義賊

Last-modified: 2024-04-17 (水) 12:28:41
収録拡張コストカード種別効果(※日本語訳はDominion Onlineより)
異郷(初版)4アクション-アタック+1 コイン
他のプレイヤーは全員、山札の上から2枚を公開し、そのうちあなたの選んだ銀貨1枚か金貨1枚を廃棄し、残りを捨て札にし、財宝カードを公開しなかった場合、銅貨1枚を獲得する。
あなたはこの効果で廃棄されたカードをすべて獲得する。
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これを購入するとき、上記の攻撃を行う。
ACTION-ATTACK+1 Coin.
Each other player reveals the top 2 cards of their deck, trashes a revealed Silver or Gold you choose, discards the rest,
and gains a Copper if they didn't reveal a Treasure.
You gain the trashed cards.
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When you buy this, do its attack.
 英語版と日本語版の差異について
このカードは2020年のルール変更とエラッタでカードテキストが変更されており、2021年現在は英語版と日本語版とでカードテキストが異なります。
ただしカードの効果自体は変わっておらず、プレイには影響しません。
(日本語版のカードテキストについては余談を参照してください。)
 削除されたカード
このカードは初版のみに収録されており、第二版には収録されていません。


概要

相手のデッキトップ2枚に銀貨金貨があれば盗み、何も財宝が無ければ銅貨を押し付けるアタックカード。
泥棒と比べると、良くも悪くも銀貨と金貨に限って奪うのが特徴。相手の銅貨圧縮を手助けこそしないものの、特殊財宝は奪えない。
財宝を奪う手段としては、購入時効果でもアタック効果を発揮できる点で即効性が高く、ゲーム展開が財宝の奪い合いに発展する可能性もある。
通常通り使用してもアタック効果と別に1金を生むため、財宝カードと合わせて最低限の働きは期待できる。

利用法

  • 相手の銀貨や金貨を上手く盗めるように狙う。
    • 他プレイヤー全員から奪うチャンスがあるので、多人数戦であるほど価値が上がるカードだと言える。
    • 念視の泉神託などで、相手のデッキをあらかじめ確認しておくことで、銀貨・金貨を奪う確率を上げるのも良い。
      • 購入時効果でのアタックであれば、ターミナルアクションでもアクション数を増やす必要がなく、コンボを決めるのに手札に揃える必要もないので、狙いやすい。
      • 同じセットに収録されている大使館は獲得時効果で銀貨を配るので、組み合わせるのも面白い。
      • 家宝の幸運のコインを用いるゲームでは、全員初手から銀貨を獲得する関係上、義賊はかなり強力となる。
    • とにかく購入と使用回数を稼ぎ、「数打ちゃ当たる」戦法とすることも有るだろう。
      • ターミナルアクションだが、資本主義があるとアクション数を気にしなくて良くなる。ただし、相手のデッキの仮想コイン発生アクションが財宝と扱われることで、銅貨撒きアタックに失敗する可能性が高くなるため、一長一短である。
      • ターミナルアクションである義賊をデッキに入れすぎないようにするために、購入時効果を利用後、獲得する義賊を取り替え子に交換するか、交易人で銀貨と交換する、という手もあるだろう。
      • 4番手だったり、初手で相手にスタートダッシュを決められた場合などは逆転の芽としてあるだろう。
  • 早く動くと警戒されて銀貨・金貨が盗みにくくなる&購入時効果でアタックできる特性から、「他プレイヤーが銀貨・金貨を獲得後に後追いで義賊を買う」という動きが現実的か。
    • ただし、全員が「後追い」を狙っていてはにらみ合いになるし、そもそも「義賊が銀貨・金貨を盗んだのを見てから、更に後追いで義賊を買う」という戦法も成立することになるので、難しい。
    • 同じセットに収録されているよろずやを用いた「よろずやステロ」は強力な戦法の一つだが、デッキを圧縮し銀貨の金量で勝つデッキはまさに後追い義賊の獲物である。この戦法は同じサプライに義賊があるだけで大きく抑制されると言える。
  • また、「デッキの上から2枚のカードを公開し、捨てる」という効果自体がシャッフルタイミングをズラすことに使えるのもいやらしい。
    • 先手プレイヤーが無警戒に初手を銀貨+ドローアクションとすると、後手プレイヤーが「銀貨盗み+シャッフルタイミングズラし狙い」で2ターン目から義賊を購入する可能性がある。

対策法

  • 後述の通り、購入時効果でのアタックを直接的に防ぐ手段は無い。
    • 望楼は、「銅貨撒きアタックの防御」と「獲得した銀貨・金貨を次ターン手札とすることによる防御」が備わっていると言えるので、そこそこ有効な対策と言える。
    • 使用された際に物乞いでリアクションすると、デッキトップに獲得した銀貨を必ず公開することになる。結果的に金貨を守る可能性はあるだろうが、あまり有効な対策とは言えない。
  • 義賊を用いるゲームでは、銀貨・金貨の購入・獲得自体が控えるのが最も簡単な対策と言える。
    • 禁制品略奪品などの金貨の代替ができる財宝カード(財宝カードが多いと、銅貨撒きも防げるので一石二鳥)や、アクションによる仮想コインに頼りがちとなる。
      • 義賊は白金貨を盗めないので、植民地場ではどうにかして白金貨を獲得するのが義賊への一番の対策となると言える。
      • 同じセットに収録されている埋蔵金は、「獲得時に銅貨2枚が付いてくるが、どうせこれが無ければ義賊の銅貨撒きで同じくらい銅貨を得てしまう」と考えることもできるため、金貨の代替品として採用されがち。
  • 銅貨を圧縮すると、その分義賊による銅貨撒きアタックを食らいやすくなるので注意。
    • 銅貨撒きより速い速度でデッキを圧縮すれば気にならない。
    • ドゥカート金貨であれば、デッキ内の財宝カード枚数は減らないのであまり気にならない。
    • 金貸し香辛料商人プーカなど、撒かれた銅貨を有効利用できる圧縮カードは、後半まで腐りにくくなるため、むしろありがたい。これらのカードは仮想コイン発生アクションでもあるので、一種のアンチカードと言える。
  • 銀貨・金貨なしで属州の8金出力を狙うのは諦め、特殊勝利点戦法を採る対策もある。
    • 特に庭園戦法であれば、銅貨撒きはむしろ追い風となるので、有効な対策と言える。
    • なお、封土が有力であれば自らも義賊を使って奪い合いに参加しなければならないことはある。

詳細なルール

使用時効果について

  • 義賊使用時の厳密な処理は以下の通り。

    【例1】ターンプレイヤー(以下プレイヤーA)が義賊を使用した

    1. プレイヤーAは、1コインを得る。
    2. プレイヤーAの左隣のプレイヤー(以下プレイヤーB)は、プレイヤーBのデッキからカードを2枚公開する。
    3. プレイヤーAは、公開カードの中に銀貨か金貨があれば、そのうち1枚を選ぶ。プレイヤーBは選ばれたカードを廃棄する。
    4. プレイヤーBは、公開カード(のうち、3で廃棄されなかったもの)を捨て札にする。
    5. プレイヤーBは、公開カードの中に財宝が無ければ、銅貨を獲得する。
    6. 以降、ターン順に他のプレイヤー全員が2~5を行う。
    7. 他のプレイヤー全員の処理が終わったら、プレイヤーAは3で廃棄された財宝を全て獲得する。
  • 上記例の2.で、プレイヤーBのデッキと捨て札が空でありカードを1枚も公開できなかった場合は、「公開カードの中に財宝は無かった」と判断されるため、5.の処理が発生する。
  • 上記例の「3.の銀貨・金貨廃棄」と「4.の公開カード捨て札にする処理」と「5.の銅貨獲得」はそれぞれ別の処理であり、これらの順番は変更できない。
    • 例えば、4.の処理で(自身を捨て札にしたことに対して村有緑地でリアクションした、などにより)ドローによるシャッフルが発生する場合、銅貨は獲得前であることに注意。
    • 例えば、5.の処理で(銅貨獲得に対して牧羊犬でリアクションした、などにより)ドローによるシャッフルが発生する場合、4.の処理で公開カードは捨て札にされた後であることに注意。
  • 3.で廃棄された銀貨・金貨は、7.の処理で必ず獲得しなくてはならない。

購入時効果について

  • 仕切り線以下は、義賊を購入した際に誘発する購入時効果である。
    • 効果に「このカードのアタックを行う」とあるが、これはつまり「使用時効果における+1コイン以外の効果(=上記【例1】の2~7の処理)が発揮される」という意味である。
  • 購入時効果でアタックを行うことは、「アタックカードの使用」には当たらないことに注意。

関連カード

拡張名前関連
基本泥棒銀貨、金貨以外の財宝も廃棄して獲得できる。
基本(第二版)山賊銅貨以外の財宝を廃棄し、必ず金貨1枚を獲得する。
異郷(第二版)狂戦士このカードの代わりに入った、獲得時にアタック効果を発揮できる場合があるアタックカード。

余談

  • ドナルド・Xによる削除理由は以下の通り。
    原文と日本語訳

    【原文】(引用元)

    Noble Brigand is a fixed Thief, and yet still too weak.

    Bandit turns out to be the actual fixed Thief.

    【日本語訳】

    義賊は修正版の泥棒であったが、それでも弱すぎた。

    結局、山賊こそが真の修正版の泥棒となった。

フレイバー

  • 泥棒のバリエーションと言えるカード。「富める者から奪い、持たざる者に与える」という義賊のイメージ通りの効果だが、ドミニオンでは銅貨は邪魔であることが多く、受け取った側としてはありがた迷惑である。

カードコンセプト

基本的に銀貨より強力である特殊財宝や、金貨より価値の高い白金貨は廃棄しない。
これは「ドミニオン:異郷の知られざる歴史」よりロビン・フッドをモデルにしていることが書かれており
「富める者(〈銀貨〉や〈金貨〉を持つ者)から奪い、貧しき者(まったく財宝を持たない者)には与える。中流階級(〈銅貨〉や特殊な財宝を持つ者)は無視する
(ああ、中流階級には〈白金貨〉を持つ者も含まれる。ロビン・フッドは〈白金貨〉にどれほどの価値があるかわからないんだ。森で暮らしてきて〈白金貨〉なんて見たことなかったから)」
といった旨のことが義賊の項に書かれている。
 *日本語訳引用―I was game様より http://iwasgame.tumblr.com/post/94625054971/ドミニオン異郷のカードの知られざる歴史

日本語版カードとのテキスト比較

日本語版(異郷初版)のテキストを以下に乗せておく。

収録拡張コストカード種別効果
異郷4アクション-アタック+1コイン
このカードを購入または使用するとき、他のプレイヤーは全員自分のデッキの上から2枚のカードを公開し、
公開された銀貨または金貨1枚をあなたが選んで廃棄し、残りをそのプレイヤーの捨て札に置く。
財宝を1枚も公開しなかったプレイヤーは、銅貨1枚を獲得する。
あなたは廃棄したカードを獲得する。
  • 義賊は購入時効果と使用時効果が併記されていたが、『仕切り線の上を使用時効果、仕切り線以下を使用時効果以外の効果』とする他のカードのテキストルールに併せるようテキスト変更された。
    • この変更により、実質的にカードの挙動が変わることは無い。
  • なお、カード効果には「残りをそのプレイヤーの捨て札に置く」と記載があるが、これは誤訳である。原文は"discards tha rest"で、正確には「残りは捨て札にする」なので、坑道忠犬村有緑地はリアクションが可能である。

コメント

  • 複数枚のカードを廃棄した場合、すべて獲得しますか? -- 2019-12-10 (火) 11:38:03
  • 選んで獲得(0枚も含める)できるなら「廃棄したカードのうち好きな枚数を獲得する。」といった表記がなされるはずなので、すべて獲得するものと思います。 -- 2019-12-10 (火) 12:21:41
  • 廃棄したカードを獲得するのはサプライからですか? -- 2019-12-10 (火) 22:20:47
  • 義賊によって廃棄された(廃棄置き場に移動した)カードそのものを獲得します -- 2019-12-11 (水) 01:08:24
  • 公開した二枚に銀貨も金貨も含まれない場合、公開した二枚はデッキに戻すのでしょうか?捨て札になるのでしょうか? -- 2020-01-03 (金) 00:12:51
  • 捨て札にします。 -- 2020-01-03 (金) 00:22:16
  • 最近廃止傾向の購入効果とヘイト集めるアタックの二重苦。第二版での存続は危うい? -- 2022-06-08 (水) 22:47:46
  • このカードを今のルールに対応させるために獲得時に使用する効果に変更して遊んでみたけど、かなり微妙やった。 -- 2022-10-10 (月) 10:07:51
  • 修正版の泥棒とは言うものの泥棒より余裕で弱いやん。帰れ帰れ(泥棒信者) -- 2024-03-24 (日) 16:28:08
  • 資本主義がある場合はこのカードを連打できるが、泥棒は通常盗めないものを盗めるようになるのに対し、こちらはそれが無い。ここも難点だ。 -- 2024-03-24 (日) 16:39:38