Tier 5 アメリカ 中戦車 / 略称:M4A1 / 日本語表記: M4A1 シャーマン
↑ D51066 + 75 mm Gun M3
初期状態。
背の高い車体と小さな砲塔の組み合わせが実にアメリカらしい。
↑ D51066 + 105 mm M4
初期砲塔に10榴を組み合わせた場合、肉厚な防盾が追加される。
↑ D51072 + 76 mm Gun M1A1
最終砲候補その1。
改良砲塔では防盾の範囲が拡大するものの、HD化によって裏装甲の無い部分が増えてしまった。*1
↑ D51072 + 105 mm M4
最終砲候補その2。
HEの威力が高いため、76 mm M1A1ではなくこちらを装備するプレイヤーが多い。
スペック (v1.10.0)
車体
耐久値 | 570⇒600 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 51/38/38 |
最高速度(前/後)(km/h) | 48/18 |
重量(初期/最終)(t) | 29.70/30.08 |
実用出力重量比(hp/t) | 15.29 |
本体価格(Cr) | 350,500 |
修理費(Cr) | 2,456~ |
超信地旋回 | 不可 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
75 mm Gun M3 | 15.79 | AP APCR HE | 92 127 38 | 110 110 175 | 1,737 | 0.46 | 2.1 | 619 820 619 | 135 | 56 2,800 56 | 1,437 | -12°/+25° |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
105 mm M4 | 6.67 | HE HEAT | 53 102 | 410 350 | 2,333 (HEAT) | 0.55 | 2.5 | 472 381 | 70 | 166 4,000 | 2,600 | |
76 mm Gun M1A1 | 12.5 | AP APCR HE | 128 177 38 | 115 115 185 | 1,437 | 0.43 | 2.3 | 792 990 792 | 110 | 96 2,800 68 | 1,567 |
砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
D51066 | 76/51/51 | 39 | 330 | 4,800 |
---|---|---|---|---|
D51072 | 64/64/64 | 37 | 370 | 5,000 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Wright Continental R-975EC2 | 350 | 20 | 515 |
---|---|---|---|
Wright Continental R-975C1 | 400 | 20 | 516 |
Wright Continental R-975C4 | 460 | 20 | 550 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
T41 | 30 | 35 | 8,000 |
---|---|---|---|
T42 | 32.3 | 37 | 8,000 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
SCR 508 | 395 | 100 |
---|---|---|
SCR 506 | 615 | 110 |
乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Radio Operator | 5 | Loader |
---|
拡張パーツ
Class2 | Class2 | × | Class2 | Class2 | Class2 | ||||||
× | × | Class2 | Class2 | Medium |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
---|---|---|
静止時 | 12.88%⇒12.57% | 2.77% |
移動時 | 9.63%⇒9.4% | 2.07% |
派生車両
派生元 | T6 Medium(MT/14,055) |
---|---|
派生先 | M4A3E8 Sherman(MT/30,500) |
開発ツリー
75 mm Gun M3 (初期/30,000) | ━ | 105 mm M4 (1,500/40,300) | ||||
D51066 (初期/4,800) | ━ | D51072 (2,700/11,500) | ━ | 76 mm Gun M1A1 (4,600/50,330) | ━ | M4A3E8 Sherman (30,500/930,500) |
SCR 508 (初期/21,600) | ━ | SCR 506 (5,600/33,600) | ||||
Wright Continental R-975EC2 (初期/10,500) | ━ | Wright Continental R-975C1 (900/11,000) | ━ | Wright Continental R-975C4 (1,500/13,900) | ||
T41 (初期/4,450) | ━ | T42 (2,100/8,300) |
車両に関する変更履歴
v0.9.1 | 105 mm M4 gunの照準時間を2.3秒から2.5秒に変更 105 mm M4 gunの装填時間を8秒から9秒に変更 |
v0.9.14 | ビジュアルモデルを改良 |
v1.5.1 | 105 mm M4 gunのHEAT弾の貫通力を101.6mmから102mmに変更*2 |
v1.6.0 | 名称変更(M4 Sherman→M4A1 Sherman) |
v1.9.0 | 75 mm Gun M3の総弾数を90発から135発に変更 105 mm M4の総弾数を46発から70発に変更 76 mm Gun M1A1の総弾数を90発から110発に変更 修理費用を23%ダウン 収益性を6%ダウン D51066砲塔時のHPを400から570に変更 D51072砲塔時のHPを460から600に変更 派生元車輌をM3 LeeからT6 Mediumに変更 派生先車輌からM4A3E2 Sherman Jumboを削除 |
解説
- 概要
Tier5のアメリカ中戦車。
大戦中のアメリカ戦車の主力であり、その工業力を象徴するように大量生産された名戦車である。
大きな俯角と良好な性能の砲を持ち、視界も広く機動力もあり、あらゆる地形においても使いやすいアメリカ中戦車らしい性能バランスに仕上がっている。
- 火力
主砲は榴弾砲の105 mm M4か、バランス型の75 mm Gun M3や76 mm Gun M1A1を選択できる。
いずれの砲も精度が悪いが-12°/+25°と優秀な仰俯角を持つ。砲の適性距離がやや短く、距離を詰めざるを得ないが、地形を活かして射撃と接近のリスクを下げる立ち回りを常に意識しよう。- 75 mm Gun M3
初期砲。
本車の主砲の中では最もDPMに優れており、同格相手までなら良好な火力を発揮するが、金弾の貫通力が貧弱で弾薬費も割高とデメリットは大きい。
運用次第で戦えなくはないが、精度が中戦車の汎用火砲としては壊滅的な事もあり、できれば早急に後期砲を開発したいところ。 - 105 mm M4
大口径榴弾砲で、HE弾をメインに使用する。
貫通すれば同格以下のHPを半分以上削り取る攻撃力を持ち、非貫通でも安定して小~中ダメージを与える事が出来る。履帯に対してもダメージを与えやすく、独力では埒が明かない格上車両に対しては履帯切りに徹して味方をアシストする戦術も有効である。一方、精度が悪く照準時間も長いという欠点がある。榴弾砲の常として弾速も遅く、扱いには慣れが必要。
HEAT弾はHE弾には劣るものの単発350と高い火力を持ち、DPMはTier5としては破格の2,333。貫通力は102mmと低く、HEATであるため傾斜装甲や空間装甲に弱い。メインで運用できる弾ではないが、弱点を完璧に把握していれば格上重戦車に対しても有効打になりうる性能を秘めている。 - 76 mm Gun M1A1
Tier5中戦車で広く使われる口径の扱いやすい主砲。
他国のそれと比べ威力が高く、特に課金弾のAPCRは火力と貫通力を両立しつつ口径相応の価格で収まっており、優れたコストパフォーマンスを誇る。
一方でリロードや照準関連の性能では若干劣っており、細やかな動きは苦手。
汎用的な使い方はそれなりに可能だが、やはり優秀な俯角を生かした立ち回りでライバルと差をつけていくのが理想だろう。
- 75 mm Gun M3
- 装甲
Tier5MTとしては平均的な防御力を持つ。
前述のとおり俯角が極めて優秀なので、積極的にハルダウンを行いたい。- 砲塔
初期砲塔はHPが30、視認範囲が40mも劣るが、105mm榴弾砲搭載時の防楯は、範囲の広い裏装甲を足すと最低でも170mm以上の防御力を持ちかなり堅牢。キューポラも小型なため投影面積も小さく、ハルダウン特化+榴弾砲プレイであれば初期砲塔を使い続けるのも一考。
改良砲塔の防楯は89mmの一枚板であり、重複部分の面積は狭いため、基本的に戦車砲のAP弾は貫通してしまう。防楯が垂直なのが頼りなさに拍車をかける。
側背面の装甲は初期砲塔で51mm、改良砲塔で64mmあり、榴弾が貫通し辛いのは利点。 - 車体
正面上部は傾斜がある51mmの装甲で実質80mm前後となる。同格の戦車砲弾を跳ね返すには薄いが、目立った弱点部位が無く、榴弾や機関砲は安定して阻んでくれる。特に自身も装備する105mm榴弾の貫通を高確率で阻止する事ができるのは大きい。最大俯角でハルダウンすれば、車体正面上部は実質120~140mm以上となる。
一方丸っこい正面下部は51mmの垂直部分が広く、格下にも抜かれやすい。垂直装甲の側背面も38mmと薄く、駆動輪から1つ目の転輪までの間にかなり縦長のトランスミッションがある。出火要素であると共にHPも低い為に車体下部からの一撃で致命的な被害を受けてしまうので、他の戦車と同じく側面からの攻撃には十分注意しよう。
- 砲塔
- 機動性
最高速度や出力重量比こそ平凡だが、履帯性能は優れており小回りが利きやすい。これは接近戦を挑む機会も多い本車の強みで、敵主力の側背面に回りこむときも有効に働く。
- 偵察性能
後期砲塔の視界は370mと他国の中戦車どころか同格軽戦車をも上回る。
元々アメリカ戦車は視界に優れていたが、かつてのM7やM24 Chaffee、T67といった有力な戦車が軒並みnerfされたため、結果的に本車が同格トップクラスの性能として躍り出る事となった。
隠蔽は劣るので積極的な偵察は厳しいものの、不用意に発砲する敵は容易く発見できるだろう。
拡張パーツのレンズ皮膜があれば意外な距離で視界提供役として機能できるが、中戦車としては攻撃能力の強化など他に搭載したいパーツも多く、悩ましい所だ。
- その他
乗員は兼職のない5人5役構成で、スキルの育成に向きつつ効果も実感しやすい。
- 総論
良好な機動力とハルダウンに適した車両特性を備えており、性能緒元では他国に劣る部分も目に付くが、総合的には扱いやすい車両となっている。
この車両に限らずハルダウンはアメリカ戦車の生命線となる。ここで活用方法を練習しよう。
本車でどちらの砲が自分に適しているかを見極めておこう。
史実
(写真は鋳造車体のM4A1だが、車体固定機銃が装備され、サスペンションもM3中戦車の改良前のものが装備されている極初期型である。Bovington戦車博物館にて)
1939年に制式化され量産が開始されたM2中戦車だったが、1940年5月の対仏戦争で使用されたドイツ軍の戦車は37mm砲や50mm砲を装備する3号戦車や75mm砲を装備する4号戦車であり、M2中戦車の劣勢は明らかであった。
そのため取り急ぎ暫定版として車体に75mm砲を装備するM3中戦車が開発されて配備されたが、もちろん本命は全周旋回砲塔に75mm砲を装備する車両であった。
そのためM3中戦車の設計が完了した直後の1941年4月、ロック・アイランド工廠は機甲委員会に対しこのコンセプトの設計案として5種類を提示した。
その中で採用されたのは、車体の基本構造やエンジンをM3中戦車からそのまま流用し、車体上部と砲塔を変更して75mm砲を搭載するプランであった。
このプランに基づきT6という試作車が製作されて1941年9月に試験を受け、翌月にはM4中戦車として制式化された。
M4中戦車の基本構造はM3中戦車を引き継いでおり、設計や生産の転換が容易だった。
T6の時点では75mm Gun M2を装備し、車体左右にドアを設けていたが、M4として生産される際に車体のドアは廃止され、主砲は75mm Gun M3となった。
この砲は75mm Gun M2と比較すれば対戦車火力が強化されていたものの、当時ドイツ軍が開発していた7.5cm KwK40 L/43搭載の4号戦車に比べるとやや劣っていた。
また車体には補助操縦手席前に機関銃のほか、M3中戦車から引き継いだ固定式機関銃2挺を装備していたが、固定式機関銃は早い段階で廃止された(ゲーム中では機銃が出ていた穴が埋められている)。
装甲厚は車体50mm、砲塔75mmとM3中戦車に比べてやや強化されていた。
M3中戦車同様多くの工場で生産されたため非常に多様なバリエーションを持ち、エンジンはWright Continental R-975(M4、M4A1)、Ford GAA(M4A3)、Chrysler A57(M4A4)、General Motors 6046ディーゼルエンジン(M4A2)、キャタピラー社製ディーゼルエンジン(M4A6)が搭載され、車体についても、上部構造をそれぞれ溶接(M4、M4A2~A4)、鋳造(M4A1)、両者の混合(M4の一部、M4A6)とする3種類が各地の工場で生産された。
なお、M4A5という呼称はカナダのRAM巡航戦車に用いられた。
それに加えて武装においても様々なバリエーションが存在した。
当初は前述したとおり75mm Gun M3を搭載していたが、後に火力支援用に105mm M4を搭載する車両や、対戦車火力の強化のためにT23中戦車から流用した新型砲塔に76mm Gun M1A1を搭載する車両も生産された。
一方で、76mm砲の榴弾火力が低いこともあって、75mm砲装備車も生産され続けた*3。
また、サスペンションについては、当初はM3中戦車と同様のVVSSを装備していたが、生産後期ではバネを水平に配置したHVSS(水平渦巻スプリング・サスペンション)に変更され、機動力を改善するため履帯も幅が広いものに変更された。
以上のような様々な変更が一通り施された車両が、大戦後期から生産されたM4A3E8である。
ゲーム中に登場する車両は、M4A1の前期型をベースとしている。
月産2000台を目指し、M4中戦車の生産はM3中戦車を上回る規模で行われた。
1942年2月にM4A1の量産が開始され、その後1942年の秋までに順次計11社に上る企業が様々なM4中戦車のバリエーションを生産し始めた。
その結果として、1942年から1946年の間に様々な改良が行われながら、実に4万両以上のM4とその派生形が生産された。
M4中戦車はまずイギリス軍に供与され、北アフリカ戦線で使用された。
M3中戦車譲りの高い信頼性と榴弾・徹甲弾両方を発射可能な75mm砲が好評で、同様に南北戦争の将軍からとった「シャーマン」というあだ名で呼ばれた。
その後もイギリス軍は数多くのM4を受領し、国産戦車を差し置いて主力戦車として戦闘に投入された。
また、対戦車火力を強化するため、17ポンド砲を搭載した「シャーマン・ファイアフライ」も開発している。
アメリカ軍ではチュニジアの戦い以降各戦線で使用されたが、欧州戦線では長砲身の四号戦車やパンター、ティーガーといったドイツ戦車に対しては性能的に劣勢で苦戦を強いられた。
76mm砲をもってしてもドイツの重戦車と対等に戦うのは困難であったが、後継戦車の開発・配備が難航したこともあって終戦まで主力戦車として使用され続け、物量や航空作戦によってドイツ戦車を撃破していった。
一方太平洋戦線においては日本軍の対戦車火力が不十分だったこともあり、対戦車砲の近接射撃や歩兵の肉薄攻撃などに悩まされながらも強力な戦車として主に歩兵支援で使用された。
ソ連にも主にディーゼルエンジン搭載車がレンドリースで供与され、広い車内スペースや高い信頼性などから戦車兵には評判が良かった。
第2次大戦後もアメリカが放出した車両などが各地で使用された。
その中でもイスラエルは様々な手段で入手したM4に長砲身75mm砲や90mm砲、さらには105mm砲を搭載するといった大改造を施して使用していた。
M4中戦車は同時期のドイツ戦車と比較して性能面では劣る部分が多く、また車高の高さや履帯の細さ、被弾時の炎上しやすさといった弱点を抱えていた。
しかし信頼性や快適性といった面では優れた戦車であり、故障が少なく整備や操縦も容易で、戦闘動作も楽に行うことができた。
そういった利点は生産台数の多さやアメリカ軍の兵站システムと合わせ、「いつどこでも予期した通りに戦場に投入でき、所定の性能を発揮できる」という兵器として最も重要な要素を実現していた。
また、生産台数が多かったこともあって、ドイツや日本の戦車と比較するとはるかに様々な部隊に配備することが可能で、歩兵にとっても身近な存在だった。
本車の派生形としては、各種対戦車自走砲のほか、M7 Priestの後期型などが挙げられる。
また、M4A2E4 Shermanのような試作車も多数製作された。
まったくの余談ではあるが、M4シャーマンの名で知られる本車だが実はアメリカには戦車に名前をつける風習は存在せず、このM4シャーマンを初めM3リー、M36スラッガー/ジャクソン、などもアメリカ軍の前線兵士、もしくはイギリス軍が”勝手に付けた”物でありアメリカ軍が戦車に名前をつけはじめたのはM26パーシング以降である。
朝鮮戦争でも使用されたが、朝鮮戦争で廃棄された本車系戦車は日本に譲渡され、東京タワーの鋼材となり現在でも活躍している。
参考資料
『British and American tanks of World War Two』Peter Chamberlain, Chris Ellis
http://ja.wikipedia.org/wiki/M4%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
http://combat1.sakura.ne.jp/M4.htm
http://combat1.sakura.ne.jp/M4A6.htm
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