Tier10 ソ連 重戦車 (読み方:イーエス・スェーミ) 
↑ IS-7 + 130 mm S-70
試作重戦車IS-7の史実装備。
実に考えぬかれたスタイリッシュな砲塔と車体が印象的であり、非常に高い防御力を発揮する。
スペック(v1.10.0) 
車体
耐久値 | 2,400 |
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車体装甲厚(mm) | 150/150/100 |
最高速度(前/後)(km/h) | 59.6/15 |
初期重量(t) | 68.19 |
実用出力重量比(hp/t) | 17.6 |
本体価格(Cr) | 6,100,000 |
修理費(Cr) | 約28,000 |
超信地旋回 | 不可 |
ロール | 突破型重戦車 |
武装
名称 | 発射速度(rpm) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | AP弾DPM | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
130 mm S-70 | 4.38 | AP APCR HE | 250 303 68 | 490 490 640 | 2,146 | 0.4 | 2.9 | 900 1,125 900 | 30 | 1,118 4,800 978 | 2,980 | -6°/+18° |
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砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
IS-7 | 240/185/94 | 25 | 400 | 14,200 |
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エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率 | 重量(kg) |
M-50TI | 1,200 | 15 | 700 |
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履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
IS-7 | 70.95 | 28 | 11,000 |
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無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
10RK-26 | 720 | 160 |
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乗員
1 | Commander | 2 | Gunner | 3 | Driver | 4 | Loader | 5 | Loader(Radio Operator) |
---|
拡張パーツ
![]() | Class1 | ![]() | Class1 | ![]() | Class1 | ![]() | Class1 | ![]() | Class1 | ![]() | Class1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | × | ![]() | × | ![]() | Class1 | ![]() | Class1 | ![]() | Heavy |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
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静止時 | 6.61% | 1.01% |
移動時 | 3.31% | 0.51% |
派生車両
派生元 | Object 257(HT/191,500) |
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派生先 | なし |
開発ツリー
130 mm S-70 (初期/297,000) | |
IS-7 (初期/66,000) | |
10RK-26 (初期/51,600) | |
M-50TI (初期/132,000) | |
IS-7 (初期/82,500) |
車両に関する変更履歴
v0.9.3 | HDモデル化 |
v0.9.20 | 耐久値を2,150から2,400に変更 履帯の照準拡散因数を0.19/0.19から0.16/0.16に変更 130 mm S-70の照準時間を3.1秒から2.9秒に変更 130 mm S-70の照準拡散因数を0.08/4/2から0.06/4/2に変更 M-50Tエンジンを削除 M-50TIエンジンを追加 |
v0.9.22 | 派生元車輌をT-10からObject 257に変更 |
解説 
- 概要
Tier10のソ連重戦車。
1940年代後期、レニングラード・キーロフ工場で開発された有名な試作重戦車である。
前身のObject 257から全体的に強化されているが、中でも装甲面の強化が著しい。
- 火力
俯角は-6°とソ連戦車らしい微妙さだが、砲塔の堅さを活かす為にハルダウンできる地形を積極的に探していこう。
また、従来のISシリーズに比べ、砲塔の位置が中央寄りに移動している点に注意しよう。- 130 mm S-70
IS-7の史実砲。
単発火力は490と優秀だが、発射速度は遅く設定されている。
通常弾のAPは貫通力250mm、課金弾のAPCRは貫通力303mmと、課金弾の貫通力はObject 257から減少している。課金弾の303mmはMausなどの極端な重装甲の相手をするには力不足を感じるかもしれない。
照準拡散は優れているものの、Tier10重戦車中最低クラスの精度・照準時間という欠点があり、金弾の貫通力の頼りなさも相俟って不安の残る性能である。
- 130 mm S-70
- 装甲
Object 257から全体的に重装甲化している。耐久値も2,400とそれなりの値にまで強化された。- 砲塔
ゲーム中で最も堅牢な装甲の一つであり、防楯は350mm厚、周辺部は270~240mmの曲面装甲となっている。HD化に伴って弱点の多くが強化されたため、ハルダウンをしているIS-7は大口径榴弾以外には無敵といって差し支えない。
キューポラ部分の天板は30mmと弱点ではあるが、キューポラ自体が凹んだ形状をしているため水平からでは見えず、上方からの撃ち下ろしでなければ命中さえしない。ただ凹んでる関係上その後ろに狭い垂直装甲があるので絶対安全というわけではない。
真横から撃たれた場合でも前半分はまず抜けず、比較的薄い後ろ半分も実装甲厚220mm以上の防御力がある。
唯一背面だけは94mmと薄いため、前後から挟み撃ちにされないよう注意。 - 車体
同格のソ連重戦車IS-4よりも正面装甲の安定性で勝っている。
上部はISシリーズらしく避弾経始が優秀であり、真正面からならTier10の金弾でも貫通が高めのものでなければ抜けない。
同条件の正面下部は150mm+傾斜50°=約230mm弱と弱点である。
昼飯で下部を増厚できるが、楔型装甲ゆえに今度は上部が弱体化してしまう。
ただし履帯のすぐ上には100mmの非常に急角度な傾斜装甲+30mmの空間装甲があり、思わぬところで命を拾う事が少なくない。*1
- 砲塔
- 機動性
重装甲の重戦車としてはかなり良好で一部の中戦車よりも速いため、前線で主力を形成するのに十分な性能を誇る。旋回速度も前身よりは落ちたが、それでも重戦車としては悪くない。
v0.9.20にてエンジンが置き換えられ、馬力が150上昇した。
ただし履帯の抵抗が悪いためスペック数値ほどには速くない。
最高速度60km/hが出るのは下り坂くらいで、実用上の最高速度は40~45km/h程度である。
- 総論
本車はTier10重戦車に於いて、防御面と機動面で優れるが、攻撃面ではあまり目立った長所は少ない。
その点から、下位戦車や足の遅い中戦車には強いが、同格重戦車に対しては力押しを挑むべきではない。
機動力を活用して、自分に有利な戦闘を相手に押し付ける事を意識しよう。
常に相手の車輌特性や狙いを念頭に置いて、相手のペースに乗せられない様にしたい。
史実 
製造されたソ連重戦車の中では最重の車輛であり、スターリン重戦車の頂点かつ戦後初期において最も革新的な重戦車であった。
・開発経緯
レニングラード工場のObject 200系をIS-1~IS-7まで順番に並べると以下のようになる。
試作名称 | 正式名称 | 備考 |
Object 237 | IS-1/IS-85 | 量産型。85 mm D5T搭載型。少数量産のみ。 |
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Object 238 | KV-85G | 試作のみ。85 mm S-31搭載型KV-1S。 |
Object 239 | KV-85 | 量産型。IS-85砲塔および85 mm D5T搭載型KV-1S。急造型なので少数量産のみ。 |
Object 240 | IS-2/IS-122 | 量産型。122 mm D-25T搭載型。一般的なスターリン重戦車。 |
Object 241 | ISU-152 | 量産型。SU-152(Object 236)の後継であり、152 mm ML-20搭載型自走砲。 |
Object 242 | ISU-122 | 量産型。152 mm ML-20Sの不足から開発された、122 mm A-19(のちにD-25T)搭載型自走砲。 |
Object 243 | ISU-122BM/ISU-122-1 | 試作のみ。122 mm BL-9搭載型自走砲。 |
Object 244 | IS-3 | 試作のみ。85 mm D5T-85BM搭載型IS-1。 ※ 一般的なIS-3(Object 703)とは別物。 |
Object 245 | IS-4/IS-100 | 試作のみ。100 mm D-10T搭載型IS-2。 ※ 一般的なIS-4(Object 701 1-6)とは別物。 |
Object 246 | ISU-152-1 | 試作のみ。152 mm BL-8搭載型自走砲。 |
Object 247 | ISU-152-2 | 試作のみ。152 mm BL-10搭載型自走砲。 |
Object 248 | IS-5 | 試作のみ。100 mm S-34搭載型IS-2。 ※ 一般的なIS-5(Object 730)=のちのT-10とは別物。 |
Object 249 | ISU-122S/ISU-122-2 | 量産型。122 mm D-25S搭載型自走砲。 |
Object 250 | ISU-130 | 試作のみ。130 mm S-26搭載型自走砲。 |
Object 251 | ISU-122-3 | 試作のみ。122 mm S-26-1(130 mm S-26の減口径版)搭載型自走砲。 |
Object 252 | IS-6 | 試作のみ。機械駆動式であり、改良案にObject 252Uがある。 |
Object 253 | IS-6 | 試作のみ。電気駆動式であり、爆発事故で全損。 |
Object 254 | 不明。 | |
Object 255 | 不明。 | |
Object 256 | 不明。 | |
Object 257 | 図面のみ。 | |
Object 258 | 不明。 一説によるとObject 257の(電気式・機械式といった)モジュール違いの派生型とも。 | |
Object 259 | ||
Object 260 | IS-7 | 少数試作のみ。本項にて解説。 |
元々IS-7の開発は、1944年末に試作されていたIS-6(Object 252/253)に端を発する。
IS-6は電気駆動式版のObject 253が爆発事故を起こしたり、IS-3と比べて長所が無かった等の理由から不採用となった。
その拡大発展型としてObject 252Uを経たObject 257が計画され、Tiger IIやFerdinandの71口径8,8 cm戦車砲に耐えうる装甲、それらを撃破し得る122 mm BL-13を基本要件としていた。
しかし、1945年春に東部戦線にてJagdtigerやMausといった怪物的な戦車が鹵獲されると、それらに対抗・凌駕し得る新型重戦車の開発が必要という考えに至った。
・設計・試作
この新型重戦車の設計を担当したのは、KV-1・KV-1S・KV-4・KV-85・IS-1・IS-2などの名立たるソ連重戦車に携わってきたニコライ・フョードロヴィチ・シェシムリン技師(1910~1996)であった。なお、本ゲームに登場するIS-Mも彼のデザインの一つである。
↑シェシムリン技師と同技師デザインのKV-4・IS-M
1945年12月、Object 257を大幅に改設計・拡大発展させる形でObject 260が設計された。その設計図に基づいて、第100戦車試作工場では木製の実物大のモックアップを作成した。
1946年に試作1号車が完成し、1947~48年に試験されて試作車は6~7輌が製造された。130 mm S-70と最大300mmの装甲厚を持つ最終デザインにはIS-7(ИС-7)の名が与えられた。
↑Object 260の図面とモックアップ
・性能
- 攻撃面
主砲にはソ連海軍の艦砲130 mm S-26(130 mm B-13の改良型)を検討されたが、最終的に試作艦砲130 mm S-69をベースにした54口径130 mm S-70が採用された。
ベースのS-69の砲口にインジェクターを装備し、有毒ガスが車内へ逆流しないように改良されており、分離装薬式の砲弾は上述の艦砲130 mm B-13と互換性があった。
この主砲は2000mの距離で傾斜30°の166mmの装甲を撃ち抜いたとされているが、後述の通り自身の装甲を撃ち抜く事はできなかったと言われている。
↑車輛自体に全く見劣りしない長砲身。
当然ながらこの装置には欠点もあり、発砲と共に主砲を通常の位置へ1回1回戻す必要があった。
副武装として8つの機銃が装備されており、主砲との同軸機銃として14.5 mm重機関銃、左右に7.62 mm機関銃が装備されていた。Object 260の初期段階では砲塔後部に外装式の限定旋回銃塔が設けられていたが、のちに撤去され、一般的なIS-7では砲塔後部左右に7.62 mm機銃が2つのみ装備された。
↑主砲と装填補助装置。 - 防御面
IS-7は、ドイツのJagdtigerの12,8 cm Pak 44に耐える事を前提に設計されていた。
砲塔はソ連戦車伝統の鋳造構成で、椀を伏せたように滑らかな外形をしている。これは最大で350mmほどにも達し、傾斜の緩い部位でも240~250mm相当の防御力があった。ハルダウン中であればJagdtigerの12,8 cm Pak 44ではほぼ貫通不可能であり、自身の130 mm S-70でもそれは同様だった。
車体も最大装甲厚は300mmであった。車体正面の楔型装甲は150mmの60°傾斜が施されており、正面下部は100~120mmと僅かな傾斜角であった。側面装甲も150mmあり、さらに側面下部は湾曲した100mmの傾斜装甲が採用されていた。
ソ連お得意の犬を乗せた試験においても、犬は無傷であったと言われている。
↑側面から見たIS-7および断面図 - 機動性
68トンという大重量の割に最高速度60km/hを誇った。
足回りは7組の大型転輪とシングルピンで連結される幅広の履帯で構成され、転輪はドイツ戦車が大戦後期に採用したものを参考にした緩衝用ゴム内蔵式のものとなっている。これをトーションバーサスペンションで懸架した。
トランスミッションは車体最後部に配置され、同時期に開発が始まっていたObject 730用のテストも兼ねて6速ギアと8速ギアが比較試験された。
1050馬力のM-50Tディーゼルエンジン*2と、エンジンから油圧によりサーボされる変速・操行システムによって操縦は容易であった。
↑試験中のIS-7。
・その後
試験されたIS-7は走攻守ともにハイレベルな性能を実現していたものの、大重量ゆえに運用上の制約があった。
約70トンの重量は足回りへの負担が非常に大きく、転輪がたった1・2組破損すると移動不能になってしまった。
加えて試験中にエンジン火災の事故を起こし、2つの消火器で即座に消火活動を行ったものの、火を消し切れずに試作車1輌は放棄・全損してしまった。これは軽量プラスチック製のキャンバス燃料タンクが原因だとされている。
これらの欠点から重量を50トン程度に軽減するよう、設計の見直しが命じられたが、これを達成できずIS-7は不採用となった。
Object 261やObject 263などのIS-7の車体を用いた試作自走砲も検討されたが、IS-7の不採用に伴ってモックアップの域を出る事は無かった。
現在、クビンカ戦車博物館にて試作車輌の一つがヒッソリと余生を過ごしている。
↑現存するIS-7。隣にはIS-4の姿も。
実車解説動画
Inside the Chieftain's Hatch: IS-7 Part 1
Inside the Chieftain's Hatch: IS-7 Part 2
情報提供 
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