WZ-111 model 5A

Last-modified: 2024-04-05 (金) 20:07:37

Tier 10 中国 重戦車 / 略称:WZ-111 5A

WZ-111_5A_0-min.PNG

 

WZ-111_5A_1-min.PNG

 

WZ-111_5A_2-min.PNG
全体的に重厚感のある車体。

3Dスタイル「ラストドラゴン」

WZ-111 5A TheLastDragon.jpeg

HD化以前(テスト時)

WZ111-5-1.jpg
↑初期装備の122 mm 60-122Tを装備した状態。

 

WZ111-5-2.jpg
↑130 mm 59-130Tを装備した状態。
 「この状態だとmodel1-4と何が違うの?」という疑問は持ってはいけない。何せ実際全く同じなので……

スペック (v1.10.0)

車体

耐久値2,200
車体装甲厚(mm)140/120/60
最高速度(前/後)(km/h)50/15
重量(t)50
実用出力重量比(hp/t)15
本体価格(Cr)6,100,000
修理費(Cr)?
超信地旋回不可
ロール突破型重戦車
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
130 mm 59-130TA5.36AP
HEAT
HE
250
340
65
490
490
640
2,6250.392.5930
930
930
401,118
4,800
978
3,090-7°/+23°
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
WZ-111 model 5A300/180/602640015,000
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
V-2-54SC750121,045
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
WZ-111 model 5A553610,000
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
A-220B75040
 

乗員

1Commander(Radio Operator)2Gunner3Driver4Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置Class1装填棒Class1砲垂直安定装置Class1改良型旋回機構Class1改良型照準器Class1追加グローサーClass1
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造Class1改良型装甲材Class1内張り装甲Heavy
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時6.44%0.99%
移動時3.25%0.50%
 

派生車両

派生元WZ-111 model 1-4(HT/198,000)
派生先-
 

開発ツリー

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130 mm 59-130TA
(初期/330,000)
WZ-111 model 5A
(初期/66,000)
A-220B
(初期/54,000)
V-2-54SC
(初期/25,000)
WZ-111 model 5A
(初期/61,350)
 

車両に関する変更履歴

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v0.8.3テスト段階で113へ置き換えとなり、新規実装中止
v0.9.19.1113と両立する形で新規実装

解説(v0.9.19.1)

  • 概要
    v0.9.19.1で追加されたTier10中国重戦車
    試作重戦車WZ-111の最終改良案である。
     
  • 火力
    俯角は-7°と他国と比べれば平均的だが、中国戦車としては優秀な数値である。緩い地形なら俯角を活かしたハルダウンも活用していこう。
    • 130 mm 59-130TA
      WZ-111 1-4の最終砲に似た名前の砲だが、各性能が強化されている。
      単発火力490という高めの数値でありながら、DPMも同格重戦車の中で上位であり、火力は高水準。
      似た砲を備えるObject 277と比較すると、発射速度で大きく勝る。
      総弾数が多めなのも地味な長所であり、弾切れや弾種配分に悩まされにくい。
       
  • 装甲
    画像による解説

    WZ-111_5A_armor.PNG
    ~厚表記以外の数値は、AP弾の標準化を加味した実質の防御力。
    装甲モデルはtanks.ggより

    WZ-111 1-4と全く同一の形状だが、装甲厚は厚くなっている。
    砲塔装甲は順当に強化されており、最大装甲厚300mmを誇る。防楯垂直部もおなじく300mmあり硬いが、中央部は330mmを超えるような高貫通弾には抜かれる可能性がある。
    キューポラも増厚されているが実質220~230mmほどであり、Tier9以上には難なく貫通される。
    車体正面は上部140mm、下部155mmに強化されている。上部楔形部は240~270mm相当、下部は220mm~240mm相当となるが、角度や弾種による擬似装甲厚の変異の幅はかなり大きい。
    一方操縦席ハッチだけは120mmから80mmに薄くなっている。APやAPCRであれば問題ないが、HEATに対しては弱点となる。
     
    Object 277と比較すると車体正面装甲では多少勝っているが、キューポラが大きく砲塔を貫通されやすい点で明確に劣っている。
     
  • 機動性
    接地抵抗がWZ-111 1-4からわずかに悪くなっているものの、出力重量比・旋回速度は大きく改善されている。
    113ほどではないが、重戦車としては良好な機動力を獲得している。
     
  • 総論
    WZ-111 model 1-4の純粋な強化版であり、前身を使いこなせていれば本車も問題なく扱えるだろう。
    様々な部分に改善が見られるが平地での撃ち合いでは相変わらず車体を容易に貫通されてしまう。しかし俯角の改善によって活用できる地形が増え、射撃の自由度も増した。なるべくハルダウンで車体を隠しつつ戦いたい。
    WZ-111 model 1-4と特性や各種性能はほぼ変化していないので、運用方法については特に変えなくてもよい。
    113同様、素早い前線構築から撃ち合い、火消し、裏取り、中戦車に追従など様々な場面に対応することができる。全体的に性能が高めながらもバランスの良い本車、Tier10までたどりついたのならぜひ乗りこなしてほしい。
     

史実

詳細

WZ-111_history1.jpeg
WZ-111重型坦克(ダブリューヅィー イーバイ イーシィーイー チョンシンタンク)は、中国で開発された試作重戦車である。

 

WZ-111は合計5回の細かな改良が重ねられたと言われており、本ゲームでは最初期型が無印のWZ-111、改良案のmodel 1-4、最終改良案のmodel 5Aに分けられている。
もっとも中国の軍事アーカイブは秘匿されている部分がかなり多く、具体的にそれぞれの案にどういった違いがあったのかは詳細不明である。

 

開発
1950年代初期、中国はソ連から輸入したIS-2型重型坦克を運用していた。
IS-2の修理に豊富な経験を持つ工場の中には、IS-2をベースに楔型装甲を採用した独自の試作車両を製作した所もあったようだ。
ただ、当時は主砲や駆動装置の研究が進んでいなかった事もあり、新型重戦車開発は先送りとなっていた。

 

1958年頃、PLA(People's Liberation Army=人民解放軍)は59式中型坦克(WZ-120)の生産が軌道に乗り始めると、老朽化が進んでいたIS-2の代替計画を開始した。
新型重戦車は、ソ連のT-10と互角以上の性能を有する事が目標とされ、111型重型坦克(model 111)と112型重型坦克(model 112)が提案された。
111型は楔型装甲、112型は通常の傾斜装甲を導入する計画案だったが、PLAは111型の開発を決定し、WZ-111と改称された。
開発目標から推定すると、T-10に近い形状の111型が好まれたのだと思われる。
WZ-111_history2.jpg

 

なお、113型重型坦克(model 113)は112型の改良案であり、PLAが開発を検討した最後の重戦車とされている。
WZ-111とは開発系統の異なる車両であり、WoTのフォーラムでも
110→112(通常ツリー版)→113
110→WZ-111 1-4→5A
と中国の高Tier重戦車を分割すべきという意見もある。

 

性能

  • 攻撃面
    主砲には122 mm Y-174が搭載予定とされており、 これは60式122mm野砲を戦車砲化したもの、つまり122 mm 60-122Tではないかと考えられている。
    油圧式スタビライザー、電子測距装置、暗視装置、自動装填装置の搭載も行われていたらしい。
    ただし、車体と別に製作された砲塔は写真も現物も残っておらず、試作車両用の主砲とその性能は不明である。
    本ゲームでは架空と思われる130 mm 59-130T、つまり59式130mm野砲を戦車砲化したものを搭載している。
    ただし、5回の改良過程で主砲が変遷していった可能性もあり、一概に架空とは言えない。
    130_mm_type_59_history.jpg
    ↑59-I式 130mm野砲
     
  • 防御面
    車体正面は楔型装甲であり、正面下部は130mmほどで垂直に近い。
    また、不完全ながらNBC保護と地雷探知機が搭載されたと言われている。
     
  • 機動性
    V-54エンジンによる750馬力の高出力と46トンという重量の組合せにより、59式中型坦克よりも優れた機動性を発揮できる予定だった。
    ただし、試作車両では開発の遅れから520馬力のエンジンを搭載していたようだ。
    このWZ-111用に開発が進められたエンジンは、後発の主力戦車用エンジンのベースとなった。
    なお、WZ-111は中国戦車で初めて車両の制御に油圧を用いた戦車とされている。
    WZ-111_history3.jpg
     

試作
1960年10月19日、国防科工委員会によって開発が決定され、装甲兵技术部の改訂を加えて1960年12月24日から開発と研究が始まった。
1963年5月、国防科工委員会による再改訂が行われ、最終計画は1964年6月10日に装甲兵工程学院で作成された。
1965年、砲塔の無い車体のみの試作車両が製作された。
その後、同年に砲塔と主砲が試作されたが何かしらの不具合があったのか、車体に取り付けられる事はなかった。

 

その後
WZ-111の開発計画は、技術的な問題や主力戦車の開発に加え、重戦車という存在自体の陳腐化に伴い中止された。
現在、ダミー砲塔を搭載した試作車両が北京の軍事博物館に展示されている。
ほぼ同期の121型中型坦克WZ-132軽型坦克の試作車両が核実験で破壊された*1と言われている中、生き残れたWZ-111重型坦克は貴重な存在と言える。
おそらく砲塔の搭載されていない未完成の戦車だったがゆえに核実験には使われず、誰かしらが大切に保管した事で今日まで残存したのだろう。
WZ-111_history4.JPG

 

参考1 参考2 参考3

 

情報提供

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使用感や装備など、アーカイブスペック解説に表記されています。

アーカイブ1

※実装または車両性能変更アップデートから3か月以上経過した車両であるため、管理人の提案に基づき新規コメント欄を非表示にします。本車両について語りたい方は外部掲示板を利用してください。


*1 核の爆風を戦車が受けた際、どのような被害が発生するのかを試験する為だと思われる