浮浪児

Last-modified: 2024-02-23 (金) 21:42:19
収録拡張コストカード種別効果
暗黒時代3アクション-アタック+1カードを引く
+1アクション

他のプレイヤーは全員手札が4枚になるまで捨て札をする。
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あなたのプレイエリアにこのカードがあるときに、他のアタックカードを使用したとき、このカードを廃棄してもよい。
そうした場合、傭兵の山札から傭兵1枚を獲得する。

概要

ハンデスアタック効果を持つキャントリップ。手札枚数を4枚に減らせるが、不要な勝利点1枚を捨てられて終わりということも多い。
また、このカードが場に出ている状態でアタックカードを使用すれば、自身を廃棄し傭兵を獲得することができるユニークな効果を持つ。
他のアタックカードとの併用はもちろん、浮浪児そのものがアタックカードであるため、初手を浮浪児2枚にして揃うのを狙うゲームも多いだろう。
ただし、傭兵は+アクションを持っていない上に手札2枚の廃棄を必要とするので、浮浪児のままにしておいた方が便利なこともあることには注意。

利用法

  • 浮浪児自身の使用時効果は、手札を4枚以下まで捨てさせるハンデスアタックである。
    • 手札5枚から1枚捨てさせる状況では、大したダメージを与えられないことが多い。
    • しかし、議事堂総督のように相手にドローさせてしまうデメリットを打ち消す効果として利用できれば有用である。1枚ハンデスではなく、4枚以下まで捨てさせる軽量民兵効果である。
  • 浮浪児自身の性能はそこまで高くない。基本的に傭兵の踏み台となるカードなので、早いうちに傭兵化しておきたいところだが、他のアタックと揃えないと傭兵にできないのがくせもの。
    • 初手浮浪児-浮浪児の場合、デッキ2周目で浮浪児が揃う確率は 5/11 (約45%)。
    • 浮浪児-襲撃者(のような4コスト以下のドローしないアタック)だと 25/66 (38%弱)で4割を下回る*1ため、どのタイミングで傭兵を獲得できるかは完全に運任せである。
    • 初手5-2の場合、黒猫石工舞踏会がある、ハツカネズミの習性の脇にアタックカードが置かれているなど特殊な条件下を除いて2周目での傭兵入手は不可能になる。
  • 浮浪児2枚でスタートした場合、一度傭兵を獲得できてしまえばもう1枚の浮浪児は用済みも同然である。2枚目の傭兵にしてもいいが、傭兵の廃棄材にしてしまうことも少なくない。
    • ハンデスが相手のデッキに刺さるのであれば、浮浪児を廃棄せずそのまま持っておくことも選択肢に入る。
  • 保存探検が乱れ飛ぶ際のメタであり、他のハンデスと異なりキャントリップなおかげで自分がやりたいことを一切阻害せずに妨害できる。
  • 兵士とは相性が良く、得られるコインを増やしやすい上にハンデス効果も上手い具合に重なるので相手の手札を3枚まで減らすことができる。
    • どちらのカードもより強力なカードへの踏み台という印象が強いので見落とされがちだが、意外と侮れないので気をつけておきたい。

詳細なルール

使用時効果について

  • 相手の手札が5枚以上の時に1枚捨てさせる効果ではなく、手札枚数に関わらず4枚になるまで捨てさせる効果である。民兵タイプのハンデス効果であることに注意。

仕切り線以下の効果について

  • 仕切り線以下の効果は、浮浪児が場に出ている間に他のアタックカードを使用した際に誘発する『使用時誘発効果』である。
    • この処理は使用した他のアタックカードの処理の前に行われる。
      • 浮浪児Aを使用した後に浮浪児Bを使用した場合、浮浪児Aを廃棄するか選択した後、浮浪児Bの効果でカードを引く(カードを引いてしまうと、浮浪児Aを廃棄しない選択をしたことになり、傭兵を獲得できない)。
      • 浮浪児を使用した後に兵士を使用した場合、浮浪児を廃棄するか選択した後、兵士の効果で場にあるアタックカードを数える(兵士で浮浪児を場にあるアタックカードと数えると、浮浪児を廃棄しない選択をしたことになり、傭兵を獲得できない)。
      • 場にカードが出ていない状態で浮浪児を使用し、その後に迫害者を使用して、先に場に出ている浮浪児を廃棄した場合、場には迫害者以外のカードは出ていないので、インプを獲得する効果になることに注意。
      • 浮浪児を使用した後に(夜フェイズで)夜襲を使用して浮浪児を廃棄した場合、(場に他の浮浪児が残っていなければ)他プレイヤーは夜襲のアタック効果で手札の浮浪児を捨て札にできなくなる。
    • アタックカードを使用すると、当然他プレイヤーはアタックの使用に誘発するリアクション(秘密の部屋馬商人物乞い隊商の護衛外交官番犬)でリアクションできる。
      これは浮浪児の使用時誘発効果と同時に誘発するが、複数人に対する効果の同時発生ルールに従い、ターンプレイヤーの処理(=浮浪児の使用時誘発効果)から解決する。
  • アタックカードの山札に+1カードトークンなどの+○○トークンが乗っている場合は、先にトークンの効果を処理し、その後浮浪児の使用時誘発効果を処理する。+○○トークンのはカードを使用したとき「先にfirst」得るとされていて、カードの能力のみならず使用時誘発効果の中でも真っ先に誘発するためである。
    • 英語版第二版では、や浮浪児も含めて現存するほぼ全ての使用時誘発効果が「先に」という指示を得た*2。このため、+○○トークンの効果と浮浪児の使用時誘発効果は好きな順で処理できる。
      • 浮浪児の使用時誘発効果を先に処理し、傭兵を獲得後、+1カードトークンを処理することができる。万が一問題になりうるならば、プレイヤー間でどの版を用いるか合意を得たほうがよいだろう。
  • 玉座の間などで浮浪児を複数回使用した場合、「他のアタックカードを使用したときに」という条件を満たしていないので、傭兵は獲得できない。
  • 傭兵の山札に傭兵のカードがないときも、浮浪児を廃棄することができる。その場合、傭兵は獲得できない。
  • 2019年のルール変更とエラッタに関連し、以下のカードの処理時に注意。
    • はみだし者大君主は、使用されると場を離れるまでカード名を含めて「はみだし者/大君主で選んだカード」として扱われなくなったので注意が必要。
      • はみだし者大君主でサプライの浮浪児を使用した場合、浮浪児は場に出ないので、他のアタックカードを使用したときに(サプライの)浮浪児を廃棄することはできない。(はみだし者/大君主も当然廃棄できない)
    • 反対に、
      ①はみだし者/大君主/Captainで「サプライのアタックカード」を使用した場合
      相続した屋敷で「屋敷トークンが乗ったアタックカード」を使用した場合
      ネクロマンサーで「廃棄置き場のアタックカード」を使用した場合
      ハツカネズミの習性で「脇に置いたアタックカード」を使用した場合
      であれば、場にある浮浪児の廃棄は問題なく選択できる。
  • 仕切り線以下の効果は、「場に出ているときに発揮される効果」である。
    • 浮浪児を玉座の間などで複数回使用した場合でも、場に出ている浮浪児が1枚であれば、「場に出ているときに発揮される効果」は1回しか発揮されない。
    • 行進で廃棄されるなど、使用したならず者が場から移動した場合、「場に出ているときに発揮される効果」は発揮されなくなる。
    • はみだし者などの命令カードでサプライから使用する場合など、カードが場に出ない場合は、「場に出ているときに発揮される効果」は発揮されない。
    • 何らかの効果で、浮浪児がターンを跨いで場に出続ける場合は、場に出続けている限り「場に出ているときに発揮される効果」は発揮され続ける。
      • 「浮浪児を持続カードを脇に置いたハツカネズミの習性として使用した」or「旅行の効果で次のターンも場に出続けるようにした」という場合が該当する。
        特に前者は他プレイヤーのターンにも浮浪児が場に出続けることになる。この時に黒猫をリアクション効果で使用すると、『浮浪児が場に出ている間に他のアタックカードを使用した』という処理になるため、他プレイヤーのターン中でも浮浪児を廃棄し傭兵を獲得できる。
    • 逆に、女魔術師のアタック効果や習性により使用時効果が書き換えられても、場に出ていれば「場に出ているときに発揮される効果」は発揮される。

余談1

  • カードイラストには左に「"短刀"を持った大男」、右に「首に"赤い布"を巻いた少年」が描かれているが、カード名の「浮浪児」が意味するのは右の少年と言うことになる。
    • 「この浮浪児が傭兵に成長した」というフレーバーとして、傭兵のカードイラスト中の人物は胸に"短刀"を携えており、左腕には"赤い布"が巻かれている。

余談2

  • 海辺・繁栄・異郷2版発表に伴う2022年版エラッタにより、ほとんどの「場に出ているときに発揮される効果」は使用時効果変わったが、浮浪児の「場に出ているときに発揮される効果」にはエラッタが出なかった。
    2022年版エラッタ以降の環境では、第二版で削除されたカードを除き「場に出ているときに発揮される効果」を持つのは浮浪児のみとなった*3
    • 「『浮浪児が傭兵に成長する』というフレーバーを表すならば、交換処理とする方が適切に見える。なぜ隠遁者のようにエラッタされなかったのか?」との質問を受け、ドナルドは以下のように回答している。*4
      「(収録拡張の)暗黒時代のテーマは『廃棄』であり、カードが廃棄されるかどうかは重要だ。変更する正当な理由がないのなら、それは守られるべきことだ。次にこの拡張セットが再版されるときにまた検討しよう。」

コメント

  • トラベラー囲郭村がまだ残ってますけど?アクションフェイズ中に効果があるのは浮浪児だけかもしれませんが。 -- 2023-04-13 (木) 16:13:29
  • 使用時効果ではないって意味ではそれらが残っていますね。ただ、トラベラーは「場から捨て札にするとき」の効果です。おそらく「場にある間」系の効果ではないと意図された文なので言い回しの問題だと思います。 -- 2023-04-13 (木) 19:46:34
  • 余談2の交換処理とエラッタ可能性への言及は載っていて問題無い文章か若干戸惑いました。ちょうど余談と私見の間にある印象です。交換仕様が適切だとする例で隠遁者のように…と書かれていますが、隠遁者自身が同じく暗黒時代のカードかつ2版を待たずエラッタ済(=本当に適切なら浮浪児も同時にエラッタされてる)なので、推測の根拠としても弱いと感じてしまいます。どうでしょう。 -- 2023-06-25 (日) 10:34:59
  • ↑余談2を編集した者です。英語版Wikiの最下段のShould Urchin say "exchange?"でドナルド氏が(隠遁者エラッタ後のタイミングと思われますが)言及しているものの、エラッタを出す予定とも第二版を待てとも言及していなかったので、今回の編集では断定を避けた記載にしましたが…確かに推測の域は出ないので、『エラッタの可能性言及して良いの?』と言われると確かに微妙ですね。ちょっと今は時間が無いので他の方でも推敲orコメントアウトして頂いてもOKですよ。 -- 2023-06-25 (日) 11:01:15
  • おお、ドナルドによる直接的な言及があったのですね。だったらその発言そのものを記載することで個人の推測っぽさを排除した公式情報の記述にできますね。というわけで早速更新してみました。 -- 2023-06-25 (日) 14:32:05





*1 これらに加えて両方沈んで5ターン目に揃う確率が 1/66 (1.5%強)。
*2 浮浪児は、"When you play another Attack card with this in play, you first may trash this, to gain a Mercenary from the Mercenary pile."とある。こちらも参照。
*3 プロモカードである囲郭村はクリーンアップフェイズ開始時の処理を持ったままだが、特定の行動に誘発する処理は浮浪児のみ
*4 https://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=5799.msg894576#msg894576