収録拡張 | コスト | カード種別 | 効果(※日本語訳はDominion Onlineより) |
海辺(第二版) | 5 | Action-Duration | You only draw 3 cards for your next hand. Take an extra turn after this one (but not a 3rd turn in a row). |
アクション-持続 | 次のターンの手札を引くとき、3枚のみカードを引く。このターンの後に追加の1ターンを得る(ただし、連続3ターンとなる場合は得られない)。 |
追加ターンに関連するエラッタについて | |
このカードは2023年のエラッタでカードテキストから効果が変更されており、2023年現在のカードテキストと効果が異なります。 Dominion Online等のインターネット上でドミニオンを遊べるサービスでは変更後のルールで処理が行われています。 実際のカードを用いてゲームを行う際は、混乱を避けるため変更前と変更後のどちらのルールを採用するか事前に決めた方が良いでしょう。 (ルール変更前の情報については余談を参照してください。) |
複数回カードテキストが変更されたカードであるため、遊ぶ前に卓内で効果処理の認識を合わせておくことが望ましい。各版の挙動の違いについては後述する。
概要
ターン終了後、手札が3枚の追加ターンを得る持続カード。手札が少ない以外の行動制限がないため、自分だけもう一度アクション使用や購入を行えて強力。
ただし手札3枚スタートという制限によって、工夫無く使ったところで何の成果も得られないターンを過ごしてしまうことも多い。
ステロデッキではまともに金量は出ないし、コンボデッキも村と鍛冶屋が揃っていなければパスするだけになってしまう。
サプライ次第では次ターンのコンボ始動準備は難しくないため、活かす方法を事前に検討しておきたい。
利用法
- 前哨地の効果による追加ターンは、通常手札が3枚なので、以下のような組み合わせで有効利用できると良い。
- 呪われた村のような手札を一定枚数まで補充するカードや、狩猟小屋のような手札を捨てて大量ドローできるカードを使用できれば、手札が少ないデメリットがなくなるので強力。
- 移動動物園や外交官などは、手札が少ない方が追加効果が得やすいので、組み合わせやすい。
- 単純に、隊商や停泊所などの持続効果や探検やリスの習性と組み合わせ、追加ターンの手札を増やすか、宝物庫や錬金術師や画策のように、デッキの上に戻せるカードで追加ターンの出力を安定させるのも手である。
- 追加ターンでまともに出力したり十分にデッキを回すことを諦めても、十分なリターンを得られる行動さえできれば採用圏内となる。
- 様々な組み合わせが考えられるが、追加ターンの3枚の手札にこれらのカードが来なければ成り立たたず、そもそも前哨地はターミナルアクションなので、中庭や停泊所で次ターンの手札を調整できると成立しやすい。
特に、前哨地自体が、連続2ターン以下となる場合にしか効果が無いので、前哨地を複数枚デッキに入れる場合も手札調整カードを利用できないと無駄になりやすいので注意。
- 自分のターンが増えるため、相性の良いカードやギミックが存在することがある。
- 前哨地は、見方を変えれば+3ドロー、+1アクション、+1購入を得るカードとも言える。
- 愚者の黄金など、コストが安く集めると強いカードを買い集めるのにも利用できる。
- 引ききりが可能なら、通常ターンとほぼ同じ金量を出せるのでデッキ内金量が上がったとも言える。
- デッキの回転自体は速くなるので、逸早く使用したいカードの使用頻度を上げるのにも有用。
- なお、即座に「次の自分のターン」が来る関係上、「次のターン開始時まで予約されるアタック効果を持つカード(沼の妖婆、呪いの森、女魔術師、門番など)」との相性は悪いと言える。
- 追加ターンに使用するなら問題ない。通常ターンのクリーンアップフェイズに捨て札になるので、(引けるなら)1枚だけで毎ターン持続アタックが可能である。
詳細なルール
- ゲームの終了条件のチェックは追加ターンを得るより前に行う。ゲームの終了条件を満たしていると追加ターンは発生しない。
- ゲームの勝敗を決めるとき、追加ターンは経過ターン数に含めない。
- 「連続した追加ターンは得られない」という処理と「リッチの効果で1ターンスキップする」との処理の組み合わせの解釈ついてはリッチページ内の小見出しを参照。
- 前哨地は、以下の2つの効果をそれぞれ予約する。
- 次にあなたのターンのクリーンアップフェイズを迎え(通常、これは前哨地を使用したターンのクリーンアップフェイズである)、手札を引く際に、3枚しか引かなくなる。
- このターンの終了後、「直前2ターンの両方があなたのターンである」でない限り、追加の1ターンを得る。
- 予約効果1.は、次にあなたが『手札を引こうとするとき』に誘発する効果である。誘発すると、「手札を5枚引く代わりに3枚引く」という効果を発揮する。
これが誘発し解決された後、『手札を引くとき』に誘発する効果(探検や旗が該当)が解決される。- 例えば、前哨地を使用したターンに探検を購入していた場合、手札を3枚引き、その後追加で2枚カードを引く、という処理になる。
- なお、これは『次にあなたが』手札を引こうとするときにのみ誘発する効果であり、『前哨地が持続している限り、手札を5枚引く代わりに3枚引く』という処理ではない(追加ターンのクリーンアップフェイズには通常通り5枚引く)し、他のプレイヤーへの影響はないので注意。
- 前哨地は、上記の予約効果1.が発動したターン、および予約効果2.が発動した直後のターン、これらいずれかのうち遅い方(これは通常、あなたの追加ターンである)のクリーンアップフェイズに捨て札になる。
他の追加ターンを与える効果との相互作用
それぞれの追加ターンを得るための条件・判定タイミングに加えて*1、以下のABCの原則に則って処理される。
- A:追加ターンを得る効果はどれも「このターンの後(=ターンとターンの間)」に誘発する効果である。
- 追加ターンは通常のターンの進行に割り込み、優先して処理される。追加ターンはターンとターンの間に処理されるので、全ての予約された追加ターンを解決し、ターンとターンの間が終わるまで、次の通常のターンは先送りされる。
- 追加ターン中にさらに「ターンとターンの間に誘発する効果」を得ると、誘発待ち予約が増え、通常のターンはますます先送りされる。
- なお、増えた予約もそれ以前からの予約と同時に誘発する。先に予約されていた効果を優先して処理しなくてはいけない、ということはない。
- B:一人のプレイヤーに同時に複数の追加ターンが誘発した場合、そのプレイヤーが自由に解決順を選択する。
- ターンとターンの間の選択に支配の効果は及ばない。
- C:異なるプレイヤーに同時に追加ターンが誘発した場合、ターンプレイヤーからターン進行順に追加ターンを解決する。
- ターンとターンの間において、ターンプレイヤーとは「直前のターンを得ていたプレイヤー」である*2。
以下、いくつかの組み合わせ例を示すが、複雑な場合は原則に立ち返るとよい。なお、前哨地を場から捨て札にするタイミングや引くべき次の手札の枚数については、前節の説明を参照すること。(以下、追加ターンを、発生させた原因となるカードまたはランドスケープにより区別する場合、●●ターンと表記する。)
- 1つ前のターンが「あなたのターン」ではない、通常ターン中に、前哨地を使用し、同じターンに使節団を購入した場合、両方の『追加ターンを発生させようとする効果』が予約され、通常ターンの後、両方の効果が同時に誘発する。[原則B]に従い、その処理順は効果を誘発させたプレイヤーが自由に選択できる。この場合、以下2パターンの処理のどちらかとなる。
- 先に使節団ターン(カードの購入ができない)を得て、手札5枚で終え、次に前哨地ターンを得ようとして失敗する。
- 先に前哨地ターンを得て、手札5枚で終え、次に使節団ターンを得ようとして失敗する。
- 例えば、右隣のプレイヤーの支配によって得た支配ターン中に前哨地を使用させられた場合は、前哨地ターンを得られ、この前哨地ターンに支配の効果は及ばない。
- 他方、支配ターン直後の通常ターン中に前哨地を使用した場合は、前哨地ターンを得るのに失敗する。
- 支配と前哨地を同じターンに使用した場合、[原則C]に従い、まず前哨地ターンを得て、次に左隣のプレイヤーが(あなたがすべての決定をする)支配ターンを得る。
関連カード
拡張 | 名前 | 関連 |
錬金術 | 支配 | 左隣に追加ターンを与え、その全ての決定とカードの獲得を自分が行うアクションカード。 |
冒険 | 使節団 | 追加ターンが得られるイベント。こちらは追加ターンにカードの購入ができない。 |
ルネサンス | 艦隊 | ゲーム終了後に追加ターンが得られるプロジェクト。 |
移動動物園 | 今を生きる | 追加ターンが得られるイベント。追加ターンに関する制約は無いが、1ゲーム中に購入できるのは一度きり。 |
同盟 | 航海 | 手札を3枚まで使える追加ターンを得る。 |
島民 | 5好意を支払って追加ターンを得られる。 | |
略奪 | 旅行 | 追加ターンが得られるイベント。追加ターンに関する制約は無いが、場のカードがクリーンアップフェイズに捨て札にならない。 |
余談
初版発売後、数多くのルール変更が行われたカードである。おおよその流れは以下の通り。
①2009年9月に英語版海辺初版が、2009年12月に日本語版海辺初版が発売された。
②2017年6月頃にオンライン版のテキスト差し替えが行われた。
③2022年5月発売の英語版海辺第二版、2022年6月発売の日本語版海辺第二版で、②の内容に沿った紙カードが発売された。
④2023年9月にエラッタが発表され、翌10月に追加でルールが改訂され、現在に至る。
以下、日本語版初版(①)および第二版カード(③)のカードテキストを残しておく。
収録拡張 | コスト | カード種別 | 効果 |
海辺(初版) | 5 | アクション-持続 | あなたは、このターンのクリーンアップフェイズに、カードを(5枚ではなく)3枚しか引くことができない。 このターンの後に、追加の1ターンを得る。 この効果で、あなたは追加ターンを、1ターンまでしか得ることができない。 |
収録拡張 | コスト | カード種別 | 効果 |
海辺(第二版) | 5 | Action-Duration | If this is the first time you played an Outpost this turn, and the previous turn wasn't yours, then take an extra turn after this one, and you only draw 3 cards for your next hand. |
アクション-持続 | これがこのターンあなたが初めての前哨地の使用で、直前のターンがあなたのターンではない場合、このターンの後に追加の1ターンを得て、追加のターンのための手札は3枚しか引くことができない。 |
- 初版の前哨地は、現在のものとほぼ同一の挙動だが、相手ターンに何らかのリアクションを経由して前哨地を使用することを想定していないため、そのような場合には手札を3枚しか引かない効果は失敗する。
- 第二版の前哨地は、使用した直後に、追加ターンを得られるか判定していたため、他の追加ターンを得るカード等と組み合わせ、連続3ターン得ることができたり、追加ターンを得られない場合は手札デメリットを受けない仕様だった。
- 2023年9月ルールでは、前哨地は追加ターンをひとまず発生させるが、連続3ターン以上になるときは即座に割り込みをかけてキャンセルさせるという解釈がされていた。
この割り込みはリッチと同時に発生するため、追加ターンが発生しない前哨地でリッチのターンスキップを踏み倒せる仕様だった。 - しかし上記の割り込みの仕様はカードテキストの直観に反していたため、10月ルールとして再度通達が行われた*3。
ターンの間に先に条件を判定し、直前2ターンがあなたのものである場合は何もせず、リッチで取り消すべきターンは発生しようともしなかった(そのため踏み倒せない)という解釈に変更された。
第二版のみ、やや独特な挙動をする。その使用時効果は、以下のように纏められる。
- 前哨地は、使用時に以下の2つの条件を満たしているか判定する。
- このターン中に初めて使用される「前哨地」という名前のカードである*4。
- 1つ前のターンが「あなたのターン」ではない。
- これらの条件を満たしている場合、「追加効果①:このターンの後に【前哨地ターン】を得る」と「追加効果②:次の手札としてカード3枚だけを引く」の2つの追加効果を予約する。この場合、2つの追加効果が発揮されるまで、前哨地はクリーンアップフェイズで捨て札にならず場に残り続ける。
- なお、条件を満たしていない場合は、追加効果を予約せず、このターンのクリーンアップフェイズに捨て札になる。
- (1)の条件については、以下の場合に注意。
- (2)の条件は「前哨地使用時にのみ判定される」ということに注意。
- 一度条件を満たして追加効果①②を予約した場合、そのターンの後に別のターンが発生したとしても、それにより予約された追加効果①②が失われることは無い。詳細は他の追加ターンを与える効果との相互作用を参照。
- 例えば、通常のターンに前哨地Aを使用して得られた【前哨地Aによる追加ターン】中に前哨地Bを使用した場合は、(2)の条件を満たせない。
- 一度条件を満たして追加効果①②を予約した場合、そのターンの後に別のターンが発生したとしても、それにより予約された追加効果①②が失われることは無い。詳細は他の追加ターンを与える効果との相互作用を参照。
- 追加効果①は、『ターンとターンの間』に誘発する効果である。
文章上誘発するタイミングの違いが見られないものの、<寄付や峠の効果>は<追加ターンを得る効果>より前に処理することになっている*5ので注意。例えば、前哨地を使用したターンに寄付を購入すると、追加効果②により手札を3枚引いてターンを終えた後、寄付を処理し、手札を5枚まで引いてから、【前哨地ターン】を始める、という順番になる。
2021年のルール変更とエラッタにより、寄付と峠の処理タイミングがターン終了後からターン終了時に変更されたため、「追加ターンの処理よりも寄付や峠の処理が先に発生する」ということが明確になった。- 海辺・繁栄・異郷2版発表に伴う2022年版エラッタにより、寄付と峠の処理タイミングがターン終了時ではなくなったので、「追加ターンの処理に寄付や峠の処理が関わる」ということは無くなった。
- 例えば、前哨地を使用したターンに寄付を購入すると、追加効果②により手札を3枚引いてターンを終え、次ターン(=【前哨地ターン】)の開始時に寄付を処理し、手札を5枚まで引く、という順番になる。
コメント
- ゲーム終了条件を満たしたターンに前哨地をプレイし使節団とFleetを購入した場合、同一プレイヤーが3連続で追加ターンを行う事は理論上可能ですか? -- 2019-03-11 (月) 19:28:03
- 「寄付や峠は文章上誘発するタイミングの違いが見られないものの、追加ターンを得るより前に処理することになっている」という件は、どこかに公式回答があるのでしょうか? -- 2019-05-14 (火) 21:17:23
- はい。ドナルドによる回答へのリンクを註記しました。 -- 2019-05-15 (水) 19:13:06
- ありがとうございます。ばっちり書いてありますね。 -- 2019-05-16 (木) 09:15:04
- +アクションがあること前提だけど、セイレーンとの相性えげつないわね。相手が仕様把握してなかったこともあって、かなり一方的に汚染させてしまった。 -- 2023-05-23 (火) 13:24:08
- またルールが、ドナルドの気まぐれで変わるらしい。 -- 2023-09-29 (金) 14:27:51
- まぁ前哨地はそんな影響無いし…… -- 2023-09-29 (金) 20:57:39
- 変更内容確定したので追記します -- 2023-10-11 (水) 10:39:59
- プレイヤーAが支配するプレイヤーBの被支配ターン中に、被支配者Bが前哨地と支配を使用して、さらにゴンドラを獲得したと仮定します。ゴンドラを獲得したプレイヤーAが前哨地を使用した場合、Bの被支配ターン後はAの前哨地ターン→Bの前哨地ターン→Cの被支配ターン→Bの通常ターンの順になりますか? -- 2024-03-29 (金) 14:34:54
海辺 (太字…第二版で追加) | |||||||||
コスト2 | 原住民の村 | 停泊所 | 灯台 | ||||||
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コスト3 | 海図 | 倉庫 | 密輸人 | 見張り | 漁村 | サル | アストロラーベ(■) | ||
コスト4 | 宝の地図 | 引揚水夫 | 巾着切り | 潮溜り | 船乗り | 隊商 | 封鎖(■) | 島(□) | |
コスト5 | バザー | 宝物庫 | 前哨地 | 策士 | 商船 | 船着場 | 海の魔女(■) | コルセア(■) | 海賊(■) |
持続カード | ||||||||||
王国カード | 停泊所 | 灯台 | 漁村 | 隊商 | 前哨地 | 策士 | 商船 | 船着場 | 地下牢 | 道具 |
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魔除け | 隊商の護衛(■) | 沼の妖婆(■) | 呪いの森(■) | 橋の下のトロル(■) | 雇人 | 女魔術師(■) | 資料庫 | 守護者(■) | 秘密の洞窟 | |
ゴーストタウン(■) | 納骨堂(■) | 悪人のアジト(■) | カブラー(■) | 夜襲(■■) | 貨物船 | 研究 | 村有緑地(■) | 艀 | 門番(■) | |
首謀者 | 輸入者 | 王家のガレー船 | 追いはぎ(■) | 契約書(■) | 航海 | 駐屯地 | 要塞(■) | 将軍(■) | 霊術師 | |
サル | アストロラーベ(■) | 船乗り | 潮溜り | 封鎖(■) | コルセア(■) | 海の魔女(■) | 海賊(■) | 岩屋 | 調査 | |
檻(■) | 秘境の社 | 現場監督 | セイレーン(■) | 密航者(■) | キャビンボーイ | 上陸部隊 | 旗艦 | 豊穣(■) | ゴンドラ(■) | |
縄(■) | 乗組員 | 拡大 | ロングシップ | 操舵手 | 切り裂き魔(■) | フリゲート船(■) | 埋められた財宝(■) | 川船 | 侍(■) | |
王子 | Captain | Church | ||||||||
サプライ外 | チャンピオン | 幽霊(■) | アンフォラ(■) | 尽きぬ杯(■) | 船首像(■) | 宝石(■) |