Tier 4 アメリカ 中戦車
75 mm Gun M2
初期砲。M2中戦車の基本構造をベースに右側のスポンソンの砲郭に75mm砲を搭載している。
副砲の更に上に載ったキューポラ部分にまで機銃塔が配置され、やたら賑やかな見た目になっている。
75 mm Gun M3
改良砲。ちょっとだけ砲身が長くなっている、なお37mm砲はダミーなので当然変化なし。
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 475 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 51/38/38 |
最高速度(前/後)(km/h) | 38/16 |
重量(初期/最終)(t) | 27.87/28.2 |
実用出力重量比(hp/t) | 15.6 |
砲塔旋回速度(°/s) | 42 |
視界範囲(m) | 320 |
本体価格(Cr) | 126,000 |
修理費(Cr) | |
超信地旋回 | 可 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
75 mm Gun M2 | 16.67 | AP APCR HE | 90 125 38 | 110 110 175 | 1,833 | 0.47 | 1.8 | 588 735 588 | 75 | 56 2,800 56 | 1,237 | -9°/+20° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
75 mm Gun M3 | 20 | AP APCR HE | 92 127 38 | 110 110 175 | 2,200 | 0.41 | 2.1 | 619 820 619 | 75 | 56 2,800 56 | 1,437 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Wright R-975EC2 | 400 | 20 | 515 |
---|---|---|---|
Chrysler A57 | 440 | 20 | 570 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
VVSS T41 | 28.7 | 40 | 5,000 |
---|---|---|---|
VVSS T48 | 29.9 | 43 | 5,000 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
SCR 200 | 265 | 40 |
---|---|---|
SCR 210 | 325 | 80 |
SCR 506 | 615 | 110 |
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Gunner | 4 | Driver | 5 | Radio Operator | 6 | Loader |
---|
拡張パーツ
Class3 | × | × | × | × | Class3 | ||||||
× | × | × | Class3 | × |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 7.87% | 2.05% |
移動時 | 5.87% | 1.53% |
射界
射界 | 左15°/右15° |
---|
開発ツリー
75 mm Gun M2 (初期/23,000) | ━ | 75 mm Gun M3 (2,100/30,000) | ||
SCR 200 (初期/0) | ━ | SCR 210 (330/1,980) | ━ | SCR 506 (5,600/33,600) |
Wright R-975EC2 (初期/11,600) | ━ | Chrysler A57 (1,500/13,900) | ||
VVSS T41 (初期/1,870) | ━ | VVSS T48 (1,095/4,650) |
車両に関する変更履歴
v0.9.2 | 見た目の問題を修正 |
v0.9.3 | HDモデル化 衝突モデルを改良 |
v0.9.4 | 車両モデルの不具合を修正 |
v0.9.5 | 車両の迷彩の問題を修正 |
v1.9.0 | 75 mm Gun M2の総弾数を50発から75発に変更 75 mm Gun M3の総弾数を50発から75発に変更 修理費用を35%ダウン 収益性を9%ダウン HPを310から475に変更 コレクション車輌に移行 |
解説
- 概要
Tier4のアメリカ中戦車。(コレクション車輌)
ヨーロッパで登場した強力な敵戦車に対抗する為に、M2中戦車をベースに急造された戦車である。後述する特異な性質を揶揄し『Lee先生』などと呼ばれている。
この際分類が中戦車であることは一旦忘れよう(乗員を乗せ換える時だけ、中戦車ということを思い出せば良い)。
- 火力
限定射界という犠牲を背負っている代わりに火力面は充実している。
初期砲から単発火力が高めな75mm砲を使用でき、火力要員としては十分だろう。
ただし扱いやすいかというとやはり砲塔が回せないので微妙である。
攻撃時には右端に寄った主砲の配置を上手く生かそう。障害物から主砲だけを出すように反時計回りで行動する癖を付けると、大きめの投影面積が半分以下になり生存率が大幅に上がる。- 75 mm Gun M2
初期砲。75mmと大口径の高威力砲であるため、購入直後の状態でも同格相手なら十分戦える。
照準時間は最終砲に勝るが精度では大幅に劣り、遠距離での運用は困難。できれば早めに最終砲を開発したい。 - 75 mm Gun M3
最終砲。装填速度の改善により時間火力は飛躍的に上昇しており、2,200というDPMの高さによって貫徹可能な相手に対しては絶大な攻撃力を発揮できる。
ただし初期砲からAP・APCRの平均貫通力が2mmしか上昇しておらず、格上重戦車には通用し辛いため、貫通可能な相手や弱点の把握が必須となる。
精度はこの口径にしては良い部類だが、APCR弾以外はかなり弾速が遅い為、狙撃では注意したい。
榴弾に関してはどちらの砲も弾速こそ向上しているが、威力・貫通ともに前身から一切変わっていないため、マッチングするTier帯が高い分より使い所を見極める必要がある。装甲の薄い戦車に対して、或いは貫通できない相手の履帯を狙い足止めするなど臨機応変に活用しよう。
- 75 mm Gun M2
- 装甲
装甲、防御面に関して言えばネガティブな話にならざるを得ない。
装甲は正面51mm、中央の傾斜部も38mm厚60mm相当でとても頼りに出来る装甲厚ではない。スポンソン部分も51mmで特に硬いわけではない。
加えて耐久値が475と同格中戦車の中で最低値であり、殴り合いになるととても脆い。
十榴こと105mm榴弾砲(HE弾貫通力53mm)との遭遇率が高いTier帯であるため、1発の貫通弾で致命傷を貰う危険性が付き纏う。ましてHEAT弾を撃たれようものなら易々と正面装甲を貫通され大ダメージを受けてしまう。
何かと邪魔になる砲塔部分と機銃塔部分も51mmしかなく、その車高と砲の射線のズレから、稜線射撃時は相手からは思いっきり砲塔が見えているのに、こちらからは相手が撃てないという破滅的な状況が発生する。俯角はアメリカ車両らしく十分にあるものの稜線射撃には全く向いていない。
一応、側背面は38mmとPz. I Cの機関砲に全周耐える最低限の厚さを備えている。
- 機動性
最高速度こそ38km/hと遅めであるが、旋回時のスムーズな追随性に加え超信地旋回が可能で、エンジン出力にも余裕がある為に機動性の面では中戦車らしい動きが可能である。駆逐戦車じみた特性を持ちながら装甲・隠蔽・投影面積に劣る本車にとっては、この機動力はなによりの武器になる。主砲を活かすためにも状況によっては中戦車らしい運用も心掛けたい。
- 索敵性
その車高からか隠蔽率が重戦車並に低く、全中戦車中でランキングしてもワースト1位を争うほどとなっている。視界範囲も同格中戦車の中で最低なので、運動性はそれなりに確保されているとはいえ安易に単独での突出行動は行うべきでない。
無線に関してはアメリカ戦車らしく高性能なものを積める。描写範囲ギリギリでも通信が途切れる事はほぼない。
- 総論
耐久値はごく一部の例外を除けば軽戦車にすら劣り、装甲も信頼できるものではない。大きな車体は隠蔽率も悪く、敵の攻撃に対して隠れたり耐えたりすることは不得手といえるだろう。
しかし身を守るため障害物の影から撃とうにも、完全に隠れたつもりで上部砲塔が丸見えで一方的に撃たれたり、斜め上方から飛来する自走砲の砲弾に当たり易かったりなどなど、普通の中戦車以上に苦労が多い。
射界の狭さから攻撃にも反撃にも手間取りやすく、軽戦車や中戦車に肉迫されて旋回戦に持ち込まれると苦戦は必至と実に多難である。
視界範囲には劣るが、恵まれた無線機の性能から敵の位置情報に困る事は稀で、一方的に撃ちまくれる状況なら、2,200という高DPMを誇る75mm砲は優秀な火力を発揮してくれる。
そして先に述べた通り、副砲塔のある車体左側をできるだけカバーする事を意識して、建物の影から右端にある主砲だけを出せば被弾の確率を大幅に下げつつ攻撃することができる。どうしても前に出なければならない時は、左側に回りこまれないよう敵の位置と距離を慎重に測りながら移動しよう。
史実
1939年に制式化され量産が開始されたM2中戦車だったが、1940年5月の対仏戦争で使用されたドイツ軍の戦車は37mm砲や50mm砲を装備する3号戦車や75mm砲を装備する4号戦車であり、M2中戦車の劣勢は明らかであった。
そのため75mm砲を全周旋回する砲塔に搭載する戦車の開発が開始されたが、そのような大口径砲を砲塔に搭載する経験が不足していたことから、取り急ぎの急造車両として、M2中戦車をベースとした車体に75mm砲を限定旋回式で搭載する車両の開発が1940年8月よりロック・アイランド工廠で開始された。これがM3中戦車である。
M3中戦車の基本構造は前身であるM2A1中戦車とほぼ同じである。
その主砲は車体右側に装備された75mm砲で、当初は主に対歩兵・陣地を想定した、フランス製野砲ベースの砲身長が短い75mm Gun M2を搭載していたが、後期生産型では砲身を延長し、対戦車能力を向上させた75mm Gun M3を搭載するようになった。
また、主砲が限定旋回式であり、対戦車能力が低いことを考慮し、車体上部には小型の全周旋回砲塔を装備し、37mm Gun M-5またはM-6を搭載、さらにその砲塔上部には機銃付きの車長用キューポラが付いていた。
また量産途中からはM3軽戦車と同様、各砲にジャイロ・スタビライザー(縦方向砲安定装置)が搭載されるようになった。
しかし縦方向のみを安定させるため走行中には射撃できず、信頼性も低かったため機能を切る乗員も多かったようである。
装甲厚は最大約50mmで、当時の戦車としては十分な厚さを確保していた。
サスペンションについてはVVSSを採用していたが、後にバネの可動範囲を増やした改良型が装備された。
エンジンは初期にはWright Continental R-975EC2を搭載していた(M3、M3A1、M3A2)が、その後Chrysler A57(M3A4)やGM製エンジン(M3A3、M3A5)を搭載する車両も生産された。
また車体についても、上部構造をそれぞれリベット(M3、M3A5)、溶接(M3A2、M3A3)、鋳造(M3A1)とする3種類が各地の工場で生産された。
このようにM3中戦車は様々なバリエーションが同時並行的に生産された。
これは大規模な量産を行うに当たり、各工場が得意とする技術によって部品生産を行ったためであるが、戦前より品質管理を徹底してきたアメリカでは、例え生産を様々な工場に分散させたとしても、統一的な規格・精度を有する部品が集まることを期待できたのである。
もともとM2中戦車向けに計画されていた大規模生産施設を振り向け、M3中戦車の生産はフルスケールで行われた。
1941年3月に開発が終了し、4月に試作車が完成すると同月には量産が開始され、1942年12月までに改良が繰り返されながら各型合わせて6258両が生産された。
そのうち後述するイギリスとソ連にそれぞれ約2500両、1500両が供与されている。
アメリカにおいてはM4中戦車が登場するまでの戦力として配備され、チュニジアをめぐる戦いで初めて使用されたが、乗員の練度不足もあってドイツ軍相手に大きな損害を出した。
その後はイタリア本土での作戦にも使用されたが、M4中戦車の配備が進んだこともあり、1943年には第一線を退いた。
太平洋戦線ではギルバート諸島の戦いで使用された。
M3中戦車は、北アフリカでドイツと戦うイギリスにもレンドリースとして供与された。
イギリス向けとして車長用キューポラを廃し、無線機を搭載するため後方に膨らんだ砲塔を持つ車両が開発されたが、急を告げる戦局のため、アメリカ軍と同じ仕様の車両も供与された。
イギリス軍では南北戦争の将軍から取って、前者に「グラント(wotでもGrantが実装されている」、後者に「リー(本車)」というあだ名を付けた。 M3中戦車は高い信頼性と榴弾・徹甲弾両方を発射可能な75mm砲が好評だったが、車高が高い多砲塔戦車であることからくる運用上の問題も存在した。
その後はM4中戦車の配備に伴い、43年から第一線を退いていったが、ビルマ方面では引き続き使用され、またオーストラリア軍にも配備されて、有効な対戦車火器が少ない日本軍と戦火を交えた。
またソ連にもレンドリースで供与されたが、T-34などと比較して全般に低性能で、「七人乗りの棺桶」と乗員に揶揄されることになった。
M3中戦車のバリエーションとしては、M7 Priest、M12などが挙げられるほか、カナダはM3中戦車をベースとしてRAM巡航戦車を開発した。
参考資料
『British and American tanks of World War Two』Peter Chamberlain, Chris Ellis
http://ja.wikipedia.org/wiki/M3中戦車
http://combat1.sakura.ne.jp/M3-LEE.htm
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