M36 Jackson

Last-modified: 2024-04-05 (金) 20:07:37

Tier 6 アメリカ 駆逐戦車 / 略称:Jackson / 日本語表記: M36 ジャクソン

Jackson_0-min.PNG
↑ M36T74 + 76 mm AT Gun M1A2
初期状態。

Jackson_1-min.PNG
↑ M36T78 + 90 mm AT Gun M3
最終状態。改良砲塔では蓋が追加されるが、当たり判定は無い。

HD化以前

M36 Jackson 初期状態.jpg
M36 Jackson 90mm AT Gun M3.jpg

スペック(v1.10.0)

車体

耐久値630⇒660
車体装甲厚(mm)114/25/25
最高速度(前/後)(km/h)42/11
重量(初期/最終)(t)28.28/29.08
実用出力重量比(hp/t)14.44
本体価格(Cr)884,200
修理費(Cr)4,809~
超信地旋回
ロール万能型駆逐戦車
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
76 mm AT Gun M1A219.35AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
2,2260.351.7792
990
792
6596
2,800
68
1,590-10°/+20°
90 mm AT Gun M37.5AP
APCR
HE
160
243
45
240
240
320
1,8000.351.7853
1,066
853
47255
4,400
255
2,050
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
M36T7476/25/25163704,500
M36T7876/25/25163704,800
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
Wright Continental R-975EC235020515
Wright Continental R-975C140020516
GMC 604642015549
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
M36T4128.89287,000
M36T4230.5307,000
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
SCR 508395100
SCR 506615110
 

乗員

1Commander2Gunner3Driver4Radio Operator5Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置×装填棒Class2砲垂直安定装置×改良型旋回機構Class2改良型照準器Class2追加グローサーClass2
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造Class2改良型装甲材Class2内張り装甲Medium
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時17.39%⇒15.26%3.63%
移動時10.43%⇒9.16%2.18%
 

派生車両

派生元M10 Wolverine(TD/21,850)
派生先T25 AT(TD/45,000)
 

射界

射界全周
 

開発ツリー

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76 mm AT Gun M1A2
(初期/62,000)
90 mm AT Gun M3
(14,000/81,000)
T25 AT
(45,000/1,327,000)
M36T74
(初期/9,000)
M36T78
(4,600/16,100)
SCR 508
(初期/21,600)
SCR 506
(5,600/33,600)
Wright Continental R-975EC2
(初期/10,500)
Wright Continental R-975C1
(900/11,000)
GMC 6046
(1,410/13,500)
M36T41
(初期/6,400)
M36T42
(6,950/22,100)
 

車両に関する変更履歴

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v0.6.7旋回速度を2 deg/sec減少
v0.8.076 mm AT Gun M1A2の仰角-5°
90 mm AT Gun M3の仰角+3°、俯角+4°
v0.8.2名称を「M36 Slugger」から「M36 Jackson」に変更
装甲に関する小さなエラーおよび3Dモデルとテクスチャのエラーを修正
v0.9.19.1HDモデル化
v1.9.076 mm AT Gun M1A2の総弾数を54発から65発に変更
修理費用を11%ダウン
収益性を3%ダウン
M36T74砲塔時のHPを560から630に変更
M36T78砲塔時のHPを590から660に変更
派生元車輌からM4A3E8 Shermanを削除

解説

  • 概要
    v0.6.5で追加されたTier6のアメリカ駆逐戦車
    M10 Wolverineをベースに火力強化を施した駆逐戦車である。
    v0.8.2において名前が「M36 Slugger」から「M36 Jackson」に変更された。
     
    装甲を強化した全周旋回砲塔に高精度な砲を搭載する事でWolverineの性能向上を図り、装甲の強化でより防御が意識された車両。
     
  • 火力
    俯角は-10°と優秀であり、地形に足を引っ張られる事は少ない。ハルダウンも積極的に使っていこう。
    125°以上後ろを向くと徐々に俯角が狭まるが、真後ろでも-7°までは取れるので、それほど困る場面は無い。
    • 76 mm AT Gun M1A2
      Wolverineから引き継ぐ初期砲。
      前身から精度・発射速度が向上しているが、Tier6駆逐戦車としては貫通力が明らかに不足している。
      重装甲車両にはまず通用しないため、課金弾の使用はもちろん、機動性を活かした側背面取りや弱点狙撃が必須。
      一応、90 mm AT Gun M3よりもDPMは優れているが、それだけの為に使える性能ではなく、早々に換装したいところである。
       
    • 90 mm AT Gun M3
      M36 Jacksonの史実砲。
      同Tier駆逐戦車Hellcatと互換性のある主砲だが、こちらの方が発射速度と照準拡散に優れており、総弾数も17発多い。
      Tier6駆逐戦車としては単発火力・貫通力・精度・照準時間が高水準でまとまっており、全体的に優秀な性能である。
      特に課金弾のAPCRは貫通力が243mmとかなり高く、重装甲車両対策にきわめて有効。
      積載量の余裕が無くなって拡張パーツの選択肢が大きく狭まるが、砲塔を換装しなければ初期履帯でも搭載可能。
       
  • 装甲
    Tier6駆逐戦車としては装甲がある部類だが、あくまで運が良ければ弾けるかもしれないといった程度。
    また、側背面は極めて薄いため、不用意に晒したりすると榴弾砲にも貫通されてしまう。
    • 砲塔
      砲塔正面装甲および防盾は75mmであり、アメリカ車両特有の丸みを帯びた防盾のおかげで貫通力150~200mm程度までなら防ぎ得る。裏装甲の開口部はHD化により若干小さくなり防盾部の半分程度は裏装甲がある。
      しかし、砲塔の側背面は薄く25mmしかない上、丸く膨らんだ形状をしているために、正面からも25mm部分に当てられる恐れがある。また、砲塔後部バスル(突起部分)に弾薬庫の判定がある。大口径砲を貰うと一撃で弾薬庫が吹き飛ぶ可能性もあるため、逃げるときは砲塔だけでも相手側に向けておきたい。
      ちなみに改良砲塔の「主装甲扱いだった蓋」はHD化の際に当たり判定が"消滅"した。正面からAPが掠めて貫通するといった事は無くなったが、オープントップになったことで自走砲の榴弾には弱くなっている。
       
    • 車体
      車体正面装甲はカタログスペック上は114mmとなっているが、実際に114mmなのは車体下部の丸みを帯びた部分のみ。
      正面上半分は60mm+傾斜で90~100mm相当であり、運が良ければ格下の通常弾を弾けるかもしれないといった程度。それでもO-IKV-2等の大口径榴弾に貫通される恐れが無いのは大きなアドバンテージとなる。
      なお、丸みを帯びた正面下部はかなり堅く、120~170mm相当の防御力を誇り、場合によっては200mm程度になる。
       
  • 機動性
    最高速度は42km/hで出力重量比もWolverineから劣化しているが、陣地転換などは十分可能。
    軽戦車並の最高速度を誇るHellcatに対し、本車は遅めの中戦車といった機動特性である。
    また、旋回性能と後退速度が低い点はHellcatと同様。
     
  • その他
    隠蔽性能はWolverineよりも一回りほど劣化している。
    しっかりと15mルールを駆使するなど、より発見されない工夫を徹底する必要がある。
    ちなみに、砲塔を換装する事で隠蔽性能がやや悪化する。
    改良砲塔にはHP+30と砲塔旋回時の拡散が誤差程度に良くなる以外特に利点が無いため、隠蔽率を取るかHPを取るかは好みで選ぼう。
    改良砲塔を研究しなくともT25 ATは開発できるため、最後まで初期砲塔を使い続ける選択肢も悪くない。
    視認範囲はHellcatと同じ370mではあるが、隠蔽面で大きく水を開けられており、積極的な偵察には向かない。どうしてもの時は、充分に注意をして慎重な偵察を行おう。
     
  • 総論
    前提車両をしっかり研究していればエンジン・無線機を流用可能なので、乗り出しは楽である。
    Hellcatが同じ立ち位置にいることで突出した性能を持たない本車は影が薄いが、榴弾には簡単に貫通されない正面装甲と僅かなDPMの高さという利点もあり、扱いやすさでは負けていない。
    駆逐戦車としての性能を概ね満たし、基本的にはWolverineと同じ運用が可能なので、固定砲塔に慣れた人にも中戦車に乗り慣れた人にも親和性の高い車両になっている。
    なお、これから先の駆逐戦車は車長が無線手(Radio Operator)を兼任するので搭乗員五名の駆逐戦車はこの車両まで。
     

史実

詳細

M36.jpg
(主砲にエバキュエーターを装着し、車体前面に機銃を増設したM36。砲塔上部の装甲カバーは装着されていない。陸上自衛隊土浦武器学校にて)

 

1942年に入ると、ドイツ軍がより強力な戦車を開発しているという情報が入るようになったため、アメリカ軍はより強力な対戦車火砲の必要性を感じ、90mm高射砲M1を戦車砲に転用した90mm Gun M3を開発した。
90mm Gun M3は新型戦車(後のM26重戦車)用の砲だったが、戦車駆逐車の火力強化のため、M10への搭載試験が1943年初頭に行われた。
その試験の結果を踏まえて新型砲塔が開発され、1943年11月には設計が完了、M10A1にその砲塔を搭載した車両がT71、M10に搭載したものがT71E1と名付けられた。
完成した試作車の試験はおおむね満足のいくものであり、取り急ぎM10A1のうち砲塔なしで完成した300両と、配備されているものから200両をT71に改造する命令がフィッシャー社に対して出され、1944年中にフィッシャー社とマッセイ・ハリス社により改造が実施されたほか、これとは別にアメリカン・ロコモーティブ社によりM10A1からの改造が1944年10月から12月にかけて413両行われた。
T71は1944年7月にM36 GMCとして制式化された。

 

M36の車体はM10A1と同様のものであり、エンジンはFord GAAガソリンエンジンを搭載していた。
新設計された砲塔はオープントップだったが90mm砲の重量を考慮して動力旋回装置を備え、砲塔後部にはカウンターウェイトを兼ねた弾薬庫と12.7mm機銃が設置された。
90mm Gun M3は米英軍が装備した戦車砲としてはトップクラスの火力を誇り、ティーガー Iパンターを正面から撃破することが可能だったが、装甲はM10同様薄かったため、ドイツ軍の戦車と正面切って戦うことは困難だった。
試験の結果90mm Gun M3にマズルブレーキを装着することが望ましいとされたが、取り付けが実施されるようになったのは1945年の生産車からで、大戦中に実戦投入された車両には装着されていなかった。

 

バリエーションとしては、フィッシャー社で生産されていたM4A3中戦車の車体にM36の砲塔を搭載するM36B1が1944年10月に制式化され、10月から12月にかけて187両が生産された。
M36との相違点は、車高が高い代わりに装甲が戦車型と同一で、車体機銃が付いている車体であった。
1944年までに生産されたM36シリーズは以上の合計1400両である。
さらに1945年には、さらに激しい戦闘が予想されたため追加で生産が行われ、M10A1からM36への改造がモントリオール・ロコモーティブ社により行われたほか、不足分を補うため、M10にM36の砲塔を搭載するM36B2が制式化され、1945年5月から改造が実施された。
この1945年に生産されたM36シリーズには戦訓に基づき改良が施されていた。
90mm Gun M3にマズルブレーキが当初から装着されていたほか、新型の弾薬庫とオープントップの砲塔上部をふさぐ、折り畳み式の装甲蓋が採用された。
各乗員の視認性を向上し、敵戦車を素早く発見するために採用されたオープントップは、市街戦を含む歩兵支援任務には不向きだったのである。
ゲーム中に登場する改良型砲塔はこの改良を反映したものである。
さらに戦後になると車体機銃を増設し、90mm Gun M3にエバキュエーター(排煙器)を装備した車両も存在する。

 

M36シリーズは1944年後半から実戦へ投入され、前線では兵士から「ジャクソン」(南北戦争時の南軍将軍)、「スラッガー」(強打者)と呼ばれていた。
M26重戦車の投入が1945年に入ってからであったため、ティーガーやパンターを撃破できる火力を持つ貴重な車両として前線から歓迎されたが、M10と同様にその火力から想定されていなかった歩兵支援任務にも投入され損害を出している。
第2次大戦終結後もM36シリーズはアメリカ軍に配備され続けたが、現実との不一致が明らかとなった戦車駆逐大隊は、同じく90mm砲を装備するM26の配備が進んだこともあり、1946年には全ての部隊が解隊されている。

 

M36シリーズは戦後になると同盟国に供与され、インドシナ戦争でフランス軍に、印パ戦争でパキスタン軍により使用されたほか、1990年代のユーゴスラヴィア紛争では、様々な勢力によりかつて供与されたM36シリーズがM18T-34-85T-54に混じって戦闘に投入された。
自衛隊にも1両が参考車両として供与され、現在土浦の武器学校に展示されている。

 

参考資料
『British and American tanks of World War Two』Peter Chamberlain, Chris Ellis
「アメリカ軍駆逐戦車」『グランドパワー』2011年7月号
http://combat1.sakura.ne.jp/M36.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/M36%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3

 

情報提供

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