Valiant

Last-modified: 2024-04-05 (金) 20:07:37

Tier5 イギリス 中戦車 (配布戦車) / 日本語表記:ヴァリアント

Valiant.jpg
史実ではあまりに設計上・構造上の欠陥が多すぎて悪評を欲しいままにした本車だが、本ゲームでは欠陥を気にせず戦う事ができるという意味では破格の強化を受けている。

スペック(v1.10.0)

車体

耐久値800
車体装甲厚(mm)114/75/60
最高速度(前/後)(km/h)19/10
重量(t)27.34
実用出力重量比(hp/t)7.68
本体価格1,500G相当
修理費(Cr)
超信地旋回不可
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
75 mm Gun Mk. V14.29AP
APCR
HE
91
144
38
110
110
175
1,5710.412.5619
774
619
7556
2,800
56
500-12.5°/+20°
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
Valiant A 38114/75/75333403,490
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
GMC210151,080
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
A3828.5358,200
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
N1940040
 

乗員

1Commander(Radio Operator)2Gunner3Driver4Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置Class2装填棒Class2砲垂直安定装置×改良型旋回機構Class2改良型照準器Class2追加グローサーClass2
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造Class2改良型装甲材Class2内張り装甲Medium
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時17.61%4.35%
移動時13.22%3.27%
 

車両に関する変更履歴

クリックで表示
v1.9.1スーパーテスト用に追加
v1.10.0クライアント内に追加
v1.10.0.1新規実装

解説(v1.10.0.1)

  • 概要
    v1.10.0.1で追加されたTier5のイギリス配布中戦車
    『World of Tanks』10周年記念チャプターVで期間内にログインしたプレイヤーに配布。
    大戦後期、ルーストン&ホーンズビー社が開発した試作歩兵戦車であり、英国に限らず戦車史に名を残す失敗作である。
    ちなみに、valiantは「勇敢な」の意。
     
  • 火力
    俯角が-12.5°と非常に優秀なので地形を上手く使って戦いたい(後方の俯角は-7°)。
    • 75 mm Gun Mk. V
      Tier5中戦車の75mm砲としては平凡な性能。Excelsiorなど同名の砲を装備する同Tier車輌があるが、それらに比べ装填時間と照準時間が長くなっている*1
      通常弾の貫通力が低く、重装甲車輌には課金弾で対応する運用となる。
      その課金弾の貫通力も高くはないため弱点を狙っていきたいところだが、照準時間が長めで精度も良くないためそれも苦手。
      照準拡散は良好。
       
  • 装甲
    同Tier重戦車と肩を並べる厚い装甲を持つ。
    正面については車体上部の傾斜部が60mm(傾斜込で100mm程度)だが、大部分がスペック値のとおり114mm厚となっている。
    車体下部も114mm+傾斜で弱点ではなく、低貫通の同格以下相手ならある程度強気に出られるだろう。
    側面も十分な装甲厚であるため昼飯・豚飯はできるが、上述の車体傾斜部は楔形になっており、傾けても厚くならない点には注意。
    天板は砲塔が20mm車体後部が10mmと薄く、機動力の低さも含めて自走砲のいい餌なので注意。
    耐久値は800と同格中戦車トップタイ。
     
  • 機動性
    全中戦車の中で最低と言って過言ではないほど劣悪。
    前進速度19km/h、後退速度10km/hしかなく、加速も非常に鈍い。
    旋回性能は極端に悪いわけではないが、それでもやはり快速戦車にまとわりつかれると対処に苦慮するレベル。
     
  • その他
    視認範囲は340mと短いのでスキルやパーツで補いたい。
    一方で隠蔽性は優れており、Tier5中戦車の中では頭一つ抜けて1位となっている。
    車輌の性格的に問題になることはあまりないだろうが、通信範囲が同格最低クラスなので単独行動は避けよう。
    イギリスツリー中戦車で搭乗員編成が同じなのはMatildaのみだが、他の4人乗り車輌も無線手が兼任なのは同じなので搭乗員育成に使えないことはない。

史実

本車輌の開発計画は1943年に開始され、火力や装甲の強化によりValentineの性能向上に寄与しました。1944年までにエンジンとサスペンションの異なる2種類の試作車輌が製造されましたが、大戦の終結が近づきつつあったこと、またより近代的なCenturionが開発されたことを理由に、1944年に計画が打ち切られました。(ゲーム内説明より)

詳細

A38 Valiantとは、1942年8月からヴィッカーズ・アームストロング社、ロールスロイス社、ラストン&ホーンズビー社がValentineの後継として開発した歩兵戦車である。

 

ヴィッカーズ社の開発したValentineは信頼性が高く優秀な戦車ではあったが、元々の武装が2pdr砲で貧弱であり、火力増強した6pdrあるいは75mm砲搭載型では砲塔に2名しか収まらず運用上の不都合があった。
その為、戦争省はValentineの部材やコンポーネントを極力流用し、6pdr砲または75mm砲を収めた3名搭乗の全周旋回式砲塔を備え、できる限り重装甲にするという3点を満たす新しい歩兵戦車の開発を要請した。
この要求に対してヴィッカーズ社は、Valentineと同様に出来る限りコンパクトにすることで、重装甲かつ低出力エンジンでも機動力を保持でき、被弾面積も小さくできるという設計で提出。

 

開発契約締結後、数ヶ月間はヴィッカーズ社が開発し初期設計デザインが纏められた。このデザインは後のIS-3などに見られるパイクノーズ型の車体など先進的ではあった。
valiant_history2.png
しかし、ヴィッカーズ社ではValiantの開発優先度は低いとされ、既存戦車およびアメリカ戦車の生産に注力する為Valiantの設計をロールスロイス社に委譲することになる。
ロールスロイス社ではエンジンとトランスミッションの開発が担当され、A33 Excelsior突撃戦車の開発エンジニアが設計に加わり、設計の変更が行われた。
更にロールスロイス社に委譲した2ヶ月後、戦争省はプロジェクトリーダーをラストン&ホーンズビー社に指名し、ヴィッカーズ社との契約を終了。
ラストン&ホーンズビー社は機関車製造やMatildaの製造の実績はあったが、戦車設計の経験は無かった。
ここでも設計の変更が行われたが、素人設計故なのか車体前部に大きな弱点が出来てしまう上に更に重量が増す事になってしまう。3人砲塔もここで設計されたが、ショットトラップの起きる形状で、更に砲塔リングには装甲が無かった。

 

Valiantの車体サイズは全長5.359m(17ft8.6in)、全幅2.743m(9ft2in)、全高2.133m(6ft10.7in)で、全幅こそわずかに広いが全長、全高共に6ポンド戦車砲や、75mm戦車砲を搭載した後期型のValentine歩兵戦車よりやや短く低かった。
にも関わらず戦闘重量は、Valentine歩兵戦車が17t程度だったのに対して本車は27tと10tも重かった。
その理由は、Valentine歩兵戦車では最大で65mm程度だった装甲厚が114mmに強化されたことに加えて、3名が搭乗する大型の鋳造製砲塔を備えたからであった。

 

重量増加に対応して、足回りはValentineのスローモーションサスペンションから新設計のヴァンガードサスペンションが採用された。
エンジンはValentineより強化されジェネラル・モータース社製の6-71 直列6気筒液冷ディーゼル・エンジン(出力210hp)が搭載されたが、それでも出力不足であった。
最大速度は路上でもわずか12マイル(19.31km)/hに過ぎず、1944年以降に実用化される戦車としてはあまりにも鈍足であった。(元々の想定では16マイル/hだったが、重量増加の為低下した)

 

Valiantが史上最悪の戦車と評されるのは、試作車の走行テストによるものだろう。
走行テストでは、まず空荷重量の測定が行われたが、初期設計から重量増加したため車高が沈下しており、走行時に車体底面に損傷を受ける可能性があった。
クロスカントリー路上テストではまずテストコースに到達できず、テストが行われなかったという有様である。
テスト中は13マイル/hで走行したが、エンジンオイルタンクからオイルが漏出したうえ、操向レバーが極めて重く操縦手の疲労がすぐに限界となった。
フットブレーキの操作には操縦手が負傷する危険が伴い、5速のギアレバーと右のステアリングとの間隔が狭くドライバーの手首が骨折する可能性もあった。操縦手はうずくまった姿勢をとらなければならず、ハッチのドアによって怪我をする可能性もあり、人間工学的に見て大きな問題が頻出した。
エンジンはパワー不足で僅かな傾斜ですらエンジン出力の伝達に問題が発生し、新サスペンションも潤滑油ラインが露出しており非常に壊れやすいものであった。
メンテナンスにも大きな問題を抱えており、最終変速機にはアクセスできない構造で、ギアボックスやステアリグブレーキの調整にかなりの時間を要した。
結果、操縦手が危険すぎるということで、十分な修正が必要であると結論付けられ、ただちに試験からラストン&ホーンズビー社に戻されてしまった。

 

そもそも同時期に設計されていたCenturionの方がはるかに性能が優れており、歩兵戦車としてもBlack Princeの方が優れていた。
このためValiantの開発計画は完全に放棄され、試作車1台が製造されるにとどまった。
1両だけ作られたValiant歩兵戦車の軟鋼製試作車は、ボーヴィントン戦車博物館の展示品として余生を送っている。
A38_Valiant_history1.jpg

参考元
戦車研究室:http://combat1.sakura.ne.jp/A38.htm
The Online Tank Museum:https://tanks-encyclopedia.com/ww2/gb/A38-valiant.php

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*1 重戦車と比べると精度が若干良くなっている