Tier 8 ドイツ 駆逐戦車 / 略称:Rhm.-B. WT / 日本語表記: ラインメタル・ボルジッヒ製ヴァッフェントレーガー
↑ 12,8 cm Kanone 44 L/55
初期状態。簡素な作りの車体と、車重の5分の2を占める長大な主砲が特徴。
↑ 15 cm Pak L/29.5
こちらは砲身の長さが車体の長さに丁度いい。
スペック (v1.10.0)
車体
耐久値 | 1,100 |
---|---|
車体装甲厚(mm) | 20/10/8 |
最高速度(前/後)(km/h) | 35/12 |
重量(初期/最終)(t) | 20.63/18.57 |
実用出力重量比(hp/t) | 11.15 |
主砲旋回速度(°/s) | 18 |
視界範囲(m) | 360 |
本体価格(Cr) | 2,400,000 |
修理費(Cr) | 約11,000 |
超信地旋回 | 可 |
ロール | 狙撃型駆逐戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
12,8 cm Kanone 44 L/55 | 5.22 | AP APCR HE | 246 311 65 | 490 490 630 | 2,557 | 0.35 | 2.3 | 920 1,150 920 | 30 | 1,070 4,800 935 | 7,795 | -5°/+15° |
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15 cm Pak L/29.5 | 3 | AP HEAT HE | 215 334 85 | 750 750 950 | 2,250 | 0.4 | 2.7 | 645 516 645 | 30 | 1,260 6,000 1,120 | 5,625 |
エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Praga Ausf. IV | 180 | 20 | 600 |
---|---|---|---|
Tatra Typ TD 103 P | 207 | 15 | 600 |
履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
Rhm.-B. WT | 21.0 | 34 | 6,000 |
---|---|---|---|
Rhm.-B. WT verstärkteketten | 23.0 | 38 | 6,000 |
無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
Fu.Spr.Ger. "f" | 400 | 40 |
---|---|---|
FuG 8 | 550 | 50 |
Fu.Spr.Ger. "a" | 700 | 150 |
乗員
1 | Commander(Radio Operator) | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Loader |
---|
拡張パーツ
× | Class1 | × | Class1 | Class1 | Class1 | ||||||
× | × | Class1 | Class2 | Medium |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
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静止時 | 22.52% | 3.22% |
移動時 | 13.51% | 1.93% |
派生車両
派生元 | Sturer Emil(TD/71,000) |
---|---|
派生先 | Waffenträger auf Pz. IV(TD/163,500) |
開発ツリー
12,8 cm Kanone 44 L/55 (初期/310,000) | ━ | 15 cm Pak L/29.5 (63,500/330,000) | ━ | Waffenträger auf Pz. IV (163,500/3,400,000) |
Fu.Spr.Ger. "f" (初期/10,000) | ━ | FuG 8 (4,040/24,240) | ━ | Fu.Spr.Ger. "a" (4,500/27,000) |
Praga Ausf. IV (初期/9,400) | ━ | Tatra Typ TD 103 P (1,050/14,000) | ||
Rhm.-B. WT (初期/20,000) | ━ | Rhm.-B. WT verstärkteketten (14,500/31,000) |
車両に関する変更履歴
v0.8.9 | 実装 |
v0.9.6 | 視認範囲を400mから360mに減少 |
v0.9.15.1 | HDモデル化 |
解説
- 概要
v0.8.9で追加されたTier8ドイツ駆逐戦車。
ラインメタル・ボルジッヒ社が提案した武装運搬車の計画案である。
例によってSturer Emil以下の駆逐戦車同様、紙装甲・高火力が特徴である。
- 火力
2種類の主砲は一長一短であり、一概にどちらが優秀とは言えない。どちらも良好といってよい性能は有しているので、自身の好みで決めてよいだろう。
ただしv0.9.15.1.1でRheinmetall Skorpion Gが追加されてから、12,8cm砲搭載時に砲性能と機動力が明らかに劣ってしまうようになった。15cm砲を使えば差別化が図れる。
旋回砲塔が搭載されており360度回転出来る。射界の狭かったSturer Emilに比べると、射撃の自由度が大幅に向上し、格段に扱いやすくなっている。
気をつけたいのは砲塔が車両中央部に搭載されている点で、長い全長・後述するパーツ配置の問題と合わせて、飛び出し撃ちに向いているとは言い難い。
また俯仰角も-5°/+15°しかないので、斜面での射撃には難儀するかもしれない。- 12,8 cm Kanone 44 L/55
初期砲。通常弾でも246mmに達する貫通力がある。その他の性能もTier8駆逐戦車の主砲として十分な水準を保っており、性能のバランスが取れていて比較的に扱いやすい砲である。ただしTier8駆逐戦車の中では通常弾の弾速が遅いという欠点があり、これは後述する15cm砲を使っても解消されない。
また、通常弾の貫通力が高いとはいえTier10重戦車等の相手をするとなれば金弾が必要になることは頭に入れておこう。 - 15 cm Pak L/29.5
最終砲。同格一位タイの単発火力750を有する代わりに、それ以外のほぼ全性能が犠牲になっている。総弾数だけは初期砲と同じで30なので、装填速度が下がる結果こちらの方が弾切れはしにくい。
通常弾貫通力は難のある水準まで下がっており、通常弾と課金弾とを適宜使い分けながら射撃しなければ装備する価値は低くなる。
HEATの貫通力は334mmとTier10クラスだが、精度、弾速の悪さから弱点に飛んでいかず空間装甲に阻まれるなどして非貫通になることも多い。額面上の貫通力を過信しないようにしよう。
口径の大きさから榴弾の火力も高い。ただし非貫通時はダメージが大きく下がるため常用は禁物。
精度や弾速は遠距離狙撃には不適なレベルまで悪化し、12,8cm砲に比べて扱いにくくなる。
ただし昨今のマップ事情に加え、このTierになると長時間姿を晒してくれる敵も少なくなるため、こちらの方が活躍しやすい可能性もでてくる。
また重量が2トン以上軽いため、加速が良くなるという利点もある。
もっとも、こちらの方が絶対的に強いと言うことはないので、自身のプレイスタイルに合わせてチョイスしてほしい。
- 12,8 cm Kanone 44 L/55
- 装甲
無いに等しい。たとえ小口径の榴弾であっても本車の前面装甲を貫通し、自走砲の大口径榴弾は至近弾でも相当なダメージを受けてしまう。特に後部にいたっては8mmと驚愕の数字だ。
併せて問題なのがパーツ破損率の高さである。まずエンジンが車体前部に配置されているので被弾しやすい……だけならばこれまでのドイツ車両と変わらないのだが、このエンジンはTier5のパーツなので耐久力も相応に低く、90mmクラスの砲弾一発であっさり大破したりする。
ならば尻を向ければいいのかというと、こちらには弾薬庫が存在する。どちらを選ぶかは考えによる。後ろから出たほうが照準の拡散を小さくできる、射撃後に素早く退避できるなどで利点はある。搭載している拡張パーツや消耗品、搭乗員のセカンダリスキルで判断してもよい。
また車重が20tと軽いため、装甲の薄さと相まって体当たりされてもダメージをもらいやすい。
- 機動性
Sturer Emilからは加速・最高速度ともに改善されてはいるが、機動性は依然として良いとは言えない。陣地転換はなんとかこなせる程度である。
改良型エンジンは開発に必要な経験値が1,050と低い割に、出力が1割以上増加するので真っ先に交換したい。
車体旋回速度は良好なので、全周砲塔と併せてNDK耐性は備えている。
- その他
これまで同格駆逐戦車の中で最低レベルだった隠蔽性はここにきて劇的な改善を見せた。搭乗員スキルにカモネット、塗装迷彩を合わせると隠蔽率は約60%にのぼり、この数値は「見通しの良い平原で視認距離445mの車輌が210m先から発見できない」ことを意味する。前述のとおり装甲と機動性に難があるため、この長所を活かしできる限り見つからない立ち回りを心がけたい。
ただし、隠蔽性自体は良好ながらも発砲補正の悪さは運用する上で頭に入れておきたい。これまでの車両で例えるなら、撃つ前は三突と同じレベルの優秀な隠蔽が、撃った後はトースターとさして変わらない値まで悪化する。
撃った後棒立ちで発見された場合、紙装甲も相俟って短時間で撃破される危険性があることは押さえておくべきだろう。
加えて、Pantherクラスの全長の長さによる遮蔽物からのはみだしにも注意が必要。
また、駆逐戦車としては悪くない値とはいえSturer Emilから視認範囲が減少している点も覚えておこう。
- 総論
ドイツ第二TDルートの鉄則『不用意に前に出ない』は本車でも遵守し、高い隠蔽率を考慮しても単独行動は控えよう。高隠蔽をもって茂みに潜み、一方的な攻撃によって敵戦車をなぎ倒すのが理想だ。とはいえ昨今のマップは市街地が多く、交戦距離が200~300mとなるため、一部のマップを除き、茂みに隠れて一方的に狙撃できる機会は多くない。
ちなみに、Rheinmetall Skorpion Gと比べると、精度・機動性・俯角でRheinmetall Skorpion Gが勝り、隠蔽率・装填速度で本車が勝る。
WTシリーズ全てにいえることだが、死にかけの重戦車にとどめを刺す、軽・中戦車との一対一、数的不利な味方の救助など、ときにはダメージ覚悟で多少強引な運用も必要である。
全周旋回砲塔がそれを可能にしてくれるし、装甲は紙だがHPはそれなりにあるため一撃で死ぬことはそれほどない。被弾を恐れすぎて味方が死んでいくのをただ眺めているだけでは勝利は遠ざかってしまうだろう。
史実
元は42年にスタートした装甲自走砲開発プログラムの一つ。
Rhmはラインメタル社(RHeinMetal)、Borsigはボルジッヒ社を指し、Waffentragerは「Weapontrailer」つまり兵器運搬車と訳せる。
兵器運搬車開発計画の開発過程で試作された、対戦車砲運搬車の中の試作車両である。運搬車開発計画は軽タイプ、重タイプの2系統の開発とされ、大まかな特徴は以下の通り。
- 設計母体はIII/IV号シャーシ、IV号シャーシ、38(t)シャーシ
- 搭載砲は軽タイプが8.8cm砲と10.5cm砲、重タイプが12.8cm砲と15cm砲に対応
- 製造は既存の装甲車両の生産を阻害せぬよう簡便な設計で、設備の整わない工場で製造可能
これに対しクルップ社、ラインメタル・ボルジッヒ社(以下、ラインメタル社)、シュタイアー社考案による試作プランを兵器局第4課に提示。兵器局第4課は複雑な構造で重量過多であると難色を示し、幾つかの初期要望案を取り下げ、再設計を要求するも成果は得られず時間が過ぎていくことになる。
44年2月、ラインメタル社で行われた会合で兵器局第4課は、それまで設計に関わっていた各社に対し再度設計要綱の修正案を提示。設計母体は38(t)一本に統一する事とし、それに沿った新設計の兵器運搬車の開発を要望する。この新規車体開発計画に途中参加したアルデルト社が設計したと思われる物である。
設計は箱型の装甲車体にマイバッハ製H42エンジンを搭載、走行装置は38(t)を流用し
動力装置は半装軌牽引車の物、初期生産は製造はアウト-ユニオン社が担当し
最終組み立てはアルデルト社で行うものとされた。
(*エンジンは38tベースの為、プラガ製に後に変更、動力装置も変更されたと思われるが不明な点が多い)
製造数は参考文献により差がある、プロトタイプのみ2両説から最大15両(プロトタイプ、量産型合計)だが
終戦間際に量産型がヒーレルラースレーベンで運用テスト記録がある事、未納入車両の戦闘説がある事から
少なくとも試作型2両+少数の量産型製造はされたと思われる。
44年4月には早くもシュタイアー社案、アルデルト社案、共に8.8cm砲搭載型の木製モックアップが完成。ヒトラーにも製作状況の経過が報告される。この際ヒトラーはアルデルト社案に強い興味を示し、早急に100両の試作車両の製造をすると共に、前線での実戦試験をするように要望したとされる。報告後も両社の8.8cm砲搭載型の比較試験が行われ、後に2社の試作車は8月にヒトラーの観覧に供された。
この観覧の際、アルデルト社案は当初兵器局の提示要件の多くを満たさない車両と軍高官に評価されたが、ヒトラーは逆の評価を下し、現在進めている各種の案の中でも極めて軽量小型であり、低価格であるとしてアルデルト社案を支持、開発を優先的に続行するとされ、後にクルップ社、ラインメタル社にも同車開発により積極的に参加、開発の補助するように指示された。
後にアルデルト社案は、12.8cm以上の砲が搭載不可能であるとの指摘があり論争に発展。軽、重の二種類の車両開発に派生、開発が進められることになる。
派生した車体は車体の設計も共通であり相違点は少ない。大まかな類別だが、以下の3種に分けられる。
- 転輪が4つのタイプであり試作の進んでいたもの(軽タイプ)
- シャーシを延長し転輪が6つに増やされ、車体後部に駐鋤を備えたもの(重タイプ、試作された記録無し)
- 上記車両の弾薬運搬車型が後に追加(それ自体も砲は搭載可能の設計とされた)
各種試験も順調に進み44年末の段階では、45年春には量産開始、45年秋には当時生産終了予定であったIV号戦車の製造ラインも転換、月産350両と計画された。
当初春の量産開始を目指していたが、肝心の製造ラインの転換計画が進まず、4月までに初期量産型が
アルデルト社で少数完成、数両は軍へ納入されたとされるが1両が終戦間際にヒーラスレーベン射撃試験場で
テストされた以外、プロトタイプも含めて下記の数両以外は行方ははっきりしていない。
戦況の悪化から最終組み立ての製造所のあったベルリン、ブランデンブルク市自体が最前線になった為
国防軍の軍籍(中尉)を持つ社長のギュンター・アルデルトと社員らは未納入車両を率いて
ブランデンブルク市防衛戦に参加、全員戦死しアルデルト社は事実上消滅する。
この時に1両がソ連に鹵獲されて、現在はクビンカ戦車博物館(4Gamer.net)に展示されている。
(他にヴァンディッシュ、ブッフホルツでも1両がほぼ無傷で鹵獲されている、上記とは数百km離れた所)
納入済みの残余の車両は後に第12軍所属の歩兵師団「ウルリヒ・フォン・フッテン」の軍直轄第3戦車猟兵大隊に配備されたとされ、ベルリンのブランデンブルグ門攻防戦に少なくとも2両が参加し全滅している。
以上がヴァッフェントレーガー全般の解説である。ゲーム内で搭載されている砲や転輪の数から分かる通り、本車は「重タイプ」のヴァッフェントレーガーの一つであり、ラインメタルによって設計がなされたものとなっている。
v0.9.0時点では、実際に製造された「軽タイプ」であるアルデルト・ヴァッフェントレーガー(M's PLUS)はまだ実装されていない。
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