大きな棺を背負っている、容姿端麗な金髪の青年。
天外の行商人である彼は、不幸にも星核によって発生した仙舟「羅浮」の危機に巻き込まれてしまう。
その結果、優れた医術の腕を発揮する機会が生じた。
- ストーリー詳細1
「あなたの身分は?」
「行商人だよ」
「仙舟に来た目的は?」
「商業活動だよ」
「仙舟同盟の法律を犯さないこと。法律や規則に従った商業活動をすること。査証の許可範囲以外に行かないこと。以上のことを守れますか?」
「もちろん。ちゃんと守るさ」
「『長生』に関するいかなる非合法な研究もしないと保証できますか?」
「ああ…守るよ」
「よろしいです。ではこちらに署名をお願いします」
「羅刹さん、ようこそ仙舟『羅浮』へ」
- ストーリー詳細2
「ねえ、あの人のこと覚えてる?いつも私たちの家に来る、大きな箱を背負った……」
「羅刹のこと?」
「そう、羅刹…殊俗の民だよね?でも、話し方とか習慣は、古風な仙舟人にとても似ている。仙舟に来て長いのかな?でも、ずっと独特な外の服を着てる…」
「さあ?あの金髪と仙舟の服装が合わないんじゃない?」
彼はたまに故郷のことを思い出す。
悪魔、教会、狂気…それは決して美しい記憶ではない。
人々は、自分の街がいかに壊れるかを眺めるために、群れを成して高い所に登った。
もし、全てが終わらなければいけないのなら、少なくとも目撃者と2つの目が必要である。
「どうして、今も故郷の服を着ているのですか?」
誰かが質問した。
「この服は僕に守るべき道を教えてくれる、それだけさ」
羅刹は答える。
- ストーリー詳細3
仙舟人は棺を知らない。
羅刹が棺を背負って街に出るたび、人々はの注目を集める。
誰かが羅刹にこんな質問をした。
「それは一体、何なのでしょうか?」
羅刹は必ず誤魔化す。
「これは、僕の商売道具だよ」
「『商売道具』…君を冒涜していることになるのかな?」
羅刹は、長楽天の亭台の上で少しも気にしてなさそうに言った。
「でも、僕と君の関係はビジネスのような物だろう?」
棺は沈黙で答えた。
- ストーリー詳細4
羅刹は、棺を背負い遠方へ向かう。
棺からは何も聞こえない。棺は抗議しなかった。抗議する権利もなかった。
「君が何も話さない時は、自由だよ」
幕が上がり、彼は罪を後ろに放った。
罪は別の種類の操られた武器に過ぎず、自分が正しい答えを得られると騙しているに違いない。
「君は違うのかい?君の苦しみは、どうして他の人より価値があり、人の心を動かすのだろう?」
「仙舟に行くといい」
棺を彼に渡した人は言った。
「誓いを忘れるな」
「永遠に忘れないさ」
そう言いながら、羅刹は心の中で別の誓いを立てた。