Tier4 ソ連 中戦車 (読み方 テー・ドゥヴァッツァッチ・ヴォースィミ)
↑ T-28 cylindrical + 76 mm KT-28
初期状態。T-28多砲塔戦車の史実装備。
多砲塔で勇ましい姿だが、副砲塔は使用できない上に弱点となっている。*1
HD化に伴って初期砲塔にはループアンテナが追加された。
↑ T-28 conical + 57 mm ZiS-4
最終状態。長い砲身が頼もしく、一気に攻撃的な見た目になる。
ちなみに、側面の箱はOVM扱いではなく主装甲判定となっているため、豚飯をすると弱点になる。
スペック (v1.10.0)
車体
耐久値 | 510⇒540 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 30/20/20 |
最高速度(前/後)(km/h) | 45/20 |
重量(初期/最終)(t) | 16.04/17.08 |
実用出力重量比(hp/t) | 29.27 |
本体価格(Cr) | 135,000 |
修理費(Cr) | |
超信地旋回 | 不可 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
76 mm KT-28 | 13.04 | AP HEAT HE | 37 75 38 | 110 110 164 | 1,435 | 0.6 | 2.3 | 381 305 381 | 105 | 30 2,800 38 | 540 | -6°/+25° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
76 mm L-10 | 13.04 | AP HEAT HE | 66 75 38 | 110 110 164 | 1,435 | 0.57 | 2.9 | 558 446 558 | 120 | 30 2,800 38 | 641 | |
57 mm ZiS-8 | 20.69 | AP APCR HE | 75 112 29 | 75 75 95 | 1,552 | 0.45 | 2.3 | 850 1,063 850 | 115 | 35 2,000 24 | 400 | |
76 mm F-32 | 15.38 | AP HEAT HE | 67 75 38 | 110 110 156 | 1,692 | 0.51 | 2.9 | 612 490 612 | 105 | 56 2,800 56 | 770 | |
57 mm ZiS-4 | 22.22 | AP APCR HE | 112 189 29 | 85 85 95 | 1,889 | 0.34 | 2.3 | 990 1,238 990 | 115 | 56 2,800 28 | 740 |
砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
T-28 cylindrical | 20/20/20 | 46 | 320 | 2,000 |
---|---|---|---|---|
T-28 conical | 25/25/25 | 44 | 340 | 2,500 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
M-5-400 | 400 | 20 | 410 |
---|---|---|---|
M-17L 1,400 r/min | 450 | 20 | 610 |
M-17T | 500 | 20 | 610 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
T-28 | 18.9 | 35 | 5,160 |
---|---|---|---|
T-28A | 32.3 | 40 | 5,300 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
71-TK-3 | 300 | 100 |
---|---|---|
10R | 360 | 100 |
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Radio Operator | 5 | Radio Operator | 6 | Loader |
---|
拡張パーツ
Class3 | × | × | × | × | Class3 | ||||||
× | × | × | Class3 | × |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 11.63% | 3.09% |
移動時 | 8.72% | 2.32% |
派生車両
開発ツリー
76 mm KT-28 (初期/3,580) | ┳ ┃ | 76 mm L-10 (400/10,310) | ━ | 76 mm F-32 (500/27,610) | ||
┃ ┗ | 57 mm ZiS-8 (550/22,910) | ━ | 57 mm ZiS-4 (2,200/40,130) | |||
T-28 cylindrical (初期/2,160) | ━ | T-28 conical (1,025/4,370) | ||||
71-TK-3 (初期/570) | ━ | 10R (610/3,660) | ||||
M-5-400 (初期/10,230) | ━ | M-17L 1,400 r/min (200/10,770) | ━ | M-17T (850/13,460) | ━ | KV-1 (13,500/390,000) |
T-28 (初期/2,270) | ━ | T-28A (1,220/5,250) |
車両に関する変更履歴
v0.9.10 | HDモデル化 |
v1.9.0 | 57 mm ZiS-4の総弾数を78発から115発に変更 57 mm ZiS-8の総弾数を78発から115発に変更 76 mm F-32の総弾数を69発から105発に変更 76 mm KT-28の総弾数を69発から105発に変更 76 mm L-10の総弾数を69発から120発に変更 修理費用を35%ダウン 収益性を9%ダウン T-28 conical砲塔時のHPを350から540に変更 T-28 cylindrical砲塔時のHPを320から510に変更 派生元車輌を変更 |
解説
- 概要
Tier4のソ連中戦車。
1930年代初期、イギリスのIndependentを参考にT-35と併行開発された多砲塔戦車であり、史上最も多く量産された多砲塔戦車である。
高い攻撃性能を持つものの防御面では不安が残る。
- 火力
初期では火砲が貧弱だが、研究を進めると大幅に強化され、砲塔を選ばずに様々な砲を装備できる。ただし何れの砲も俯角は-6°とBT-5から2°減っており、大型化した車体と併せて稜線地形の射撃は苦手である。
無難な性能を選ぶなら実質57mm砲一択と言える。- 57 mm ZiS-4
数ある砲で特筆に価するのがTier5重戦車にも対抗可能な本砲である。この砲は単発火力はやや低めなものの、素早い装填速度と破格の精度、優れた貫通能力をも持つ素晴らしい性能を誇る。特に金弾のAPCRの貫通力は189mmとずば抜けた伸びを見せており、Tier6重戦車相手でも貫通させる事は難しくない(ただし距離減衰もかなり大きく設定されているため遠距離では流石に安定しないことも)。
照準時間や拡散は火力の割に良好とは言いにくいものの、相手がハルダウンや豚飯のような強固な防御姿勢を取っていない限り、ほぼどこに当てても貫通が見込めるため、飛び出し撃ちで照準を絞りきらず雑に撃ってもダメージを取れる。
もっとも、距離が離れればある程度照準する必要もある事は覚えておこう。 - 76 mm F-32
様々な76mm砲を搭載できるが、いずれも短砲身の榴弾砲であり使用する価値はほとんどない。
特に研究ツリーの末尾にある本砲は研究費用が安いためつい手を伸ばしてしまいがちだが、肝心の貫通力は据え置きに近く、改善されてもなお精度は劣悪。それどころか榴弾の威力まで初期砲から微妙に下がっている。
乗り出しこそT-46から引き継いだ76 mm L-10を使うことになるが、エリートステータス取得目的以外では無理に76mm砲ルートを進める必要はないだろう。
- 57 mm ZiS-4
- 装甲
最大でも30mmと極端な紙装甲であり、しかも装甲の薄い副砲塔が正面に存在する。
Pz.I Cの機関砲や75mmクラスの榴弾砲にも軽々と貫通されてしまい、105mm榴弾砲を搭載した相手と向き合えば手痛い損害を被ることはほぼ必至である。
更に車体が大きいため被弾しやすく、隠蔽率の問題もあって被発見率が高い。飛び出し撃ちに関しては、照準時間が短いものの砲塔が中央寄りにあるため、どの角度から出ても、撃つ前に車体が大きく出てしまう。近距離では間違いなく被弾、貫通され不利な状況となるだろう。
本車の極端に薄い装甲は小口径の榴弾さえ脅威となっており、格下戦車相手であってもまともに殴り合えばダメージは免れない。
- 機動性
もう一つの本車両の特徴として、非常に高い出力重量比がある。
最高速度こそ凡庸であるが、なぜか車体重量が史実より10t以上も軽くなっており、エンジンの研究を進めればBTシリーズに勝るとも劣らない瞬発力での機動が可能になる。
履帯の旋回性も悪くなく、軽戦車並の接近戦も可能。
ただしソ連戦車の例に漏れず軟路面に極端に弱い点には注意が必要。湿地などに踏み込むと一気にスピードが落ちてしまう。
速度制限装置の解除も使用可能だが、元々加速が良好ですぐに最高速度に達するため、平地での直線移動においては効果が薄い。
坂道やカーブの加速をさらに向上させたいのであれば、搭載も一考の余地がある。
なお、軽量化の代償として体当たりに非常に弱い。一部同格軽戦車や自走砲にも当たり負けるほどなので、接近戦時には注意しよう。
- その他
その巨体に違わず隠蔽率が非常に低く、茂みに隠れても偵察車両の目から逃れる事は困難である。
見つかりそうな距離で動く際には、稜線や障害物によって完全に視線を切る事を意識しよう。
視認範囲は340mと、Tier4中戦車としては並程度。同国軽戦車よりは優れているものの、視界勝負は基本的に分が悪い。
さらに本ルートでは軽→中→重と頻繁に車両タイプが変わるため、再訓練のペナルティを考えると搭乗員の引継ぎは難しい。本車である程度育成してカバーするか、ゴールドを使用するか、もしくは前後の車両とは別の乗員を使うか等、予め計画を練っておきたいところ。本車を乗り続ける場合、プレミアム車両のT-28E with F-30は、本車の搭乗員をそのまま融通できるため、入手できれば都合がよい。
- 総論
高い攻撃力と機動力を持ち、同格でも特に優れた中戦車と言える。
しかしながら、巨体と紙装甲という利点を帳消しにするほどの大きな欠点も抱えており、繊細な扱いが求められる。
強みを活かすためにも、なるべく早くエンジンと57mm砲を搭載したい。
史実
(赤の広場で行進するT-28。76mm KT-28を搭載している)
1930年代、ソ連軍は強固な機銃陣地を突破し、さらに突破後迅速に機動可能な戦車として、イギリスのヴィッカース社が開発した一連の多砲塔戦車を参考(Mk.3中戦車のライセンス生産権購入を目指したが果たせなかった。)に、開発された中戦車がT-28である。
砲塔に76mm KT-28と同軸機銃(後に後部機関銃が追加)、前方二つの銃塔に機関銃をそれぞれ1挺ずつ搭載する。多砲塔といっても本車の支援用に開発された重戦車であるT-35のように砲を多数積んでいるわけではないので見た目の迫力には欠けるが、その分重量やサイズの点で有利だった。
そのためT-35とは異なり段階的に改良がおこなわれ、当初は最大装甲厚が30mm程度と薄かったが、戦訓により強化され最終的に80mmに達したほか、1940年新規生産の13両は、主砲塔が傾斜付きのT-35と同じ砲塔に変更された。これがゲーム内での改良砲塔である。また半数以上の車両が対装甲威力が低かった主砲をより長砲身の76mm L-10へ変更した。
その他にもスタビライザーや砲塔バスケット(本車以降T-55までソ連戦車には搭載されなかった)が搭載され、溶接工法を広く導入するなど、当時としては先進的な戦車だった一方、それゆえに高価で繊細な戦車であり、25tという重量(改良型では32t)もあって生産や運用には困難が伴った。特に主砲や装甲の強化により重量が増えた後期型では、変速機や複雑なサスペンションの故障に悩まされたようである。
T-28は約500両という多砲塔戦車としては最大の生産数を誇り、まず冬戦争に投入されたが、厳寒による故障が多く、さらに装甲が薄かったためフィンランド軍の対戦車火器や、果ては火炎瓶などにより大きな損害を出した。
その後上記のような改修が多くの車両に施されたのち、初期の独ソ戦に投入された。当時のソ連軍は大粛清後の混乱から立ち直りつつあったものの、兵器は整備されずに放置され、戦術は十分に研究されていなかった。それでも改良されたT-28はドイツ軍相手に奮戦したが、多くはモスクワ攻防戦までに失われたようである。
なお、フィンランド軍は冬戦争でT-28を捕獲し、44年の継続戦争ではフィンランド軍・ソ連軍双方がT-28を戦闘に投入していた。フィンランド軍はその後も1950年代まで本車を運用しており、T-34-85を撃破するなどの戦果を上げている。
また、76mm F-32や85mm F-30を搭載するテストも1940年から41年にかけて行われたが、すでに本車の生産は事実上終了しており、広く搭載されることはなかった。
この戦車についてヨシフ・スターリンは『君たちは何故戦車の中にミュール・アンド・メリリズ(モスクワの百貨店。現ツム百貨店)など作ろうとするのかね』と皮肉をこぼしており、これがきっかけかどうかは不明だが、多砲塔戦車の開発は打ち切られている。
あと全くの余談であるが、本車の初期型砲塔上面には、意図は不明であるが五角星がプレス成形されていた。
参考資料
「ソ連多砲塔重戦車T-28、T-35」(古是三春)『グランドパワー』2002年7月号
http://combat1.sakura.ne.jp/T-28.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/T-28%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
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