レーティングあれこれ2

Last-modified: 2024-05-02 (木) 22:27:47

画像一切使ってないのに行数オーバーしちゃいました! レーティングです!

公式レーティング(LWBRR、WTR、WTTR、IC…)以外に関する情報はこの記事です!
公式レーティングに関する情報はこちら⇒レーティングあれこれ

フリーハンデ

公式レーティング前史において、「ヨーロピアンフリーハンデ」のようなハンデ戦を施行するために主催者側が年明けに発表していた一流馬のハンデ差の一覧のことです
もちろんやがて格付けとしても受け入れられるようになっています
まず明け3歳馬のハンデ戦のための2歳フリーハンデが19世紀後半のフランスで生まれ、それがイギリス(1924年、1928年~)*1、アイルランドにも普及、
次いで3歳以上フリーハンデも、1950年代以後フランスをはじめ、イギリス(もともと中距離限定での評価は行われていましたが、全距離対象の3歳は1972年~、古馬は1974年~)*2、ドイツなどで作成されるようになりました
有名(?)なものはコロンボさんがカンパニュラさんより7ポンド上の「1933年英2歳フリーハンデ」とか
シーバードさんが古馬フリーライドさんより4kg上の「1965年仏3歳以上フリーハンデ」とか
マイスワローさんが各ミルリーフさんより1ポンド、ブリガディアジェラードさんより2ポンド上の「1970年英2歳フリーハンデ」とか
さらに翌年のミルリーフさんがブリガディアジェラードさんより4ポンド上の「1971年英3歳(中距離)フリーハンデ」とかでしょうか
1977年、これらの評価基準が国際化の要請で統一されたことによって、今日に繋がる公式レーティングが誕生しました
ただし、この年でフリーハンデが無くなったわけではなく、特に愛仏はその後も独自のハンデ差を発表し続けています(上記オープンライブラリーの『タイムフォーム年鑑』の資料の項参照)
以下は、英2歳フリーハンデ(~1977年)および欧州2歳公式レーティング(1978年~)歴代チャンピオンの一覧表です!
フリーハンデ時代の数値の歴代における比較はほとんど意味を成しませんので*3、ソートの楽しみ用に「チャンピオン馬とランキング2位馬と評価の差」および「牡馬チャンピオンと牝馬チャンピオンの評価の差」を付録しました!
ハンデの数値そのものではなく、ハンデ同士の差に限ってであれば2歳フリーハンデと公式レーティングの両者を統合して歴代の比較を行うこともできなくはなく、例えば、ワンダーなアラジさん(130)がロドリゴデトリアーノさんに8ポンド差を付けたときには、英2歳フリーハンデまで遡ってテトラテマさん、ザテトラークさんに匹敵する「フリーハンデ大差首位馬」とされたりしています!(『優駿』1992年3月号)

年次牡馬mRt.牝馬fRt.1位Rt.
-
2位Rt.
mRt.
-
fRt.
備考
2023シティーオブトロイ125オペラシンガー11857
2022リトルビッグベア124タヒーラ11856
2021ネイティヴトレイル122インスパイラル
テネブリズム
11577
2020セントマークスバシリカ120カンパネッレ
プリティーゴージャス
シャーレ
11327
2019ピナトゥボ128ミスリル1151013
2018トゥーダーンホット126プリティポリーアンナ116510
2017ユーエスネイビーフラッグ122クレミー11537
2016チャーチル122レディオレリア12111
2015エアフォースブルー124マインディング12034
2014ベラード119ファウンド
ティギーウィギー
11712
2013トゥールモア122クリセリアム11725
2012ドーンアプローチ124サーティファイ114610
2011キャメロット
ダビルシム
119イルーシヴケート
メイビー
11603
2010ドリームアヘッド
フランケル
126ホーレイ116010
2009セントニコラスアビー124スペシャルデューティー11747
2008マスタークラフツマン122レインボービュー11814
2007ニューアプローチ126ザルカヴァ11917
2006テオフィロ123フィンシャルベオ11914
2005ジョージワシントン124ランプルスティルツキン11638
2004シャマーダル123ディヴァインプロポーションズ11716
2003バゴ121アトラクション11922
2002オアシスドリーム123シックスパーフェクションズ12112
2001ヨハネスブルグ126クイーンズロジック12244
2000ミナルディ123スーパースターレオ12023
1999ファスリエフ125ゴールドアミックス
レディオブチャド
プレセリ
113512
1998ムジャヒド123ビントアライル11617
1997ザール127エンバシー11889
1996レヴォーク123パドレポンス11627
1995アルハレス126ブルーダスター11927
1994セルティックスウィング130ホウマジック117613
1993グランドロッジ120レモンスフレ11812
1992ザフォニック125リリックファンタジー12213
1991アラジ130マーリング118812
1990ヘクタープロテクター126シャダイード12036
1989マキャヴェリアン125ネグリジェント11857
1988ハイエステイト125テルサ
テスラ
11817
1987ウォーニング125ラヴィネラ12500
1986リファレンスポイント127フォレストフラワー12522
1985バカロフ123ベーゼヴォレ12013
1984カラダンサー124トリプティク12212
1983エルグランセニョール128アルメイラ12018
1982ダイイシス127マビッシュ12116
1981グリーンフォレスト128サーカスリング
ハイトオブファッション
プレイイットセーフ
11939
1980ストームバード128マーウェル
トルミ
12216
1979ドラゴン
モンテヴェルディ
123ミセスペニー
プリンセスリダ
12102
1978トロモス131シギー12922第1回欧州2歳ランキング
1977トライマイベスト133チェリーヒントン12934
1976ジェイオートービン133ダータル120513
1975ウォロー133パスティ12558
1974グランディ133クライオブトゥルース13112
1973アパラチー133ビッティガール
ジェントルソウツ
メルチボルン
120513
1972ノーブルデクリー130ジャシンス1333-3
1971クラウンドプリンス133ローズダバリー12726
1970マイスワロー133コーストンズプライド13013ミルリーフさん(132)第2位、ブリガディアジェラードさん(131)第3位
1969ニジンスキー133ハンブルデューティ12627
1968リボフィリオ133フォレルース12924
1967ペティンゴ133ソヴリン12716ヴェイグリーノーブルさん(132)第2位
1966ボールドラッド133フリート122311
1965ヤングエンペラー140ソフトエンジェルス13347
1964ダブルジャンプ140ナイトオフ13129
1963タラハース133メソポタミア12815
1962クロケット133ノブレース13033
1961ミラルゴ127ラテンドレース1334-6
1960タイフーン132オパライン1331-1
1959シングシング133パディーズシスター12736
1958テューダーメロディ133リンドセイ
ロサルバ
12825
1957メジャーポーション133リッチアンドレア13013
1956パイプオブピース131サーセリー1332-2
1955ブションアーデント129スターオブインディア1334-4
1954アワバブー133グロリアニッキー13013
1953ザパイキング133シックスペンス12627
1952ネアルーラ133ベベグランデ
ニーマー
13122
1951ウインディシティ133ザバラ12855史上唯一の英愛仏2歳チャンピオン
1950ビッグディッパー133ベルオブオール
ギャンブルインゴールド
12528
1949マスクトライト133ディアブレレッタ12726フランスのコレジャダさんは評価対象外
1948アバーナント133バリスランド
インテグリティ
123210
1947マイバブー133フェアディナー123210
1946テューダーミンストレル133ミソロンギ121212フランスのジェルバさんは評価対象外
1945ガルフストリーム133ネオライト13023
1944ダンテ133アイルオブカプリ12914
1943オレステス133フェアフェイム13023
1942ナスルーラ132レディサイビル1331-1
1941ビッグゲーム132サンチャリオット1331-1ワトリングストリートさん(130)を加えた上位3頭が翌1942年英クラシック完全制覇
1940ポイズ133キーストーン13033
1939タントミュー133ゴールデンペニー13013フランスのジェベルさんは評価対象外
1938フォックスボロー133シーナリー12548
1937ポートマーノック133ラディアント12914
1936フォレイ133カリッサ12518
1935バラヒッサー133サンソネット12716
1934バーラム133カレッタ121112
1933コロンボ133カンパニュラ12677
1932マニトバ127ミロベラ1333-6ベッティさん、ブラウンベッティさんを加えた上位3頭全てが牝馬
1931マンネームド
オーウェル
133ゲラ119014
1930ジャコポ
ポートロウ
133タートルスープ12706
1929ダイオライト129フェアアイル12514
1928コスタキパシュア
ミスタージンクス
132ティフィン1331-1
1925コロナック
レガティー
1260
1924ピカルーン132サウシースー1331-1
1923ムムタズマハル
1922タウンガード
1919テトラテマ12
1915フィフィネラ5
1913ザテトラーク10コーシラさん第2位
1912クラガヌール130ワイオンタ12278
1909ニールゴウ
1908ベイヤード12612

公式レーティング以外の出典は、『競馬ギネスブック』第3版*4、『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』、『平地競馬事典』、『優駿』1992年3月号、『タイムフォーム年鑑』2010年版・フランケルさんの項、『ブラッドストックブリーダーズレヴュー』第2巻、『新・世界の名馬』、当時の新聞等(1908年1909年1925年1941年)です!

エクスペリメンタルフリーハンデ

欧州フリーハンデを範に取り、1920年と1921年にデイリーレーシングフォーム紙のヴォスバーグさんが発表し、1933年から2017年まで米ジョッキークラブによって公式発表されていたアメリカ版の2歳フリーハンデです
『優駿』では石川さんが2010年号まで毎年3月号で世界ランキングと一緒に紹介していました
アラジさん(130)やヨハネスブルグさん(126)のように欧州2歳レーティングと数値が一致する例もありますが、あくまで公式(NARC)レーティングとは別物で、両者の間には特に関連はありません*5
こちらはフリーハンデらしく「同世代みんなで8.5ハロンのハンデ戦に出走すれば負担重量がどうなるのか」という考え方を前提としているのが特徴で、2歳チャンピオンには多くの場合126ポンドの仮想斤量が与えられます
3歳時にアメリカ三冠を達成した方々で具体例を見ていくと、ワーラウェイさん(126)、カウントフリートさん(132)、サイテーションさん(126)、セクレタリアトさん(129)、シアトルスルーさん(126)、アファームドさん(126)、アメリカンファラオさん(126)といった感じで、彼らは2歳時から優れた能力を認められていることが分かります
ですがジャスティファイさんがアポロの呪いを解いた翌年、「関連と関心の低下」を理由に廃止されることになりました……
なお、名前は生まれたばかりの「実験的」という形容詞を長いこと冠し続けていましたが、晩年の2017年はジョッキークラブ年間トップ2歳馬ランキングという分かりやすいものになっています
以下は歴代チャンピオンの一覧です!

年次牡馬牡H牝馬牝H
2017ボルトドーロ
グッドマジック
126カレドニアロード123
2016クラシックエンパイア126シャンパンルーム123
2015ナイキスト126ソングバード125
2014テキサスレッド
アメリカンファラオ
126レディイーライ
テイクチャージブランディ
123
2013ニューイヤーズデイ126リアアントニア
シーズアタイガー
123
2012シャンハイボビー126ビホルダー123
2011ハンセン
ユニオンラグズ
126マイミスオーレリア124
2010アンクルモー128オーサムフェザー123
2009ルッキンアトラッキー
ヴェイルオブヨーク
126ブラインドラック
シービーワイルド
123
2008ミッドシップマン126スターダムバウンド124
2007ウォーパス127インディアンブレッシング123
2006ストリートセンス127ドリーミングオブアンナ123
2005スティーヴワンダーボーイ126フォークロア123
2004デクランズムーン
ウィルコ
126スウィートカトマイン124
2003アクションディスデイ
キュヴェ
ルーラーズコート
126ハーフブライドルド124
2002ヴィンディケーション126ストームフラッグフライング123
2001ヨハネスブルグ126テンペラ123
2000マッチョウノ126ケアレッシング123
1999アニース126キャッシュラン
チルッキ
サーフサイド
123
1998アンサーライヴリー126シルヴァーブレットデイ123
1997フェイヴァリットトリック128カウントレスダイアナ125
1996ボストンハーバー126ストームソング124
1995マライアズモン
アンブライドルズソング
126マイフラッグ123
1994ティンバーカントリー126フランダース124
1993ブロッコ
デヒア
126フォーンチャッター123
1992ギルデッドタイム126エリザ123
1991アラジ130プレザントステージ123
1990フライソーフリー126メドウスター123
1989リズム126ゴーフォーワンド123
1988イージーゴア126オープンマインド123
1987フォーティナイナー126エピトーム
オールオーヴァー
123
1986カポーテ126ブレーヴラージ123
1985オジジアン
タッソ
126アイムスプレンディッド123
1984チーフズクラウン126アウトスタンディングリー118
1983デヴィルズバッグ128ミスオセアナ120
1982コペラン
ローヴィングボーイ
126ランダルース
プリンセスルーニー
121
1981デピュティミニスター
タイムリーライター
126ビフォードーン120
1980ロードアヴィー126ヘヴンリーコーズ120
1979ロックヒルネイティヴ126スマートアングル120
1978スペクタキュラービッド126キャンディエクレア
イッツインジエア
119
1977アファームド126レイクヴィルミス119
1976シアトルスルー126センセーショナル119
1975ホーネストプレジャー126デアリープレシャス
オプティミスティックガル
119
1974フーリッシュプレジャー127ラフィアン122
1973プロタゴニスト126トーキングピクチャー121
1972セクレタリアト129ラプレヴォヤンテ121
1971リヴァリッジ126ナンバードアカウント119
1970ホイストザフラッグ126フォワードガール118
1969サイレントスクリーン128ファストアタック116
1968トップナイト126ギャラントブルーム
プロセスショット
シュヴィー
118
1967ヴィトリオリック126クイーンオブザステージ117
1966サクセッサー126リーガルグリーム116
1965バックパサー126モッカシン120
1964ボールドラッド130クイーンエンプレス118
1963レイズアネイティヴ126キャッスルフォーブス
トスマー
115
1962ネヴァーベンド126アフェクショネイトリー
スマートデブ
115
1961クリムゾンサタン126チカダ118
1960ヘイルトゥリーズン126ボウルオブフラワーズ120
1959ウォーフェア126マイデアガール117
1958ファーストランディング128キル117
1957ジュエルズリワード126イドゥン120
1956バルビゾン126アラネシアン117
1955キャリアボーイ126ダブルドッグデア
ナスリナ
116
1954サマータン128ハイヴォルテージ117
1953ポーターハウス
ターントゥ
126イヴニングアウト118
1952ネイティヴダンサー130バブリー
スウィートパトゥーティ
116
1951トムフール126ローズジェット115
1950アンクルミルティー126アントジニー
ハウ
114
1949ミドルグラウンド126ベッドオローゼス119
1948ブルーピーター126
1947サイテーション126
1946コズミックボム
ファーストファイト
ダブルジャイ
126ファーストフライト126
1945ロードボスウェル126
1944パヴォト
フリーフォーオール
126
1943プッカジン126
1942カウントフリート132
1941アルサブ130
1940ワーラウェイ126
1939バイムレック130
1938エルチコ126
1937メノウ126
1936ブルックリン126
1935レッドレイン126
1933ファーストミンストレル126
1921モーヴィック133ミスジョイ128
1920トリスター130プルーダリー126

※出典は米ジョッキークラブ(2017年、2016年、2015年、2014年、2013年)、『アメリカンレーシングマニュアル(2013)』2012年版、デイリーレーシングフォーム紙(1921年1920年)です!

タイムフォームレーティング

年間レーティング

1947年から英誌『タイムフォーム』が独自に行っている競走馬格付けです!*6
なんといっても長い伝統とそれに伴う「保守」*7に定評があり、英愛仏の三国が1977年に始めた公式レーティングと違って、
1944年生のテューダーミンストレルさんから今日の現役最強馬に至るまで、欧州に限れば非常に長い歴史のあるレーティングを一つのランキング表に収録できることが魅力です!
標準的な年間チャンピオンの評価を英フリーハンデにならって9ストーン7ポンド(133ポンド)と定めており、長い目で見れば明らかにレーティング水準が変化している公式レーティングと比べれば歴代での比較に重点が置かれています!

戦後より続く同社の歴史における歴代最高評価馬は、2012年のフランケルさんで、そのレーティングは147ポンドです!
これは2012年クイーンアンステークスにおいてエクセレブレーションさん*8の同2着(118+)に対して29ポンド差を付けたものになります!
歴代2位は1965年のシーバードさんで145ポンド、これは同年の凱旋門賞で2着馬リライアンスさん(TF137)に対して8ポンド差*9を付けたものです!*10

日本の歴代最高評価は我らがエルちゃんとキタさんちのイクイノックスさんが並んで136ポンド、次いでディープインパクトさんが134ポンドです!
公式レーティングではあんまり厚遇されずに早い段階でしばしば後輩の日本馬に評価を追い抜かされていたプイプイさんですが、このタイムフォームや下記のレーシングポストではイクイノックスさんに抜かされるまではオルフェーヴルさん(TF132)などを抑えて歴代2位の座を堅持していました!
歴代4位は年度代表馬ロードカナロアさん(TF133)で、2013年香港スプリントにおいてソールパワーさん(TF128)の同2着(TF115)に対して18ポンド差を付けたことによる評価です!*11

なお、かつては、毎年刊行される新書サイズで1000ページ越えの『タイムフォーム年鑑』(Racehorses;Racehorses Annual;Timeform Annual)というものがあり、
イギリス・アイルランドを中心に網羅された同社の年間レーティング(Annual Rating、年鑑レーティング)や、
それに伴い各馬ごとに書き下ろしで執筆された洞察力あるエッセイがふんだんに収録されているのが恒例でした!
ただ、残念ながら同年鑑は2019年版を最後に刊行が停止しており、今では上記リンクにあるインターネット版のみのサービスとなっていますが……
なお、この件を理由にして「タイムフォーム年間(アニュアル)レーティング自体は2019年版を最後に完結した」という解釈もあるにはあります!*12

タイムフォームは、独立した格付け機関なだけあって、全体的に忌憚無く意見を述べるスタンスを取り、
もちろん後発的存在ながら「公式」を標榜している世界ランキング(1977年~)に対してにもしばしば批判的です!
後述しますが、同社はそもそも公式レーティングでは非常に重要なシステムである「基準馬」という概念をあまり重視していません!
また具体例を挙げると、ベーリングさんに1馬身1/2差先着して公式の歴史において燦然と輝く評価を得た凱旋門賞馬ダンシングブレーヴさんに関して、
「ダンシングブレーヴが1986年のヨーロッパの全ての他馬より7ポンド以上も高く評価される資格がある、という人とは話が合わない」と着差の過大評価を断じていたり、
あるいは、例のレーティング修正案に際して「いずれエルグランセニョールとダンシングブレーヴを含む修正版ダービー馬リストが作成されないことを信じよう」と皮肉ったりしています!*13

ともあれ、日本でより馴染みのある公式レーティングとの比較を念頭に置いて、タイムフォームのシステムの特徴についても触れていきますと、
まずは「注釈」の存在が特筆ものになると思われます! 代表的なものを下表にまとめました!
基本的には競走馬の能力を単なる数字で表現するのがレーティングですが、タイムフォームは、必要に応じてこのような「説明」を評価に施しているというわけです!
ちなみにランキングにおいては「nPポンド」>「npポンド」>「n+ポンド」>「nポンド」>「n§ポンド」>「n?ポンド」>「ndポンド」の順に価値が決まっています!
なお、例示では確定年間レーティングのみを採っていますが、流動的な情勢の中で発表される暫定レーティングではこの記号が登場する機会は非常に多いです!(例えば引退時までずっとpが付いていた一流馬は結構います)

記号意味
p (small p)成長性が認められるアブドス(134p)
フランケル(2010年133p)*14
フライトライン(2021年133p)*15
P (large P)さらに成長する可能性が高いキャメロット(2011年117P)*16
+レーティングより高い能力を持っているかもしれないサンタクロース(133+)
ベンバトル(2019年126+)*17
§ (squiggle)ムラっ気があって信頼性が低いズクロ(133§)
エイシンヒカリ(129§)
ゴールドシップ(127§)*18
?推測としての評価トレパン(133?)
d (deteriorated)衰えが認められるサンダーヘッド(133d)
シリュスデゼーグル(2015年128d)*19

第二のシステム上の特徴が「レース標準化」(Race Standardisation)です! 特定のレースを評価するとき、これまでの歴代施行回や類似条件の前例をもとに評価を定めるというものになります!
タイムフォームは、「基準馬」よりも、こちらの「レース標準化」を重視しています!
もちろん公式レーティングも歴代優勝馬との比較は当たり前にしているのですが、確かに前哨戦の時点で作成されたプレレーティングが重視されている感は否めません!
その点、タイムフォームに言わせれば、同社は「より統計的なアプローチを採用している」ということになります!*20
これは、例えば、ふだんなら余り着差が付かないような条件やレースで圧勝すると高いタイムフォームレーティングが与えられることの所以になります!
このほか、独自の馬齢アローワンス表に基づいてレーティングを算出していたり、馬場状態を公式発表に頼らず独自に判断しているといったことも特徴ですね!

また、公式レーティングと決定的に違う注意すべき点として、必ずしも年間レーティング=パフォーマンスレーティングではない*21というものがあります!
どういうことかというと、公式レーティングでは「シーザスターズさんの136ポンド=2009年愛チャンピオンステークス1着」のように、
世界ランキング上の全ての評価には必ずパフォーマンスとして対応する対象競走が存在していますが、タイムフォームレーティングではそうではない場合があるというのです!
実はこのシーザスターズさんは、競走のパフォーマンスでは2馬身1/2差で優勝した愛チャンピオンステークス1着(TF138+*22)が最高評価なのですが、タイムフォーム年間レーティングでは、愛チャンピオンステークスの後に発表された*23暫定値通りの140ポンドを獲得しました!
また例えば、2010年のフランケルさんは、両2歳重賞の圧勝においてロイヤルロッジステークス1着(127+)、デューハーストステークス1着(126+)の各評価に留まったのですが、年間レーティングでは133pポンドの高評価が与えられ、パフォーマンスそのものでは優越されているはずの同年ミドルパークステークス1着馬ドリームアヘッドさん(TF128)を上回ることになりました!
このように特殊ながら重要な事象に関して、タイムフォームはあまり説明の機会を設けておらず、正直に言って不親切という感はあるのですが……
ともあれ、この意味においては、タイムフォームレーティングは個々のレース単位ではなく年間成績全体を評価する「フリーハンデ」的な側面をも有していると言えるでしょう!

システムに引き続き、タイムフォームのおおざっぱな傾向についても解説します!
分かりやすいところでは、まず評価の数値自体が全般的に高めです!
みんなの歴代最高評価馬ことフランケルさんが147ポンドの評価なのが象徴的ですね! これは公式より7ポンド、レーシングポストより4ポンド高い数字です!
言い換えれば、格付けの幅が広めであり、より高解像度な格付けが行われているということでもあります!
また、欧州馬、特にイギリス調教馬や、短距離馬の評価が高い傾向にあります!
これらについても、下表の各国別チャンピオン表を見ていただければ容易に分かると思います!
欧州重視の傾向は、同社の「年度代表馬」等の年度表彰が欧州調教馬に限定されていることにも表れていますね!
ちなみに、年度代表馬は基本的にその年の最高年間レーティング欧州調教馬が選出されますが、ある程度の例外もあります!*24

ほかの傾向としては、どちらかといえば暫定レーティングに対するフットワークが軽いことが挙げられます!
無敗の連勝中だったり、急上昇の勢いだったりすると、時にかなり高い暫定評価が与えられたりするのですが、
逆に期待を裏切るなどしてそれほどの傑出馬でないことが分かった場合は、すぐさま暫定評価を下方修正するといった感じです!
有名な下方修正の例としては、ハービンジャーさんが暫定142ポンドから確定140ポンドに修正されたものがありますね!*25
前述した「注釈」についてもそうですが、こうした特徴は、絶えず変化する競馬界の勢力図をレーティングに反映するための努力であると言え、
その意味で、タイムフォームレーティングは目前のレースの勝ち馬こそが重要である馬券購入者向きのものであると言えるかもしれません!
秋山さんも、タイムフォームは公式レーティングに比して「より実戦に即したものになっている」と紹介しています!(『海外競馬 vol.6』)

レーティングの目安は125~129ポンドなら標準的なG1馬、130~135ポンドなら優秀なG1馬、といった感じらしいです!
140ポンド以上のお馬さんに対しては「傑出馬」(An Outstainding Horse)という言葉が使われます!

以下に歴代レーティングのランキングを掲載しておきます!

Tr.馬名Rt.対象年
フランケル1472012(牡4)
シーバード1451965(牡3)
ブリガディアジェラード1441972(牡4)
テューダーミンストレル1441947(牡3)
フライトライン1432022(牡4)
アバーナント1421950(牡4)
リボー1421956(牡4)
ウインディシティ1421951(牡2)
ミルリーフ1411971(牡3) & 1972(牡4)
ダンシングブレーヴ1401986(牡3)
ドバイミレニアム1402000(牡4)
ハービンジャー1402010(牡4)
シーザスターズ1402009(牡3)
シャーガー1401981(牡3)
ヴェイグリーノーブル1401968(牡3)
アロゲート1392016(牡3)
ジェネラス1391991(牡3)
パッパフォーウェイ1391955(牡3)
リファレンスポイント1391987(牡3)


以下の表は、長らくタイムフォーム誌の評価の根幹を成してきた各年・各部門の欧州チャンピオン馬の一覧です! 太字は全欧チャンピオン馬です!
上に書いた通り、多分9ストーン7ポンド(133ポンド)が標準的な年間チャンピオン級のレーティングだと考えていいと思います! もっとも全欧チャンピオンだと134ポンド以上の評価が多く、逆に133ポンドを割るのは稀ですね!

こうして一望すると、公式レーティングと比べれば歴代での比較によく堪えると言われるタイムフォームレーティングですが、評価の偏りとでもいうべき欠陥もいかんせん存在していることが分かります!
『競馬ギネスブック』でも紹介がありますが、まず有名なのがウインディシティさん(TF142)やスターオブインディアさん(TF138)に代表される1950年代のジュニア級の非常な高評価ですね! こうした「過大」なタイムフォームレーティングは、次の項目で紹介する『チャンピオンの世紀』において修正版が提案されています!
なお、1960年代に入るまではフランス調教馬のカヴァーも不十分で、例えば1947年カドラン賞でスーヴレンさん(TF135)に3kg+3馬身差で勝ったマーシャスさんなどは同誌の格付対象になっていません!

年次2歳牡馬2mRt.2歳牝馬2fRt.3歳牡馬3mRt.3歳牝馬3fRt.古牡馬4mRt.古牝馬4fRt.
2023年シティーオブトロイ125pオペラシンガー114pエースインパクト133モージ122ウエストオーバー131エミリーアップジョン126
2022年リトルビッグベア126pタヒーラ116Pヴァデニ130インスパイラル124バーイード137アルピニスタ127
2021年ネイティヴトレイル122pテネブリズム115pセントマークスバシリカ132スエザ125ミシュリフ131タルナワ125
2020年セントマークスバシリカ121pカンパネッレ116パレスピア132ラブ126pガイヤース133マジカル127
2019年ピナトゥボ134ミシル115ソットサス
トゥーダーンホット
127グラススリッパーズ124バターシュ136エネイブル131
2018年トゥーダーンホット127pプリティーポリアンナ116ロアリングライオン130シーオブクラス129クラックスマン136エネイブル129
2017年ユーエスネイビーフラッグ123クレミー118pバターシュ
クラックスマン
136エネイブル134クロスオブスターズ132マーシャ130
2016年カラヴァッジョ123pレディオレリア127アルマンゾル133マインディング127ポストポンド130ファウンド
メッカズエンジェル
129
2015年エアフォースブルー128pマインディング120pゴールデンホーン134ファウンド123ソロウ129メッカズエンジェル
トレヴ
129
2014年リマト121pティギーウィギー121キングマン134タグルーダ127オリンピックグローリー130トレヴ129
2013年トゥールモア121pクリセリアム114トロナド133トレヴ134ノヴェリスト132ムーンライトクラウド129
2012年ドーンアプローチ126pフロティラ115キャメロット128ザフューグ123フランケル147スノーフェアリー128
2011年ハーバーウォッチ121pメイビー117pフランケル143デインドリーム132キャンフォードクリフス
シリュスデゼーグル
133ゴルディコヴァ129
2010年フランケル133pホーレイ121ワークフォース133サラフィナ126ハービンジャー140ゴルディコヴァ133
2009年セントニコラスアビー126pジェラスアゲイン119シーザスターズ140サリスカ
スタセリタ
123コンデュイット
ユームザイン
130ゴルディコヴァ133
2008年クラウデッドハウス124pレインボービュー119pレイヴンズパス133ザルカヴァ133デュークオブマーマレード132ダルジナ122
2007年ニューアプローチ127リッスン
ザルカヴァ
117pオーソライズド133ダルジナ128マンデュロ135ミスアンドレッティ127
2006年テオフィロ126フィンスケールベオ118ジョージワシントン133マンデシャ124デビッドジュニア132プライド128
2005年ホーレショネルソン123+ランプルスティルツキン116ハリケーンラン134ディヴァインプロポーションズ125アザムール
ラクティ
ウェスターナー
130ソヴィエトソング126
2004年シャマーダル126pディヴァインプロポーションズ119バゴ130アトラクション
ウィジャボード
125ドワイエン132ソヴィエトソング
タンテローズ
126
2003年バゴ121pアトラクション118アラムシャー
ダラカニ
133シックスパーフェクションズ124ホークウイング136イズリントン124
2002年オアシスドリーム122シックスパーフェクションズ120pロックオブジブラルタル133ブライトスカイ124ケルトス132バンクスヒル126
2001年ヨハネスブルグ127クイーンズロジック125ガリレオ134バンクスヒル128サキー136ピパロング121
2000年ネイエフ123pスーパースターレオ114シンダー134エジプトバンド128ドバイミレニアム140シーヴァ127
1999年ディスタントミュージック121pモーニングプライド113pモンジュー137ラムルマ123デイラミ138アルボラーダ
スス
122
1998年ムジャヒド125pビントアライル114pデザートプリンス
ハイライズ
130ケープヴェルディ126インティカブ135ワンソーワンダフル
シーキングザパール
121
1997年ザール132エンバシー114パントレセレブル137ボルジア124ピルサドスキー
スウェイン
134ボスラシャム130
1996年バハーレ
レヴォーク
122pレッドカメリア116マークオブエスティーム137ボスラシャム133ホーリング133ティマリダ125
1995年アルハレス126pブルーダスター116pラムタラ134リッジウッドパール125フリーダムクライ132ヘヴァーゴルフローズ123
1994年セルティックスウィング138ガイギャランタ112ティッカネン130バランシーン131バラシア
エルナンド
127ロックソング129
1993年グランドロッジ120pレモンスフレ115ザフォニック130イントレピディティ124オペラハウス131ロックソング129
1992年アーミガー131pサイエダティ116pセントジョヴァイト135ユーザーフレンドリー128ピストレブルー133クーヨンガ125
1991年アラジ135ミッドナイトエア111pジェネラス139マジックナイト128エペルヴィエブルー129ミスアレッジド125
1990年ヘクタープロテクター122pシャダイード117pデイジュール137サルサビル130マークオブディスティンクション
オールドヴィック
130レディウィナー
オード
121
1989年ビーマイチーフ123pネグリジェント118pジルザル137ベヘラ
シエラロベルタ
129キャロルハウス132ガビナ
インディアンスキマー
ロイヤルタッチ
121
1988年プリンスオブダンス
シーニック
128パスザピース
テッスラ
116pウォーニング136ディミヌエンド126ムトト
トニービン
134インディアンスキマー
ミエスク
133
1987年ウォーニング127pラヴィネラ121pリファレンスポイント139インディアンスキマー132ムトト134トリプティク133
1986年リファレンスポイント132フォレストフラワー127ダンシングブレーヴ140ダララ
ソニックレディ
129シャルダリ134トリプティク132
1985年ハンティングデール132フェミーエリート124スリップアンカー136オーソーシャープ131ネヴァーソーボールド135ペブルス135
1984年カラダンサー
ローソサエティ
129トリプティク125エルグランセニョール136ノーザントリック131サガス
ティーノソ
135コーモラントウッド130
1983年エルグランセニョール131トレジエム121シャリーフダンサー135ハビブティ136ダイヤモンドショール130オールアロング134
1982年ダイイシス133マビシュ123アサート
グリーンフォレスト
134アキイダ
タイムチャーター
131アルドロス134エイプリルラン130
1981年ウインドアンドワザーリング132サーカスリング122シャーガー140マーウェル133ノースジェット136ゴールドリヴァー132
1980年ストームバード134マーウェル124ムーアスタイル137デトロイト131レモス135スリートロイカス128
1979年モンテヴェルディ129アリアンヌ120トロイ137スリートロイカス133イルドブルボン133トリリオン124
1978年トロモス134シギー132イルドブルボン133スイスメイド129アレッジド138サネドキ
トリリオン
129
1977年トライマイベスト130pチェリーヒントン125アレッジド137ダンファームリン133バルメリーノ
サガロ
133フライングウォーター132
1976年ブラッシンググルーム131クルーンララ130ユース135ポーニーズ131トレパン133?イヴァンジカ132
1975年マナド130セイア128グランディ137ローズボウル133バスティノ136リアンガ133
1974年グランディ134ブロードウェイダンサー131カラコレロ
ダンカロ
ノノアルコ
サガロ
131コンテスドロワール131アドメトゥス
マルグヤ
133アレフランス136
1973年アパラチー137ヒッポダミア130サッチ136アレフランス
ダリア
132ラインゴールド137アッティカメリ125
1972年シンビル
ターゴワイス
130ジャシンス133ディープダイヴァー
サルスト
134サンサン133ブリガディアジェラード144アベルグオーン128
1971年ディープダイヴァー134ファーストブルーム129ミルリーフ
ブリガディアジェラード
141ピストルパッカー133カロ133ミスダン124
1970年マイスワロー134コーストンズプライド131ニジンスキー138ハイエストホープス
ミスダン
129バリダー133パークトップ129
1969年ニジンスキー131マンジュトゥー125ハビタット134フロシー129レヴモス133パークトップ131
1968年リボフィリオ
イエラパ
130サラカ125ヴェイグリーノーブル140ロゼリエル127ロイヤルパレス131バンブーズル
シークレットレイ
パークトップ
114
1967年ペティンゴ135ソヴリン129リフォーム132カサクグリゼ126バステッド134パルティアングランス119
1966年ボールドラッド133シルヴァークラウド125ダンスール134カテリナ124ダイアトム132アントエディシュ126
1965年ソレイル
ヤングエンペラー
133ソフトエンジェルス124シーバード145アントエディシュ128フリーライド
インディアナ
129アストライア123
1964年グレイドーン132フォールインラブ126プリンスロイヤル134ラバンバ129レルコ136マタティナ124
1963年サンタクロース133+テキサニア128ラグーザ137フラダンサー
ノブリース
133エクスビュリ138シークレットステップ128
1962年レメニル131?フラダンサー133アークティックストーム
ヘザーセット
134ガイマイリ
シークレットステップ
131マッチ135クリスパー126
1961年アブド134pラテンドレース135モルヴェド137スウィートソレラ127パンドフェル
セントパディ
132プティエトワール131
1960年フロリバンダ135カシートゥー131シャーロッツヴィル135マルグレーテヴェルナウト129ブリープブリープ134プティエトワール134
1959年シングシング134ネヴァートゥーレイト130エルバジェ136プティエトワール134ライトボーイ137グラッドネス128
1958年カーヌスティ132ロサルバ132アリサイド135ベラパオラ131バリモス136グラッドネス131
1957年メジャーポーション
ターキン
128テキサナ136クレペロ136リファインド131オロソ133ミゼット128
1956年スキンドレスホテル134サーセル131ジルドレ
フィリウス
132アポロニア132リボー142エフェメラル126
1955年フィリウス
ヴェリエール
131スターオブインディア138パッパフォーウェイ139メルド128プリンスリーギフト137ローザボヌール124
1954年ビュープリンス
ヒュールプス
アワバブー
131グロリアニッキー127ネーヴァーセイダイ137フィランテ125オリオール132バナッサ128
1953年ザパイキング132コルドバ129ピンザ137ラソレリーナ128シルネ131フェアリーフラックス127
1952年ドラゴンブラン
ニアルーラ
132ニーマー131タルヤー134レディソフィア130ダイナマイター
ヌッチョ
ズッケロ
133ウェイサイドシンガー117
1951年ウインディシティ142ザバラ134アークティックプリンス
シカンブル
シュプリームコート
135ベルオブオール
ジェルファ
ニーシャムベル
124タンティエーム135ヴァルダシア121
1950年ビッグディッパー133ジェルファ
サンギュイン
126タンティエーム136ディアブレレッタ132アバーナント142コロネーション132
1949年マスクトライト132デイアブレレッタ132アバーナント138コロネーション132アリシドン138ハイビーコン113
1948年アバーナント133ミュゼッテ124?ブラックターキン134ケアレスノラ131アルバー
テネラニ
135ポートブラン119
1947年マイバブー136マサカ126テューダーミンストレル144ポートブラン122シャントゥール
スーヴレン
135アンデニス119

※出典は『競馬ギネスブック』、『タイムフォーム年鑑』(1989年版~2019年版)、タイムフォーム電子版です!

こちらは各年における各国最高レーティング馬の一覧です!太字は同年世界最高レーティング馬です!
実は、タイムフォーム誌が本格的に欧州圏外の評価を始めたのは1991年辺りからで、それまでは北米や日本での成績も詳細に考慮されることはありませんでした!*26
しかしながら、流石に競馬の国際化に対応しなければまずいということで、海外競馬欄(Top Horse Abroad)が『タイムフォーム年鑑』に新設され、1993年に北米競馬、1997年に日本・香港・UAE競馬、1998年にオーストラリア・ニュージーランド競馬を収録……と、概ね公式レーティングと同じタイムラインで次々に格付け対象を広げていきました!

具体例を見ていくと、2014年の日本1位がジャスタさんではなく孫のエピファだったり*27、そもそも同年の世界1位が英国のキングマンさんになっていたり、5ハロン路線の王者バターシュさんが2回も世界1位になっていたり*28と、公式レーティングと色々異なる点があって面白いですね!
ちなみに、2014年のキングマンさんはパフォーマンス自体は愛2000ギニー1着(TF130)が最高評価です!*29 これは上述のように評価対象競走が存在しないパターンで、超スローペースのサセックスステークス1着(TF123)で発揮した能力が勘案され、ハイペースでしっかり着差の付いた同年ドバイデューティフリー1着(TF131)のパフォーマンスなどを飛び越えるものとなっています!

(参照:各年・各調教国における最高レーティングの競走馬

年次オーストラリア&ニュージーランド豪Rt.フランス仏Rt.ドイツ独Rt.イギリス英Rt.香港香Rt.アイルランド愛Rt.イタリア伊Rt.日本日Rt.アラブ首長国連邦首Rt.アメリカ米Rt.
2023年アイウィッシュアイウィン
シンクアバウトイット
ウィズアウトアファイト
127エースインパクト133シスファハン121ウエストオーバー131ゴールデンシックスティ129オーギュストロダン129イクイノックス136アイソレート122コディーズウィッシュ129
2022年ネイチャーストリップ131ヴァデニ130トルカータータッソ123バーイード137ロマンチックウォリアー129キプリオス131イクイノックス130スイッツァランド120フライトライン143
2021年インセンティヴァイズ
ネイチャーストリップ
129シリウェイ127トルカータータッソ130アダイヤー
ミシュリフ
131ゴールデンシックスティ129セントマークスバシリカ132フラッグスアップ116エフフォーリア127シークレットアンビション122フライトライン133p
2020年ネイチャーストリップ129ペルシアンキング
ソットサス
127クエストザムーン
トルカータータッソ
121ガイヤース133ゴールデンシックスティ130アンソニーヴァンダイク
マジカル
モーグル
127ザコンカラー118アーモンドアイ129マッターホルン123オーセンティック131
2019年ハッピークラッパー
ウィンクス
129ヴァルトガイスト132アシュラン119バターシュ136ビューティージェネレーション130キューガーデンズ127プレスリー117アーモンドアイ129グロンコウスキー127シティオブライト
ヴィーノロッソ
130
2018年ウィンクス134クロスオブスターズ128イキートス124クラックスマン136ビューティージェネレーション132アルファセントーリ
マジカル
128アンダムチャチョ119アーモンドアイ126エルティジャール129ガンランナー132
2017年ウィンクス134クロスオブスターズ132チンギスシークレット125バターシュ
クラックスマン
136ミスタースタニング126ハイランドリール
オーダーオブセントジョージ
128フルドラゴ120キタサンブラック128エルティジャール129アロゲート135
2016年ウィンクス133アルマンゾル133イトウ123ポストポンド130ワーザー126ファウンド
ハイランドリール
129フルドラゴ121モーリス132ムアラブ125アロゲート139
2015年ランカンルピー130ソロウ
トレヴ
129イトウ125ゴールデンホーン134エイブルフレンド130ハイランドリール
オーダーオブセントジョージ
129ディランマウス121エイシンヒカリ127プリンスビショップ
アンドラフテッド
126アメリカンファラオ138
2014年ランカンルピー132シリュスデゼーグル
トレヴ
129プロテクショニスト128キングマン134エイブルフレンド
デザインズオンローム
130オーストラリア132プライオアフィリップ121エピファネイア132アフリカンストーリー128パレスマリス131
2013年ブラックキャビア134トレヴ134ノヴェリスト132トロナード133ミリタリーアタック129ドーンアプローチ132ビズザナース120ロードカナロア133ソフトフォーリングレイン129ワイズダン134
2012年ブラックキャビア136シリュスデゼーグル135デインドリーム126フランケル147アンビシャスドラゴン129エクセレブレーション133クラッカージャックキング121オルフェーヴル130モンテロッソ128ワイズダン134
2011年ブラックキャビア135シリュスデゼーグル133デインドリーム132フランケル143アンビシャスドラゴン127ソーユーシンク131ワースアド124オルフェーヴル127ジェイジェイザジェットプレーン126アンクルモー
ティズウェイ
127
2010年ソーユーシンク133ゴルディコヴァ133スカーロ125ハービンジャー140セイクリッドキングダム125ケープブランコ
フェイムアンドグローリー
130ジャッカルベリー
ロードシャパラル
120ナカヤマフェスタ132アリーバー
リザーズディザイア
126クオリティロード131
2009年シーニックブラスト
テイクオーバーターゲット
128ゴルディコヴァ133ゲッタウェイ127コンデュイット
ユームザイン
130セイクリッドキングダム130シーザスターズ140リバノ121カンパニー128グラディアトゥーラス128ゼニヤッタ131
2008年アパッチキャット127ザルカヴァ133イッツジーノ128レイヴンズパス133グッドババ127デュークオブマーマレード
ニューアプローチ
132チマデトリオンフ121ディープスカイ125アーキペンコ127カーリン134
2007年デザートウォー
ミスアンドレッティ
127マンデュロ135ザデックス
トイルサム
124オーソライズド133セイクリッドキングダム131ディラントーマス132ゴールデンティトゥス
プレッシング
120アドマイヤムーン
マツリダゴッホ
127リンガリ124インヴァソール132
2006年テイクオーバーターゲット
レーシングトゥウィン
126レイルリンク132ラテラル123デビッドジュニア132アブソリュートチャンピオン129ジョージワシントン133ラモンティ122ディープインパクト134ディスクリートキャット127pインヴァソール133

※出典は『タイムフォーム年鑑』(2006年版~2019年版)、タイムフォーム電子版*30です!

外国のことはよく分からないので日本調教馬の情報ください! と思っている私もいそうなので2006年~2019年の日本の各部門チャンピオンも紹介しておきます!
2008年までしか遡っていないのは単に執筆した私の蔵書の都合によるものなので、それ以前の版を持っている私は上の表ともども自由に加筆していってください!
2020年以降は『タイムフォーム年鑑』が出版されなくなったので詳細不明です! もしもし電子版購読している私?

Rt.2歳牡2mRt.2歳牝2fRt.3歳牡3mRt.3歳牝3fRt.4歳以上牡4mRt.4歳以上牝4fRt.
2023年??????リバティアイランド124イクイノックス136スルーセブンシーズ124
2022年????イクイノックス130??タイトルホルダー129??
2021年????エフフォーリア127??コントレイル
ディープボンド
126グランアレグリア125
2020年????コントレイル127??フィエールマン128アーモンドアイ129
2019年サリオス118pレシステンシア119アドマイヤマーズ126グランアレグリア123グローリーヴェイズ127アーモンドアイ129
2018年アドマイヤマーズ117pグランアレグリア113ブラストワンピース125アーモンドアイ126レイデオロ125リスグラシュー121
2017年ダノンプレミアム118pラッキーライラック113pレイデオロ125モズカッチャン119キタサンブラック128ヴィブロス120
2016年サトノアレス116ソウルスターリング115pサトノダイヤモンド127シンハライト116モーリス132マリアライト121
2015年リオンディーズ118pメジャーエンブレム116ドゥラメンテ123pミッキークイーン
タッチングスピーチ
118エイシンヒカリ127ラキシス121
2014年ダノンプラチナ114ショウナンアデラ113トゥザワールド128ハープスター125エピファネイア132ジェンティルドンナ124
2013年アジアエクスプレス115ハープスター
レッドリヴェール
112キズナ128メイショウマンボ118ロードカナロア133ジェンティルドンナ116
2012年ロゴタイプ115ローブディサージュ109ゴールドシップ127ジェンティルドンナ127オルフェーヴル130カレンチャン117
2011年オルフェーヴル127アヴェンチュラ120スマートファルコン
ヴィクトワールピサ
126ブエナビスタ121
2010年ローズキングダム125アパパネ115ナカヤマフェスタ132ブエナビスタ124
2009年ロジユニヴァース122ブエナビスタ122カンパニー128ウオッカ125
2008年ディープスカイ125リトルアマポーラ117マツリダゴッホ
スクリーンヒーロー
124ダイワスカーレット
ウオッカ
121
2007年アサクサキングス118ダイワスカーレット121アドマイヤムーン
マツリダゴッホ
127デアリングハート
コイウタ
116
2006年ドリームパスポート126カワカミプリンセス118ディープインパクト134ダンスインザムード119

※出典は『タイムフォーム年鑑』(2006年~2019年版)、タイムフォーム電子版です!

『チャンピオンの世紀』

高名な競馬記者モリスさん(血統評論家、「種牡馬の墓場」の初出記事(スポーティングライフ紙1978年11月14日付)の著者としても著名)とランドールさん(競馬史家)による1999年の書籍『チャンピオンの世紀』(A Century of Champions: Horse-Racing's Millennium Book)には、非公式ながらタイムフォーム年間レーティングの改訂版が掲載されています!
評価対象は20世紀の全ての競走馬で、すなわちこちらは1946年以前の欧州馬や、当時格付け対象になっていないアメリカのお馬さんのレーティングも含まれています!
また、既にタイムフォーム年間レーティングが与えられている方々については、『サラブレッド・オーナー&ブリーダー』2013年3月号でモリスさんが認めている通り、公式レーティングの「再調整」に通じるような確定レーティングに対する再評価が行われており、「グロテスク」なほど不可解な高評価と思われた1951年ウインディシティさん(TF142)の評価を132ポンドに下方修正したり、三冠馬ニジンスキーさん(TF138)の評価を140ポンドに上方修正したりされています!

そんなこんなで格付け範囲が元からかなり広がり、レーティングの再検証も行われたわけですが、歴代最高評価はタイムフォーム年間レーティングから変わらずに「世紀の名馬」シーバードさんで145ポンドです!
要するにシーバードさんが20世紀最高、ついでに『ベックハンプトン』のポール・マシューさんが指摘しているように、結局その後のフランケルさんが歴代最高という考えはどちらの立場を取っても変わらないわけです!
歴代2位はセクレタリアトさんで144ポンド、北米勢はサイテーションさんが142ポンド、スペクタキュラービッドさんおよびシアトルスルーさんが141ポンドと続きます! このほかマンノウォーさん139ポンド、ドクターフェイガーさん138ポンドなどの査定にはかなり「アメリカを嘗めるなよ」の余地がありそうですが……
タイムフォーム前史の欧州馬については、1933年英ダービーを「8馬身に近い差で」圧勝したハイペリオンさんが142ポンド、1910年英ゴールドカップを4馬身差圧勝のベイヤードさんおよび1939年パリ大賞を「少なくとも6馬身差で」圧勝したファリスさんのお二方が141ポンドの傑出馬として評価されています!

主だった年間レーティングからの修正分としては、歴代最高クラスの格付けにおいてリボーさん(TF142)が143ポンド、ブリガディアジェラードさん(TF144)が143ポンド、テューダーミンストレルさん(TF144)が142ポンド、アバーナントさん(TF142)が139ポンドと改められ、全体的には中長距離の優遇がうかがえます!
また、2歳時の成績はそれほど重要ではないという立場を取るとともに、昔の2歳馬レーティングについては大きくメスを入れ、先に述べたように歴代の2歳馬格付けで1951年ウインディシティさんの王座が陥落して、1913年のザテトラークさんが134ポンドで「世紀の2歳馬」、2歳牝馬どころか牝馬全体でも歴代最高評価を与えられている1955年スターオブインディアさん(TF138)に代わってプリティポリーさん137ポンドで「世紀の牝馬」となりました!
2歳時の成績の重要性についてはタイムフォーム本誌とも意見が分かれるところですし(『タイムフォーム年鑑』2019年版・ピナトゥボさんの項)、2歳馬のタイムフォーム年間レーティングの水準の変化も「近年は2歳路線の競争性が低下している」(『タイムフォーム年鑑』2010年版・フランケルさんの項)というような本誌の説明に帰すこともできますが、まあそれにしても昔の評価は高すぎたというべきでしょうね……

同書のこういった評価はタイムフォーム年間レーティングとはあくまで無関係ゾーン、同誌から見れば「非公式」なものになるわけですが、年間レーティングそのものよりも合理的で有意義な「タイムフォームスケール」の比較として本家の『タイムフォーム年鑑』で引用される場合も多く、例えば『タイムフォーム年鑑』2019年版のエネイブルさんの項、ピナトゥボさん(TF134)の項ではどちらも年間レーティングそっちのけで『チャンピオンの世紀』の格付けを引き合いに出しまくっていました!
とりわけピナトゥボさんにおいては、そのレーティング134ポンドが過去の年間レーティングとの比較ではなく*31、同書のザテトラークさんとの比較で付けられたのではないかとしか思えないような書きぶりになっています!

以下に20世紀・世界の名馬上位200頭を紹介します!
「全体」は『チャンピオンの世紀』の順位、「世紀Rt.」が同書の評価で、「年間Rt.」は元のタイムフォーム年間レーティングです! 「対象年」の太字はその年の世界チャンピオンであることを意味します!
「(英愛)」とあるのは『チャンピオンの世紀』とは別物で、レーシングポスト紙1999年7月19日付でモリスさんとランドールさんが作成した「20世紀英愛調教馬名馬百選」の順位です! 本村さんの『競馬の世界史』で大々的に取り上げられている資料で、選者が同じで選出基準もほぼ同じながら微妙に差異があって興味深く、参考として掲載しました! なお1999年9月20日付でランドールさんが作成した「仏伊三十選」もありますが、資料不足なので反映できていません!

全体(英愛)Tr.馬名対象年世紀Rt.年間Rt.
1シーバード1965145145
2セクレタリアト1973144
3リボー1956143142
41ブリガディアジェラード1972143144
5サイテーション1948142
62ハイペリオン1933142
73テューダーミンストレル1947142144
84ミルリーフ1971 & 1972141141
9スペクタキュラービッド1980141
105ベイヤード1910141
(ベイヤード)1909139
11シアトルスルー1977141
12ファリス1939141
13ネイティヴダンサー1953 & 1954140
14アファームド1978 & 1979140
156ニジンスキー1970140138
167ダンシングブレーヴ1986140140
17ヴェイグリーノーブル1968140140
188シャーガー1981140140
199ウィンザーラッド1935139
2010アバーナント1950139142
21マンノウォー1920139
22パントレセレブル1997139137
23アリダー1978139
24ブラントーム1934139
2511ハリーオン1916139
26カウントフリート1943139
27エピナール1923139
(エピナール)1924137
2814バーラム1935139
29スワップス1955 & 1956138
30ファーラップ1930 / 31 & 1931 / 32
1931
138
(ファーラップ)1930136
31フォアゴー1976138
32シガー1996138138
(シガー)1995135135
3312アレッジド1978138138
34エクスビュリ1963138138
3513フェアウェイ1929138
36ドクターフェイガー1968138
3715ゲイクルセイダー1917138
38ネアルコ1938138
3919ジェネラス1991138139
40モンジュー1999138137 *32
41サルダナパル1914138
4216ピンザ1953138137
4322トロイ1979138137
44ケルソ1963 & 1964137
(ケルソ)1962136
4517プリティポリー1904 & 1905137
46ナシュア1955 & 1956137
47バックパサー1966 & 1967137
4820アリシドン1949137138
4918スウィンフォード1911137
50タンティエーム1951137136
5121アードパトリック1903137
5228アイリッシュエレガンス1919137
53トムフール1953137
54デイラミ1999137138
55リライアンス1965137137
5626グランディ1975137137
57サンデーサイレンス1989137
58モルヴェド1961137137
5923ゲインズバラ1918137
60ダマスカス1967137
61エリシオ1996137136
6224ラグーザ1963137137
6325ブルーピーター1939137
64イージーゴア1989137
6527クレペロ1957137136
66ラファリナ1914137
67マーシャス1946 & 1947136
68ボールドルーラー1957 & 1958136
6931ソラリオ1925 & 1926136
70レルコ1963 & 1964136136
71マニラ1986 & 1987136
7237アルサイド1958 & 1959136136
73アレフランス1974136136
7436プリンスパラタイン1912136
(プリンスパラタイン)1913134
75スキップアウェイ1998136134
7634コロラド1927136
77カラカラ1946136
78スルーオゴールド1984136
7929サンチャリオット1942136
8035バステッド1967136134
81コールタウン1949136
8230ラインゴールド1973136137
83ジェントルメン1997136136
8432バリモス1958136136
85エクセラー1978136
86日・仏エルコンドルパサー1999136136
8739バスティノ1975136136
88ガンボウ1964136
8938ダンテ1945136
90ホーリーブル1994136134
9133リファレンスポイント1987136139
92タロック1957 / 58136
9354マークオブエスティーム1996136137
94ギャラントフォックス1930136
9540エルグランセニョール1984136136
9642パッパフォーウェイ1955136139
97スワーヴダンサー1991136136
98サヤニ1946136
9944ナシュワン1989136135
10043ビッグゲーム1942136
101ベーリング1986136136
10245セプター1902 & 1903135
103シアトリカル1986 & 1987135125 *33
104バーンバラ1945 / 46 & 1946 / 47135
10541コロナック1926 & 1927135
106ギャラントマン1957 & 1958135
107スーヴレン1946 & 1947135135 *34
108アーツアンドレターズ1969 & 1970135
10949テトラテマ1920 & 1921135
110ラウンドテーブル1957 & 1958135
111ダーリア1974135135
112ベストパル1992135
11348パーシャンガルフ1944135
11450ペブルス1985135135
115アソールト1947135
11669ピルサドスキー1997135134
117ディスカヴァリー1935135
118マッチ1962135135
119デヴィルダイヴァー1945135
12046フェリシテーション1934135
121アックアック1971135
12255ブラックターキン1949135136
123オーサムアゲイン1998135133
124ジェベル1942135
12552ウィリアムザサード1902135
12658マイバブー1949135136 *35
127ピーターパン1934 / 35135
128コロネーション1949135135
129コンキスタドールシエロ1982135
130シャーロッツヴィル1960135135
13156デイジュール1990135137
13257ポマーン1915135
133モンタリスマン1927135
(モンタリスマン)1928133
13461セントジョヴァイト1992135135
135トウェンティグランド1931135
13664ネヴァーセイダイ1954135137
137ユース1976135135
13887ラムタラ1995135134
139エルバジェ1959135136
14063コロンボ1934135
14151サーアイヴァー1968135135
142マクディアーミダ1978135
14366ジルザル1989135137
14453ロベルト1972135131
145エクレールオショコラ1938135
146ササフラ1970135135
147ピカルーン1925135
148ライトロイヤル1961135135
14975スリップアンカー1985135136
150マジェスティックプリンス1969135
151プレシジョニスト1985 & 1986134
15284スウェイン1997 & 1998134134
153ノーダブル1969 & 1970134
15470オーウェンテューダー1941 & 1942134
15599ホーリング1995 & 1996134133
156キングストンタウン1979 / 80 & 1980 / 81134
157レパカ1941 & 1942134
158クルセイダー1926 & 1927134
159マーケットワイズ1941 & 1942134
160オールアロング1983134134
161ルアー1993134131
16267ゴディヴァ1940134
163エクイポイズ1933134
164アリシーバ1988134
165アルバー1948134135
166ラフィアン1975134
16776レヴモス1969134133
168ボールドイーグル1960134
16973ファロス1925134
170アームド1947134
17172プティエトワール1959134134
172テネラニ1948134135
173ローマンブラザー1965134
17447ティーノソ1984134135
17574ライトボーイ1984134137
176ファーディナンド1987134
177シングスピール1997134133
178タネルコ1958134134
17978イーストン1935134
180シャントゥール1947134135
181ロイヤルアンセム1999134135
182ティラー1978134
183パールキャップ1931134
18477スペアミント1906134
185ミューセ1936134
18692タルヤー1952134134
187コリン1908134
18880ロックフェル1938134
18994キャプテンカトル1922134
190ウォーアドミラル1937134
191トッドマン1957 / 58134
19262ムーアスタイル1980134137
193ソードダンサー1959134
19485テヘラン1944134
195プレスティージ1906134
196ヒルプリンス1950134
19782レンバーグ1910134
19883ニールゴウ1910134
199クレアヴォワイヤン1937134
20079ザミンストレル1977134135
キャメロニアン1931 & 1932133
オービー1907133
サントイ1901132
ダイヤモンドジュビリー1900132

※出典は本書、『競馬ギネスブック』第3版、『タイムフォーム年鑑』およびタイムフォーム電子版、『競馬の世界史』です!



こちらは、本家のタイムフォーム年間レーティングの方で135ポンド以上の高評価を受けていますが、「下方修正」を受けて同書のトップ200から選外となった方々のレーティングです!
ここでは同じ数値のレーティング同士の序列が不明になっている場合が多いので、デフォルトのソートは年間レーティング+対象年にしています!

中にはロベルトさん(TF131;CC135)や1990年代の北米馬のように高い方向に再評価された方もいますが、数値の変化の大きさを考えると、全体的には同書のレーティング体系は本家からの「下方修正」によって特徴づけられる面が強いです!
やはり目立つのは中距離以外とジュニア級の成績の軽視という方針ですね! 特に後者に基づく劇的な引き下げは、タイムフォーム自身が「未熟だった」(『タイムフォーム年鑑』1994年版)と認める1950年代のウインディシティさん(TF142)らのみならず、比較的最近ながらタイムフォームスタッフを真っ当(?)に🧠💥*36したセルティックスウィングさん(TF138)にも容赦なく及んでいます!*37

Tr.馬名対象年世紀Rt.年間Rt.備考
ウインディシティ19511321422歳
スターオブインディア19551261382歳
セルティックスウィング19941311382歳
プリンスリーギフト1955133137
アパラチー19731281372歳
ハーフィズ1956136
テキサナ19571362歳
フロリバンダ1961133136
サッチ1973134136
ノースジェット1981136
ハビブティ1983132136
ウォーニング1988133136
オールドヴィック1989134136
ザバグ1946 & 1947133135 *38
アークティックプリンス1951133135
シカンブル1951134135
シュプリームコート1951133135
ラテンドレース19611271352歳
ペティンゴ19671291352歳
クリス1979133135
レモス1980133135
ノウンファクト1980132135
シャリーフダンサー1983132135
サガス1984134135明記なし*39
ネヴァーソーボールド1985131135
ペトスキ1985133135
シャディード1985132135
シャーラスタニ1986134135
トレンポリーノ1987134135
インティカブ1998133135

このほかにも同書では「各年・英愛部門別チャンピオン」「歴代牝馬」「歴代フランス調教馬」「歴代イタリア調教馬」「歴代アメリカ調教馬」「歴代オーストラリア調教馬」「その他アイドルホース」などでレーティングが駆使されていますよ! 相場では大体数万円しますが、内容は第一級、まさに世紀の競馬本であることは間違いありません! 興味のある私はバイナウ!

JRAフリーハンデ

1962年からJRA機関紙『優駿』が行っていた古の競走馬格付けです!
もしかしたら私たちにとってより馴染み深いのはこちらかもしれませんね
単位はkgで、歴代最高値は会長さんの70kg(154ポンド!)でした!
お察しの通り国際的な公式レーティングとは無関係ゾーンです

主目的は競走馬のハンデキャップだったので、単一レースでのパフォーマンスよりも年間の競走成績全体が重視されています
あとは今日のレーティングと違って馬齢によるアローワンスも考慮されました

長いこと日本馬オンリーの能力比較の一基準であり続けましたが、1995年に「JRAクラシフィケーション」と改称して国際化を準備*40
1997年には公式レーティングとの互換性を確保し、昨今私たちが参照している国際的に通用するレーティングへと発展的解消いたしました

以下に各年・各部門における最高ハンデキャップのお馬さんを掲載しておきます!

年次旧三歳三H.旧四歳四H.旧五歳以上五H.短距離短H.
1996年マイネルマックス54.5エリシオ*4160.5サクラローレル
シングスピール
61.5
1995年バブルガムフェロー55.5マヤノトップガン60.5ランド61.5
1994年フジキセキ55.0ナリタブライアン*4263.0ビワハヤヒデ62.5
1993年ナリタブライアン
ヤマニンアビリティ
55ビワハヤヒデ64トウカイテイオー65ヤマニンゼファー63
1992年エルウェーウィン
ビワハヤヒデ
55ミホノブルボン65トウカイテイオー65ダイタクヘリオス62
1991年ニシノフラワー
ミホノブルボン
56トウカイテイオー65メジロマックイーン63ダイイチルビー63
1990年リンドシェーバー56アイネスフウジン63オグリキャップ
スーパークリーク
63オグリキャップ65
1989年アイネスフウジン
ヤマニングローバル
55ウィナーズサークル
バンブービギン
62イナリワン
オグリキャップ
65オグリキャップ65
1988年サクラホクトオー56オグリキャップ65タマモクロス68サッカーボーイ
ニッポーテイオー
63
1987年サッカーボーイ56サクラスターオー64ニッポーテイオー
ミホシンザン
63ニッポーテイオー64
1986年サクラロータリー
ゴールドシチー
ダイナサンキュー
ホクトヘリオス
メリーナイス
54ダイナガリバー64サクラユタカオー63ギャロップダイナ63
1985年ダイシンフブキ
ダイナアクトレス
55ミホシンザン64シンボリルドルフ70ニホンピロウイナー66
1984年スクラムダイナ55シンボリルドルフ67カツラギエース66
1983年サクラトウコウ
ハーディービジョン
ロングハヤブサ
55ミスターシービー65アンバーシャダイ
キョウエイプロミス
63
1982年ダイゼンキング55バンブーアトラス62モンテプリンス64
1981年ホクトフラッグ55カツトップエース62ホウヨウボーイ63
1980年サニーシブレー55オペックホース62カネミノブ61
1979年リンドタイヨー
ラフオンテース
55カツラノハイセイコ62グリーングラス
サクラショウリ
62
1978年ビンゴガルー
タマモアサヒ
55インターグシケン
サクラショウリ
62エリモジョージ
カネミノブ
グリーングラス
62
1977年ギャラントダンサー
バンブトンコート
56プレストウコウ*43
ラッキールーラ
62テンポイント65
1976年マルゼンスキー57トウショウボーイ63フジノパーシア63
1975年ボールドシンボリ
テンポイント
56カブラヤオー63フジノパーシア62
1974年ライジン55キタノカチドキ64タニノチカラ64
1973年キタノカチドキ56タケホープ63タイテエム
タニノチカラ
62
1972年キシュウローレル56イシノヒカル63ヤマニンウェーブ62
1971年ヒデハヤテ56ヒカルイマイ63トウメイ64
1970年ロングワン56タニノムーティエ63スピードシンボリ65
1969年アローエクスプレス
タニノムーティエ
56アカネテンリュウ61タケシバオー66
1968年ミノル
リキエイカン
55アサカオー
マーチス
61ヒカルタカイ
リユウズキ
62
1967年キタノダイオー57リユウズキ60スピードシンボリ64
1966年モンタサン56テイトオー
ナスノコトブキ
59コレヒデ64
1965年アポオンワード
ニホンピローエース
メジロボサツ
55ダイコーター63シンザン67
1964年リユウゲキ
キーストン
56シンザン63ヤマトキヨウダイ66
1963年ウメノチカラ56メイズイ63ヤマノオー
リユウフオーレル
63
1962年グレートヨルカ*4458リユウフオーレル59オンスロート65

合同フリーハンデ

『週刊競馬ブック』や『競馬四季報』に掲載されている格付けです!
非公式の民間レーティングなので、当たり前ですが公式レーティングとは全然合わせてません!

1970年に後項のタイムフォームレーティングを参考に競馬研究の雑誌版に掲載されたのが起源で、1986年に今の形になりました!
現存している日本のレーティングの中では最長老というべき存在になりますね!
いまや伝説の域にある会長さん(合132)や、JRAレーティング成立の数年前に君臨したブライアンさん(合129)などと現代馬同士の比較が出来るのはもちろん、1982年のジョンヘンリーさん(合130)、1999年のモンジューさん(合133)、2013年のオルフェーヴルさん(合134)といった各州の名馬を同一の文脈で評価できるレーティング体系は世界でもこれくらいのものでしょう!
格付けの傾向自体は結構独自色が強いですが、数値のスケールは実際に公式レーティングよりはタイムフォームに近いと言え、例えばコントレイルさんの各年最高レーティングは、タイムフォーム年間レーティング(2歳時117p、3歳時127、4歳時126)と合同フリーハンデ(2歳時117+、3歳時127、4歳時126)でほぼ同じ数値になっています!*45

なお、JRAフリーハンデと違ってポンド表記の欧米式クラシフィケーションです!
当初から地方競馬も対象のレースになっていて、日本競馬内での整合性のとれた格付けを目的にしています!
そのためダートのレーティングなんかは公式レートより高めです!
また、牝馬アローワンスは凱旋門賞にならって「3ポンド」とJRAの公式よりも低くなっています!

以下に各年・各部門における最高レーティングの日本のお馬さんを掲載しておきます!
太字は各年の最高レーティング馬です!
(なお、合同フリーハンデは年間最高レーティングの間でも序列を付ける場合があります)

年次2歳芝牡馬2tmRt.2歳芝牝馬2tfRt.2歳ダート牡馬2dmRt.2歳ダート牝馬2dfRt.3歳芝牡馬3tmRt.3歳芝牝馬3tfRt.3歳ダート牡馬3dmRt.3歳ダート牝馬3dfRt.4歳以上芝牡馬4tmRt.4歳以上芝牝馬4tfRt.4歳以上ダート牡馬4dmRt.4歳以上ダート牝馬4dfRt.
2023年ジャンタルマンタル115レガレイラ114フォーエバーヤング117ローリエフレイバー97ドゥレッツァ121リバティアイランド123デルマソトガケ122ライオットガール107イクイノックス134スターズオンアース121ウシュバテソーロ126アイコンテーラー112
2022年ドルチェモア115リバティアイランド113デルマソトガケ110マルカラピッド99イクイノックス128スターズオンアース115クラウンプライド118ヴァレーデラルナ109タイトルホルダー127ウインマリリン119テーオーケインズ121ショウナンナデシコ113
2021年ドウデュース115サークルオブライフ112ドライスタウト112スピーディキック101エフフォーリア127アカイトリノムスメ
ソダシ
ユーバーレーベン
114キャッスルトップ112ウェルドーン108コントレイル126クロノジェネシス122テーオーケインズ124マルシュロレーヌ118
2020年ダノンザキッド115ソダシ112アランバローズ114レディバグ105コントレイル127デアリングタクト122カフェファラオ
ダノンファラオ
117レーヌブランシュ105グローリーヴェイズ
フィエールマン
124クロノジェネシス127クリソベリル125ファッショニスタ109
2019年コントレイル117レシステンシア115ヴァケーション110レイチェルウーズ98アドマイヤマーズ124カレンブーケドール118クリソベリル122ラインカリーナ107グローリーヴェイズ124リスグラシュー128オメガパフューム
ゴールドドリーム
121ヤマニンアンプリメ111
2018年サートゥルナーリア116ダノンファンタジー110ノーヴァレンダ111アークヴィグラス100ブラストワンピース124アーモンドアイ126ルヴァンスレーヴ123グラヴィオーラ104キセキ
レイデオロ
125ヴィブロス117ゴールドドリーム121アンジュデジール112
2017年ダノンプレミアム118ラッキーライラック111ルヴァンスレーヴ111グラヴィオーラ100レイデオロ124ソウルスターリング115エピカリス114クイーンマンボ115シュヴァルグラン127クイーンズリング118コパノリッキー125ホワイトフーガ114
2016年サトノアレス114ソウルスターリング112エピカリス115リエノテソーロ111サトノダイヤモンド125ジュエラー114キョウエイギア118タイニーダンサー102エイシンヒカリ132マリアライト120コパノリッキー125アムールブリエ114
2015年リオンディーズ116メジャーエンブレム112サウンドスカイ110タイニーダンサー103ドゥラメンテ122レッツゴードンキ113ノンコノユメ118ホワイトフーガ113エイシンヒカリ124ヌーヴォレコルト119サウンドトゥルー122サンビスタ116
2014年ダノンプラチナ114ショウナンアデラ109ディアドムス110コパノハート101トゥザワールド123ハープスター119ハッピースプリント
アジアエクスプレス
112エスメラルディーナ106ジャスタウェイ133ジェンティルドンナ122ホッコータルマエ124ワイルドフラッパー112
2013年アジアエクスプレス113レッドリヴェール113ハッピースプリント114フクノドリーム103キズナ122デニムアンドルビー116クリソライト121サウンドリアーナ106オルフェーヴル134ジェンティルドンナ119ホッコータルマエ125メーデイア109
2012年ロゴタイプ113ローブティサージュ107ケイアイレオーネ110サマリーズ107ゴールドシップ127ジェンティルドンナ126ハタノヴァンクール120レッドクラウディア105オルフェーヴル130カレンチャン114ニホンピロアワーズ124ミラクルレジェンド110
2011年アダムスピーク114ジョワドヴィーヴル112オーブルチェフ112エンジェルツイート102オルフェーヴル125アヴェンチュラ114グレープブランデー114クラーベセクレタ109トーセンジョーダン126ブエナビスタ124スマートファルコン129ラヴェリータ115
2010年グランプリボス113レーヴディソール110ビッグロマンス110リアライズノユメ105ヴィクトワールピサ124アパパネ
オウケンサクラ
122マグニフィカ
バーディバーディ
115ミラクルレジェンド109ナカヤマフェスタ130ブエナビスタ123エスポワールシチー125ラヴェリータ110
2009年ローズキングダム114アパパネ109ブンブイチドウ110ラブミーチャン111ロジユニヴァース122ブエナビスタ121シルクメビウス119ラヴェリータ108ドリームジャーニー126ウオッカ124エスポワールシチー125メイショウバトラー108
2008年ロジユニヴァース115ブエナビスタ113スーニ114アースリヴィング102ディープスカイ123リトルアマポーラ114サクセスブロッケン120ユキチャン110スクリーンヒーロー124ウオッカ122カネヒキリ124メイショウバトラー110
2007年ゴスホークケン112トールポピー107イイデケンシン109マサノミネルバ96ヴィクトリー118ウオッカ120フリオーソ118ホワイトメロディー106アドマイヤムーン128フサイチパンドラ116ヴァーミリアン126メイショウバトラー109
2006年フサイチホウオー112ウオッカ109フリオーソ111ブラックムーン98ドリームパスポート124カワカミプリンセス116アロンダイト118グレイスティアラ104ディープインパクト129ダンスインザムード118カネヒキリ125メイショウバトラー110
2005年フサイチリシャール112テイエムプリキュア107フラムドパシオン114グレイスティアラ105ディープインパクト126シーザリオ
ラインクラフト
115カネヒキリ121クインオブクイン104ハーツクライ125スイープトウショウ121アジュディミツオー121レイナワルツ110
2004年マイネルレコルト113ショウナンパントル108プライドキム111カシマフラワー100キングカメハメハ121ダンスインザムード117パーソナルラッシュ121アクイレジア106ゼンノロブロイ126アドマイヤグルーヴ115タイムパラドックス122レマーズガール105
2003年コスモサンビーム113ヤマニンシュクル107アドマイヤホープ108ビービーバーニング102ネオユニヴァース121アドマイヤグルーヴ114ユートピア118レマーズガール104タップダンスシチー133ファインモーション115アドマイヤドン123ネームヴァリュー116
2002年エイシンチャンプ113ピースオブワールド109ユートピア114パレガルニエ97シンボリクリスエス123ファインモーション116アドマイヤドン122ビーポジティブ102エイシンプレストン122ビリーヴ115アグネスデジタル120トゥザヴィクトリー112
2001年アドマイヤドン113タムロチェリー107プリンシプルリバー109フェスティバル105ジャングルポケット128テイエムオーシャン114クロフネ130ナミ102ステイゴールド128トゥザヴィクトリー117アグネスデジタル119トゥザヴィクトリー118
2000年アグネスタキオン117テイエムオーシャン110????アグネスデジタル119シルクプリマドンナ
チアズグレイス
108レギュラーメンバー116??テイエムオペラオー127スティンガー114ウイングアロー121??
1999年エイシンプレストン112ヤマカツスズラン107アグネスデジタル107??テイエムオペラオー120スティンガー111????エルコンドルパサー133シーキングザパール112????
1998年アドマイヤコジーン113スティンガー110????エルコンドルパサー126ファレノプシス109????タイキシャトル129エアグルーヴ120????
1997年グラスワンダー117ロンドンブリッジ105????タイキシャトル121キョウエイマーチ112????マヤノトップガン
マーベラスサンデー
124エアグルーヴ123????
1996年マイネルマックス110メジロドーベル109????バブルガムフェロー120ファビラスラフイン117????サクラローレル125フラワーパーク117????
1995年バブルガムフェロー112ビワハイジ108????マヤノトップガン120ダンスパートナー112????ナリタブライアン121ヒシアマゾン120????
1994年フジキセキ111ヤマニンパラダイス108ヒカリルーファス102ライデンリーダー102ナリタブライアン129ヒシアマゾン116????マーベラスクラウン126ノースフライト122????
1993年ナリタブライアン109ヒシアマゾン105????ビワハヤヒデ119ベガ108????トウカイテイオー128シンコウラブリイ115????
1992年エルウェーウィン109スエヒロジョウオー102サブリナチェリー103??ミホノブルボン121ニシノフラワー109トミシノポルンガ107??トウカイテイオー127ダイイチルビー105????
1991年ミホノブルボン109ニシノフラワー107ヤマニンロード103??トウカイテイオー117シスタートウショウ105????メジロマックイーン117ダイイチルビー111????
1990年リンドシェーバー109ノーザンドライバー104アーバントップ104??アイネスフウジン112アグネスフローラ103マックスフリート106??スーパークリーク119????ロジータ112
1989年ヤマニングローバル108サクラサエズリ104テッセンスーパー108??バンブービギン108シャダイカグラ102スイフトセイダイ104ロジータ110オグリキャップ120シヨノロマン101フェートノーザン114??
1988年サクラホクトオー110アイドルマリー105スイフトセイダイ104??オグリキャップ120アラトウホク101アエロプラーヌ105??タマモクロス123ダイナアクトレス111????
1987年サッカーボーイ112スイートローザンヌ107マツケンストロング104??サクラスターオー118マックスビューティ107イナリワン103??ニッポーテイオー
ミホシンザン
118ダイナアクトレス111????
1986年サクラロータリー
メリーナイス
109ドウカンジョー106????ダイナガリバー121メジロラモーヌ109ハナキオー109??ギャロップダイナ
サクラユタカオー
114タカラスチール106カウンテスアップ112??
1985年カツラギハイデン110ダイナアクトレス108????ミホシンザン116エルプス106????シンボリルドルフ132グローバルダイナ106????
1984年スクラムダイナ111エルプス108????シンボリルドルフ128ダイアナソロン105????カツラギエース130ロンググレイス106????
1983年ハーディービジョン109マリキータ106????ミスターシービー120ダイナカール105サンオーイ110??キョウエイプロミス121エスティトウショウ
ミスラディカル
106????
1982年ダイゼンキング
ニシノスキー
108ダイナカール108????アズマハンター109ビクトリアクラウン105????ヒカリデュール116エスティトウショウ106????
1981年サルノキング
トウショウペガサス
ホクトフラッグ
108ビクトリアクラウン106ホスピタリティ106??カツトップエース111テンモン106????ホウヨウボーイ114ハギノトップレディ108アズマキング109??
1980年サニーシプレ―111テンモン108スティード108??オペックホース
ノースガスト
ハワイアンイメージ
108ハギノトップレディ106タカフジミノル104??ニチドウタロー111プリティキャスト108????
1979年サクラシンゲキ
リンドタイヨー
108ラフォンテース110????ビンゴガル―112アグネスレディー
ホクセーミドリ
102リュウウォーク103??グリーングラス114インターグロリア104????
1978年ビンゴガルー108シルクスキー108マイリマンド104??インターグシケン
サクラショウリ
110モデルスポート
ラブリトウショウ
103ハツシバオー108??エリモジョージ114インターグロリア108????
1977年ギャラントダンサー111ラブリトウショウ107ヒダカホーリュウ105??マルゼンスキー114インターグロリア106トドロキヒリュウ103??テンポイント118テイタニヤ99????
1976年マルゼンスキー116セーヌスポート
フジビゼン
105????トウショウボーイ114テイタニヤ105????フジノパーシア112トウコウエルザ102????
1975年テンポイント112テイタニヤ
メイジガルボ
105????カブラヤオー116テスコガビー106ゴールデンリボー105??タニノチカラ110イットー104????
1974年ライジン108テスコガビー109シタヤロープ107??キタノカチドキ116トウコウエルザ104サンチャイナ
トドロキムサシ
103??タニノチカラ116ナスノチグサ101????
1973年キタノカチドキ112イットー106????タケホープ114ニットウチドリ107????タイテエム112キョウエイグリーン98????
1972年レッドイーグル107キシュウローレル112????イシノヒカル114アチーブスター
トクザクラ
102????メジロアサマ110ジョセツ104????
1971年ヒデハヤテ110トヨザクラ108????ヒカルイマイ110カネヒムロ98????メジロムサシ112トウメイ116????
1970年ロングワン110キヨハヤ102????タニノムーティエ114タマミ104????スピードシンボリ118ファインローズ102????


こちらは、合同フリーハンデの格付け対象となった外国調教馬(=来日馬)の各部門最高レーティングです!

年次3歳牡3mRt.3歳牝3fRt.4歳以上牡4mRt.4歳以上牝4fRt.
2023年イレジン119
2022年テュネス122マジカルラグーン112グランドグローリー116
2021年ブルーム119グランドグローリー114
2020年ウェイトゥパリス116
2019年
2018年ワーザー120
2017年アイダホ*46118
2016年コンテントメント119ナイトフラワー113
2015年イラプト119ナイトフラワー115イトウ
エアロヴェロシティ
119
2014年アイヴァンホウ121
2013年グロリアスデイズ121
2012年グロリアスデイズ121ソレミア126
2011年デインドリーム128ロケットマン126スノーフェアリー121
2010年ジョシュアツリー115スノーフェアリー120ビューティーフラッシュ121サプレザ117
2009年シャラナヤ117コンデュイット126サプレザ118
2008年ティンカップチャリス109トレラピッド109グッドババ124フェアブリーズ108
2007年ハリカナサス113グッドババ121
2006年ブリッシュラック124ウィジャボード122
2005年アルカセット127マカイビーディーヴァ125
2004年オミクロン109リュヌドール113ラクティ125アイランドファッション115
2003年トゥスール115ジョハー128イズリントン122
2002年ブライトスカイ118ファルブラヴ125
2001年ゴーラン121リドパレス124プラウドウイングス115
2000年レーヴドスカー116ジョンズコール
ファンタスティックライト
125エラアシーナ119
1999年モンジュー133インディジェナス
ハイライズ
126ボルジア119
1998年チーフベアハート122
1997年カイタノ122ピルサドスキー133
1996年エリシオ132シングスピール129
1995年ピュアグレイン115ランド129
1994年パラダイスクリーク129スキーパラダイス120
1993年ホワイトマズル124コタシャーン130アーバンシー122
1992年ドクターデヴィアス128ユーザーフレンドリー129ディアドクター126レッツイロープ124
1991年マジックナイト128ゴールデンフェザント126ワジド118
1990年ベルメッツ130ベタールースンアップ134オード123
1989年ホークスター124キャロルハウス126ホーリックス124
1988年アワーズアフター114トニービン132
1987年ルグロリュー134ムーンマッドネス130トリプティク133
1986年アレミロード130キャロティーン113ジュピターアイランド129トリプティク130
1985年セントヒラリオン119アリダーズベスト124ゴールドアンドアイボリー126スピリットオブキングストン122
1984年ウェルノール112バウンディングアウェイ109マジェスティーズプリンス132
1983年エスプリデュノール128ハイホーク125エリンズアイル130スタネーラ132
1982年ハーフアイスト130オールアロング128ジョンヘンリー130エイプリルラン134
1981年フロストキング122ペティテート118ザベリワン126


合同フリーハンデは、日本競馬用の格付けである関係上、世界チャンピオンの選定などを行わず、外国調教馬に対する格付けの情報公開も基本的に上記の来日馬に限られています!
ですが、2011年以降では、レースレーティング算出の為、日本調教馬が4着以内に入着した海外G1の4着以内馬の年間最高レーティングが公式サイトで公開されています!
そのおかげで、フランケルさんやフライトラインさんあたりは無理ですが、オルフェーヴルさん(合134)つながりでトレヴさん(合135)、バスラットレオンさんつながりでバーイードさん(合135)、ヴィブロスさん(合117)つながりでビューティージェネレーションさん(合127)のような来日こそしていなくとも多少日本馬とゆかりのある傑出外国馬の存在は合同フリーハンデの文脈に置くことが可能となっています!
以下がそのようにして合同フリーハンデを与えられた外国調教馬のリストです! ある程度簡略化するために115ポンド未満の方々は省かせていただきました!

年次馬名Rt.
2023年エースインパクト129
モスターダフ127
ウエストオーバー126
ゴールデンシックスティ126
オーギュストロダン125
オネスト125
ホワイトアバリオ124
ロマンチックウォリアー124
アップトゥザマーク123
ルクセンブルク123
ロードノース122
ヴォイッジバブル122
アルジールス121
カントリーグラマー121
ストレートアロン121
ネーションズプライド121
アレイビアンナイト120
インスパイラル120
エンブレムロード120
ジュンコ120
プロクシー120
ウォームハート119
ゴールドフェニックス119
ザグレイ119
ドバイオナー119
ナショナルトレジャー119
マネーキャッチャー117
シャールズスパイト116
モイラ116
2022年バーイード135
ライフイズグッド129
ロマンチックウォリアー126
パイルドライヴァー125
ステートオブレスト124
カントリーグラマー124
ユビアー123
ベイブリッジ123
ホットロッドチャーリー122
ロードノース121
モダンゲームズ120
アルコールフリー120
ボタニク119
スイッツァランド117
グランドグローリー116
マネーキャッチャー116
サフロンビーチ116
パンフィールド115
2021年ミシュリフ126
ミスティックガイド123
ロードノース123
ゴールデンシックスティ123
パイルドライヴァー121
スカイフィールド120
ゼンデン119
モアザンディス119
ロシアンエンペラー119
ドバイオナー119
マイシスターナット118
ダンバーロード117
マラサート117
ウォーライクゴッデス117
クレリエール116
ラブ116
フェリックス115
クーリエワンダー115
ホットキングプローン115
マザーアース115
ウォルトンストリート115
2020年ゴールデンシックスティ125
アデイブ124
マジカル122
サザンレジェンド120
ワイクク120
ジョリーバナー117
ラタン116
ウィッシュフルシンカー115
2019年ビューティージェネレーション126
ワイクク124
オールドペルシアン123
マジカル123
アデイブ123
インペリアルヒント121
ウィンクス121
エグザルタント121
キャステルヴェキオ121
ロードグリッターズ120
エックスワイジェット119
ハッピークラッパー119
アンソニーヴァンダイク119
ライズハイ119
ハートネル118
テアカウシャーク118
グロリアスフォーエバー117
マジックワンド117
ミラージュダンサー117
フォックスタル117
フローレ117
プロミセスフルフィールド115
メダーイー115
2018年ビューティージェネレーション127
ポエッツワード126
クロスオブスターズ124
ベンバトル123
ミスタースタニング121
ホークビル121
アイヴィクトリー120
エグザルタント120
グロリアスフォーエバー120
サザンレジェンド119
タイムワープ119
ビートザクロック118
ビューティーオンリー118
ヒュミドール117
ブレアハウス116
イーグルウェイ116
ホームズマン115
2017年リブチェスター123
ハイランドリール123
タイムワープ122
エシェム120
ワーザー120
タリスマニック119
ザラック118
パキスタンスター118
ブレイジングスピード116
ケミカルチャージ116
2016年ポストポンド126
ワーザー125
ハイランドリール123
シークレットウェポン121
コンテントメント120
クリエイター119
ビューティーオンリー119
デスティン118
パッキングピンズ118
ミリタリーアタック118
ブレイジングスピード118
ダリヤン117
シルヴァーウェーブ117
ユーロシャリーン116
ヴァダモス116
トリスター115
2015年エイブルフレンド125
フリントシャー123
ドルニヤ122
ブレイジングスピード122
ジャイアントトレジャー121
クライテリオン120
エソテリク119
デザインズオンローム119
ダンエクセル119
ミリタリーアタック119
コントリビューター118
ハートネル117
ケルマディック115
2014年エイブルフレンド128
デザインズオンローム124
シリュスデゼーグル123
ミリタリーアタック123
ダンエクセル122
ウェルキンゲトリクス121
ゴールドファン120
エアロヴェロシティ119
ペニアフォビア119
エンポリ119
スモーキングサン119
アンビバレント116
ムシャウィッシュ115
2013年トレヴ135
アンテロ126
セントニコラスアビー125
ミリタリーアタック124
アキードモフィード123
カリフォルニアメモリー121
ベリーナイスネーム119
ソールパワー118
サッジャー118
フレデリックエンジェルス117
ドゥーナデン117
セリーズチェリー115
2012年ソレミア126
リトルマイク124
ポイントオブエントリー123
セントニコラスアビー123
レッドカドー119
ミアンドル119
サムザップ118
セリーズチェリー117
スウィートオレンジ117
ザイダン117
キャプテンスウィート116
リベレーター116
ジョイアンドファン115
2011年モンテロッソ123
ケープブランコ122


やや遅ればせになりましたが、こちらは日本調教馬の歴代レーティングのランキング表です!
当フリーハンデは牝馬アローワンス(3ポンド)を加味した序列を重視しているので、本表もそれにならいました!

馬名レーティング対象レース
イクイノックス1342023年ジャパンC1着
オルフェーヴル1342013年有馬記念1着
エルコンドルパサー1331999年
ジャスタウェイ1332014年ドバイDF1着
タップダンスシチー1332003年ジャパンC1着
エイシンヒカリ1322016年イスパーン賞1着
シンボリクリスエス1322003年有馬記念1着
シンボリルドルフ1321985年
リスグラシュー128(+3)2019年有馬記念1着
エピファネイア1302014年ジャパンC1着
カツラギエース1301984年
クロノジェネシス127(+3)2020年宝塚記念1着
クロフネ1302001年ジャパンCダート1着
ナカヤマフェスタ1302008年凱旋門賞2着
アーモンドアイ126(+3)2018年ジャパンC1着
2020年ジャパンC1着
ジェンティルドンナ126(+3)2012年ジャパンC1着
スペシャルウィーク1291999年
スマートファルコン1292011年帝王賞1着
タイキシャトル1291998年
ディープインパクト1292006年有馬記念1着
ナリタブライアン1291994年
ロードカナロア1292012年香港スプリント1着


部門別の歴代最高レートもまとめておきます!

部門馬名レーティング対象レース
2歳芝牡馬ダノンプレミアム1182017年朝日杯FS1着
2歳芝牝馬レシステンシア1152019年阪神JF1着
2歳ダート・AW牡馬フォーエバーヤング1172023年全日本2歳優駿1着
2歳ダート牝馬ラブミーチャン1112009年全日本2歳優駿1着
リエノテソーロ2016年全日本2歳優駿1着
3歳芝牡馬ナリタブライアン1291994年
3歳芝牝馬ジェンティルドンナ1262012年ジャパンC1着
アーモンドアイ2018年ジャパンC1着
3歳ダート牡馬クロフネ1302001年ジャパンCダート1着
3歳ダート牝馬クイーンマンボ1152017年レディスプレリュード1着
4歳以上芝牡馬=イクイノックス1342023年ジャパンC1着
4歳以上芝牡馬=オルフェーヴル1342013年有馬記念1着
4歳以上芝牝馬リスグラシュー1282019年有馬記念1着
4歳以上ダート牡馬スマートファルコン1292011年帝王賞1着
4歳以上ダート牝馬トゥザヴィクトリー1182001年ドバイWC2着
マルシュロレーヌ2021年BCディスタフ1着
4歳以上AW牡馬ヴィクトワールピサ1252011年ドバイWC1着
4歳以上AW牝馬レッドディザイア1192008年A.M.C.Rd.Ⅲ1着

レーシングポストレーティング

1986年から英紙『レーシングポスト』が独自に行っている競走馬格付けです!
日本だとプイプイさんを133ポンドで2006年の最高レーティング馬に据えたことでも知られてるかもしれません!

レーシングポストレーティングの最大の特徴は、レーシングポスト電子版のサービスと綿密に結びついていることによるアクセスの容易性です!
一言で言えば、レーシングポストでは競馬主要国におけるレースの詳細なレーティングが無料で分かるのです!
同レーティングと比較した場合、公式レーティングは「2着馬のパフォーマンスがこの評価で、優勝着差がこの評価で…」というように網羅的には発表してくれませんし、
非公式ながら権威あるタイムフォームレーティングの方は詳細なレーティングを知るには高額な有料購読が必要になりますからね……
具体的には、フライトラインさんに関して調べようとすれば、彼の競走生活に始まり、同父馬の中での比較兄弟馬の中での比較も簡単に知ることが出来ます!
さらに特定競走(例:2022年パシフィッククラシック)については競走全着順はもちろんのこと、直近10年の優勝レーティング比較*47まで提供されています!
この御蔭で、レーシングポストレーティングでは、

フライトラインさん(RP140)は、種牡馬タピットさん(RP113)の産駒の中では本馬に次ぐフロステッドさん(RP130)を10ポンド分上回る最高評価を受けている。生涯最高レーティングの対象競走は2022年パシフィッククラシック1着(RP140)で、これは優勝着差19馬身1/4が38ポンド、2着馬カントリーグラマーさんのパフォーマンスが102ポンドとそれぞれ評価されたことによる。この優勝レーティングは、同競走の直近10年ではこれに次ぐカリフォルニアクロームさん(RP135)の2016年1着(RP133)よりも7ポンド高く、前年トリポリさんの2021年1着(RP121)と比べれば19ポンド高い。カントリーグラマーさん(RP125)は同2着によって、以前の2020年ピーターパンステークス1着(RP102)、2020年トラヴァーズステークス5着(RP102)のパフォーマンスを再現した。フライトラインさんは、この次走の2022年ブリーダーズカップクラシック1着(RP138)では前走より2ポンド分凡走している。

というような詳しい考察が簡単にできるというわけですね!
このほか、有料購読が必要ではありますがベテランのカーティスさんをはじめとする同社ハンデキャッパーさんの連載記事もあります!

ただし、年間の「ランキング」などは、分かりやすい形式では基本的に公開されていません! そこはちょっと不便ですね!
一応、レースフォーム社の年鑑でレーシングポストが深く関与している『フォームブック平地年鑑』(オープンライブラリーに2010年版があります)とかには、
レーシングポストの確定レーティングの全世界ランキングが掲載されてはいるのですけど……(2010年版の場合は1732頁)
こういうのに関してはあんまり力を入れていない印象です!

ちなみに、これは余談なのですが、イギリス平地競馬の主要開催は10月までに終わるので、レーシングポストが年鑑(2011年~)を出すのは大体同年内の10月頃になります!*48
ですので、こういった紙媒体には、年明けに出るフォームブック平地年鑑と違って暫定レーティングが掲載されているんですけお!ってなる場合が割とあります!
例えば、バーイードさんの2022年英インターナショナルステークス1着の評価(RP136↓↓)は暫定138ポンドから最終的に2ポンド分引き下げられたものなのですが、
2022年のうちに刊行された『レーシングポスト年鑑』は当然のごとく138ポンドの評価をもって彼の競走成績を振り返っています! 良いんですかね!
名馬本でも例えば『フランケル:奇跡の馬』にはフランケルさんの2012年クイーンアンステークス1着の評価が暫定142ポンドと書かれています!

ところで、レーティングの信頼性についても考えてみますと、親しみやすさの反面、やはりタイムフォームよりは権威が低いという特徴が浮かんできます!
同紙の名物記者のダウンさんは『フランケル:奇跡の馬』の収録記事で、フランケルさんがタイムフォーム史上歴代最高の評価を得たことにあたって、
「タイムフォームは神ではないし、その査定者もレーシングポストの若獅子ほどではないが、長年のオブザーバーとしての実績が権威を授けている」(p.161)
と述べていますが、査定者の実力についてはともあれ、権威についてはあちらの方が上ということはどうしても認めざるを得ないところでしょう!
実際、とある名馬が特定のタイムフォームレーティングを獲得したことへの言及はレーポスを含めて各文献に多く見られても、
レーシングポストレーティングを獲得したことへの言及は概ねレーポスの息がかかった文献あるいは各種レーティング間の比較検討の場に集中しています!
ついでながら、こと欧州域外の評価に関しては、単純に「?」が付く評価もところどころあり、どうしても エアプ 雑な感も否めません!
もちろん全ては価値観次第ではあるんですけど、例えばアーモンドアイさん(RP121)の評価があんなに低いのは何故なんでしょう……
彼女を年間の日本チャンピオンに一度も選定しなかった*49レーティング体系は世界でもこれくらいだと思われます!

また、「非公式レーティング」としての実用的な特徴をもう一つ述べておきますと、それはスケールが公式レーティングに近いという点です!
下表に、公式の世界チャンピオンに対して与えられた公式レーティングとレーポスレーティングとの比較を示しましたが、
フランケルさんが147ポンドだったりシーザスターズさんが140ポンドだったりするタイムフォームレーティングと比べた場合、
どちらかといえばこちらの方が公式レーティングに近い……と言えるのが分かるのではないでしょうか!
そのため、レーシングポストレーティングの数値は、「公式レーティングに対する異論」という文脈で読むこともある程度可能です!
こうして見ると、ディープインパクトさん(RP133)についての「ワールドランキングへの異議」も一層味わい深いものがありますね!

年次公式世界チャンピオン公式Rt.RPRΔ
2023イクイノックス135134-1
2022フライトライン1401400
2021ニックスゴー1291301
2020ガイヤース1301311
2019=クリスタルオーシャン1281291
2019=エネイブル1281280
2019=ヴァルトガイスト1281280
2019=(ピナトゥボ)1281280
2018=クラックスマン1301311
2018=ウィンクス130126-4
2017アロゲート134131-3
2016アロゲート1341362
2015アメリカンファラオ1341384
2014ジャスタウェイ1301300
2013=トレヴ1301311
2013=ブラックキャビア130129-1
2012フランケル1401433
2011フランケル1361393
2010ハービンジャー1351350
2009シーザスターズ1361382
2008=ニューアプローチ1301311
2008=カーリン1301311
2007マンデュロ1311332
2006インヴァソール1291301
2005ハリケーンラン1301333
2004ゴーストザッパー1311354

以下には、歴代レーティングのランキングを掲載しておきます!

馬名レーティング対象レース
フランケル1432012年クイーンアンS1着
2012年英国際S1着
フライトライン1402022年パシフィックCL1着
ドバイミレニアム1392000年ドバイWC1着
デイラミ1381999年愛チャンピオンS1着
アメリカンファラオ1382015年BCクラシック1着
シーザスターズ1382009年愛チャンピオンS1着
ジェネラス1371991年KGVI&QES1着
パントレセレブル1371997年凱旋門賞1着
ジルザル137*501989年サセックスS1着
1989年QE2世S1着
デイジュール1361990年ナンソープS1着
1990年スプリントC1着
1990年アベイドロンシャン賞1着
マークオブエスティーム1361996年QE2世S1着
モンジュー1361999年凱旋門賞1着
アロゲート1362016年トラヴァーズS1着
2016年BCクラシック1着
バーイード1362022年英国際S1着

こちらは各ジャンルの一流馬に与えられる目安のレーティング表です!

競走分類2歳馬3歳馬古馬
G1120125130
G2115117120
G3105110115
L95105110
未勝利8085

TRCグローバルランキング

一般的なレーティングとはだいぶ毛色が違うのですが、他にネット上で詳しい解説をしている場所が見当たらない(と思う)のでここで紹介しておきます!
海外競馬評論家ゴドフリーさん、名物記者リースさんなど錚々たる関係者を擁するウェブメディア「サラブレッド・レーシング・コメンタリー」(TRC)、
および同社が2018年冬に買収した毎号70ページ程度の季刊誌『ギャロップ・マガジン』(#25~*51)に掲載されているランキングです!
競馬評論家のウィロビーさんが設計し、2014年に本格稼働したシンザンのランキングであり、競馬の格付け界隈においてひときわ異彩を放つ存在になります!

この格付けの第一の特徴は、ハンデキャッパーさんのような人の手によるものではなく、全ての評価がコンピューターのアルゴリズムによって行われているというものです!
「競走馬」「種牡馬」「騎手」「馬主」「調教師」など各部門における最新版世界ランキングがあり、これらは毎週自動的に更新されています!
第二の特徴は、単一のパフォーマンスではなく比較的長い目で見た競走実績を重視しており、ポイント制での比較が行われていることになります!
まず、世界の重賞約1450における競走馬の各着順に対応してTRCコンピューターレースレーティングなる評価が与えられるところまでは他の一般的レーティングと同じなのですが、
本題である格付けそのものは、過去3年の期間において積み重ねた総合的な競走成績をポイント化したものによって比較されるのです!
(なお、このTRCコンピューターレースレーティングは各ランキングの入賞者の個別ページで見ることが出来ます)
ですので、下表に示すように本ランキングで最も長く世界1位に君臨したことがあるのがウィンクスさんだったことが象徴的ですが、一般に多くの重賞を優勝すればそれに応じて評価が上がります!
その点、この格付け自体はレーティングというよりも、むしろ世界規模の「フリーハンデ」に近いと言えるかもしれません!

全体として、このランキングは、毎週単位で変化する競馬界をランキング化して伝えるものであり、「現在の実績世界一」などを知るための速報的な価値に比重が置かれています!
各関係者部門では基本的にゴドルフィン・クールモア・ジャドモント勢が強大ですが、「競走馬」部門では日本調教馬含めてランキングの出入りが比較的激しく、
等をフォローしてみれば、一味違った最新版世界ランキングを毎週追うことができることかと思います!

反面、公式のアーカイブは特になく、ふつう年に一度発表されるような「確定値」というものもなく、過去を振り返るための史料的な価値には欠けるうらみがあります!
レーティングオタクにとっては残念ながら、歴代ランキング表のようなものを自力で作成することもできません!
『ギャロップ・マガジン』にはランキングが印刷されて刊行されているにはいますけど、これもキリの良いタイミングのランキングが掲載されているわけではありませんしね……
しかも発行部数が少ないので在庫切れになった号はほぼほぼ入手できませんし
2011年以降を評価対象とするというTRCコンピューターレースレーティングに関しても、言及ごとにやたらと数値のブレが多く、やはり確定値といえるものは無いと思われます!*52

またそれだけではなく、誰が何時どれだけのポイントを記録したか、という一見確定していそうなデータもどうやらずっと変動し続けているようです!
一応参考のために、ランキング考察担当のゴドフリーさんの2022年11月時点のデータを挙げておくと、
2017年4月のウィンクスさんの2796ポイントが歴代最高値、2022年4月のネイチャーストリップさんの2035ポイントが歴代最低値であり、
同ランキングの世界1位馬はこのとき首位に立ったフライトラインさんが区切りの20頭目に当たるそうです!
また、フランケルさんの現役時に同ランキングがあれば、彼の格付けは3000ポイント程度に到達、すなわち案の定歴代最高ではないかとも推測されています!

以下には、このような小出しされる情報をまとめた歴代世界チャンピオン馬の一覧(不完全、工事中)を示しておきます!

初週~最終週期間Tr.世界チャンピオン代数
2024年4月28日~ロマンチックウォリアー24
2023年3月28日~2024年3月30日52週イクイノックス23
2022年10月19日~フライトライン20
2022年5月19日~10月12日バーイード19
2022年4月24日~5月12日
2024年3月31日~4月27日
3週+ゴールデンシックスティ
2022年4月3日~4月17日3週ネイチャーストリップ
2022年1月30日~3月27日9週ライフイズグッド
2021年11月~2022年1月23日11週ニックスゴー
2021年9月12日~11月9週セントマークスバシリカ
2021年5月16日~9月5日17週パレスピア
2020年8月23日~8月30日2週ガイヤース
2020年5月31日~11月1日10週コントレイル
2020年5月17日~2021年5月9日24週アーモンドアイ
2019年9月15日~2020年10月18日36週エネイブル
2016年3月20日~2019年9月8日182週ウィンクス
2015年10月4日~10月25日4週ゴールデンホーン
2015年11月1日~2016年3月13日
2015年5月3日~9月27日
42週アメリカンファラオ
2015年1月18日~4月26日15週シェアードビリーフ
2014年6月22日~2015年1月11日30週キングマン
2014年6月8日~6月15日2週シリュスデゼーグル
2014年5月4日~6月1日5週カリフォルニアクローム
2014年3月30日~4月27日17週ワイズダン
2014年3月9日~3月23日2週オルフェーヴル
2014年1月5日~2014年3月2日9週トレヴ

その他

ブラッドストックブリーダーズレヴューの国際レーティング

20世紀の競馬年鑑『ブラッドストックブリーダーズレヴュー』が1960年代に作成していたフリーハンデです
ワールドワイドな題目にふさわしく(ちなみに日本競馬の項はNCKリニンサンの寄稿)、なんと当時から六大陸全ての競走馬を格付け対象としており、実にその意識の高さは現代のレーティング体系たちのはるか先駆けと言える存在でした
その年の12月31日に行われる3歳以上フリーハンデ2400m戦を仮想し、3歳馬の重量には馬齢アローワンス相当の5ポンド分を差し引いていることから、シニア級の方々の評価が高いのが特徴で、1964年はアメリカのケルソさん(132)、1965年はフランスのシーバードさん(130)、1966年はソ連のアニリンさんおよびアメリカのバックパサーさん(128)、1967年はバックパサーさん・イギリスのバステッドさんおよびオーストラリアのガリラヤさん(131)、1968年はアメリカのドクターフェイガーさん(132)、1969年はアイルランドのレヴモスさん(131)が年間世界チャンピオンになっています
残念ながら、現実に国際競馬が花開き、また欧米ともに名馬の時代と言われる1970年代には作成されなくなってしまいました……

山野さんのジャパンカップ出走予定馬レイティング

山野さんが1987年から1989年にかけての『優駿』でジャパンカップ出走予定馬を紹介するあたり、「独断と偏見」で作成して紹介していた、今で言うJRAリニンサンのプレレーティングみたいなやつです
1987年はトリプティクさん(136)、ムーンマッドネスさん(126)、アワウェイバリースターさん(125)が上位で、第6位タイのサクラスターオーさん(116)が地元勢最高評価の立場(1987年12月号)、
1988年はトニービンさん(134)、タマモクロスさん(124)、コンドルさんおよびボーンクラッシャーさん(122)が上位評価(1988年12月号)、
1989年はキャロルハウスさん(128)、イブンベイさんおよびホークスターさん(126)が上位で、第5位タイのスーパークリークさん(121)が地元勢最高評価の立場になっていました(1989年12月号)
しかしながら各年の優勝馬はそれぞれルグロリューさんが122ポンド、ペイザバトラーさんが115ポンド、ホーリックスさんが121ポンドと序列第4位以下によって占められており、このことからもシングレ時代のジャパンカップが全く一筋縄ではいかなかったことがよく分かりますね……
なお、1986年の出走馬展望記事でも山野さんは「僕なりにレイティングをつけると①ボーンクラッシャー②アレミロード③シャルダリ、マニラ」と書いており(1986年11月号)、この年の記述が同レーティング体系の走りといえるかもしれません

レーシングリサーチ(RR)のレーティング

元タイムフォーム社員のホイットリーさんがコンピューターのアルゴリズムに基づいて運用しているレーティング体系です
フランケルさんの2012年クイーンアンステークス1着および英インターナショナルステークス1着で147ポンド、同年チャンピオンステークス1着では149ポンドが出たとか……
枠順や騎手の存在が考慮対象となっているのが特徴で、騎手に関する論文「Contracts, pay and performance in the sport of kings: Evidence from horse racing」に引用されたりもしています

netkeibaレーティング

人気投票だこれ!
エクリプスさんがランクインする唯一の「レーティング」?
メディアとしての規模を考えると英紙のように独自のレーティング体系を作成しても面白そうな気もしますがレスポンチの種にしかならなさそうですね……

Winning Postの国際レーティング

公式レーティングの異称「国際レーティング」を名乗っていますが、元ネタは多分『チャンピオンの世紀』です
ただしコピペというわけでもなく、セクレタリアトさんがシーバードさんを上回る評価を得ているなど、コーエーリニンサンの好みが滲み出ている部分も見受けられますね

あとは同作のスピード能力値(~79)を格付けとして考察することも大いに出来ますが、この辺りはWinning Postの記事群の方に任せたいと思います

アマチュアなレーティング、一般の勝馬予想

ここでは名前は挙げませんが、個人ブログ上などで様々な工夫を凝らし、有名なレーティングとの差別化を図って自己流のレーティング体系を作り上げているような方々も世の中にはいらっしゃいます
彼らが標榜する独自レーティングの理想などについての価値観に触れてみると結構面白いかもですね

また、馬券購入などのために独自のシステムに基づいて指数を運用している方は沢山いますが、これも定義を広くとれば一種のレーティングとして理解することができるかもしれません
そもそも、英語で「ハンデキャッピング」といえば、純粋なハンデ作成作業だけでなく一般の競馬ファンによる「勝馬予想」という意味もあるのです(競馬で「ハンデキャッピング」を題する書籍といえば普通これは馬券本のこと)
さらに一般化して、いかなる範疇にせよ、競走馬の能力の順序を意識するとき、人はレーティングを作成している……というと流石に言い過ぎですかね?
いずれにせよ、そうした指数・格付けをネット上で網羅的にさらさらしたり、年度ごとに確定評価とかランキングとかを作成したりするような殊勝な人は決して多くなく、ひとたび競走結果が確定すればその情報の大部分は忘却の彼方に消えていくわけですが……

リンク集

◆読み物

コメント

  • レッドシーターフハンデキャップ、アイアンバローズさん(*112)の負担重量は普通にブレークアップさん(*113)とエヒトさん(*112)との間に収まりましたか……もしかしたらスミスさんがBHA風に2023年有馬記念11着(*115)を考慮してハンデを付ける可能性もあるかなと考えていたので少し安心しました!
    一方、ハーツコンチェルトさん(*118)は実質的*55にダブルメジャーさん(*118)より2ポンド下、シムカミルさん(*117)より1ポンド下、シルヴァーソニックさん(*115)より1ポンド上という立場になっているようですね……HKJCと同じ下方修正像も見えてきます…… -- 2024-01-12 (金) 01:02:30
  • ロンジンアワードの中継が1月23日(火) 23:00~24:30のAll in Line 世界の競馬で行われます!
    JRAハンデキャッパーの橋本さんがランキング解説をしてくれるようなので見ましょう! -- 2024-01-15 (月) 22:55:52
  • ロンジン2023年ランキングもいつものように発表前の更新でポロリがありましたがこれをもとに更新するか悩みますね… -- 2024-01-20 (土) 19:50:03
    • 流石に本発表待ちじゃないですか?一応公式確定とは言えないでしょうし言ってしまったらネタバレですし -- 2024-01-20 (土) 20:43:06
    • そうですね、中間発表ならこのタイミングで更新したりしますが、確定版世界ランキングの場合、公式からの様々な解説や評価対象競走の開示が約束されているので、もう少し待てばより正確な理解を得ることができるのは間違いないです……個人的には、各部門の世界チャンピオン馬掲載頭数のように機械的に読み取れることは反映して良いかもとは思いますが、もちろん↑の私のような考え方もありますので編集するとすればコメント上の暫定的記述までに抑えるべきかもしれません!
      それにしても、例のレーティング修正を敢えて撤回した以上歴代の格付けとしての意義は半ば放棄しているとはいえ、フライトラインさん(140)、バーイードさん(135)の翌年に135ポンドとはすごい高評価が続きますね……2022年度には競馬史家ランドールさんの「レーティング水準が昔のものに戻っている」という見方もありましたが…… -- 2024-01-20 (土) 21:25:22
      • 一旦消えましたね、当然訂正もありえますから、後の正式発表分と比較できるようにアーカイブurlを置いておきます! -- 2024-01-20 (土) 22:11:15
    • そういえばよく見たら今年はDEの覇者が載ってますよ!116ポンドしかありませんが! -- 2024-01-23 (火) 23:58:22
      • まぁ低いからと言って悪いわけではありませんがここまで低いと年によってはやっぱり乗りませんよねっていう話です 実際グレードレースででたわけではないみたいですし(リステッドかな?) -- 2024-01-24 (水) 00:03:08
      • ワールドサラブレッドランキング創設(2004年)以降、AWを除くダート距離区分Eのこれまでの最高評価は2017年のデスティンさん、2021年のローンロックさん、2022年のフィアレスさんの115ポンドでしたから、ネクストさん(116)は歴代最高評価更新ということになりますね! 芝GⅠサンフアンカピストラーノハンデキャップが2001年区分Eチャンピオンのビエナマードさん(124I、123E)を出した頃と比べればかなり地味になった北米の距離区分E路線ですが、昨今はダート馬場という意外な場所でまた国際的評価を得る方が現れてきていると言えそうです! -- 2024-01-24 (水) 10:03:11
  • レーティングの修正って修正じゃなかったんですね(矛盾)…なんかJRA-VANも記載が変わってたりドイツのハンディキャッパーブログなんかも修正だと思ってたとか知ってればフランケルは142になったみたいなこと書いてるのでしここらへんの経緯や認識がどうだったのかちょっと詳しく知りたいですね… -- 2024-01-22 (月) 18:13:27
    • ですね……例の修正案は「1977年には18頭(の3歳以上*56馬)が130ポンド以上の評価を受けていたが、2002年、2004年、2006年には0頭だった」というようなレーティング水準の沈降による格差を是正するものなので、フランケルさん(140)おひとりの評価で解決できた問題ではないのですが、それでも自他ともに適切ではないと認められたはずのダンシングブレーヴさんの公式レーティング(141、r138)が一転歴代1位にいるのはなんともって感じです……
      『サラブレッド・オーナー&ブリーダー』と違って長らく「フランケルさんが歴代1位」という立場を取ってきた『優駿』が2023年11月号をもって修正案の非公式性を認めてからはまだ日が浅いですし、みんなの世界チャンピオン馬イクイノックスさん(TF136RPR134合134)の御蔭もあってレーティングへの注目度は高まるばかりですから、この件に関する信頼できる日本語文献はこれからも出てくることが期待できるとは思いますが……今のところは首を長くして待っているといった状態になります!(もしあったら教えてください!) -- 2024-01-22 (月) 19:15:25
    • レーティングの修正はメソッドと根拠データをつけてまでIFHAのホームページに掲載されたもの、かつ記者会見の場で「フランケルが歴代1位」とまで述べてしまっているんですよね。これを撤回するとなれば何らかの説明や発表がIFHAから為されて然るべきなのですが、昨晩の年間表彰や会合でもそのような言及は無し。結局はIFHAの公式発表を待つしかないでしょう。 -- 2024-01-24 (水) 06:31:31
      • 撤回に関しての説明がないんですけお! という問題は多分結構な人が感じているところでしょうね……IFHAリンサンは修正案に関するリソースはリンク切れにして、フライトラインさん(140)のセンセーショナルな評価は「equals Frankel’s benchmark rating set in 2012 under the current system.*57という玉虫色の表現に留め、修正案発表時に委員会が明かした全レーティングのオンライン化の予定もずっと進展なし、と過去のレーティングの件に関してはいささか荒らし混乱の元という感もあって、いまのところ私たちは英独の公式ハンデキャッパーさん個人や『優駿』2023年11月号に頼らざるを得ない状況ですが……どうでしょう……公式発表期待できますかね? -- 2024-01-24 (水) 08:44:48
      • 正直言って、自分も公式発表は望み薄だと思います…。レーティングのシステムを考慮しても、各年レーティング上位馬の平均値が時代を問わず一定範囲に収まることを目指した修正案は理に適ったものでした。それを公式にひっくり返して旧基準に立ち返るとなると相応の理由の提示が必要ですが、10年近く経った今となってはその理由が無いんですよね。下手な説明をすればロンジンワールドベストレースホースランキングの権威を失墜させることになりますし…。「13年のレーティング修正案を撤回して新たな修正案を提示し、正式にそれに基づいた処置を布告する」ぐらいでしか公式のアクションは考えられないですね。少なくとも旧レーティングへの回帰は現状妥当性を欠いていて、とても宣言できたものではないと思います。 -- 2024-01-24 (水) 23:05:09
  • 一足先に欧州2歳クラシフィケーションが出ました!トップはグラサン大絶賛のシティーオブトロイさん(125)です!牝馬ではオペラシンガーさん(118)がトップです
    ついでに1977年から2022年に至るまでの欧州2歳牡馬・牝馬チャンピオンのまとめも載ってます
    プレスリリースはこちらです -- 2024-01-23 (火) 20:26:49
    • デューハーストステークスは同2着馬アルヤナービさんのパフォーマンスが暫定から1ポンド分下方修正された114ポンドなので、重馬場0秒69差→3馬身1/2差の優勝レーティング差は実に11ポンド、2015年のエアフォースブルーさん(124)および2018年のトゥーダーンホットさん(126)が記録した7ポンド差を4ポンド分上回り21世紀の同競走で断然最大ということになりますね!
      ただ、それでもシティーオブトロイさんはあくまで125ポンド、掲載頭数も36頭に留まったことを考えれば、全体的にはそれほど競争性の高くない欧州2歳路線だったという評価になるでしょうか……ともあれ共同アイルランドチャンピオンのオーギュストロダンさん(125)との異系コンビであわせて目下チームバリードイルの二大呪縛・英三冠とブリーダーズカップクラシックをものにできるどうか注目ですね! 大西洋越しにはフィアースネスさん(122)もいますし、2024年は世界トップクラスのプレレーティングを有するクラシック級の動向が重要になりそうです! -- 2024-01-24 (水) 09:00:12
  • レースレーティング的な話で行くと実は2015年の集計開始から初めてフェブラリーSがランクインしてます(多分2009年に集計あれば入ってますが) あと日本のTop100入りGI数は過去最高で分布としては🇦🇺24🇺🇸17🇬🇧17🇯🇵15🇭🇰12🇫🇷8🇦🇪3🇮🇪3🇳🇿2🇸🇦1🇿🇦1の形になってます! -- 2024-01-24 (水) 10:39:14
    • レース数考えると日英はなかなかの打率じゃないですか?と思ったんですが香港凄いですね…これもしかして全部ですか…? -- 2024-01-24 (水) 12:53:35
      • 香港競馬は全G1競走が古馬牡馬混合戦から成り*58、また「掲載頭数」こそあまり多くなりませんがそうした皆がほとんどシャティン競馬場を周回しているので、「掲載競走数」の割合はかなり高くなるのが恒例ですね! 香港ゴールドカップやチャンピオンズ&チャターカップのようにそれ自体では比較的競争性の低いレースもありますが、そこでも大体出走馬の誰かは春秋のフェスティバル開催等でより高い公式レーティングを獲得しているのでレースレーティングが高くなります! 香港G1の北半球暦年間トップ100完全掲載は2016年(11競走)以来のことです! -- 2024-01-24 (水) 13:37:13
  • JPNサラブレッドランキング3歳芝部門で、シーズンリッチさんのダービー7着(112)とマイネルラウレアさんの菊花賞7着(112)が掲載されてるんですけど、今まで7着112で掲載例ってありましたっけ? -- 2024-01-24 (水) 23:04:43
    • これまではロイヤ…マウントロブソンさんの2016年東京優駿7着(114)、ゴーフォザサミットさんの2018年東京優駿7着(114)辺りも参考値扱いされてきて、2023年度でもスタッドリーさんはあくまで104ポンド扱いになっていますから、世界ランキング水面下におけるこうした着外評価は確かに大盤振る舞いですね……「7着で112ポンド」のパフォーマンスといえばお牝馬でシャドウディーヴァさんの2021年ジャパンカップ7着(112)はありますが3歳部門や牡馬勢に限るのであればよく分かりません! -- 2024-01-25 (木) 19:42:17
  • イクイノックスだけの力じゃないのは勿論承知の上ですが、改めて日本のレースで世界一のレーティングかつエルちゃん越えってのは改めて凄いですね…
    ドバイの圧勝からそれの2着馬以降が素晴らしい戦績を残し、JCで実績のある馬たちがしっかり力を示した後に有馬記念でもその力を見せつけたところが滅茶苦茶大きいのはわかってますが…それでも改めてものすごい馬でしたね -- 2024-01-25 (木) 23:22:30
  • 私的レーティングでビックリしたことは
    ①タイトルホルダーさんの124がそのままになったこと
    ②オオバンブルマイさんが一応格のないレースであるゴールデンイーグルで116を貰ったこと
    ③これは日本レーティングになるんですけどヒーローコールさんが106を貰ってたこと
    この3つですかねぇ、特にタイトルホルダーさんの124ってその年G1未勝利としては記録ものでは? -- 2024-01-26 (金) 08:30:00
    • タイトルホルダーさんが2022年宝塚記念1着を「再現」した2023年日経賞1着(124)は、日本調教馬の「年間GⅠ未勝利」の中では2020年ジャパンカップ5着(123)のグローリーヴェイズさんを上回り*59、「国内GⅡ優勝」という範疇でとってもジャスタウェイさんの2014年中山記念1着(*123↑↑*60)、スズカさんの1998年毎日王冠1着(122)などを上回る歴代最高評価なので、おっしゃる通り完全なる記録ものです!*61 アロゲートさん(134)のようにその後がやや不振でも春先のうちに昨年度のレーティングを再現するというのはよくあることではあるのですが、それでも2023年度はタタソールズゴールドカップ*62などの事例が下方修正を受けているわけですから、それを踏まえるとこちらの暫定値通りの確定が際立ちますね! イクイノックスさんの宝塚記念1着(122)がそのまま確定したので2023年上半期国内最高のパフォーマンスは実に日経賞ということになりました!
      オオバンブルマイさんの116ポンドは私も発表当初はちょっと意外でしたが、チームゴドルフィンのペリクレスさん(115)がG2勝ちでもこの評価なのでそれくらいは付くということみたいですね! ヒーローコールさん(106)は2021年羽田盃1着馬トランセンデンスさん(105)を上回り浦和所属のクラシック級としては史上最高評価のはずです! -- 2024-01-26 (金) 09:46:52
  • 私の個人的な注目どころも三つ挙げさせてもらえば
    ①チリ競馬、三冠のフォルティノさん(OSAF117)がチームクレアヘイヴンに特別移籍してそのままランク外、無敗二冠で北米移籍のケイアーミーさん(115)も2018年のカリブランコさん(116)より低いレーティングで、ウルフさんと比較されるお二方にも相変わらず厳しい評価
    ②サウジ競馬、国際L競走二聖モスクの守護者カップがスコットランドヤードさんの同1着(115↓↓↓↓)で世界ランキング登場
    韓国競馬、2023年コリアカップ(112.00)とコリアスプリント(111.00)で破格の年間レースレーティングを獲得し、100ポンド以上馬も2021年(36頭)、2022年(48頭)、2023年(53頭)と3年連続で新記録達成
    でした! 韓国は思えば私たちの1998年の日本ダート部門における100ポンド以上馬が55頭でしたから、KRAハンデキャッパーさんはそれに近しい裾野の広さをこの年の国内路線に認めているということになりますね! 今後コリアカップを地元馬が制したときが楽しみです! -- 2024-01-26 (金) 11:03:07
  • そういえばイクイノックス君はIでも128でしたけどもしかして古馬芝でのIレーティング歴代一位ですかねこれ -- 2024-01-27 (土) 23:08:16
  • ふと思うんですが牝馬のセックスアローワンスだけレーティングに含めないのはなんでなんでしょうね?エイジアローワンスはしっかり含めた上でレーティングは出されますし。エイジアローワンスが含んだ上でレーティング出るのはエイジアローワンスは月別距離別でコロコロ値が変わって換算が面倒になるからなのかなと個人的に思ってるんですが,セックスアローワンスも国や馬齢によって違いますしここらへん統一してもいいと思うんですよね...あとランキングで牝馬が不利ですし -- 2024-01-28 (日) 11:59:50
    • そうですね……建前上、馬齢アローワンスは19世紀半ばのラウス提督以来競走馬としての妥当な成熟度によって規定され、レーティング的にはクラシック級までで円満引退したりする方とシニア級勢との理想的な比較を実現する役割がある一方、牝馬アローワンスは牡牝の能力差によって規定されるという違いがあり、おっしゃる通り後者の方は計算が容易という側面もあると思います……ただし、進歩的*63な愛ハンデキャッパーのオゴーマンさんが、2009年世界ランキング発表時に昨2008年度のザルカヴァさん(128)がカーリンさんおよびニューアプローチさん(130)を凌ぐ同年の世界最優秀馬と解釈されなかった傾向に「当惑した」と述べ、「世間に誤解を与え」る現方式を改めて牝馬アローワンス(3)分をも加算したレーティング表記法を提案しているように(『優駿』2010年3月号)、両方のアローワンスを一緒くたに扱うべきという考え方も勿論存在しています!
      現状においては、実際のところ、ダンシングブレーヴさんが依然として非現実的な141ポンドに位置付けられているように、伝統的なものを維持するのは色々と楽、という点もあるのかも……ですね、確かにウオッカさん(120)、ザリオ…シーザリオさん(120)やブエナ(121)が正式な日本チャンピオンになる考え方は魅力ですが、過去の記録の一部に対する「上方修正」は非常に煩雑なものになるでしょうし、当然レーティングの計算法はそのタイミングで変化してしまいます*64、また、これまでにはお牝馬だからこそ付いたと思われる高レーティングの例もありますから……*65
      ちなみに、非公式レーティングの中ではTRCレーティング牝馬アローワンスを考慮しない方式を採っています! -- 2024-01-28 (日) 18:21:59
  • ウルトラノホシさん104(ブルーバードC)、佐賀馬最高値ではないでしょうか? -- 2024-02-16 (金) 21:00:29
    • そうですね!
      佐賀所属馬としてJRAサラブレッドランキングに掲載された馬は2018年グレイトパールさん(113)、2002年フジノコンドルさん(103)、2002年カシノオウサマさん(102)の3頭ですが、グレイトパールさんの113は中央所属時のアンタレスS1着のレーティングなので、佐賀所属で獲得したレーティングとしては最高になります -- 2024-02-16 (金) 22:16:53
    • 一応JPNサラブレッドランキングに依拠すると2018年のアンタレスステークス1着馬グレイトパールさん(113)が「佐賀」所属馬では最高ですが、所属時点のパフォーマンスに限ればフジノコンドルさん(104)の2002年サマーチャンピオン1着(103↓)を1ポンド分上回り、特に同じクラシック級では同2002年サラブレッドチャレンジカップ3着馬カシノオウサマさん(100)を4ポンド分上回る歴代最高評価ということになります! このほか、先日の2024年佐賀記念ではノットゥルノさん(113)がおそらくクリンチャーさんの2021年同1着(111)を上回る同競馬場史上最高のパフォーマンスを発揮しており、さらに令和6年度にはJBCでその記録の更新もほぼ確実というトピックもありますから、レーティング的にも非常に興味深いのが2024年の佐賀競馬と言えそうですね! -- 2024-02-16 (金) 22:38:14
  • 有識者の方の独自研究ではありますが、ダートのポンドスケールが変わっているかもしれません -- 2024-02-23 (金) 12:14:59
    • そうですね、従来日本では両端の短・長距離で芝・ダート馬場共通の換算率が採用されていながら、その中間の1400m(芝:2.0、ダ:2.5)、1600m・1800m(芝:2.0、ダ:2.0)、2000m(芝:1.75、ダ:1.5)の路線にかけてで平滑線の交錯が起こっていましたから、相変わらずBHAリニンサン辺りと比べれば杓子定規とはいえ、こちらの方がより直観的かつ実際的な散布といえそうです
      ちほーでも例えばノットゥルノさん(113)が佐賀競馬場史上最高のパフォーマンスを発揮した佐賀記念の優勝レーティング差は、斤量差3kgが換算率2ポンド/kgで「6ポンド」*66、優勝着差4馬身が換算率1.25ポンド/馬身で「5ポンド」になって合計11ポンド差という内訳のようですね
      日本国外に関してはもともと換算率が柔軟に伸縮するうえ特に北米は距離区分も違うので判断が難しいですが、確かに2022年ペガサスワールドカップのレーティング換算率約1.5ポンド/馬身辺りと比べれば、先の2024年同競走が約1.3ポンド/馬身なので、より着差の付きやすさを認めている傾向はあるかもです -- 2024-02-23 (金) 15:30:36
  • サウジカップで勝ち馬セニョールバスカドールが斤量のミスで1kg重い状態で走っていたそうなんですがこの場合レーティングってどうなるんでしょうか?
    あくまで規定の斤量で走ったものとして着差通りのレーティングにするのか,ハンデ戦同様にハンデ分のレーティングを増やすのかというどっちの扱いなんでしょうか -- 2024-02-28 (水) 15:47:19
    • 原則として超過体重はふつう馬齢重量制からの逸脱分としてペナルティ・アローワンスと同じ文脈での扱いになりますね、例えば、2014年愛チャンピオンステークスではザグレーギャッツビーさんの1着(127↑)に対してクビ差負けのオーストラリアさんの同2着(127↑)が1ポンド分の超過体重、2011年クイーンアンステークスではキャンフォードクリフスさんの同1着(127)に対して1馬身差負けのゴルディコヴァさんの同2着(124)が2ポンド分の超過体重、事後に発覚したものでも2018年メルボルンカップではクロスカウンターさんの同1着(117)に対して1馬身差負けのマルメロさんの同2着(117)*67が2ポンド分の超過体重で、これらはいずれもその差を反映して実質的に優勝着差分が埋め合わせられたものです
      ですから今回の場合、サウジカップ1着と0.01秒差の同2着の間には3ポンド差が付いてもおかしくありませんね……裁決室で決定したこの結果は現時点では公式の競走成績には反映されていないようですが、それも公式ハンデキャッパーさんを制約するものではないと思います -- 2024-02-28 (水) 17:19:18
  • 先んじてコメント/シリウスシンボリ(原作)の方に書きましたが、TimeformのRacehorses of 1986, p.971を見る限り、1986年シリウスさん(117、r114)のレーティングの距離区分に関しては、石川ワタルさんの『優駿』1987年2月号、164頁にある情報が間違っている(多分単なる誤植か誤記)、という可能性が高そうです……普通に区分Lということで117ポンドは同年フォワ賞2着による評価になるのだと思います -- 2024-03-07 (木) 17:11:30
  • 2023年全日本2歳優駿1着馬エバヤンさん(113)のサウジダービー1着、レーポス合同フリーハンデでは先のJpnⅠ圧勝の評価が高いだけに凡走扱いになっていますが、公式ではこちらにも113ポンドが付きましたね! もともと日本馬は馬齢重量制を超える「成長」を見せる傾向が強いですが、ジュニア級の113ポンドがあの差し切りで早くも再現されるのであれば、更なる適鞍とより良いレース運びで評価が上積みするのはほぼ確実といえるはずです! 0.02秒差の同2着馬ブッケムダンノさんは推定112ポンドで、この時期のケンタッキーダービー戦線ではこちらも有数のパフォーマンスを発揮した形になります! 2024年第1回中間発表は、概して北半球暦的にはまだ序幕という性質が濃い内容でしたが*68、このほかにも北米ダート勢では、斤量の件こそ問題にされなかったものの過去2年より高い評価のサウジカップ1着馬セニョールバスカドールさん(121)のほか、ナショナルトレジャーさん(121)*69、サウジクラウンさん(119)*70、ナイソスさん(117)*71など本国以上に国際的に認められた方々も目立ちました!
    ともあれ、エバヤンさんの日本24世代ダートチャンピオンとしての勢いは、あのデルマソトガケさん(120)との比較で2022年全日本2歳優駿1着(110)より3ポンド分上、2023年サウジダービー3着(106)より7ポンド分上なのですからとてつもないものです! ソトガケさんらが持つUAEダービー1着の最高パフォーマンス記録(120*72)は相手関係的な難しさもありますが、東半球調教馬のケンタッキーダービーにおける最高パフォーマンス記録(119以下*73)の更新は期待したいですね! -- 2024-03-15 (金) 20:09:51
    • ちょっと気になったのですがセニョールバスカドール(121)とウシュバテソーロ(120)が1ポンド差になってますがこれはミスで生まれた1kg斤量超過を考慮していないということなんでしょうか?考慮するんならセニョールバスカドールは実質的に123相当なんですかね? -- 2024-03-21 (木) 00:47:14
      • はい、超過体重分を2ポンドとして、ウシュバテソーロさん(122)のサウジカップ2着を変わらず120ポンドに据えるのであれば、セニョールバスカドールさんの評価はアタマ差勝ち(1)の分も含めて123ポンドということになり、実質的に言ってもニューマーケットハンデキャップ2着馬インペラトリスさん(119)と並ぶ立場になっていたはずです
        これは、ふつう1着と2着との間が「アタマ差+斤量差nポンド」で決着した場合、2022年サンタアニタハンデキャップ1着(116)と同2着(112)や、2023年東京新聞杯1着(115)と同2着(110)などの事例から確かめられるように、その優勝レーティング差が「n+1ポンド」と換算されることになるからですね*74
        まあ結局斤量の件は公式の競走結果には反映されない類のものでしたから、公式ハンデキャッパーさんも考慮するには及ばなかったといったところでしょうかね……私としてはなんだか惜しい気もしますが -- 2024-03-21 (木) 09:03:22
  • ドバイワールドカップデー四大G1競走の優勝レーティングが水曜までに各所属国の方で出そろったのでまとめておきます!(こう言っちゃなんですが日米の勝ちがなかったのでかなり早い方です) これらの数値が4月11日の世界ランキング第2回中間発表に向けた案の一つになります!
    過去最高」とも言われた同開催は全体的にオーギュストロダンさん(125)*75、ドウデュースさん(124)、エミリーアップジョンさん(121)、リバティアイランドさん(121)、ナシュワさん(120)など高プレレーティング馬の凡走が目立ちましたが、優勝馬はいずれも自己最高レーティングを獲得することになりました! 芝ではドバイターフのファクトゥールシュヴァルさんが120ポンド(54.5kg)、ドバイシーマクラシックのレベルスロマンスさんが124ポンドで、評価の基準はそれぞれ同2着のナミュールさん(115)およびシャフリヤールさん(121)になっていそうです!
    ダートで圧勝した地元馬お二方を見ると、ドバイゴールデンシャヒーンのタズさんが両芝G1と同じくプレレーティングから4ポンド上がって119ポンド、そして注目ドバイワールドカップのローレルリバーさんは12ポンド上がって127ポンドでした! どちらも過去5回分(2018~2023年)を全て上回る高評価であり、特に後者は同競走でG1初制覇を果たした際のパフォーマンスとしてムーンバラッドさんの2003年1着(126↓↓↓)およびモンテロッソさんの2012年1着(126↓)のチームゴドルフィンをともに1ポンド分上回る史上最高評価です!*76 昨2023年のイクイノックスさんの暫定129ポンドと違っていきなり世界ランキングの年間チャンピオンクラスの数値(128~140)には達しなかった点では様子見的ですし、下方修正が大いにあり得る雰囲気は不穏ですが、2020年代に入ってから逃げSな方々が次々に世界チャンピオンになっているのは彼に良い流れといえそうです!*77
    なお、UAEダービー2着のアウトバーンさんはドゥラエレーデさん(114)の2023年2着(112↑)と同等の112ポンドと結構高めが付いています! 優勝したエバヤンさんにしてみればここの上がり3ハロン(36秒6)が自己最速というスローペースで2馬身差を付けたにすぎず、もともと層(所謂'Strength in depth')の薄い相手関係にあって、本来のフォームは上がり勝負でかなり制約されるはずのものと思いますが、この2着以下の高評価でその優勝レーティングはそれなりにエバヤンさんの優秀性を反映することになりそうな感じがします! -- 2024-04-03 (水) 14:12:23
  • 第2回中間発表ですね! 賞金のサウジに対して格式のドバイという趣もある昨今ですが、2024年もドバイワールドカップ開催出走馬がサウジ勢を凌いでランキングを席巻することになりました!
    ドバイワールドカップ圧勝で「127~129」の範囲と見積もられていたローレルリバーさんは当初(4月2日~4月9日)の主催者発表127ポンドから上がって10日以降の128ポンドで発表、またレベルスロマンスさんは1ポンド減の123ポンドでの発表となっています! ファクトゥールシュヴァルさん(120)、タズさん(119)は事前の発表通りの評価ですね! ローレルリバーさん(128)はドバイ以上の適鞍がもうないかもですが、現役馬全体でビッグロックさん(127)を超え、前例に照らしても世界チャンピオン級(128~140)との評価がいちおう認められたわけですから、名門ジャドモントで延べ9頭目の世界一位は大いに狙える立場にあるはずです!*78 また、昨2023年のダートチャンピオン争いが暫く122ポンド程度という低水準で推移したことを踏まえると、この時点で天井が128ポンドの域まで引き上がった今のダート界は、誰にとっても高いレーティングを比較的獲得しやすい好環境になったと言えるのではないかと思います!
    シティーオブトロイさん(125)をはじめ多士済々のクラシック級は、そのダート馬場でフィアースネスさん(2歳時122)がベラミーロードさん(120)の2005年ウッドメモリアルステークスの「17馬身1/2」に次ぐ3歳ダービープレップGⅠ史上第2位の「13馬身1/2」という大差を開いてフロリダーダービーを圧勝し*79、120ポンドの高評価を得ています! 21世紀に入ってから、北米のジュニア級・クラシック級の両方でレーティング120ポンドの大台に乗った方はこれまでケンタッキーダービー馬2頭を含む6頭しかおらず*80、第150回ケンタッキーダービーでは我らがエバヤンさん・シエラレオーネさん従兄弟の高い壁になりそうです!
    興味深いのは、今回分にずれこんだエルダービーで同チームの無敗G2馬を6馬身1/4差で従え圧勝したチリの無敗三冠馬ケイアーミーさんが、2014/15年の不運な二冠馬イルカンピオーネさん(119)より2ポンド以上低い評価でランキング未掲載だった点です!*81 いずれにせよ世代限定戦偏重(G1競走の17/19が世代限定戦)によって特徴づけられるチリ国内においてこれ以上ない偉業ですから、これからはウルフさん、フォルティノさんの成し得ていない国外制圧を狙うことになりそうですね! -- 2024-04-12 (金) 00:30:20
    • ついでに世界ランキング水面下のJPNサラブレッドランキングでは、大阪杯がまたも国際的にダメ出しを食らい、同1着馬ベラジオオペラさん(117)ら上位の1ポンド上積み案が退けられておのおの昨2023年と同等の評価まででした! 「差の付かない」コースとして知られ、これでも4着ステラヴェローチェさんに115ポンドが付いているわけですから、レースレーティングの基準を満たすのに苦労する一般G1級競走達にとっては贅沢な悩みでもありますが……来年こそは意見を通したいところですね!
      UAEダービーでアウトバーンさん(112)に2馬身差を付けたフォーエバーヤングさんは116ポンドまで上がりました! 2023年全日本2歳優駿1着(113)の時点でこれくらい付けてくだち! という気持ちが多方面(相手関係*82、着差*83、競走格*84、他体系との比較*85等)からなくもないですが、とにかくこれでジャンタルマンタルさん(115)を上回り、とりあえず今週皐月賞までの暫定24世代日本調教馬チャンピオンの座に就きました! 世界全体の同世代ダート馬では2023年ブリーダーズカップジュベナイル1着馬フィアースネスさん(122)こそいますが、ブルーグラスステークス1着馬シエラレオーネさん(114)を抑えてケンタッキーダービー2番手という位置づけになっています!*86 -- 2024-04-12 (金) 19:27:59
  • ローレルリバーの127がそのまま通るどころか上方修正までされましたか…
    これで115から128へと一気に13もジャンプした訳ですけどここまでの急上昇初めてみますね…現行制度の中で類を見ない気がします
    あと基準馬どこらへんなんでしょうか、今年からスケールが変わったのと多少着差を圧縮してそうなのでどこが基準か分からんです -- 2024-04-12 (金) 01:15:56
    • 今年の国内ダート2000mは1馬身=1.25ポンドとなっています
      これがドバイでも適応されると考えると8.1/2馬身×1.25=10.625ポンドですから、ウシュバテソーロさんの東京大賞典1着(116)を基準におまけを1ポンド付けたと推定できます -- 2024-04-12 (金) 10:58:54
      • やっぱりウシュバの東大レーティングが基準になった感じなんですね、今年のダート2000の換算がよく分かんなかったのでイマイチ計算できませんでした。
        ただあんだけ買ったならボーナス3ポンドぐらい渡して130に乗っけても良かった気がしますね…流石に115から15ジャンプしての130はできないという判断ですかね -- 2024-04-12 (金) 11:51:17
      • 私は個人的にこのレースに基準といえるような出走馬のパフォーマンスがあるのかどうかあまり意識していませんでしたがどうなっているでしょうね……確かに両入着馬のお二方は6ポンド分凡走して2023年東京大賞典1着(116)と同年サンディエゴハンデキャップ1着(115)を再現という線は結構有力でしょうか? 4月以内にはJRAリニンサンの方で明らかになるでしょうからそこで答え合わせですね! -- 2024-04-12 (金) 19:50:34
    • 厳密にプレレーティングからの上昇度という点で言うと前途洋々なクラシック級達の例(例えばワークフォースさんは2010年英ダービーで108ポンド→128ポンド)が結構があるので難しいところですが、ローレルリバーさんはそれを6歳で堂々と成し遂げたのですから素晴らしいですね!*87 だいたいキャリアを積んで前後で色々負けていると、馬場やペースを味方に大駆けしてもサンダースノーさん(122)のようにおのずから高評価には限界がありますからね……
      その点で言うとまだ彼は力負けらしい敗戦が見当たりませんし、2022年パットオブライエンステークス1着(119)の後戦列を離れ、復帰後はG3競走を2戦してドバイワールドカップという異質なローテーションも、3歳時のエルちゃん*88のようにむしろその潜在能力を裏付けている面がありそうです! -- 2024-04-12 (金) 21:26:56
      • インヴァソールの105に関しては表記ミスかと、前年129で世界チャンピオンだったのですから129が正確な数字だと思います -- 2024-04-13 (土) 01:49:46
      • ↑それはそうです、勿論実際的な上昇度は0ポンドですね(ただいちおう公式記録なので紹介しました) -- 2024-04-13 (土) 07:36:02
  • 皐月賞のレーティングはシンエンペラーのホープフルでの113を取って120or119ジャスティンミラノ 118コスモキュランダ 117ジャンタルマンタル 114アーバンシック 113シンエンペラーですかね レコード0.7更新でハイレベル戦だと思えば勝ち馬に120をつける余地はあるように思えます -- 2024-04-15 (月) 13:21:28
    • そうですね……レベルの計りにくい世代限定戦ですから、実際は皐月賞史上最高評価(120)に値するフォームと後に見直されてもおかしくないですが、とりあえず僅差の決着ですし優勝レーティングはサトル(120)の2019年皐月賞1着あたりと同じ119ポンドが有力ですかね(スペ人気1位
      もちろん優勝着差の評価を2ポンドにすればシンエンペラーさん(113)を基準のままにジャスティンミラノさんに120ポンドを付けることも出来ますが……JRAレーティングで「クビ差に2ポンド」という率直な高評価が与えられるのは、主に優勝馬が2着を良い差し脚で交わした場合か*89、そうでなくとも終いに余裕があった場合がふつうでして*90、今回コスモキュランダさんに追われる形で作られたクビ差に対してJRAハンデキャッパーさんが2ポンド差を付けるかに関しては若干疑問です
      5月9日の世界ランキング第3回中間発表で、皐月賞連対のお二方が想定掲載下限値(119)と比較してどういう位置付けになるのか注目ですね! -- 2024-04-15 (月) 21:40:05
  • ドバイ遠征組のJRAリニンサンの更新が来ました!
    ドバイワールドカップでは1着馬ローレルリバーさん(128)から8馬身1/2差のウシュバテソーロさん(122)の同2着は116ポンド、さらにクビ差のセニョールバスカドールさん(121)の同3着は4馬身3/4差後方のウィルソンテソーロさん(115)の同4着(109)から考えると、1ポンド差が付いて115ポンドになりそうですね! 以下、初めてウィルソンさんと0ポンド差に持ち込んだドゥラエレーデさん(114)の同5着(109)等、破壊的圧勝にやられた2着以下は皆5ポンド以上の「凡走」です! また、2着組のドンフランキーさん(112)はタズさん(119)から6馬身1/2差のドバイゴールデンシャヒーン2着で103ポンドでした!
    レーティング予想でも重要な「着差→レーティング差」の換算率〔ポンド/馬身〕については、UAEダービーおよびドバイワールドカップは日本の同設定と同じく推定1.25ポンド/馬身になっています!*91 サウジダービーおよびサウジカップ(1.5ポンド/馬身)などの例とあわせて、最新式(2024年~)のダート馬場のレーティング差換算率がどうやら世界標準とされているらしいと分かってきましたね!*92 もっとも、その前提となる「タイム差→着差」の換算率〔馬身/秒〕は、今回のドバイワールカップデーを通じてかなり荒ぶっていたように世界的統一性が全くないので*93、このレーティング差換算率の統一も物理量のタイム差を基準に考えるとあくまで皮相的・形式的なものに過ぎない面はあります! -- 2024-04-18 (木) 22:12:23
  • IFHAの第2回中間発表で掲載されなかった無敗チリ三冠馬ケイアーミーさんですが、南米クラシフィケーションでは120Lとなっています
    3ポンド以上の隔たりがありますが今後どうなるでしょうか -- 2024-04-19 (金) 21:27:01
    • 特別移籍後の健闘も期待されるのに加えて、いかんせん南米のハンデキャッパーさんの立場が強くないので年末まで全ては流動的だと思いますが……*94 とりあえず世界ランキング第2回中間発表における「117ポンド以下」という国際的立場を忘れると、エルダービー1着直後のラテンアメリカ大賞の登録馬プレレーティング(118)から2ポンド分上方修正され、2023年ラテンアメリカ大賞1着馬ドウトールスレーニョさん(118)を超えた暫定レーティングを獲得ということになりますね!
      「本当の意味での世界ランキング」が成立した2012年以後、チリ調教馬で最高のイルカンピオーネさん(119)を上回り、南米調教馬全体でもブラジルのバルアバリさんならびにアルゼンチンのハイハッピーさんおよびプエルトエスコンディードさんと並んで歴代最高という聖域が120ポンドですから*95、チリ競馬のほぼ完全制覇に対するハンデキャッパーさんの高評価の意向がうかがえます! -- 2024-04-20 (土) 00:02:13
  • はえー、すっごい勉強になる -- 2024-04-20 (土) 12:33:26
  • アマンテビアンコさん110に対してラムジェットさん111はどうなんですかね…
    何とも言えない感じです -- 2024-05-02 (木) 12:26:44
    • 競走格付けに相応しい質(競争性)を確保すると共にちほー馬に比重を置くという大望を掲げるダート新体系の世代路線に対して公式ハンデキャッパーさんどどどどどーすんの という問題は私達の重要な焦点の一つでしたが、まあしょっぱなから中々面白い評価が出ましたね……
      新生ユニコーンステークスの1着馬ラムジェットさんの111ポンドは、4月のパフォーマンスにも関わらずカフェファラオさん(117)の2020年同1着(112↓)に次ぐ中央ダートの世代限定戦史上2位の高評価です!*96 それどころか同競走は2着以下のパフォーマンスや暫定レースレーティングまで羽田盃の上位互換になっていますから*97、東京ダービー行きの国際GⅢとして大いに買われていると言えそうですね!
      対して不良馬場の羽田盃組は、1着馬アマンテビアンコさんがプレレーティング首位のブルーサンさん(109)を一つ上回りミックファイアさん(114)の昨2023年1着(110)と同等で、ちほー最先着の同3着馬フロインフォッサルさんが雲取賞5着(推定96)を再現*98、というかなり置きに行った感じの暫定評価ですが、年末までにどれだけ印象を変えられるかに注目でしょうか! -- 2024-05-02 (木) 19:38:21
      • フロインフォッサルさんの雲取賞5着は上位4頭が57kgなのに対して56kgなので94だと思いますよ
        置きに行った感じなのはそうですね
        アマンテビアンコさん(110)>ブルーサンさん(109)>サントノーレさん(108)=アンモシエラさん104)というのは対戦成績から序列立てられてる感じですかね -- 2024-05-02 (木) 21:07:07
      • ↑別定重量完全に見落としてましたすみません! そうですね、特に京浜盃7馬身差勝ちのサントノーレさんはいかにも雲取賞の結果から抑えられているでしょうし……
        あとはトップクラスが良い勝ち方しても秋までは天井値がエバヤンさんの昨2023年全日本2歳優駿1着(113)、ミックファイアさんのジャパンダートダービー1着(114)辺りにあるといったところでしょうか もしいきなり東京ダービーで115ポンド以上が出たらすごいですけどね…… -- 2024-05-02 (木) 22:26:31

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*1 時期は『競馬ギネスブック』の情報に準拠。書いた私がそこらへんに詳しくないのでアレですが、どうやら1924年より前の2歳チャンピオンもいるにはいて、『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』によると、英2歳フリーハンデ1位馬のリスト自体は少なくとも1913年のザテトラークさんまで遡る歴史があるらしいです。
*2 時期は『競馬ギネスブック』の情報に準拠。『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』によると、英3歳フリーハンデ1位馬のリスト自体は少なくとも1928年のフェアウェーさんまで遡る歴史があるらしいです。例えば1949年の3歳チャンピオンはアバーナントさんではなくニンバスさんですから、確かに、当時は中距離に限った評価になっているようです。なお、『サラブレッド・オーナー&ブリーダー』2013年3月号のモリスさんは「1965年のイギリスには3歳フリーハンデすらなかった」と述べていますが、それは説明として不正確な可能性があり、前記『競馬』によると「1965年英3歳(中距離)フリーハンデ」ではしっかりとシーバードさんがチャンピオンになっています。
*3 『Encyclopaedia of flat racing』によると、1929年、1964年、1965年を除き、全ての年でチャンピオン馬が133ポンドの負担重量になっています。
*4 大体第2版と内容は同じです
*5 例えば、2010年ブリーダーズカップジュベナイル1着馬アンクルモーさんのNARCレーティングは123ポンドですが、フリーハンデでは128ポンドとなっています。アメリカンファラオさんに至ってはNARCだと2歳時は113.4ポンドの評価しかありません(NARCレーティングはブリーダーズカップジュベナイルの結果を非常に重視します)。ちなみに、アラジさんの130ポンドは、5馬身差を5ポンド差と評価したものらしいです(『優駿』1992年4月号)。
*6 タイムフォームの創設自体は48年ですが、47年も査定されました
*7 『優駿』2013年2月号、プロッサーさん
*8 なお、エクセレブレーションさんの生涯最高レーティング自体は、2011年クイーンエリザベス2世ステークス2着、2012年クイーンエリザベス2世ステークス1着を対象とする「133ポンド」です。つまり、シニア級の秋に道悪のストレートマイルをスイスイ進んでクラシック級から4ポンドの上積みが認められた公式レーティングの方とは異なり、タイムフォームレーティングの観点に基けばエクセレブレーションさんのパフォーマンスは3歳時と4歳時の両チャンピオンズデーで変化していないということになります。これは、4歳時のエクセレブレーションさん周辺  例えば2012年ドバイデューティフリー1着(TF126)やクイーンエリザベス2世ステークス2着(TF124)のシティスケープさんなど  がタイムフォームで特段低い評価になっているというわけでは決してなく、むしろフランケルさんとエクセレブレーションさんのお二方は3歳時のうちに公式レーティングと比較してより傑出したタイムフォームレーティングを得ていた、というのが実情に近いです。
*9 なお、これは公式発表の6馬身ではなく、写真に基づいた検証によって4馬身1/2差で評価されたものです。
*10 『タイムフォーム年鑑』2012年版、フランケルさんのエッセイより。同年鑑の傑作選『モダン・グレイツ』にも、これらの記述は収録されています。
*11 ちなみに、香港国際競走のパフォーマンスレーティングは『タイムフォーム年鑑』に収録されています。一方、日本の競走は2013年版の当時ですとジャパンカップしか収録されていなかったのが恒例でした。したがってオルフェーヴルさん(TF132)が勝った2013年有馬記念のレーティングがどんな感じなのかは年鑑にも載っておらず、インターネット版の定期購読をしない限り分かりません……購読料貸してください!
*12 例えば、タイムフォームと関わりの深い写真家クロフツさんは、著書『Best horses of the decade 2010-2019』でフランケルさんのレーティングについて「a rating of 147, which with the sad demise of the 'Racehorses' annuals in 2020, will never be bettered.」と述べています。まあ彼はガイヤースさんとかについては2020年のレーティングを引用していますし、それ以降のインターネット版レーティングを認めていないというわけではないのですが。
*13 いずれの内容も『タイムフォーム年鑑』2012年版、フランケルさんのエッセイにあるものです。
*14 生涯最高レーティングは2012年の147ポンド
*15 生涯最高レーティングは2022年の143ポンド
*16 生涯最高レーティングは2012年の128ポンド
*17 生涯最高レーテングは2018年の129ポンド
*18 にある情報ですが、グローバルランキング上では本記号が付記されておらずふつうに127ポンド扱いになっているので、もしかしたらここにおける例示としては不適切かもしれません。
*19 生涯最高レーティングは2012年の135ポンド
*20 重ね重ねになりますが『タイムフォーム年鑑』2012年版、フランケルさんのエッセイより。
*21 『タイムフォーム年鑑』2013年版
*22 たまに「135ポンド」と紹介される場合もありますが、『タイムフォーム年鑑』の評価は一貫して138+ポンドです。
*23 『優駿』2009年11月号
*24 1969年にはハビタットさん(TF134)ではなくレヴモスさん(TF133)が、1984年にはエルグランセニョールさん(TF136)ではなくプロヴィデオさん(TF112)が、1985年にはスリップアンカーさん(TF136)ではなくペブルスさん(TF135)が、2003年にはホークウイングさん(TF136)ではなくファルブラヴさん(TF133)が、2017年にはバターシュさんおよびクラックスマンさん(TF136)ではなくエネイブルさん(TF134)が、2018年にはクラックスマンさん(TF136)ではなくロアリングライオンさん(TF130)が、2019年にはバターシュさん(TF136)ではなくピナトゥボさん(TF134)が、それぞれ同年のタイムフォーム年度代表馬に選定されています。また、2008年のレイヴンズパスさん(TF133)も、ザルカヴァさん(TF133)の前に選外と終わっています。
*25 『日本の競馬 総合ハンドブック2010』にも言及があります。
*26 例えば、1990年ベルモントステークス1着のゴーアンドゴーさんのその年のレーティングは?です。ブリーダーズカップターフやジャパンカップなど芝の国際的な大レースは比較的格付け対象になっている方ですが、それでも初期は優勝馬のみを評価し、2着以下の成績を無視する傾向がありました。
*27 タイムフォームレーティングでは、ジャスタさんは131ポンド(日本2位・世界5位タイ)の評価になります
*28 公式レーティングでは、2017年のバターシュさんは123ポンド(英国6位・世界12位タイ)、2019年は126ポンド(英国3位・世界5位タイ)の評価になります
*29 公式レーティングでは彼の最高のパフォーマンスはセントジェームズパレスステークス1着(127↑)になっていますが、タイムフォームの同競走1着は英2000ギニー2着(TF125)も下回る124ポンドとかなり低くなっています。サセックスステークスの場合と同じく、同誌によれば、3着以下との着差から言って素のフォームにはあまり高い評価ができないとのことです。
*30 2014年以降はこの主題の記事シリーズ(https://www.timeform.com/horse-racing/features/global-rankings/)から
*31 タイムフォーム年間レーティングそのものの記録を見ると、1980年ストームバードさん、1978年トロモスさん、1974年グランディさん、1971年デイープダイヴァーさん、1970年マイスワローさん、1959年シングシングさん、1956年スキンドレスホテルさんらが2歳馬として134ポンドの評価を受けています。
*32 年間レーティングの対象年は1999 & 2000
*33 年間レーティングの対象年は1986
*34 年間レーティングの対象年は1947
*35 年間レーティングの対象年は1947 & 1949
*36 「もし競馬に絶対があるならそれはセルティックスウィングの春二冠」(大意、『タイムフォーム年鑑』1994年版)
*37 前売り馬券予想の話を別にして、純粋なタイムフォーム年間レーティングのパフォーマンスという見地からすると、1994年レーシングポストトロフィー1着(TF138)についてタイムフォーム誌は「一年間が経過した今、高過ぎるレーティングだったと論じることも可能だが、しかし、そうであるとしても、非常な過大評価であったとは言えない」(『タイムフォーム年鑑』1995年版)という立場を取っています。
*38 年間レーティングの対象年は1947
*39 フランス調教馬50選(シーバードさん(145)からカノさん(134)まで)では選外となっているのですが、凱旋門賞歴代優勝馬では上級(136~134)と評価されてるので、「20世紀フランスで第51位以下の134ポンド馬」と考えて良さそうです。
*40 公式レーティングとはkg換算でおおよそ5kgの差(1995年は5kgですが1996年は5.5kgほどずれているような…)がありました
*41 ジャパンC3着に対する評価です!
*42 国際的な格付けが意識され始めた結果、長らく身内用コンテンツだったハンデキャップの歴代値のなかではかなり大人しめの評価になりました。「惜しむらくはジャパンCに出走しなかったことだ」という指摘もされていますが流石にそれは酷なような…
*43 ちなみにみんな大好きマルゼンさんは61kgで3位タイになります。ハンデキャッパーさんたちは、大レースへの出走歴が無いために比較材料が非常に少ないことを認めながら、「秋後半の充実度を見るとプレストウコウの方を上にする必要がある」とする意見などを提示しています
*44 一応この方が歴代最高ハンデの2歳馬のはずなんですが、後代だとこの記録は無かったことにされてます。事実上はマルゼンさんが歴代最高の扱いです
*45 ただし、数値が同じなだけで、その年の各部門における他馬との序列などは異なっています(タイムフォーム年間レーティングの2019年の日本調教2歳馬の序列はレシステンシアさんが119ポンドで1位、サリオスさんが118pポンドで2位、そしてコントレイルさんが117pポンドで3位というものです)。
*46 実際には同年内にオーストラリアに移籍したブレイブスマッシュさんが120ポンドの評価で、合同フリーハンデ内では「外国調教馬」1位なのですが、本表だとちょっと浮いてしまっているので、ここでは代わりにアイダホさんを掲載しました。
*47 ただしこちらは歴代の施行回がデータベースとして登録されていない場合も多々ありますが
*48 具体的に言えば、少なくとも英チャンピオンズデーの結果までは必ず収録されるようになっています。実はフューチュリティトロフィーは間に合っていない場合が多いです。
*49 2018年にはブラストワンピースさん(RP123)、2019年にはリスグラシューさん(RP124)、2020年にはフィエールマンさん(RP125)がいました。
*50 現在のレーシングポスト電子版ではなぜか133ポンドになっていますが、当時(『優駿』1990年3月号)から現代(『レーシングポスト年鑑』2023年版)に至るまで、実際のレーティングは137ポンドとされる場合が多いです。
*51 なお、同誌はもとをたどれば2007年スウェーデンで創刊されたものなのですが、この巻号では2012年から始まった国際(英語)版のみを数えています。
*52 例えば、フランケルさんについても、2012年クイーンアンステークス1着の評価が自己最高の142ポンド(『ギャロップ・マガジン』#41)だとか、2012年英インターナショナルステークス1着が自己最高の138ポンドだとか、クイーンアンステークスが137ポンドだとか、異同がありまくりです。へへえ……
*53 印刷版を入手したいのであればeBay、Abebooks、Oxfam shopなどがオススメです(Oxfam shopは送料固定の分、一度の注文に3冊までが限度)。
*54 毎週日曜日の夜に次週のプレレーティングが、毎月第1土曜日に暫定ランキングがそれぞれ発表されます
*55 基本的に欧州パターン委員会所定のものに定数0.5kg/ポンド(≠0.454)を掛けたような馬齢重量スケールを運用しているJCSAリニンサンですが、このレッドシーハンデキャップに関しても、前例を見るに4歳馬のアローワンスは欧州と同じく「3ポンド」(1.5kg)として扱っているようです。
*56 +英愛仏調教(追記)
*57 スミスさん、ジーメンさん、『優駿』編集部などの証言を踏まえると、この場合の「under the current system」というのはおそらく『優駿』2023年3月号などと同様に「2004年にワールドサラブレッドランキングが創設されて以降」という但し書きのつもりとは予想できますが……2023年世界ランキングプレスリリースには「His rating of 135 is the highest mark a Japanese horse has ever received under the current system, besting the 134 that El Condor Pasa earned in 1999.」という「the current system」が20世紀まで遡るようにも取れる厄介な記述が出てきてまたややこしくなってきました……
*58 ちなみに、近年の4歳クラシック三冠戦のレーティングは、国際G1群と対照的にかなり低いものになっています。例えば、ゴールデンシックスティさんの各三冠戦は2020年香港クラシックマイル1着(112)、香港クラシックカップ1着(110)、香港ダービー1着(111)で、上方修正も特に行われていません(フォームガイドより)。以前はデザインズオンロームさんの2014年香港ダービー1着(117)、(事故があったとはいえ)ラッパードラゴンさんの2017年香港ダービー1着(119)など高い評価もよく出ていたのですが……
*59 「国内GⅠ2着以下」全体では、オルフェーヴルさんの2012年ジャパンカップ2着(125)が歴代最高、コントレイルさんの2020年ジャパンカップ2着(124)が歴代2位になります。なお、牝馬アローワンス(4)を加味すればブエナの2010年ジャパンカップ2着121)、リバティアイランドさんの2023年ジャパンカップ2着(121↑)がオルフェさんに並びます。
*60 JRAリニンサンが当初は121ポンドで発表、世界ランキング第1回中間発表では2013年天皇賞(秋)1着(123)と同等の123ポンドに上方修正。厳密には確定値不明です。
*61 世界全体ならシリュスデゼーグルさんの2012年ドラール賞1着(131)、実にG1未勝利のインティカブさんの1998年クイーンアンステークス1着(130)あたり、ワールドサラブレッドランキングの距離区分Lに限ればシリュスデゼーグルさんの2011年ドーヴィル大賞1着(128↑↑↑)、ハービンジャーさんの2010年ハードウィックステークス1着(126↑↑↑)あたりが代表例になると思います。なお、「国内GⅢ優勝」ならクロフネさんの2001年武蔵野ステークス1着(125)があるのでこちらのほうが高くなります。
*62 このタタソールズゴールドカップは昨年度のレーティングを再現する方が非常に多いレースで、例えば2011年・2012年ソーユーシンクさん(126)、2015年アルカジームさん(121)、2016年ファッシネイティングロックさん(123)、2019年マジカルさん(122)がここで昨年分のレーティングを再度得ています。2023年も暫定上では、ルクセンブルクさんが2022年愛チャンピオンステークス1着(123)、ベイブリッジさんが2022年ブリガディアジェラードステークス1着および英チャンピオンステークス1着(122)を再現して堅実めなフォームを作っていましたが、最終的には全体が1ポンド分下方修正されてしまった模様です。当初の評価ですとワンツーから6馬身離された同3着で2022年愛ダービー2着馬ピズバディールさん(110)が111ポンドに上がるように、日経賞と比べれば後続馬との着差が近くその評価に制約される面があったので、これも気にされたのかもしれません。
*63 『タイムフォーム年鑑』2011年版、1182頁の評。他にも区間タイム導入の提言を行っている人物です。
*64 例えば、従来の方式ですと24世代のレガレイラさん(113)はジュニア級12月では牝馬アローワンス(2)によってジャンタルマンタルさん(115)と実質的に同等、お二方がそろって皐月賞に出走したときはクラシック級の牝馬アローワンス(4)によって前者のプレレーティングが実質的に2ポンド上ということになります。一方、アローワンスを加算した表記法ですと、レガレイラさんはジュニア級のうちに115ポンドとなり、皐月賞でもジャンタルマンタルさんとプレレーティングが同等ということになります。ご指摘の通り、こういった事例は馬齢アローワンス関係では日常的に起こっているものではありますけどね……(例えば3月・2200m以上のJRA4歳アローワンスは2ポンドですから、イクイノックスさんがアローワンス1ポンドで走った2023年ドバイシーマクラシック1着(131↑↑)はJRAリニンサン視点ではさらに1ポンド上のものになりますね)。
*65 日本において、記録上の優勝着差よりもレーティング差が大きめに評価された例を見ていくと、2018年ジャパンカップの1馬身3/4差の6ポンド差、2010年ジャパンカップの1馬身3/4差の5ポンド差、2020年ジャパンカップの1馬身1/4差の4ポンド差のように、牡馬を撃破したうえで素のレーティングでも2着以下のパフォーマンスを下回らないと評価された決着がそれなりに挙がります。外国でも、例えば2009年ブリーダーズカップクラシックの1馬身差が6ポンド差という評価は、着差に厳しい感もある北米において牡馬同士での決着ではまず見られないのではないかと思います(このゼニヤッタさん(128)の評価はジオポンティさん(125)らとの「比較」で決定したものらしいです。『優駿』2009年2月号)。
*66 誤解のないように、この3kgが6ポンド、4kgが8ポンドになるような斤量差の単純換算は新しいものではなく以前からあるやつです。本来3kgは7ポンドに近いわけですが……
*67 ハンデキャップの規定はクロスカウンターさん51kg、マルメロさん55kgで、当時の馬齢重量では北半球産3歳馬の基準が55.5kg、5歳以上馬が59.5kgでしたから、この斤量差4kgは丁度タメという状態でした。
*68 第1回中間発表における暫定世界チャンピオンのレーティングが「121ポンド」なのは2016年と並び、また、117ポンド以上馬が「19頭」なのは2014年、2015年および2021年と並び、ともに中間発表制度が現在の形になった2014年以降における最小値でした。
*69 ペガサスワールドカップ1着のNARCレーティングは118.4ポンドでしたが、サウジカップ1着馬セニョールバスカドールさん(121)を封じたフォームが改めて高評価され、昨2023年ブリーダーズカップダートマイル2着(121)を再現した形になりました。
*70 中東遠征を控えて、NARCレーティングはルイジアナステークスの圧勝が114.8ポンド止まり、昨年2023年もペンシルベニアダービー1着(114)が最高の成績で、地元レーティングの数値そのものはサウジカップ招待圏外の位置にいましたが、サウジからNARCの評価を上回るプレレーティング116ポンドを与えられたことで参戦を叶えました。
*71 NARCレーティングは115.0ポンドでしたが、世界ランキング第1回中間発表ではその掲載下限となる117ポンドの評価を得て、ランキング掲載値としては24世代ダートチャンピオンの座に就きました。ただし、公式レーティング全体では昨2023年ブリーダーズカップジュベナイル1着馬フィアースネスさん(122)が上にいます。
*72 2007年アジアティックボーイさん、2008年オナーデビルさん、2023年デルマソトガケさん
*73 この記録に関しては断定できる材料がないのですが、チームカールバーグのボールドアレンジメントさん(2歳時120、3歳時119)の1986年2着(119未満、119はサセックスステークス4着)、チームウォーレンプレイスのエルティッシュさん(2歳・3歳時120)の1995年6着(*119、確定値は5着メッキーさんが119ポンドなので118程度?)のどちらかが最高記録を持っているのではないかと思います。ちなみに21世紀の記録は、実にマスターフェンサーさんの2019年7位6着(115)、次いでマスターオブハウンズさんの2011年5着(111)です。
*74 計算上ではnポンド差でも問題なさそうに見えますが、それだと「同着」扱いになってしまいます。レーティングにおける同着扱いというのは2020年高松宮記念などの例外を除いてほとんどありません。
*75 彼のドバイシーマクラシック12着は2023年英2000ギニー12着(76)、同年キングジョージ10着(0)に続く3度目の壊滅的凡走になるわけですが、IHRBリニンサンは最早知れたこととしているのか彼のレーティング引き下げを実施しませんでした。他方でルクセンブルクさん(123)は昨年香港カップ2着以来のサウジで1ポンド分、ドバイで2ポンド分引き下げられて目下120ポンドになっています。
*76 下方修正分(↓)について、モンテロッソさんの場合は暫定BHAレーティング127ポンドを基準点としました。世界ランキング中間発表*126ポンドを基準点とすれば修正分はそのまま0ポンドです。
*77 ちなみに2022年パットオブライエンステークス1着(119)以来戦列を離れ、叩き台として年明けのアルシンダガスプリント7着がある彼ですが、年間成績に所謂「掲示板外」を含みながら世界チャンピオンとなったのは2003年ホークウイングさん(133)が最後なので、ワールドサラブレッドランキング成立(2004年)以後で史上初という記録も地味に掛かります。
*78 ヨーロッパにおける(存命時の)殿下所有馬含む。過去8回は1986年ダンシングブレーヴさん(141、r138)、1988年ウォーニングさん(133、r132)、1993年ザフォニックさん(130)、2011年および2012年フランケルさん(3歳時136、4歳時140)、2016年および2017年アロゲートさん(134)、2019年エネイブルさん(128)
*79 ただし、タイム差の2秒28が着差13馬身1/2に換算されるのは、今のガルフストリームパークが6馬身/秒というどちらかといえば甘めの着差換算率を用いていることによるものなので、タイム差そのものにおいても他時代や他場における近い記録  例えばシニスターミニスターさん(115)の2006年ブルーグラスステークス「12馬身3/4」は、仮に着差換算率6馬身/秒なら約2秒1差ですが、同5.5馬身/秒なら約2秒3差のタイム差です  を上回っているのかに関しては判然としません。
*80 列挙すると、2002世代のリペントさん(IC2歳時※、3歳時120;NARC2歳時120.8、3歳時121)、07世代のストリートセンスさん(2歳時123、3歳時126) 、11世代のアンクルモーさん(2歳時123、3歳時121)、16世代のナイキストさん(2歳時120、3歳時123)およびソングバードさん(2歳時120、3歳時122)、17世代のレディオレリアさん(2歳時121、3歳時122)。なお、2歳時レーティングとはエクスペリメンタルフリーハンデではなくNARCレーティングのことです。

※ヨハネスブルグさんがIC126;NARC123.5ポンドなので、内部的にはNARCの120.8ポンドよりは上のはず

*81 国ごとのレベルを比較して、チリの「グループ2または3競走の優勝馬は、アメリカではアローワンス競走程度の馬である」(『グローバルレーシング』)と言われたりもしますが、南米競馬は2012年以降レースレーティングを導入して「レースの質的管理」(『優駿』2012年2月号)を行っているのですから、少なくともレーティング的には10戦10勝うち国際G1競走6勝(クルブイピコ四冠~チリ三冠)、合計着差50馬身3/4という突出度はもうちょっと尊重されてもいいと思いますけどね……
*82 全日本2歳優駿2着(99)のイーグルノワールさんはその前走で兵庫ジュニアグランプリ1着(107)、次走で雲取賞4着(102)。同3着(94)のサントノーレさんは次の2走で雲取賞3着(103)および京浜盃1着(108)。同4着(92)のナスティウェザーさんは次の2走で昇竜ステークス3着(102)およびバイオレットステークス4着(102)と上位はなかなかの実力馬揃いで、いずれの方にしても全日本2歳優駿におけるパフォーマンスレーティングがそれなりに凹んでしまっています。後者お二方は前走までの実績に乏しく、2023年当時はこの入着が生涯最高レーティングでしたが、結果的にはもっと高い評価を付けていても全く問題なかったわけですね……
*83 優勝レーティング差14ポンドは、着差の7馬身差がそのままに換算されたもので、最後の余力が全く考慮されていません(もっとも、こちらは最新式のレーティング差換算率1.5ポンド/馬身が適用されていれば最低保証が11ポンドになりますので時宜に恵まれた面もあるのですが)。
*84 同年の年間レースレーティング(101.50)は、これまで2020年(101.50)、2021年(104.75)、2022年(106.75)と上り調子だったところから大きく後退しており、直近3年のパターンレースレーティング(104.33)も昨年と同数値でスライドしています。勿論こうなると国際GⅠ化を目指す上で都合が悪いです。また、これから順調に国際GⅠ格を得るまでの全日本2歳優駿を想像すると、その過程において、エバヤンさんほどの圧勝でなくとも113ポンド程度の優勝レーティングが必要とされることになるでしょう(実際、朝日杯フューチュリティステークスの国際GⅠ格直前回(2009年)はローズキングダムさんで114ポンド、ホープフルステークスの同直前回(2016年)はレイデオロさんで114ポンドの評価です)。その点でも、前例としてのエバヤンさんのパフォーマンスはグラスちゃんの116ポンドのようにもっと高い位置にあっても良かったのではないかと思います。
*85 着差に厳格なレーティング体系である合同フリーハンデは、エバヤンさん(合117)に同年ジャンタルマンタルさん(合115)に2ポンド差を付けて堂々の2歳チャンピオンとしました。UAEダービー1着に対しても、全日本2歳優駿1着と同等の117ポンドを付けています。
*86 頓挫があったしかもチームバファート師のロバートB.ルイスステークス1着馬ナイソスさん(117)、距離短縮の2023年シャンペンステークス1着馬ティンバーレイクさん(114)あたりを除外して考えています。
*87 実は、ドバイワールドカップでは2007年のインヴァソールさん(129)のプレレーティングが105ポンドというバグじみた記録があるのですが、それを別にすると、プレレーティングが公開されている2002年以降でローレルリバーさんの「13ポンド上昇」は2018年のサンダースノーさんおよび2023年のウシュバテソーロさん(122)の「7ポンド上昇」を大きく上回る最大記録になります。
*88 エルちゃんの1998年ジャパンカップ1着(126)の高評価は、同年毎日王冠2着(117)から転戦して「3ハロンもの距離延長」にも関わらずジャパンカップを圧勝したその「潜在能力」が国際的に大きく支持されたことも一因としてあります(『優駿』1999年2月号)。
*89 JRAリニンサンのGⅠ競走レーティング(2005年~)で確定値が確認出来る限りでは、2005年優駿牝馬1着(110↑)と同2着(108↑)、2006年マイルチャンピオンシップ南部杯1着(113)と同2着(111)、2007年安田記念1着(121)と同2着(119)、2011年エリザベス女王杯1着(117)と同2着(115)、同年ジャパンカップ1着(120)と同2着(122)、2022年チャンピオンズカップ1着(118)と同2着(116↓)の六例が挙げられそうです。2005年より前では有名なオペラオーさんの2000年ジャパンカップ1着(122)と同2着(120)もここに該当する気がします。
*90 前者に挙げた例を除くと、やはりメジャーさんの2006年マイルチャンピオンシップ1着(121↑)と同2着(115↑)、2007年マイルチャンピオンシップ1着(120)と同2着(118)の二例が挙げられそうです。なお、一般的には優勝レーティング差が機械的に優勝着差を換算した分よりも大きくなるのは、どちらかといえば前者よりこちらの余裕という要素によるものですが(※)、僅差の場合は余裕ある勝ちぶりが必然的に少なくなって比較的前者の要素の存在感が強くなりますし、上がり等データで客観的かつ簡易に確認することも出来る前者の方を先にまとめることにしました。

BHAリニンサンでは、2017年のクラス6戦で優勝着差クビ差に対して実質11馬身相当の11ポンド差が付いたという極端な事例が紹介されています。

*91 とはいえ、UAEダービーのレーティング差換算率はチームジャパンが大差を形成した2023年も1.25ポンド/馬身だったので、別に今回変化があったわけではありません。
*92 ただし、ドバイゴールデンシャヒーンのレーティング差換算率は2.2ポンド/馬身くらいのようです。リヤドダートスプリントや東京スプリントのような日本競馬と同じ2.5ポンド/馬身と仮定すると、ドンフランキーさんの同2着(103)と2馬身後方のリメイクさん(115)の同4着(99)の時点で無理が出てきてしまいます。
*93 優勝馬と最下位馬の公式着差〔馬身〕および公式タイム差〔秒〕を用いて有効数字3桁で単純計算すると、ゴドルフィンマイルは5.19馬身/秒、ドバイワールドカップは5.49馬身/秒、UAEダービーは5.59馬身/秒、アルクオーツスプリントは6.18馬身/秒、ドバイゴールデンシャヒーンは6.19馬身/秒(!)、ドバイシーマクラシックは6.38馬身/秒、ドバイゴールドカップは6.65馬身/秒、ドバイターフは6.79馬身/秒(!)の換算率が採用されています。ドバイゴールデンシャヒーンに関しては、確かに今年の6.19馬身/秒×2.2ポンド/馬身の方が昨2023年(TPDより)の5.85馬身/秒×2.5ポンド/馬身の方よりもレーティング差が小さめになってはいますが……。二大ダートG1競走の圧勝の差は、ドバイゴールデンシャヒーンでは1秒06が6馬身1/2、ドバイワールドカップでは1秒55が8馬身1/2の換算でした。
*94 昨2023年のケイアーミーさんにしても、タイムラインを細かく追っていくと、11月の南米クラシフィケーション中間発表ではポージャデポトリージョス1着で117ポンド、12月のチリセントレジャーのプレレーティングでは116ポンドだったのに、世界ランキング確定版ではナシオナルリカルドリヨン大賞1着およびチリセントレジャー1着で115ポンド……という感じの変遷になっています。
*95 2020年ラテンアメリカ大賞(117↓↓↓)のテタゼさんも南米クラシフィケーション上では120ポンド
*96 ここで言う「中央ダートの世代限定戦」は、カトレアステークス、ヒヤシンスステークス、昇竜ステークス、伏竜ステークス、端午ステークス、青竜ステークス、鳳雛ステークス、バイオレットステークス、ユニコーンステークス、レパードステークスや、エルちゃんの1998年共同通信杯1着(108)など。この史上2位記録はアジアエクスプレスさん(113)の2014年レパードステークス1着(111)と同率。また、ユートピアさん(116)の2003年ユニコーンステークス1着(*112)は、確定レーティングが112ポンド未満なので、これも111ポンドかもしれません。
*97 この5月初週時点では、ユニコーンステークスは1着から順に111、108、106、104ポンドのパフォーマンスで、暫定レースレーティングは107.25ポンド。羽田盃は1着から順に110、104、96、95ポンドのパフォーマンスで、暫定レースレーティングは4着のハビレさんのヒヤシンスステークス3着(103)が効いて104.25ポンド。
*98 4着外なので雲取賞5着はあくまで参考値ではあるはずです。サントノーレさん(108)の昨2023年全日本2歳優駿3着(94)と併せてJpnⅠだけ随分とちほー勢のパフォーマンスが凹んでいますね……