準速度と単発火力を兼ね備えている強力な砲。さらにHE弾の攻撃力が高くなり、装甲を貫通できない状況での対抗手段として使う事もできる。課金弾は貫通244mmと格上の重戦車にも弱点へ当てれば貫通可能である。
しかしAP弾が1発1000クレジットを超えており、ほぼ同価のソ連122mm砲と比べてもコスパは悪い。
8,8cmと比べると弾速がわずかに遅く、通常弾の貫通力も3mm低下しているが標準化や距離減衰の関係で実際にはこちらの方が貫通できる場面は多い。
精度は8,8cmに比べて下がっているが他国や後のTDと比べれば高い水準にある。カタログ数値上だとDPMでは劣るが初弾の威力差を含めるとリロード後即撃ち続けての30発後ですら10,5cmが上である。
- 7,5 cm Pak 42 L/70
- 装甲
Tier7TDとしてはまずまずの装甲を持つものの、前線を張れるほどではない。HPも高くないため、基本的には防御力に頼る戦い方は出来ないと考えよう。
砲の取り付け位置が高く俯角も-8°まで取れるので、ハルダウンには適している。 正面装甲は80mm+傾斜55度で130~140mm程度の防御力。撃ち下ろされない限りは、格下LT、MT程度の砲撃であればなんとか防げるといった程度。
防楯や周りの増加装甲部分付近に限れば装甲がかなり厚いため、オートエイム(防盾付近を照準される)などで撃たれると弾いてくれる場合もある。
尚、被弾時の乗員判定が広く、特に車体正面向かって右側を撃たれると操縦手が負傷し、機動力が奪われる可能性がある。
斜めで正面からも見える天板は25mmと薄い。口径76mm以上のAP・APCR弾であれば、3倍ルールにより傾斜に関係なくほぼ貫通してしまう。
機銃部分は特に弱点ではないので隠す必要はない。
- 機動性
軽快だったStuG III GやJg.Pz. IVと比べると、低くなった旋回性能と45トンを超える重量のせいで最終エンジンでも動作が重く感じる。
しかし、同格駆逐戦車の中では優秀な機動力を維持している方なので陣地転換に困る事は少ない。ただし、登坂時には速度低下が大きいため、高低差の激しいMAPでは位置取りに気をつけよう。
- その他
- 視界・隠蔽・無線
視認範囲は350mと同格駆逐戦車の中では平均的。しかしベース車体が低隠蔽のPantherになった為、隠蔽性は前身までとは比べ物にならないレベルで激減してしまっている。カモスキル・カモネット・茂み&15mルールを使用した待ち伏せも可能ではあるが、全車両中でもトップクラスの隠蔽率を誇るStuG III GやJg.Pz. IVと同じ感覚で待ち伏せするとあっさり発見されてしまうので注意。
なおStuG III G、Jg.Pz. IVは無線の通信範囲が狭いという欠点があったが、Jagdpantherに至ってようやく710mの無線機を搭載できる。
貫通力の高い火砲を得てより攻撃的な運用が可能になっているので、この駆逐戦車に適した間合いを覚えていこう。 - 開発
VK 30.01 (H)を経由したPanther・E 50系中戦車ルートでエンジン、Pz. III JやGrilleで無線、8,8 cm Pak 43 L/71はNashornと互換性がある。
初期状態から乗り出した場合、前身の砲性能のままTierだけ上がる事になってしまう。苦行となる事を避けるためにも、十分なフリー経験値を用意するか他ルートで一定の開発を進めるのが無難だろう。
- 視界・隠蔽・無線
- 総論
前身までとは特性が変化し、走攻守が揃ったバランス型の駆逐戦車となった。
最高速度、砲性能が前身の車両より向上し、やや攻撃的な動きが出来るようになった。しかしながら前身までの大きな長所であった隠蔽率は大幅に低下していて、使用感が全く異なる。
状況に合わせて狙撃と突撃を切り替えて運用できれば本車の特徴を最も活かせるだろう。
ちなみに、素敵性能高めの後姿はベースとなったPanther譲りである。
史実
1942年1月6日、クルップ社は陸軍兵器局に対し8.8cmPAK43へ機動力を付与すべく、装甲自走砲Ⅳc2型の共同設計図を提示した。
このとき検討された他の車体は
・Ⅲ/Ⅳ号車体:装甲配分に無理がありオープントップになる見込みで却下(結局繋ぎでナスホルン作成)
・Pティーガー車体:信頼性に欠けるという点で却下(結局戦車不採用で車体余るのでフェルディナンド作成)
である。
稼働率や装甲のバランス、スペース的な問題で装甲自走砲Ⅳ型をベースにすることになった。
兵器局は車両概念については了解し、クルップ社は主に下記の点に留意しつつ詳細設計をまとめることになった。
・マイバッハ・エンジンHL90の搭載
・重量は30t
・装甲は正面80mm/側面40mm
・最高速度は40km
最終的に装甲自走砲Ⅳd型が3両新造されることになり、1942年6月9日にクルップ社砲兵事務局に3両の製造が委任され、6月29日には子会社のフリードリヒ・クルップ・クルゾン製造所に直接委任される。
しかしこの段階で問題が発生することになる。
これらの試作を進めていくと既に量産されていたⅣ号戦車の生産に影響を与え、阻害することが確実であることが判明したのである。
生産遅延に難色を示した陸軍兵器局は1942年8月3日に、新型のパンター戦車の偵察戦車型の試作向け車体に8.8cmPaK43L/71を組み合わせ、同車体を流用するように通知、試作もクルゾン社ではなく
デュイスブルクのドイツ製鋼所で行われる事になった。
パンター駆逐戦車の誕生の瞬間である。
1942年9月9日の会議で、クルップ・クルゾンは最終的にパンターではなくパンター駆逐戦車を製造することに決まり、プロトタイプは1943年6月、7月の量産開始を目標と掲げられた。
この席上で新型駆逐戦車の要求項目は決まり生産に向けて動き出すことになる。
しかし試作を進めていく上で解決しないといけない問題は山積みであり、1942年10月15日の段階では量産は1943年夏とぼかされ、1943年1月5日の会議では量産開始は同年12月と更に遅れることになる。
遅延した中で致命的なのは、元々ヤクトパンターは製造見込みであったパンターⅡ型車体をベースに設計されていたため、量産に進まなかったパンターⅡ型車体から既存のパンター型車体への設計の改修が必要となったうえに、生産性の効率化まで織り込まれたことである。
最終的な仕様が決まったのは皮肉なことにプロトタイプ完成目標であった1943年6月の9日であった。
その後は順調に進み1943年12月プロトタイプが完成、1944年1月からはMIAGで社量産が開始され、同12月1にはNHM、MBA社も量産に加わり終戦までに計415両が生産された。
車体後部に機関室、車体中央部に避弾経始に優れる戦闘室、車体前部に変速機、操向変速機と88mm主砲を配する。
搭乗員は5名であり、車体前部、後方からみて左側にドライバーが搭乗し、変速機を挟んで右側には前方機銃手兼無線手が搭乗した。
戦闘室中央部、後方からみて主砲の左側には砲手が搭乗し、砲を操作する。ほか、装填手と車長が搭乗した。
乗車用ハッチは3カ所に設けられた。指揮官の真上、装填手の左側、戦闘室後部である。
主砲に取り付けられた照準器はペリスコープ式のSfl.ZF1型であり、天井から照準器の頂部が突出し、視界を得ていた。主砲と連動して照準器が左右に動くため、天井にはこの作動部分を確保するために穴が開かれた。
この開口部分に沿ってレールが設けられ、スライド式の装甲板がつけられている。
車長用の偵察装置にはカニ目型の砲隊鏡のほか、ペリスコープが用意された。天井部分には硝煙を換気するためのベンチレーターが付けられた。
III号突撃砲のような司令塔が設けられておらず、代わりに回転式のペリスコープ、側方に固定されたペリスコープが設けられている。
ヤークトパンターは生産中も細部の改良が続けられており、例えば操縦席前面のペリスコープ部分など、12種類もの形状の違いが確認できる。
低い姿勢の固定式戦闘室に強力な主砲の組み合わせの駆逐戦車というコンセプトは、戦後の西ドイツのKJPz.4-5カノーネや、ソビエト連邦のSU-122-54などに受け継がれている。
主砲である8.8cm KwK43/L71は、被帽徹甲弾(8.8cmPzGr39/43)、合成硬核徹甲弾(8.8cmPzGr40/43)、榴弾(8.8cmSprGr43)、対戦車榴弾(8.8cmHlGr39)を使用できた。弾頭重量10.16kgの被帽徹甲弾は初速1000m/sで射出された。
垂直に立てられた鋼板に対する貫通性能は2,000mで154mm、1,500mで170mm、1,000mで186mm、500mで205mmである。
本車は避弾経始に優れた設計を実現している。前面上部装甲はパンター譲りの80mm鋼板を地面に対し30度の角度で配置し、命中弾を弾きやすくし、また弾道上の装甲の厚みを160mmに増やしている。前面下部装甲は地面に対し35度で配置され、この厚みは60mmである。側面装甲は側面上部が50mmの厚みを持ち、水平に対して60度に傾いている。走行装置の取り付けられている側面下部は40mmの厚みを持ち、鉛直に立てられている。車体後部は戦闘室後部が40mmの厚みを持ち、水平に対し55度の角度を持っている。機関室後部は40mm厚で、地面に対して60度に配置された。天井は25mm厚、床板は16mm厚の装甲板が用いられている。
機関室には自動消火装置が装備された。これは機関室の温度が160度を超えると、消火剤充填ボンベから炭素・塩素・臭素を混合した消火剤が噴射されるものであった。
余談だがヒトラーはこの車両に一目ぼれしたらしく1944年2月にはヤクトパンターと直接命名をし、この車両はティーガーⅡ戦車数両の価値があると熱弁したほど。
また、日本において「ロンメル戦車」と呼ばれる事があるが、これはプラモデルメーカーのタミヤが販促のためにつけたもので、実際にはロンメルと直接かかわる逸話などは特に無い。
実車解説動画
「Inside the Tanks - The_Challenger presents "The Jagdpanther" - World of Tanks」
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