海賊船

概要

相手のデッキから財宝を廃棄する効果と、その廃棄の成功回数に応じて仮想コインを生み出す効果の2つから選択するアタックカード。
廃棄効果を使っている間はデッキ成長が遅れるので、完成形のために専用構築が求められる。
序盤は銅貨を廃棄して相手の圧縮を手助けしてしまうデメリットがあるが、最終的に生む仮想コインを大きくする目的のためには序盤から打っていきたい。
中盤以降は金貨などの高価な財宝カードを廃棄できれば妨害効果も大きいものの、むしろデッキ枚数が増えコンボパーツに邪魔されて財宝自体にヒットしないことも多くなってしまう。

利用法

• 仮想コインを生むカードが無い場では金量が財宝カード頼みになるため、海賊船の存在が無視できない。
  • 廃棄によって海賊船トークンを溜める効果は、海賊船を使うより前に相手が礼拝堂などで自主的に廃棄してしまうと力を発揮できない。
  • 仮想コインを主軸にされてしまうとアタックカードとしてのダメージを回避されてしまう。なお、海賊船自身も仮想コインを生むカードであるため、海賊船に海賊船で対抗する試合も発生する。
• 購入の増えない場では財宝を買い足しにくく、海賊船によって相手の足止めをしやすい。
• 相手の財宝を廃棄できる確率が低くなるため、2人戦では価値が大きく下がってしまう。
• 海賊船トークンの数だけコインを得る効果は、海賊船1枚で属州購入にも届く8金を生むより、2枚で4金ずつ生む形の方がハードルが低いことが多い。
• 大使や大使館によって相手のデッキに財宝を増やせば、相手の財宝を廃棄しやすくなる。

詳細なルール

• 日本語版カードと英語版(2017 printing以降)のカードでは、一番目の効果と二番目の効果の記載順が逆になっているので注意*1。
  • 実カードで遊ぶ際に「海賊船を使用して『一番目の効果』を使用します」と宣言することもあるだろうが、英語版カードを使う場合は注意。

• 海賊船によって得るトークンは、財源(旧称コイントークン)とは異なる。
  • +1コインを得るために支払うことはできない。海賊船以外の他のカードによって参照されることもない。
• 海賊船の一度の処理で複数のプレイヤーが財宝カードを廃棄した場合でも、得られる海賊船トークンは1枚である。*2
• 海賊船で得た海賊船トークンは、海賊船でコインを生んでも消費されない。あくまで置かれている数を参照する効果処理である。

• 海賊船の効果の厳密な処理順は次のようになる。

  1. プレイヤーAが海賊船の使用を宣言する。
     1. このタイミングで、他プレイヤーは、アタックカードを使用された際に誘発するリアクションカードでリアクションできる。
        プレイヤーAの左隣のプレイヤー(以下プレイヤーB)から順に、リアクションするか判断し、リアクションがある場合はその処理を行う。
  2. プレイヤーAは海賊船の使用時効果のどちらを発揮するか選択する。
     1. 一番目の効果を選択した場合、プレイヤーAは「海賊船トークン1枚につき、+1コイン」を得る。
     2. 二番目の効果を選択した場合、以下の処理を行う。
        1. プレイヤーBはデッキからカード2枚を公開する。
        2. プレイヤーAは公開された2枚の中の財宝1枚を選ぶ(財宝カードが無ければeに進む)。
        3. プレイヤーBは選ばれた財宝1枚を廃棄する。
        4. プレイヤーBは残りを捨て札にする。
        5. 以降、ターン順に他のプレイヤー全員がa~dを行う。
        6. 誰か1人でも財宝を廃棄したプレイヤーがいれば、自分の海賊船マットに海賊船トークン1枚を追加する。
  3. プレイヤーAの海賊船の解決が終了する。

• 他プレイヤーが、アタックカードを使用された際に誘発するリアクションカード（堀、秘密の部屋、馬商人、物乞い、隊商の護衛、外交官、番犬、盾）でリアクションするのは、海賊船使用者が使用する効果を選択する前である。
  • そのため海賊船使用者は、他のプレイヤーのリアクションの有無＆その処理結果を確認した後に、使用する効果を選択することになる。
• 二番目の効果で財宝カードを廃棄しているのはあくまでもアタックを受けている各プレイヤーである。海賊船を使用したプレイヤーは廃棄させる財宝カードを選んでいるに過ぎない。
  • 青空市場や墓標等、カードを廃棄した際に誘発する効果を利用できるのは、アタックを受け廃棄を行った相手プレイヤーのみである。

• 海賊船マットは、各プレイヤーごとにそれを初めて必要とした時に受け取る。
  • 海賊船の入手有無を問わない。はみだし者や大君主によって海賊船を使用した場合でも、コイントークンを海賊船マットに置く処理が発生すれば問題なく置くことができる。

• 海賊船の効果は「選択効果」なので、長老の対象となる。詳細は専用ページを参照。
  • なお、先述の通り海賊船は「選択効果の記載順」が版によって異なる*3。
    長老で海賊船を使用すると、海賊船の「選択効果」を2つとも選ぶことができ、効果が『カードテキストの上から順』に発揮されるため、この場合は選択効果の記載順が問題になる*4。
    海賊船と長老を同時に用いるゲームでは、混乱を避けるためどちらのルールを採用するか事前に決めるべきである。

関連カード

余談1

• 島、海賊船、原住民の村のカードイラストは、この順番で左から繋がるようになっている*5。
  • 海賊船のカードイラストをよく見ると、船上の人物たちは、主に右方を向いているように見えるため「島に上陸した後に襲撃をする原住民の村の様子を注視している」というイラストであるとも見ることができる。

余談2

• ドナルド・Xによる削除理由は以下の通り。
  原文と日本語訳

  【原文】(引用元)

  Pirate Ship for years has been one of the very weakest cards in the game.

  At the same time it terrifies casual multiplayer groups, where everyone buys it and so someone who bought it wins.

  It also requires tokens for again just a single card in the expansion.

  【日本語訳】

  海賊船は、長年にわたって最弱カードの一つであった。

  それでいて、カジュアルなプレイヤー同士の試合ではでみんなが買うから買った人が勝ち、プレイヤーを恐怖に陥れた。

  おまけにこの拡張の中でこのカードのためだけにトークンが必要なんだ。

余談3

• 日本語版カードのカードテキストは下記のようなものであった。

• 海賊船の英語版(2017 printing)では、「このゲームであなたが海賊船で得たコイントークン1枚につき、+1コイン」の効果が、「あなたの海賊船マットにあるコイントークン1枚につき、+1コイン」*6に修正された。
  • この修正により、『「海賊船を相続した屋敷」によって得た(=海賊船マット上に加えた)コイントークン』が海賊船の効果の対象となることが明確となった。
  • 2019年のルール変更とエラッタにより、海賊船を相続した屋敷を使用すると、『屋敷トークンの乗った海賊船』を使用する処理となったため、そもそも上記の齟齬は無くなった。

• 海賊船の英語版(2017 printing以降)では、海賊船マットを受け取るタイミングが「初めて海賊船を入手した時*7」から「初めてそれ(海賊船マット)を必要とした時*8」に変更されている。
  • 変更前のルールでは、海辺発売当時に存在しなかったカードであるはみだし者や大君主などの挙動に対応しておらず、これらによって海賊船を入手せずに使用した場合にトークンの置き場がないと解釈されてしまう恐れがあった。

コメント

• 複数名の財宝カードを廃棄させた場合でも、コイントークンは+1(廃棄させた人数分ではない)、で合ってますか？ -- 2020-07-19 (日) 21:27:59
• はい。 -- 2020-07-19 (日) 23:07:04
• 抑留と同様、ルール改正がされた上に削除されたため、ルール改正前のテキストだけが残ってしまった。 -- 2023-01-13 (金) 21:44:46
• 多人数シャーマン場だとコイントークン貯まりやすそう。 -- 2023-04-23 (日) 21:54:05