概要
弾頭/弾丸と装薬/発射薬とを総称して弾薬という。
弾薬スロットは車両ごとに最大で3つ*1であり、弾薬スロット1つにつき1種類の弾薬を搭載できる。搭載可能な弾薬数の上限は、すべてのスロットに搭載した弾薬の合計数である。
搭載可能な総弾数は、車両と主砲で規定され、砲塔の置き換えによって若干増減する場合がある。
重量は設定されていないため、搭載数によって車両の総重量が変化することはない。
弾薬をまったく搭載しないで戦闘開始しようとすると、警告がなされる。しかし、最大数の2割程度を充たしていれば、無警告で戦闘開始できてしまう。補充なしにうっかり出撃してしまわないよう気を付けよう。
射撃に用いなかった弾薬は、生還した場合はもちろん、弾薬庫誘爆や火災などで撃破となった場合でも、次の戦闘に何回でも持ち越せる。
価格
弾薬の単価は一概に言えないが、大まかにTierや口径が上がるほど高価になる傾向がある。
射撃するごとに消費されるが、アイテム(消耗品)と異なり、割引セールは行われないと考えてよい。
車両から降ろされた剰余弾薬は自動的に倉庫に収められ、倉庫画面から売却が可能である。拡張パーツや消耗品と同様、弾薬の売価は、売却時点の販売価格の半額である。なお、過去ゴールドで購入した弾薬も、売却時は、課金要素共通のレート(1G=400Cr)で換算され、クレジットで返金される。
弾薬設定画面で「自動補給」にチェックを入れている場合、戦闘結果の「詳細レポート」タブで、弾薬自動補給による支出額を見ることができる。
プレミアム砲弾(課金弾)
標準砲弾よりも高価な代わりに貫通力や威力などが強化されている砲弾。
かつて購入にゴールドを必要とした経緯から、「課金弾」「金弾」とも呼ばれ、現在でもこの呼称がよく使われる。
初期は課金通貨ゴールドでしか購入できなかったが、その後砲弾の値段の項目にあるプルダウンメニューの切り替えで、1ゴールド=400クレジット換算で購入できるようになった時期を経て、v1.0.1からはクレジットのみでの購入となった。
弾種
詳細な解説は後述するとして、ここでは初心者向けの概要を記す。
AP | 徹甲弾。簡単に言えば鉄球。所謂普通の砲弾で、自走砲を除く多くの車輌の基本弾種。 |
---|---|
HE | 榴弾。簡単に言えば爆弾。貫通力は低いが貫通すれば大ダメージ、非貫通でも小ダメージを与えられる。 |
APCR | APに似た高初速・高貫通力の砲弾で、プレミアム砲弾に多い。 |
HEAT | ダメージ判定はAPと同じだが、貫通判定はHEに近い高貫通弾。プレミアム砲弾に多い。 |
大別すると「装甲を貫通することでダメージを与える弾(AP/APCR/HEAT)」と「爆風の衝撃によってダメージを与える弾(HE)」の二種類に分けられる。
更にその中で貫通メカニズムによっていくつかの種類に分類される。
徹甲弾と榴弾の選択に関しては、豆知識も参照。
パラメータ
弾薬画面で該当する弾薬スロットをマウスオーバーあるいは右クリックで詳細を選択すると見ることができる。(それぞれで表示項目が一部異なる)
表示されている数値は、現在の主砲での値であり、砲弾互換性のある別の主砲で使用する場合はパラメータが変わる事がある。
マウスオーバー時のダイアログ表示中にAltキーを押下することで、簡単なアニメーション付き解説が表示される。
- 名称
- 弾薬の名称。アイコンの色で弾薬の種類が区別されている。
- 弾種
- 弾薬の種類が記載されている。
- 口径(mm)…Caliber
- 砲弾の直径。
口径が大きい方がダメージ量・モジュールダメージ量が増し、榴弾の場合は貫通力や爆発範囲も大きくなる傾向にある。
口径で一律に決まっているのは、貫通した際の砲弾が車体内部を進む距離で、口径の10倍進む。大きいほど深くまで砲弾が進入し奥にあるモジュールにもダメージを与える事ができる。
APとAPCRは口径/装甲厚の値が所定値以上ならば、貫通・跳弾判定時に有利な係数が適用される(2倍ルール、3倍ルール。詳しくはゲームシステムの貫通判定を参照)
- ダメージ…Damage
- 砲弾が貫通した際のダメージの下限値および上限値。この中間が「平均ダメージ」。
実際の威力(与ダメージ)は、下限値から上限値までの範囲(平均ダメージの75%~125%)でランダムに変動する。
貫通しなかった榴弾の場合は、装甲厚や爆心からの距離によって減衰する。
ダメージ判定
- 平均貫通力(mm)…Average Penetration
- 平均貫通力(カタログ値)の射程(m)ごとの値。
値が高いほど装甲を貫通しやすい。
左の数値が50mでの貫通力で右の数値が500m(機関砲では400m)での貫通力。
さらに実際の貫通力は、カタログ値の75%~125%までの範囲でランダムに変動する。
おおむねTierが低いほど距離によって減衰しやすく、APよりAPCRのほうが減衰しやすいが、例外も多い。
減衰がない弾種(HEAT/HE)では1種類の値のみが示される。
命中した時の貫通判定
- 砲口初速(m/s)…Initial Shell Velocity
- 砲弾の初速。
自走砲以外の場合は、遠距離への着弾が早くなる分偏差撃ちなどがしやすくなるため、基本的には速ければ速いほど良い。
自走砲の場合は、偏差撃ちがやりやすくなる点は変わらないが、山なりの弾道が低くなることによって遮蔽物に遮られやすくなるほか、天板に命中しづらくなるため、一長一短となる。
初速なので砲弾の飛翔中に速度はわずかながら低下する。
- 爆発範囲
- 砲弾の爆発範囲。標的(地面や車体)に着弾した際に被害を及ぼす範囲。榴弾のみ存在する項目。
- スタン時間
- 砲弾の最小スタン時間と最大スタン時間。自走砲の榴弾のみ存在する項目。
- 互換性のある主砲
- その弾薬を使用できる砲一覧。購入された弾薬は、この種類毎にストックされて、消費されていく。
- 倉庫
- 車両に搭載されず、倉庫に保管されている個数。倉庫画面から売却可能。
弾種詳細

左から順にAP(徹甲弾)・HE(榴弾)・APCR(硬芯徹甲弾)・HEAT(成形炸薬弾・対戦車榴弾)・強化榴弾(広範囲榴弾その他呼び名複数)・HESH(粘着榴弾)*2
プレミアム砲弾(金弾)の場合は5つ目の強化榴弾のように赤帯が上下に追加される。
下記セクションよりそれぞれの弾についての説明を記述する。
v1.0.1より、ガレージ画面の車両の搭載弾薬アイコンの上にマウスカーソルを置いてAltキーを押せば、簡単な動画と説明文を見ることが出来るようになったので、そちらも参照されたし。
Armor Piercing Shell (AP, 徹甲弾)
- 敵装甲を貫通する事でダメージを与える弾種。
- 非貫通時はダメージ0。
- 標準化作用が大きく、傾斜装甲の効果(装甲の見かけ上の厚さ)を若干相殺できる。
- 入射角度が大きい(70°超)と跳弾する。
- ただし、装甲厚に対して所定比を超える口径の砲弾は、入射角が大きくても跳弾しない。
- 距離が離れると貫通力が低下する。
- 破壊可能オブジェクトを貫通できる。
- 空間装甲の効果を受けにくい。
多くの戦車(いわゆる“戦車砲”装備の戦車)で標準砲弾とされている最も基本的な弾種。飛翔中の運動エネルギーで装甲を貫通することを目的とする。命中時に破砕しない強度を持たせ、貫通力を増すため、無垢の鋼(鋼の塊)からなる構造が典型である。自走砲は時代により装備できたり出来なかったりするが、v1.13.0以降は戦術AP弾として装備できる車両が多い(HEATとの二択)。
貫通した場合、カタログ値(±若干のランダム値)どおりのダメージを目標に与える。(HEと異なり、)装甲の貫通さえ見込めれば、目標に与えるダメージの想定が容易である利点がある。
貫通しなかった場合、目標にダメージをまったく与えない。本ゲームでは、どんなに小型で装甲の薄い車両に、どれほど巨大なAP弾が命中しても、貫通しなければ効果はない。
運動エネルギーを貫通に使うため、標的との距離が離れ飛翔速度が下がるほど貫通力が減衰していく。貫通する確率を高めるには、目標との距離を詰めて射撃することとなる。
本ゲームのAPは、一律にAPCまたはAPCBCを模しており、砲弾の先端に取り付けられた軟鋼製の被帽の効果により、傾斜装甲に着弾した際、入射方向(飛翔方向)に対して、装甲への貫入方向が、装甲面の法線方向に近づく向きに若干修正される(標準化)。そのため、傾斜装甲の効果が若干相殺され、貫通判定が有利になる。
目標の装甲の傾斜角が70°以上になると、跳弾し無効化されてしまう。
ただし、装甲厚に対する砲弾口径の比が3倍を超えていると、大きい入射角度であっても(装甲面に対し浅く着弾しても)跳弾判定は無視され(つまり跳弾しない)、貫通判定に移行する。詳細はゲームシステムを参照。
v0.8.10から破壊可能オブジェクトを貫通でき、オブジェクトの先の車両に命中させる事が可能。ただし、一つの障害物につき貫通力が25mm減少する。
AP弾は殆どの場合通常弾として設定されているが、課金弾がAPCR・HEATではなくAPとなっている車両がある。この場合通常弾より貫通力が高い、または通常弾より貫通力が低いが威力が高いのどちらかが設定されている。
- SU-100Y / ISU-130
APHEとして設定されており、貫通力が減る代わりに単発威力が増加している。※榴弾とは異なり、非貫通時ダメージや範囲ダメージは無い。 - KV-2
通常弾がベトン弾、課金弾が徹甲弾として設定されており、徹甲弾の方が貫通力が高い。(威力は同じ) - 日本車両
「特甲」弾(タングステン・クロム鋼弾)という設定で実装されている。貫通力が通常弾より高い。 - 一部のイギリス車両
6pdr砲、75mm砲、76mm砲、17pdr砲など複数の砲でAPCRでなく貫通力が増加したAPとなっている。 - Toldi III
課金弾が貫通力を増加させたAPとなっている。 - T-100 LT / LT-432
このゲームでは珍しい"APCRが通常弾、APが課金弾"の組み合わせ。APの方が貫通力では上回るが、弾速が遅くなる。 - Sav m/43
7,5 cm kan m/41 ikv L/50 (neglkrut)(中間砲)の課金弾が貫通力を増加させたAPとなっている。 - Lago
47 mm kan m/38 strv(初期砲)の課金弾が貫通力を増加させたAPとなっている。
現実でのAPC(被帽徹甲弾)、APBC(風帽付徹甲弾)、APCBC(風帽付被帽徹甲弾)、APHE(Armor Piercing High Explosive Shell、徹甲榴弾)、ベトン弾(破甲榴弾、対コンクリート弾)、特甲弾、特乙弾などはゲーム内での弾種としては基本的にこれに集約されている。
・AP(Armor Piercing/徹甲弾)
無垢の金属から成る原始的な砲弾。
・APHE(Armor Piercing High Explosive/徹甲榴弾)
徹甲弾の内部に炸薬を充填し、装甲を貫通後に爆発し破壊力の向上を目的とした砲弾。炸薬の分だけ質量や強度が低下するため貫徹力はAPより劣る。特に名称にAPHEと書かれていなくても、中口径以上のAPCやAPCBCは基本的にAPHEであることが多い。
・APC(Armor Piercing Capped/被帽徹甲弾)
徹甲弾の先端に軟鉄キャップを被せ、着弾衝撃による砲弾の破砕防止および傾斜装甲への入射角の改善を目的とした砲弾。キャップの分だけ空気抵抗が増し遠距離での貫徹力や精度が低下している。
なお、ゲーム的には特に標準化が大きくなったり精度が低下したりはしない。
・APBC(Armor Piercing Ballistic Capped/仮帽付徹甲弾)
徹甲弾の先端に薄い流線形のカバーを付け、空気抵抗を低減し遠距離での貫通力維持や精度向上を目的とした砲弾。特に名称にAPBCと書かれていなくても、AP弾=APBC弾の事も多い。
・APCBC(Armor Piercing Capped Ballistic Capped/仮帽付被帽徹甲弾)
画像はФирма "1С"より抜粋加工
APCの欠点をAPBCのカバーで補うことで遠距離でも高い性能を維持することができるように設計された砲弾。
・ベトン弾(Betongranate/破甲榴弾)
コンクリート壁を破壊することを目的とした砲弾。コンクリートにめり込ませてから内部の炸薬を爆発させることで破壊力を増す。構造的にはAPHEに似ているが貫通力はそれほど重視されないため外郭はAPHEより薄く代わりに炸薬量が多いHE寄りの砲弾。
しかしゲームでは特にAPHE弾と威力に差は無い。
・特甲弾
旧日本陸軍で使用されたタングステン・クロム鋼弾。
・特乙弾
旧日本陸軍で使用されたニッケル・クロム鋼弾。
Armor Piercing Composite Rigid Shell (APCR, 硬芯徹甲弾)
- 基本的にAPと同じ。
- APよりも弾速が速い。
- APよりも貫通力が高い。
- 距離による貫通力の減衰がAPよりも大きい傾向がある。
ただし一部高Tier車両のAPCRは、どれだけ離れてもほんの少ししか貫通力が低下しない。 - 標準化作用がAPより若干弱い。
APCR弾頭は、比重が重く硬い材質(タングステン合金など)からなる弾芯と、それを取り囲む軽合金からなる弾体で構成される(AP弾頭は一般に無垢の鋼からなる)。APより軽量であるため、砲口からより高速で射出される。運動エネルギーは速度の二乗に比例するため、弾頭の運動量(発射薬の量)がAPとが同じでも、APCRのほうが(近距離では)着弾時の残存運動エネルギーが大きく、貫通力を増すことができる。
こちらも通常の徹甲弾(AP)と同様に、貫通できなければダメージを与えることができない。APに比べ飛躍的に貫通力が上昇しているが、弾体質量が減少した分、空気抵抗の影響が大きいので、距離減衰の度合いはAP以上である……が、本ゲームの交戦距離では同じ主砲で使用するAPよりも貫通力が下回るという程ではない。(ごく一部に例外あり)
基本的には課金弾として設定されているが一部の車輌では通常弾がAPCRとなっている。
中~高Tier車輌では、APCRのゲーム内名称ながら、APDS(Armor Piercing Discarding Sabot、装弾筒付徹甲弾)を模している場合があり、距離減衰の度合いが少ない。(APDSでは、APCRの弾体に相当する装弾筒が砲口から射出後に分離し、砲の口径より小径の弾体(APCRの弾芯に相当)のみが飛翔体となるため、空気抵抗の影響が非常に小さい)
現実でのAPCNR、APDS、APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)、HVAP(高速徹甲弾)などはゲーム内の弾種としては基本的にこれに集約されている。
・APCR(Armor Piercing Composite Rigid/硬芯徹甲弾)/HVAP(High Velocity Armour Piercing/高速徹甲弾)
画像はФирма "1С"より抜粋加工
弾芯にのみ比重の重い金属を使用し、外郭は軽い金属で覆うことで砲弾の質量を下げる代わりに速度を向上させた砲弾。質量が軽い為遠距離では威力や精度が低下する。また基本的に炸薬は入っていないので破壊力は劣る。
弾芯にタングステン等の貴金属を使用する為高価であり、あのアメリカですら戦車一台に数発程度しか支給されず、重装甲車輌相手にのみ使用される正に切り札であった。
・APCNR(Armor Piercing Composite Non-Rigid)/APSV(Armor Piercing Super Velocity)
堅い弾芯と軽金属の外郭を持つ点はAPCRに似ているが、軽金属で出来た砲弾外郭を削りながら発射することで装薬のガス漏洩を防ぎ砲弾速度を向上させる口径漸減砲用の砲弾。
・APDS(Armor Piercing Discarding Sabot/装弾筒付徹甲弾)
APCRの弱点であった表面積の大きさ低減するために、弾芯のみを飛翔させることを目的とし、発射薬のエネルギーを受け止める外郭は発射直後に分離する砲弾。弾体は細長い杭のような形状をしており、高い貫通力を持つが跳弾しやすい弱点がある。
・APFSDS(Armor Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot/装弾筒付翼安定徹甲弾)
APDSはライフリングによる弾道安定だったが、更に威力を高めるために砲弾を伸長すると安定性が下がる問題があった。そのため弓矢のように安定翼により弾道安定を行う砲弾。非常に高速であり浸徹という通常のAP弾とは異なる原理により貫通するため跳弾しない等の特性があるが、速度が低下し浸徹しなくなると侵徹体は軽いためAP弾よりも貫通力は劣る。
ゲーム的には浸徹ではなく通常の貫通をする模様。
ゲーム的には、砲口での弾速(初速)が同じ砲のAP弾より約25%速いというのが最も大きな利点である。
これにより、遠距離の偏差射撃でも命中させやすく、中~近距離では偏差を行うまでもなく車体前部を狙えば車体後部に当てられる場合も多い。
また、狭い弱点部位への狙撃も敵の回避行動に阻まれにくい。
ただし、通常弾として指定されているAPCR*3は特別弾速が早い訳ではない場合もある。
APとの違いとして、標準化量が2°*4とやや少ない。
そのため、貫通力・口径が同一のAPとAPCRでは、目標が傾斜角2°以下の垂直装甲でない限り、APCRの方が貫通性能が低くなる。
High Explosive Anti-Tank Shell (HEAT, 対戦車榴弾/成形炸薬弾)
- 敵装甲を貫通する事でダメージを与える弾種。(AP弾と同様)
- 非貫通時はダメージ0。
- APよりも貫通力が高い。
- APよりも弾速が遅い(例外有り)。
- 距離が離れても貫通力が低下しない。
- APよりも跳弾されにくい。
跳弾確定の角度がAPの70°に対してHEATは85°と広くなっている。 - 破壊可能オブジェクトを貫通できない。
- 標準化がないので、貫通力が同一なAP・APCRと比較すると傾斜に弱い。
- 空間装甲に弱い。
空間装甲に当たると本装甲までの距離によって貫通力が減衰する為。
円筒形の炸薬の先端(飛翔方向側)を円錐形に凹ませ、凹ませた部分に金属製のライナーを嵌め込んだ構成を有する砲弾。
着弾時に弾底(円錐状に凹んだ頂点)から起爆し、発生するエネルギー集束効果によりメタルジェットを生成し、装甲を侵徹する。貫徹力に砲弾の飛翔速度が影響しないため、距離や砲身長に依存せず、主に口径によって性能が決まる。
本ゲーム中に実装されているHEATは、主に2パターンある。
一つは榴弾砲など短砲身砲のプレミアム弾で、貫通力はHEよりは高いが同格のAPに比べると低い場合が多い。
もう一つは主に戦後世代車両の長砲身戦車砲のプレミアム弾で、APよりも大幅に高い貫通力を持つ。
HEAT弾は基本的に弾速が遅く、偏差射撃にはやや不向き。
榴弾砲など短砲身のHEATは弾速が通常の榴弾よりも遅い。長砲身の場合は榴弾と同等以上の弾速だがAP弾よりは劣る。
ダメージ判定方法はAPと同じであり、貫通しなかった場合はダメージが必ず0となる。現実には、砲弾の構成上、HEAT-MPは無論、通常のHEATも、着弾時に(HEよりは弱いながら)爆発力を発生するが、本ゲームではメタルジェットの威力のみが考慮され、いかに薄い装甲に対しても爆発力は一切考慮されない。
跳弾判定がAP・APCRの70°と比べて緩く85°まで貫通判定に移行するが、急な角度で当たった場合は実装甲厚も大幅に増す*5ため、貫通力が200mmや300mmを超すようなHEATで無ければ恩恵は受けにくい。高Tierになると300mm前後のHEATが増えてくるが、空間装甲を備えた車両が増えてくるため相手の装甲を把握していないと阻まれることも多い。詳細はこちらを参照。
空間装甲を貫通後は、飛翔距離10cmごとに貫通力が5%ずつ低下する。つまり空間装甲には弱く、サイドスカートや履帯のような装甲厚の薄い空間装甲にも阻まれやすい。
標準化がないので、貫通力の低いHEATの場合砲弾の直径が装甲厚の3倍以上となるような薄い部位に掠るケースではむしろAP・APCRと比べて実装甲厚の増加に阻まれて貫通できない可能性が高いので注意。詳細はゲームシステムを参照。
AP、APCRと異なり、距離による貫通力減衰はない。
総じて、分厚い垂直装甲や、厚みが薄めで傾斜がきつい(70°以上)装甲、遠距離の重装甲目標には強いが、履帯をはじめとした空間装甲や、角度70°以下の傾斜装甲、遠距離で素早く動く目標には分が悪い。
なお、HEATとHEを兼ね備えたHEAT-MPや空間装甲に強いタンデム式HEATは現時点では実装されていない。
画像はФирма "1С"より抜粋加工
(参考:成形炸薬弾 - Wikipedia)
High Explosive Shell (HE, 榴弾)
- 砲弾内に充填された炸薬が着弾点で爆発することでダメージを与える弾種。
- APよりも貫通力がかなり低い。(通常は口径の半分)
- 距離が離れても貫通力が低下しない。
- 装甲を貫通した場合は、APよりも平均威力が高い。
- 装甲を貫通しなかった場合でも、主装甲にさえ命中すればダメージを与えることができる。
- 非貫通時はスペック上の平均威力の50%の基準ダメージが発生し、以下の要素によりそのダメージが減少する。
- 命中した箇所の装甲厚(傾斜は考慮しない)。
- 内張り装甲(Spall Liner)。
- 自走砲の場合は、命中しなくても着弾点付近の車輌にダメージを与える事ができる。
- 跳弾しない。※音声では貫通とダメージが発生しなかった場合「弾が弾き返されてしまった」とアナウンスが入るのはシステムの仕様。
- 破壊可能オブジェクトを貫通できる。
- 標準化がないので傾斜装甲を貫通しにくい。
- 空間装甲によって貫通力が大きく減弱する。(装甲厚の3倍の貫通力を消費する)
- スタン効果を持つ(口径122mm超の自走砲のみ)。
砲弾内に充填された炸薬が着弾点で爆発することでダメージを与える弾種。APは主に戦車砲で用いられ、HEは榴弾砲で主に用いられる。主砲のページも参照。
v1.13.0でそれまでのダメージ計算方法から刷新されており、上記の赤字部分がその変更点となる。
AP(徹甲弾)に比べ貫通力が低い代わりに、貫通した際の威力が高い(貫通ダメージ)。*6APは装甲を貫通しない限り目標にダメージを与えることはないが、HEは装甲を貫通しなくとも、目標にダメージを与えることが期待できる(貫通時よりは小さく、装甲厚により効果が大きく減衰するが)ことが大きな相違点である(非貫通ダメージ)。
飛行距離が長くなるに従って徐々に運動エネルギーが失われ、貫通力が小さくなっていくAPと異なり、着弾地点で起爆するHEは、砲弾の飛行距離による貫通力の変化はない。
同じ理由から、後述する非貫通時のダメージに関して、砲弾の相手装甲に対する入射角は関係がなくその結果、避弾経始(昼飯の角度)の影響も受けにくいとされる。詳細はゲームシステムを参照。
これらのことから、本ゲームのHEの効果は、爆発の衝撃波による圧縮・引張応力によるところが大きいようだ。
HEは装甲を貫通しなかった場合でも、ある程度のダメージを与えることが期待できる。
この非貫通時のダメージは、榴弾の爆発による衝撃波が引きおこすホプキンソン効果(Wikipedia)によって装甲板の裏側が剥離する”スポール破壊”によるもので、剥離飛散した破片が車内や乗員にダメージを与える。
スポール破壊による被害を軽減するための車内装備が内張り装甲(Spall Liner)であり、本ゲームにも拡張パーツとして採用されている。しかし、装甲が薄く、HEでも貫通してしまう車両では、内張り装甲の効果はほぼ期待できない。したがって、防御力よりも機動力が優先される軽戦車などの車両では、重量増加による機動力低下のデメリットの方が大きいだろう。
基本的にダメージが口径に依存するので、口径の小さい砲では威力が乏しくなる。*7
一部の極めて装甲が薄い車両に対して攻撃する場合、貫通すればダメージを増やせる。
どの程度ダメージが増えるかは砲によって大きく異なり、5割以上のダメージ増加を狙えるものもあるが、ほんの2割程度しか違わないものもある。
傾斜による実装甲厚の増加もあるため、確実に貫通が見込める車両というのは極めて少ない。
履帯や砲身・防盾に当たってしまった場合も一気にダメージが減るため、期待値はAPやAPCRの方が高い場合が多い。
他には、オープントップの車両に対して、高所から直接車内を狙って撃ち下ろす場合や、弾速の低い榴弾砲を用いて曲射弾道により目標の上部を狙える場合も、成功すれば目標に大きなダメージを与える。
HPの残りが僅かな目標に対しHEで射撃すれば、APのように跳弾されるリスクもないので、撃破できる可能性が高くなる。*8
HEには爆発範囲(Explosion Range)が設定されており、自走砲の場合は直撃しなくともその範囲内に目標があれば、ダメージを与える可能性がある。通常車輌の場合は爆発範囲は命中箇所からのモジュールへの加害範囲に使用される。爆発範囲は概ね弾の口径に比例して大きくなる。*9
占領ポイントをリセットするには、1HPでも目標にダメージを与えるか、モジュールを損傷させるかすればよいので、HEを用いれば至近弾(自走砲のみ)やカス当りで占領ポイントをリセットができる可能性がある。稀なケースになるだろうが、爆発範囲により1発で複数の車両の占領ポイントをリセットできることもありうる。
画像はФирма "1С"より抜粋加工
イギリスやイタリア、ドイツなどの一部の車輌は、貫通力の高い榴弾を使用出来る。
イギリスではHESH(High Explosive Squash Head , 粘着榴弾)、アメリカ等ではHEP(High Explosive Plastic)と呼ばれており、弾薬の詳細を見るとそれらの名称が確認できるが、ゲーム上では貫通力以外はHEと全く同一である。
貫通力は砲によるが、通常のHEの2倍から4倍となっている。貫通できなかった場合は、ただの高価なHEと化す。
使用できる砲としてはCenturion Mk. 7/1、Charioteer、Progetto M40 mod. 65、Leopard 1などが搭載する105mm L7A1砲(貫通力210mm or 105mm)、Conqueror、Tortoiseなどが搭載する120mm L1A1砲(貫通力120mm)が代表的。
HEとして最も高い貫通力は、FV215b (183)、FV4005 Stage IIが使用する183mm L4砲の課金弾の230mmである。
弾種比較
大まかな表であり参考程度。中身の比較用の記号も、暫定的な書き方となっている。
弾種 | ||||
---|---|---|---|---|
AP | APCR | HEAT | HE | |
貫通力 | ○ | ◎ | ◎ | △ |
威力 | ○ | ○ | ○ | ◎ |
非貫通時ダメージ 範囲ダメージ(自走砲) | × | × | × | ○ |
弾速 | ○ | ◎ | △ | △ |
標準化 | ◎ | ○ | × | × |
跳弾(入射角度)*10 | △ (70°) | △ (70°) | ○ (85°) | ◎ |
距離減衰 | ○ | △ | ◎ | ◎ |
破壊可能オブジェクトの貫通 | ○ | ○ | × | ○ |
空間装甲 | ○ | ○ | △ | △ |
対モジュールダメージ(隠しパラメータ)
モジュールに対して与えるダメージ。
モジュールにはそれぞれ耐久度が設定されており、弾がモジュールを通過すると確率でモジュールにダメージを与える。
概ね口径で決まっており、基本的に口径が大きいほど対モジュールダメージも高い。
弾種などの差は無い模様。
また、口径が同じなら威力が違っても対モジュールダメージは同じ。(例:75mm砲は威力110~175まで砲によって変わるが対モジュールダメージは100で均一)
ただしスタン効果を持つような大口径の自走砲はモジュールダメージを低く設定されている。
くわしくはゲームシステムおよび主砲の項も参照。
最大射程(隠しパラメータ)
各弾には最大射程が設定されており、この距離より遠くへは到達しない。
通常砲、自動装填砲はほぼ全て720m、機関砲はv0.9.8アップデート以降400mとなっている(ただし多少のランダム幅が有る)。
自走砲の場合は非常に長く設定されており、マップの隅から隅まで届かせても消える事は無い。(ただし弾速と発射仰角によっては砲弾が届かないといった別の意味での射程はある)
最大射程に達している場合、貫通インジケーターを使用していると貫通出来る場所でも赤く表示されるので判別の参考に。(距離計を確認するほうが確実ではある)
互換性がある同じ砲弾でも発射する主砲によって到達距離が変わることもある。
T1 Cunninghamの37 mm Gun M1916は通常砲で720m、37 mm Semiautomatic Gun M1924は自動装填の機関砲で400mである。
弾種切り替え
デフォルトの設定では、キーボードの「1」「2」「3」のどれかを、1回押しで次弾切り替え、2回押しで即時切り替えできる。
次弾切り替えは、現在装填済み/装填中の1発を撃った後に予約しておいた弾種が装填される。機関砲や自動装填装置付き砲の場合は、弾倉内の弾薬を撃ち尽くすと、予約しておいた弾種で弾倉への装弾が始まる。
即時切り替えは、実行した時点で薬室/弾倉がいったん空になり、指定した弾種の再装填/再装弾が始まる。その為、装填時間/弾倉交換時間の長い車両は隙が多くなる。「予約するつもりがあせって連打してしまった!」なんてことにならないように注意。
ちなみに、装填手スキルの直感を習得することによって、装填済み状態からの弾種切替時間を短縮することができる。
弾順入れ替え
ガレージ画面から弾薬画面を開き、入れ替えたい弾薬の間の矢印をクリックすると、順序変更ができる。
また右クリックメニューからでも変更可能。
承諾を押さないと決定されないので押し忘れに注意。
弾薬庫
弾薬を格納する弾薬庫。
弾薬庫はモジュール耐久値(HP)を持っている(隠しパラメータ)
- 弾薬庫の耐久値は車輌によって異なる。車輌の国籍や車種によっても傾向がある。
- 例えば重戦車は高めに、自走砲は低めに設定されている。
- 弾薬庫の位置は車輌により異なる。
- 砲塔直下の車体側面や、砲塔後部に配置されやすい傾向がある。ソ連系は車体正面にある車輌も多い。
- オープントップの車輌であれば外から確認することも出来る。
- 弾薬庫が車内に複数箇所搭載されている車輌でも耐久値は1つである。
- 弾の入射角と弾薬庫の配置によっては一発の砲弾が複数回弾薬庫に命中する場合がある。
- 弾薬庫の耐久値を上昇させるには、拡張パーツ「改良型モジュール構造」を装備したり、搭乗員スキルである「弾薬庫保護」を取得した装填手を配置する。
- 公式に弾薬庫のHPや配置を確認する方法は無く、外部サイトやツールを使用する必要がある。
弾薬庫がダメージを受けた場合
弾薬庫にダメージを受けると、弾薬庫の耐久値が低下する。
- 耐久値が半分になると損傷状態になり、装填速度が低下する。
弾薬庫の耐久値が0になった場合(弾薬庫誘爆)
弾薬庫の耐久値が0に達すると、車輌内の弾薬が誘爆し残りの車輌HPに関係なく爆散する。
- 弾薬の種類や残弾数(0発を除く)で弾薬庫の損傷や誘爆の確率が変化することは無い。
- 旋回砲塔を持つ車両の場合は、内側からの爆風によって砲塔が吹き飛ぶこともある。詳しくはこちらのページを参照の事。
- 弾薬が1発も残っていない場合は、弾薬庫の耐久値が0になっても誘爆しない。
- 誘爆はしないがモジュール大破状態になり他のモジュール同様、搭乗員が修理を開始したり修理キット等で修理すること自体は可能
これが榴弾砲に対する公式見解だからな -- 2019-10-18 (金) 14:51:35