Tier 5 アメリカ 駆逐戦車 / 略称: Wolverine / 日本語表記: M10 ウルヴァリン

↑ M10T72 + 3-inch AT Gun M7
初期状態。

↑ M10T72M1 + 76 mm AT Gun M1A2
最終状態。

↑ M10T72M1 + 76 mm AT Gun M1A2
改良砲塔は後部に出っ張りがある。側背面からは見分けやすいが、正面からだと判断が難しい。
スペック(v2.0.0)
車体
| 耐久値 | 475⇒500 |
|---|---|
| 車体装甲厚(mm) | 38/19/19 |
| 最高速度(前/後)(km/h) | 48/12 |
| 重量(初期/最終)(t) | 27.84/28.88 |
| 実用出力重量比(hp/t) | 19.04 |
| 本体価格(Cr) | 415,000 |
| 修理費(Cr) | 2,315~ |
| 超信地旋回 | 可 |
武装
| 名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
| 3-inch AT Gun M7 (M10) | 18.18 | AP APCR HE | 120 167 38 | 110 110 175 | 2,000 | 0.39 | 1.7 | 792 990 792 | 95 | 56 2,800 56 | 1,450 | -10°/+30° |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 76 mm AT Gun M1A2 (M10) | 18.18 ⇒18.75 | AP APCR HE | 128 177 38 | 115 115 185 | 2,091 ⇒2,156 | 0.38 | 1.7 | 792 990 792 | 65 | 96 2,800 68 | 1,590 |
※俯角は車体後方向きでは-5°
砲塔
| 名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
| M10 Wolverine (early) | 57/25/25 | 16 | 370 | 3,700 |
|---|---|---|---|---|
| M10 Wolverine (late) | 57/25/25 | 16 | 370 | 4,400 |
エンジン
| 名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
| GMC 6046 (M10) | 490 | 15 | 549 |
|---|---|---|---|
| Ford GAA (M10) | 550 | 20 | 708 |
履帯
| 名称 | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
| M10 Wolverine (early) | 44 | 7,000 |
|---|---|---|
| M10 Wolverine (late) | 47 | 7,000 |
無線機
| 名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
| SCR 506 | 615 | 110 |
|---|
乗員
| 1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Radio Operator | 5 | Loader |
|---|
拡張パーツ
| × | Class2 | × | Class2 | Class2 | Class2 | ||||||
| × | × | Class2 | Class2 | Medium | |||||||
隠蔽性
| 非発砲 | 発砲時*1 | |
|---|---|---|
| 静止時 | 17.78% | 4.39% |
| 移動時 | 10.66% | 2.63% |
派生車両
| 派生元 | M8A1(TD/10,500) |
|---|---|
| 派生先 | M36 Jackson(TD/21,850) / M18 Hellcat(TD/25,500) |
射界
| 射界 | 全周 |
|---|
開発ツリー
| 3-inch AT Gun M7 (M10) (初期/33,500) | ━ | 76 mm AT Gun M1A2 (M10) (5,800/62,000) | ━ | M10 Wolverine (late) (2,100/10,300) | ┳ ┃ | M36 Jackson (21,850/884,200) |
| ┃ ┗ | M18 Hellcat (25,500/950,000) | |||||
| M10 Wolverine (early) (初期/4,400) | ||||||
| GMC 6046 (M10) (初期/13,500) | ━ | Ford GAA (M10) (5,100/29,000) | ||||
| M10 Wolverine (early) (初期/4,300) | ━ | M10 Wolverine (late) (2,550/10,000) | ||||
| SCR 506 (初期/33,600) | ||||||
車両に関する変更履歴
| v0.9.8 | HDモデル化 |
| v1.5.1 | 105 mm AT M4 gunのHEAT弾の貫通力を101.6mmから102mmに変更*2 |
| v1.9.0 | 3-inch AT Gun M7の総弾数を54発から95発に変更 76 mm AT Gun M1A1の総弾数を54発から80発に変更 76 mm AT Gun M1A2の総弾数を54発から65発に変更 105 mm AT M4の総弾数を30発から36発に変更 修理費用を23%ダウン 収益性を7%ダウン M10T72砲塔時のHPを340から445に変更 M10T72M1砲塔時のHPを360から470に変更 派生元車輌をT40からM8A1に変更 |
| v2.0.0 | 詳細 背面を向いている際の俯角の調整 |
解説(v1.29.1以前)
- 概要
v0.6.5で追加されたTier5のアメリカ駆逐戦車。
大戦中期、M4(A2) Shermanをベースに開発・量産された対戦車自走砲(戦車駆逐車)である。全周旋回砲塔を搭載した異色の駆逐戦車の一台で、同車種では突出した視認範囲を持つ。
- 火力
初期砲の3-inch砲がこのクラスの駆逐戦車の火力としては貧弱な上、105mm榴弾砲も本車専用に切り替わっているため乗り出しが辛い(一応、Tier4コレクション車輌T40で76 mm AT Gun M1A1の開発はできる)。
最終的には大口径榴弾砲の105 mm AT M4か性能の向上したバランス型の76 mm AT Gun M1A2かの2択となるが、火力の増加が著しいTierでもあるため、全周旋回砲塔を生かした柔軟な運用が欠かせない。
俯角は-10°とアメリカ戦車らしい優秀さであり、地形は積極的に活かしていこう。- 105 mm AT M4
いわゆる10榴。高い榴弾の攻撃力で相手を選ばずダメージを与えられる。
他車両の同口径砲と比べて装填・照準時間が短い上、弾道が低く、弾速も若干速いため偏差射撃がしやすいが、やはり大口径榴弾砲の宿命として精度の悪さは如何ともしがたい。運が悪いとかなりの近距離で外れる事もある。
また、10榴自体は同格中戦車が搭載できる事に加え、砲塔旋回の遅さと耐久面の脆さから中戦車のように積極的に距離を詰めて精度を補う使い方もリスクが高いため、この車両に合わせた立ち回りや位置取りに頭を悩ませる事になるかもしれない。 - 76 mm AT Gun M1A2
精度とDPMに優れるバランスの良い76mm砲。
本車両の76mm AT Gun M1A2の発射速度はTier6中戦車であるM4A3E8 Shermanのものより速い。
だが単発火力と貫通力の面では格上の重装甲車両を相手取るにはやや辛い。機動性を活かして、弱点を狙える位置取りや薄い相手を撃てる状況を探そう。
- 105 mm AT M4
- 装甲
v0.9.8にて車体正面の大部分が51mm→38mmと薄くなり、防盾裏の装甲もごっそり削られている。
基本的に頼れるものではなく、同格には簡単に貫通を許してしまう。
具体的には車体正面は上部下部共に約60~70mm、砲塔正面は約70~80mmで車体よりは硬い。10榴の貫通を阻止する程度にはあるが、HPが低いのでアテにはできない。
側面はペラペラで、貧弱な機関砲にも貫通されるほど薄い。こちらに10榴が命中しようものなら貫通は必至で、以前にも増して敵に撃たれない慎重な立ち回りを心がける必要がある。
オープントップであるがゆえに自走砲などの曲射榴弾にも弱い。
砲塔後部には弾薬ラックがあるため、榴弾が飛び込めば致命傷となる。
- 機動性
最高速度は48km/hとなかなかの数値で、陣地転換はスムーズに行えるだろう。
しかし加速はスペック上ほどの快適さはなく、むしろ挙動としては重い。
特に後退時には顕著で、とっさに下がろうとしても間に合わない事が多い。
また、登坂時はかなり減速する為、稜線を使う際は横からの狙撃や自走砲には十分警戒しよう。
改良砲塔に換装すると旋回速度が僅かに下がるが、耐久値と装填速度が向上する。
また、全周旋回砲塔とはいえ旋回速度は非常に遅く*3、格闘戦には向いていない。固定砲時代と同じく、予め敵のいそうな方向に砲塔を向けておく等の基本を忘れずに。 - その他
- 偵察性能
概要で述べた通り、視認範囲は370mと圧倒的。これは同格軽戦車をも上回る広さであり、Tier6以下の通常ツリーの駆逐戦車中トップタイの値である。*4
無線範囲や隠蔽率のどれも高いレベルに纏まっているので、視界を活かしやすく、偵察運用の適性も高い。たとえ最後の1台になっても侮れない戦力となるだろう。 - 研究・開発
火力の項で述べた通り、乗り出しは最低限初期砲を換装してからが望ましい。
一見すると必要経験値の低い105mm榴弾砲(1,500)は搭載に履帯の研究が必要なため、初期状態から積むには結局4,050ものフリー経験値を用意しなければならない。
他のモジュールについては、アメリカ車輌でも特に互換パーツの多いTier3自走砲M7 Priestの最終エンジンFord GAA earlyを共用できる。重量はあるものの、中間エンジンをすっ飛ばして500馬力もの出力を乗り出しから扱えるのは嬉しいところだ。
無線機もアメリカらしく流用性が高く、様々な車輌から引き継ぐ事ができる。
共有装備の搭載のために真っ先にフリー経験値で履帯を研究するのもいいだろう。
- 偵察性能
- 総論
重装甲戦車に対する打撃力不足が顕著だが、充分な機動力を維持しながら車体の向きに制約を受けない広い射界を手に入れた本車は、待ち伏せも単独で行える強力なポテンシャルを秘めている。
しかし、一見強力に思える視認範囲や俯角を生かすのは決して容易ではない。
10榴は同じ視界とより深い俯角を持つ中戦車M4A1 Shermanの方が様々な局面で取り回しがよく、劣化版になりかねない。対して76mm砲は、同じ砲を圧倒的な機動力で扱えるT67の方が遥かに活用の幅が広い。
対する本車の優位性は、10榴のシャーマンには照準時間(と隠蔽性)、T67の76mm砲には精度(と視界)にある。
これは前述の性能差を覆すに足るもので、本車の真髄と言っても過言ではない。
戦況に応じて支援と攻防の要を使い分け、そのポテンシャルを引き出して欲しい。
史実
1941年にT40の前身であるT24を試験したアメリカ軍は、戦車駆逐車には全周旋回可能な砲塔が必要であるという結論に達した。兵器局はその結論に沿って、全周旋回砲塔にT1重戦車用に開発された口径76mmの3インチ戦車砲M7を搭載するT35という設計案を作成、1942年1月には試作した砲塔をM4A2中戦車に搭載した車両が製作された。その後傾斜装甲の一層の導入や車体の軽量化などさらなる改良が加えられ、1942年6月にM10 GMC(Gun Motor Carrige:自走砲)として制式化された。
M10はM4A2をベースとしているため、搭載するのはゼネラルモーター製のGMC 6046ディーゼルエンジンである。装甲は傾斜装甲を広く採用したほか、装甲厚をベースとなった戦車型から減らし、最大装甲厚は57mmとなっている。これによって、T40で問題となった機動性を確保している。防御力の不足に備えて車体には増加装甲を装着するためのボルトが付いていた(ゲームでも確認できる)が、結局これに対応した装甲が製作されることはなかった。
砲塔は試作車ではそろばん型の変わった形状をしていたが、最終的により単純な5角形の砲塔となった。ところが完成後の試験で重量バランスに問題があることが発覚したため、砲塔後面に応急的にカウンターウェイトを張り付ける改造が施された(ゲームでは再現されていない)。その後1943年からははじめからカウンターウェイトを搭載し、形状が改良された砲塔が生産された。ゲームに登場する改良型砲塔はこちらである。
3インチ戦車砲M7は76mm Gun M1A1と同一の口径、弾頭だが装薬が異なり、弾薬の共用はできなかった。
砲塔は索敵能力を重視しオープントップであり、また精密な砲撃を可能とするため手動旋回だった。
そのほかバリエーションとして、フォード製のM4A3をベースとしてガソリンエンジンを搭載したM10A1が存在する。M10A1は基本的に本土で訓練用として用いられたが、一部が砲塔を外した砲牽引車としてヨーロッパに派遣されている。また、M4中戦車と同じ76mm Gun M1A1を搭載し、各部をさらに軽量化したT72も試作されたが制式化されなかった。
また、M10はレンドリースでイギリス軍や自由フランス軍、ソ連軍にも供与された。イギリス軍は本車を「ウルヴァリン」(クズリ) のニックネームを付けて運用していたが、一部をより強力な17ポンド砲装備の「アキリーズ」に改造している。
M10の生産は1942年9月から始まり、1943年12月までに約5000両が生産された。M10A1は1942年10月から1943年末までに約1700両が生産されたが、最後の300両は砲塔を外した状態で完成している。
M10は初めての本格的な戦車駆逐車として戦車駆逐大隊に配備された。
初めての実戦は1943年3月のチュニジア戦で、この時は想定通り敵戦車部隊を迎え撃って撃退している。
しかしその後、戦線が北アフリカからシチリア、イタリア本土へ移ると、M10は戦車と同じように、歩兵への支援射撃任務に就くことが多くなった。1944年からのフランス戦ではその傾向が一層顕著になり、大隊単位ではなくより小さい単位に分割されて歩兵と共同作戦を行った。
同軸・車体機銃を持たず、オープントップの手動旋回式砲塔を備えるM10にとって、このような作戦は不向きであり、市街戦などでは歩兵の近接攻撃で損害を出すことも多かった。そのため乗員は砲塔に機関銃を据え付け、装甲カバーを自作するなどの工夫を行って損害を抑えようとした。
「敵が機甲戦力で攻勢に出る」ことを想定して策定されたアメリカ軍のドクトリンは、連合軍が戦車の少ないドイツ軍に対して攻勢に出る現実に合わなくなってしまっていたのである。
とはいえ、時たま行われるドイツ軍の攻勢に対しては、大隊以下の規模ではあったものの、前線に素早く駆けつけて対戦車戦闘を行った。
その一方で、ティーガー Iやパンターといったドイツの強力な戦車に対しては、M10の76mm砲は威力不足だった。1944年の暮れから対戦車火力の高いAPCR弾が配備されるようになったがごく少数で、無駄撃ちは出来なかった。
運用・装備の両面で不十分な状態にありながらも、M10はM36やM18とともに、終戦まで戦車駆逐大隊の主力としてヨーロッパや太平洋戦線で戦い続けた。
なお、戦後の台湾軍においては、105 mm M4を密閉砲塔に搭載する改造を施した車両が存在したようである。
参考資料
『British and American tanks of World War Two』Peter Chamberlain, Chris Ellis
「アメリカ軍駆逐戦車」『グランドパワー』2011年7月号
http://combat1.sakura.ne.jp/M10.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/M10_%28%E9%A7%86%E9%80%90%E6%88%A6%E8%BB%8A%29
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