実験ファイルまとめ

Last-modified: 2024-03-02 (土) 17:40:03

※当ページは実験ファイルの内容の整理を目的としたページです
実験ファイル以外も含めた総まとめについては第〇グループまとめページを参照してください(情報不足により全てのグループをまとめているわけではない)

第0グループ

番号役職名前補足
0-1-0
0-0-1「心理学者」エダ・メスマー
0-0-2患者エミール
0-0-3
0-1-3
心眼ヘレナ・アダムス
0-0-4心眼の実験ファイルと行動が一致することから彫刻師である可能性がある
番号不明彫刻師、小説家

※「心理学者」・患者は再会の時予告PVでの内容

  • 実験内容
    0-1-0に対して繰り返しテストを行い、実験中に比較的合理的なデータを出した量の薬剤をヘレナ・アダムスに投与し、段階ごとの薬物干渉を行った。
    • 1.実験初期
      同じ「羊」の処遇であることによって、ヘレナ・アダムス0-0-4に聖母のような同情と関心を見せた。
      そして「同盟」という認識が働き、彼女は0-1-0に善意的な信号も示した。
    • 2.薬物使用後:ヘレナ・アダムス
      実験が進むにつれ、過度な同情心によって、ヘレナ・アダムスの理性的だったはずの脳は極端な状況下で誤った判断を下すようになった。
      彼女は一歩ずつ0-0-4の罠にはまっていき、実質このゲームで唯一の処刑人となった。
      「真相」が暴かれた後、認識の差による衝撃と強烈な罪悪感によって、ヘレナ・アダムスの自身の人格を守る殻は砕け散った。
      通常の案例通りなら、ヘレナ・アダムスは「破られた」後、迅速に実験群と同化するはずである。
      だが近況の情報がある程度欠けているせいか、実験設定の「制御不能」段階で、ヘレナ・アダムスは予想通りの反抗性を見せ、最終的に予期していた実験結果を否定した。
  • 名前未公開(0-1-0)
    薬物投与結果
    実験者は序盤に0-1-0に対して薬剤を投与し繰り返しテストを行い、実験中に比較的合理的な量のデータを出した。
  • エダ・メスマー(0-0-1)
    テスト標記愛、共感、支配欲
    テスト傾向不善な医学の天才
    薬物投与結果
  • エミール(0-0-2)
    テスト標記記憶の欠如、束縛、感情解体
    テスト傾向定義できない実験体
    薬物投与結果
  • ヘレナ・アダムス(0-0-3、0-1-3)の実験ファイル
    テスト標記善意、懐柔、自己防衛
    テスト傾向完璧な「対照群」
    薬物投与結果
    サリバンの獲物として早くからサリバンと交流していたことから、実験者はヘレナ・アダムスは完璧な対照群であるはずだったと判断した。
    早期の実験において、彼女の表現もそれを証明していたーー過度な善良、懐柔されやすさ。
    「真相」が暴かれた後、認識の差による衝撃と強烈な罪悪感によって、ヘレナの自身の人格を守る殻は砕け散った。
    だが近況の情報がある程度欠けているせいか、実験の最終結果は予想まで達さなかった。
    • 0-1-0について
      実験開始初期、「同盟」という認識が働き、ヘレナは0-1-0に善意的な信号を示した。
    • エダ・メスマー(0-0-1)ついて
      実験開始初期、より神秘的かつ強気なエダに対し、ヘレナは常に警戒心を保っていた。
    • 0-0-4について
      実験開始初期、同じ「羊」の処遇であることによって、ヘレナは0-0-4に聖母のような同情と関心を見せた。
      実験が進むにつれ、過度な同情心によって、ヘレナの理性的だったはずの脳は極端な状況下で誤った判断を下すようになった。
      彼女は一歩ずつ0-0-4の罠にはまっていき、実質このゲームで唯一の処刑人となった。
  • 名前未公開(0-0-4)
    薬物投与結果
    ヘレナを罠にはめた。


第1グループ

メンバー不明

第2グループ

番号役職名前補足
2-1-1
2-0-2リッパー「リッパー」
2-0-3
2-0-4
番号不明書記官、エドモンド・レイド(刑事)
  • 実験内容
    このグループの4人のメンバーは皆犯罪に対する研究が進んでいたため、私はかなり警戒を保って臨んだ。
    「リッパー」がこのグループで起こした作用は、今後の実験グループに新しい構想を提示した。
    一種の人間を研究する際、争わせることで薬の効果を促進させるだけでなく、実験対象の選択において差異を大きくするのも適している。
    特に立場が似ていると思われる実験対象から、実験が進むにつれ、互いの目標達成手段や目標そのものに分岐が存在することを意識した時に生まれる選択の多様性は、どのような想定外の出来事が起こっても、最終的に価値があるテスト結果をもたらすことができる。
    • 1.実験初期
      このグループのメンバーは明確な陣営に分かれていた。
      しかし根本的な認知が反していたため、過去の段階的な経験が基となっていたこの同盟は脆かった。
    • 2.実験過程中
      このグループの実験は順調に設定していた結果に向かって進んだ。
      予想通り、ディナーテーブルに残された罪状書によって、同盟はすぐに瓦解した。
      他の3人は「正義」の定義について考えを改めていたが、「リッパー」は「正義」と「非正義」に疑問を持ったことはなかったために何の影響も受けず、機先を制し目標を実現した。
      「リッパー」2-0-3が思い描いた完璧な犯罪方法を2-1-1に実行し、「正義」の2-0-4を信仰が崩れ落ちる深淵に陥れた。
  • 名前未公開(2-1-1)
    薬物投与結果
    「正義の抜け穴」について言及した。
    「リッパー」の完璧な犯罪方法の実行対象。
  • 「リッパー」(2-0-2)の実験ファイル
    テスト標記「非正義」、芸術の純粋さ、自己審判
    テスト傾向束縛を受けない生まれながらの犯罪者?
    薬物投与-結果
    このグループの最も鮮明な旗印として、薬物の影響を受けない状態で「リッパー」は常に絶対的な冷静さを保ち、目標を明確にし、一切の罪悪に対していかなる程度の懺悔も抱かなかった。
    「リッパー」の完璧な犯罪に対する追求は「芸術」の純粋そのものであり、正義とは関係なかった。
    この認識によって、彼は世の道徳に関する一切の思考を捨て去り、何にも囚われなかった。
    • 2-1-1について
      実験過程中、「リッパー」は完璧な犯罪方法の実行を一心に追い求め、犯罪の目標は最初から最後まで2-1-1だった。
    • 2-0-3について
      実験過程中、「リッパー」は2-0-3が思い描いた完璧な犯罪方法の実行を一心に追い求めた。
    • 2-0-4について
      正義を維持しようとする2-0-4を利用し、「リッパー」は他の実験対象の制裁から逃れ、精神面での審判を受けなかった。
      彼の存在によって、2-0-4は「目に見える正義」に対する擁護を捨てた
      そして2-0-2に対して事情を斟酌しようとし、最終的に信仰が崩れ落ちる深淵に陥れられ、自己を見失った。
  • 名前未公開(2-0-3)
    薬物投与結果
    完璧な犯罪方法について言及した。
  • 名前未公開(2-0-4)
    薬物投与結果
    「正義」。
    「リッパー」に信仰が崩れ落ちる深淵に陥れられ、自己を見失った。


第3グループ(1回目)

番号役職名前補足
3-0-1墓守アンドルー・クレス
3-?-2
3-1-3ヴァイオリニストアントニオ
3-1-4
3-1-5
番号不明破輪(2年目手紙より)
  • 実験内容
    このグループの実験対象は全て後天的な環境によるショックを受けていたため、自我の力が削減され、人格構造のバランスが崩れている。
    今回の実験の主旨は、このような人格を持つ異なるタイプの実験対象が薬物に見せる反応をテストし、その結果に対する定性分析を行うことだ。
    このグループの実験対象の核心的な特徴は、「素晴らしい」演技だったーー舞台で富と栄誉を手に入れた者もいれば、闇の中で我を見失った者もいる。
    薬物の過剰摂取によって制御不能になったことで、アントニオは脱落となった。
    グループ内の他の実験対象も似たような状況に陥ったため、このグループの実験はゲームを待たずに失敗と判断された。
    今後、新しい第3グループの実験対象を探す予定である。
    アンドルー・クレスの行動を総合的に分析すると、後天的な経験がその人格形成に多大な影響を及ぼしたことが分かる。
    そしてそれは、アンドルー・クレスの受動的な行動パターンや信仰の選択にまで発展した。
    一方、当該タイプの人格のトラウマを、信仰が形成された後に解消する過程で、アンドルー・クレス3-1-4からは全く異なるデータが記録された。
    本グループの実験が終了した後は、信仰が与える影響を主な変量として考慮し、より詳細な分析論証を行おう。
    • 未分類
      アンドルー・クレスは過去の職務ゆえ、荘園での滞在時間が実験時間を遥かに上回っていた。
      しかし荘園の馴染みや経験が彼に良い効果をもたらすことはなく、正式な参加者として加わるよう彼に通告を送っても、アンドルー・クレスの振る舞いは奉仕者に近かった。
      アントニオはほとんどの間客室に閉じこもり、アルコールに対する強い依存を見せていた。部屋の中で時折不気味な笑い声を発する彼は、意識がはっきりしていた時間もほぼなかったと言える。
    • 1.実験初期
      アントニオは自身が荘園を訪れた明確な目的を露にせず、他の実験対象の活動にも興味を持たないようだった。
      アンドルー・クレス3-1-4は積極的にアントニオに声をかけていたが、当の本人はどちらかと言えば3-?-23-1-5の方に好感を抱いていた。
      アンドルー・クレスは会話相手が一度でも飽きや苛立ちなどのマイナス感情を見せれば、すぐさま話題を打ち切り、それ以降会話相手には自ら話しかけないようにしていた。
      アントニオ3-?-2は感情をアンドルー・クレスに悟られたせいで、実験後半は一切交流していない。
      アンドルー・クレス3-1-4が信仰に対して自分と似た態度を見せ、本人の攻撃性も低いことから僅かながら共感を覚えていた。
      しかし残念ながら、3-1-4は優れた表現能力とコミュニケーション力を持っているにも関わらず、過去の経験から他人との交流を拒み、ひたすら己が認定した友人と救済者を追う道を歩んでいた。
      そんな無意識の冷淡さゆえ、3-1-43-1-5が行動を大げさなほど偽ったことによって、アンドルー・クレス3-1-4を誤解したことも知らなかった。
    • 2.薬物投与:3-?-2アントニオ3-1-4
      事前に準備してあった薬物を混ぜた赤ワインが重要な推進作用を発揮した。
      ディナーの間、3-?-23-1-4に相次いで薬の効果が現れ始め、1人で客室にいたアントニオも発症した。
      彼は身につけていた仮面を外し、不自然に四肢を歪め、筋肉は硬く、カんだ状態になった。このような変化は明らかにアントニオ自身の意志によるものではない。
      最終的に、アントニオは部屋を飛び出し、G弦独奏曲の演奏を始めた。
      薬物の過剰摂取によって、アントニオはその四肢が完全に歪み、疲れ果てるまで演奏を続けた。
      この反応は薬物を摂取した他の実験対象と大きく異なる。
    • 3.薬物投与後
      事前に実験場内に手配しておいた3-0-1は制御不能となった状況下でアントニオを運び去った。
      運搬中、アントニオは両腕を動かしてもがき、他人がその身体に触れることを拒んでいた。
      「悪魔」がその身体を占拠したため、彼とそのバイオリンが予め用意されていた木箱に入れられるまで、アントニオはその演奏を止めなかった。
      箱の中から再び演奏前に発する笑い声が聞こえたほどだ。
    • ?.時系列不明
      他人の感情に鋭い3-1-5アンドルー・クレスを誘導して自分と一時的な同盟を組ませ、荘園の地形に詳しい優位を生かし、3-1-4が用意した舞台の下に致死量の燃料を仕組ませた。
      それが3-1-4の最後の絶唱となった。
      3-1-4アンドルー・クレス3-1-5の変化に気付けなかったように、アンドルー・クレス3-1-4が脱落した後、アンドルー・クレス3-1-5が自分に敵意を抱いたことに気付かなかった。
      結局、3-1-5アンドルー・クレスのために「聖殿」を選んだ後も、アンドルー・クレスが見せた荘園に対する理解は、彼を永眠へと誘った。
  • アンドルー・クレスの実験ファイル(3-0-1)
    テスト標記敬虔な信仰、回避性パーソナリティ障害、職務への責任感
    テスト傾向陰の奉仕者
    薬物投与-結果死亡
    特殊な容姿のせいで幼少期に悪魔と称されていた経験によって、アンドルー・クレスは己の価値に対する追求意欲を全て信仰に注ぐようになった。
    アンドルーは己の価値の実現、そして社会的承認欲求を満たす期待を全て自分を受け入れたラズ教会の墓場へと寄せていた。
    承認に対する強い渇望と社会的認知の不足によって、アンドルーは自己価値を追求する過程ーー即ち、「聖殿」に認められし善人となる道のりで、世間の善悪概念に従わない行動を取った。
    彼の逃げ癖は元々、苦痛から逃れるための防衛本能によるものだった。
    しかし実験ではそれが災いし、情報不足によって他の実験対象に対する精確な判断を行えず、死を招くことになった。
    • 3-?-2・アントニオ(3-1-3)について
      飽きや苛立ちなどの感情をアンドルーに悟られたせいで、実験後半は一切交流していない。
    • 3-1-4について
      アンドルーは3-1-4が信仰に対して自分と似た態度を見せ、本人の攻撃性も低いことから、僅かながら共感を覚えていた。
      しかし残念ながら3-1-4は過去の経験から他人との交流を拒み、ひたすら己が認定した友人と救済者を追う道を歩んでいた。
      周囲に対するそんな無意識の冷淡さゆえ、3-1-4は3-1-5によってアンドルーが3-1-4を誤解したことも知らなかった。
      3-1-5の誘導によってアンドルーは3-1-4が用意した舞台の下に致死量の燃料を仕組んだ。それが3-1-4の最後の絶唱となった。
    • 3-1-5について
      アンドルーがマイナス評価に対して敏感なのは、彼の自信不足や自己評価の低さなどの心理状態によるものだった。
      アンドルーが自ら聖殿に足を踏み入れたことを確認するまで、幼少期に悪魔と称されていたトラウマは消えない。
      他人の感情に鋭い3-1-5はそんなアンドルーの行動パターンを察知し、彼の「仕事」を称え、認めた。もちろん、演技のための虚言だったが。
      3-1-5はアンドルーに自分と一時的な同盟を組ませ、荘園の地形に詳しい優位を生かし、3-1-4が用意した舞台の下に致死量の燃料を仕組ませた。
      アンドルーは3-1-4が脱落した後、3-1-5が自分に敵意を抱いたことに気付かなかった。
      結局、3-1-5がアンドルーのために「聖殿」を選んだ後も、アンドルーが見せた荘園に対する理解は、彼を永眠へと誘った。
  • 名前未公開(3-1-2)
    薬物投与結果
    身なりが良くない。
  • アントニオの実験ファイル(3-1-3)
    テスト標記エンターテイナー型の人格、意志が弱い、自己陶酔
    テスト傾向「操り人形」
    薬物投与結果制御不能になり脱落
    アントニオの人格形成は幼い頃の経験に関係しているーー音楽に肉体と精神を蝕まれ続けたバイオリン生活は集中力を極限まで高めたが、同時に彼をバイオリン以外は何もできない、侵食されやすい対象にした。
    有名になった後も、音楽のインスピレーションを継続的に得るために、彼は自分の身体を失うことすら惜しまず、心身共に制御不能になるまで「悪魔」の言いなりになり続けた。
    危険に遭遇した時、アントニオは自己防衛反応に頼る癖を持っているーー彼が信頼する、子供の頃の経験によって生まれた「悪魔」に自らの身体を委ねるのだ。
    確かに己を守り、危険を凌ぐことができているが、回数を重ねる度にその体内にいる「悪魔」は制御が難しくなっていた。
    薬物の作用の下、アントニオはついに「悪魔」に両腕を委ね、永遠に演奏を続ける操り人形となった。
    • アンドルー・クレス(3-0-1)・3-1-4について
      積極的にアントニオに声をかけていた。
      アンドルーは制御不能となった状況下でアントニオを運び去った。
    • 3-?-2・3-0-5について
      アントニオに積極的に声をかけるアンドルーと3-1-4に対し、アントニオ自身はどちらかと言えば3-?-2と3-1-5の方に好感を抱いていた。
      3-?-2は身なりが決して良くなかったにも関わらずだ。
  • 名前未公開(3-1-4)
    薬物投与結果3-1-5とアンドルーにより脱落
  • 名前未公開(3-1-5)
    薬物投与結果


第3グループ(2回目)

番号役職名前補足
3-?-1納棺師イソップ・カール
3-1-2玩具職人アニー・レスター納棺師4年目より
3-?-3ポストマンビクター・グランツ
3-1-4白い服、癇癪男という特徴からバッツマンの可能性がある
  • 実験内容
    このグループに選ばれた実験対象は「静かで控えめ、1人でいることを好み、自分から問題を起こさない」という同じ特徴を持っていた。
    • 1.実験初期
      3-1-4以外のメンバーは、荘園に入った後、互いに距離を取った態度で接していた。
      社交に対する高い恐怖心ゆえ、第3グループのゲームは手紙やメモを使用した形式で行われた。
      しばらくの間、このような形式によって彼らの関係は互いに繋がりつつも邪魔をしない、そんな微妙なバランスを保っていたと思われる。
      口頭での言葉は3人によってある種の符号に簡路化され、ビクター・グランツはペットを利用し、慎重にそれらの符号式言語を使って交流していた。
    • 2.薬物使用後:アニー・レスター・3-1-4
      投薬後、アニー・レスター3-1-4に対する恐怖は更に増し、彼女はこの不安をビクター・グランツイソップ・カールに相談した。
      また、同様に投薬を受けて過去のトラウマの影響を受けた3-1-4が巻き込まれていった。
      しかし同時に、イソップ・カールは環境による影響を受けていないようだった。
    • 3.実験後期
      この実験は予測の失敗によって終盤で打ち切られた。あの火事は実験結果に影響を及ぼさず、むしろ事故そのものが実験過程における重要な影響要素となった。
      炎の中に残されたメモのことを思い出したビクター・グランツは、我が身を顧みずに火の中に飛び込み、この陰謀に塗れた事故が終わった後も、そのメモが他人の手に落ちないよう確保した。彼は炎の中から帰ってこられなかったが。
      獲物(ビクター・グランツ?)を失った後、3-1-4は冷静さを失い、強い攻撃性を表した。
      計画に邪魔が入ったことによって、イソップ・カールの内なる本性が露になった。
      イソップ・カールは自分の計画を乱した3-1-4を排除しただけでなく、最終的にアニー・レスターを脱落させることによって自分の目的を果たした。
  • イソップ・カール(3-?-1)の実験ファイル
    納棺師.jpg
    テスト標記行動力、感情が淡泊、認知の差
    テスト傾向表面上は安定した危険なキャラ
    薬物投与-結果
    イソップ・カールは規則を守り、感情も安定している。
    過度に内面的な性格以外、特に標記すべき特質はない。
    成長の経験と教育背景の影響によって、イソップは生と死に差はなく、苦しむ人間を体面的に終わりへと導くことこそが自分の使命だと認識している。
    唯一彼を突き動かしたのは、苦しむ人間を体面的に終わりへと導くという願いだけだった。
    同じグループのほかの参加者が過去の経験から受けた感性上の影響とは異なり、この認識は根強く、イソップの理性上の判断に影響した。
    よって、イソップの外見と行動パターンは正常そのものだったが、内面的な認知の差によって、彼は様々な極端な行動に出た。
    • アニー・レスター(3-1-2)について
      投薬後、彼女はこの3-1-4に対する不安をビクターとイソップに相談したが、イソップからは3-1-4に対する明確な感情の揺れが見られなかった。
      彼にとって大事なのは、人間関係ではなかったからだ。
      獲物を失った後、イソップは最終的にアニーを脱落させることによって自分の目的を果たした。
      その後、僕は彼女にも適切な処置を行い、滞りなく使命を完遂した。
      ……
      僕は使命を終えた。自分が何をすべきか分かっている。
      ついに僕の旅立ちの時だ。でも今、僕を納棺してくれる人物はいない。だから、火の海こそが僕が帰るべき最高の場所だ。
      この炎の光が、僕の新しい旅路を照らしてくれる。
      新たな始まりに向かい、魂は終わりを迎えるだろう。
      ーー納棺師手紙(4年目)より
    • ビクター・グランツ(3-?-3)について
      実験初期、イソップとビクターは互いに引かれ合った。
      この引かれ合いはビクターの手紙に対する熱中、そしてイソップの理想の目標に対する思いに由来する。
      イソップとビクターに存在した同情は、同盟や仲間同士の頼り合いではなく、狩人と希少な獲物のような睨み合いから来るものだった。
      ここ数年、私はジェイさんの教えを守り、送り人としての身分を守ってきた。
      荘園に入った後、私はずっと新たな始まりとして相応しい人を探していた。

      十分な沈黙を持つ者だけが、心地よい柔らかな棺に眠る資格がある……
      そして今、ついに見つけた!永遠の眠りに相応しい顔が!
      彼はいつも何か秘密を隠しているような、人に会うのが怖いような表情をしており、何も言わずに隅に座っている。
      きっと私しか彼を理解できないし彼も私を理解してくれるはずだ。
      明日彼と話そう……メモか手紙を書いた方がいいな。
      私がどれほど彼に「無音の友」になって欲しいかは彼にしか分からない。
      そうだ、彼さえよければ、彼の子犬の「面倒を見て」あげてもいい。
      残りの2人は最適な人選とは言えないが、彼らを送る機会が来るまで待ち続けよう。
      ーー納棺師手紙(2年目)より
    • 3-1-4について
      刺激を受けたイソップは自分の計画を乱した3-1-4を排除した。
      僕が部屋に戻り、この文章を書いている今、全ては終わりを迎えていた。
      アニー・レスターは僕と一緒にあいつを処分した。
      その間、彼女は鬱陶しいほど叫び声を上げていた。
      ーー納棺師手紙(4年目)より
  • アニー・レスター(3-1-2)
    薬物投与生死イソップによって脱落
    手掛かり:逃げ隠れしている少女
    実験者に薬物を使用されたことで不安感が刺激され、最終的に「新たな始まり」としてイソップに納棺された。
  • ビクター・グランツ(3-?-3)の実験ファイル
    ポストマン.jpg
    テスト標記物静かな捻くれ者、安全感の欠如、感情の遮断
    テスト傾向3-?-3の守秘行動は、潜在意識における負の感情の一種の投射である。
    薬物投与-生死火中に飛び込み脱落
    過去の経歴によって、彼は捻くれた性格に成長した。人間には冷淡さを見せ、感情を客観的な物や人間でない生命体に対する同情や哀れみに変換した。
    ビクターは人間に興味はなかったが、「秘密」そのものに対して強い感情反応を見せ、些細な秘密でも絶対にそれを守り通した。
    ビクターはメモを通して他の参加者と一時的な関係を持ったが、ビクター自身の感情の隔たりを破ることはなかった。
    彼が事故で見せた行動は、秘密というものに対する彼自身の態度の表れだ。
    終始秘密を守り抜き、このような対価を惜しまない行為も、過去の間違いに対する後ろめたさや、償い、修正の意思を反映している。
    • イソップ・カール(3-?-1)について
      ビクターとイソップは特殊な関係を維持していた。
      ビクターはイソップが彼にこれほど積極的な態度を取る根本的な目的を知らず、むしろイソップが作り出す偽りのイメージに何らかの好感を抱いていた。
      なぜなら、この交流において、イソップが彼に渡すメモは他よりも長く、言葉も丁寧だったからだ。
      毎回僕が自分の部屋のドアノブをひねる時、後ろで扉を閉じる音が聞こえる。
      2回目の「カチャ……ジ…ドン……」という音は昼食前に鳴り響いた。時間ピッタリだ。
      この時僕は頭を僕の部屋の扉にくっつけて、静かに待つ。
      隣のウィックは今か今かと僕の周りをクルクルと回る。
      彼がドアを閉じた音を聞くと、ウィックに準備の合図をする。そして「ドン、ドン」という音の後、少し待機する。
      そうすれば扉を開けた時、彼の部屋の前の絨毯の下にメモが残される。廊下にはそれ以外何もない。
      2回しか会ったことはないが、3人の中では彼が一番のお気に入りだ。
      彼からのメモはいつも長く、それはメモというより手紙に近いと思う。
      手紙に書かれた文章は全て過去形で、きっと彼は特殊な教育を受けたのだと思う。
      ーーポストマン手紙(2年目)より
    • アニー・レスター(3-1-2)・3-1-4について
      投薬後、アニーの3-1-4に対する恐怖は更に増し、彼女はこの3-1-4に対する不安をビクターとイソップに相談した。
  • 名前未公開(3-1-4)
    薬物投与生死イソップによって脱落
    手掛かり:妙な訛りの癇癪男、白い服
    実験者に薬物を使用されたことで過去のトラウマの影響を受け、アニーに巻き込まれた。
    獲物(3-1-4の獲物ではなくイソップの獲物?)を失った後、冷静さを失い強い攻撃性を表した。
    しかしイソップの内なる本性が露になり、自分の計画を乱した人間として排除された。

第4グループ

番号役職名前補足
4-1-1庭師エマ・ウッズ
(リサ・ベイカー)
実験の主体
4-0-2泥棒クリーチャー・ピアソンエマが精神病院に送り返された原因
4-0-3弁護士フレディ・ライリーレオ・ベイカーが落魄れた原因
4-0-4医師エミリー・ダイアー精神病院で会ったエマを治せなかった
  • 実験内容
    クリーチャー・ピアソンの実際の到達時間が予期していた時間とは異なることはフレディ・ライリーエミリー・ダイアーの薬物使用序列にある程度影響し、実験過程でトラブルを招いた。
    だが今のところ、実験結果そのものにはあまり影響を与えていないようだ。
    しかし今後の実験の多様性を考慮すれば、このようなリスクは避けるべきだろう。
    実験環境が安定するまでは、盲目的に薬物を使用すべきではない。
    それに今回の実験では、実験結果の検証に必ず薬物の介入を必要とするとは限らないことも証明された。
    • 1.実験初期(7月6日)
      フレディ・ライリークリーチャー・ピアソンとの爆発的な衝突によって、その強烈な復讐心を露にした。
      一方でエマ・ウッズエミリー・ダイアーには異なる程度の警戒心を表し、他の実験対象と主観的に一定の距離を保っていた。
      この衝突はリスクの高い処刑人を刺激したが、今は代わりとなる実験対象がいないため、フレディ・ライリーに根絶的な処罰は与えなかった。
    • 2.薬物投与(7月7~10日):エマ・ウッズ
      薬剤はエマ・ウッズの内心の恐怖と不安を増大させた。
      彼女は物を媒介として幻想を生むという行動パターンを持ち、今回は幻想の対象を「喋るカカシ」にした。
      エミリー・ダイアーエマ・ウッズの幻想症状に気付いた後でも彼女を受け入れ、エマ・ウッズは本当の安心を得たことで「カカシ」に対する依存は徐々に減少していった。
      その結果エミリー・ダイアーエマ・ウッズの復讐のターゲットから外れたが、一方でエマ・ウッズクリーチャー・ピアソンへの復讐を止めることはなかった。
    • 3.実験中期(7月11日)
      実験初期に新しく収集した情報を参考にフレディ・ライリーに誘導を行い、今回の実験で彼に設定した肝心な情報を前もって与えた。
      フレディ・ライリーが敵視する対象はクリーチャー・ピアソンからエミリー・ダイアーに変化した。
      エミリー・ダイアーエマ・ウッズそのものの危険性に気付いたが、離れるどころか最初の保護措置を脅威阻害へとエスカレートさせた。
      エマ・ウッズの前で理解を示すカカシを演じるクリーチャー・ピアソンは彼女の罠によって行動能力を失った。
    • 4.実験末期(7月13日):軍需工場
      エマ・ウッズは「カカシ」を復讐のアイテムとして焼き払った。
      これは彼女の感情が完全に物から離れ、エミリー・ダイアーに向けたことを意味する。
      しかしエマ・ウッズエミリー・ダイアーに生まれた感情のつながりは、実験の主体エマ・ウッズの実験結果に別の可能性を生んだ。
      エミリー・ダイアーエマ・ウッズの安全を脅かす脅威を排除することを選んだ。
      フレディ・ライリーエミリー・ダイアーへの復讐心は、相手に更なる傷害を与えるとともに、彼自身の防御壁をも破壊した。
      しかし彼は目標以外の警戒を怠り、完全に真の危険の中に晒された。
  • エマ・ウッズ(4-1-1)の実験ファイル
    庭師.jpg 
    テスト標記表面上人畜無害、神経質、借りは必ず返す
    テスト傾向疑問が残る「幻想者」
    薬物投与結果
    エマ・ウッズは基本的信頼感が欠如している人物である。
    慣れない環境において、彼女は自身を守るために何らかの物に対して強い愛着を生み、幻想を見る傾向にある。
    これは幼少期と少年時期に何度も捨てられ、裏切られた経験によるものである。
    荘園にて、エマは3人の復讐対象を前に、「可愛いお嬢さん」のふりをして自分の計画を進めることができた。
    しかしエマが1人でいる時には不安と復讐計画のプレッシャーに駆け立てられ、「カカシ」に愛着を注ぐ言動が見られる。
    • クリーチャー・ピアソン(4-0-2)について
      エマの復讐相手の1人。
      彼女がクリーチャーへの復讐を止めることはなかった(最終的に彼が演じる「カカシ」を復讐のアイテムとして焼き払った)。
      泥棒は何度も庭師に絡み、庭師は不気味に感じた。
      これ以上危険な状況に陥る前に、庭師は行動を起こす決心をした。
      ーー庭師日記・3より
      クリーチャー・ピアソンさんが失踪した。
      彼は逃げたってフレディー・ライリーさんが言ってるけど。
      彼がいなくなって私はホッとしてるなんて、誰も思わないでしょうね。
      今日は荘園の主人が客全員を集めた。
      私のトランクが大きくて良かった。
      スケアクロウさんを連れて、ゲームのスタートよ。
      ーー庭師日記・4より
    • フレディ・ライリー(4-0-3)について
      エマの復讐相手の1人。
    • エミリー・ダイアー(4-0-4)について
      エマの復讐相手の1人。
      エミリーはエマの幻想症状に気付いた後でも、彼女に耳を傾け、受け入れ、信じることにした。
      その結果エマはエミリーとの接触で本当の安心感を得て、「カカシ」に対する依存は徐々に減少していった。
      それ以降、エマはエミリーにとって復讐のターゲットから、頼る対象へと変わった。
      ゲームで「カカシ」を復讐のアイテムとして焼き払ったことで彼女の感情は完全に物から離れ、エミリーに向けられた。
      「本当にごめんなさい…待たせてしまって、本当に悪かったと思ってるわ。
      何で何も言わないの?私が遅れたから?
      どうしてもやらなきゃいけないことがあったの。お願い、分かって。
      ずっと会いたかったのよ。もしよければ、一日中ずっとここにいてあげる。(庭師)」
      「失礼、邪魔をしてしまって。その『方』を紹介してくれないかしら?
      随分と仲良さそうだから。(医師)」
      ーー庭師日記・2より
      「私の天使を助けることができて、嬉しいでしょう?
      ある意味、あなたは私の一部なんだから。
      ごめんなさいなの。
      もしかしたら、体温のないあなたこそが、私に必要だったのかもしれないの…。
      …さようなら。エミリー、あなたにこの信号が見えるといいんだけど…。
      私はここであなたを待っているの。私を失望させないで…」
      ーー庭師日記・4より(カカシに点火するシーン)
  • クリーチャー・ピアソン(4-0-2)の実験ファイル
    泥棒.jpg
    テスト標記私利私欲、過激で好戦的、身分の演技
    テスト傾向利益のみを追い求める小物。
    目先が利かないため、自らの策に溺れた。
    薬物投与-生死エマによって脱落
    クリーチャー・ピアソンの残酷な生存の知恵は、彼に残る僅かな「良知」である。
    街中で飢え死んだり病死するよりはと、障害のある孤児たちに物乞いや盗みを強制した。
    これは彼にとって孤児たちを養う最も経済的でコストの良い方法だった。
    その結果、尊大と卑下の両方を持つ矛盾した性格を手にし、街中で不自由なく生活する中で自身を孤児院の「国王」と思うようにすらなった。
    だが必死になって入ろうとしていた上流社会から見れば、彼は緊張で口も上手く回らないただの小物だった。
    幼い頃から街を彷徨っていたクリーチャーは互いに欺き合うような環境で生きており、真摯で優しい対応に出くわしたことは一度もない。
    そのためエマが純粋な表情で関心を示した時、クリーチャーはいともたやすく夢中になった。
    また、クリーチャーには身分を演じる習慣がある。
    孤児たちの前では「国王」を演じ、教会に対しては「慈善家」を演じ、エマ・ウッズの前では理解を示すカカシを演じるー一
    そして彼女の罠によって行動能力を失い、ゲームで最初の脱落者となった。
    • エマ・ウッズ(4-1-1)について
      エマの前では理解を示すカカシを演じていたが、彼女の罠によって行動能力を失い、ゲームで最初に脱落した。
      最後、彼は本当にエマの身分を思い出したのだろうか?それはもう分からない。
      クリーチャーはカカシのふりをして、庭師の抱擁を受けた。
      彼はもう一度カカシのふりをしたが、予想外なことに……
      ーー泥棒日記・4より
      日記によると、10数年前に庭師を売って精神病院に戻らせたのはまさにクリーチャーだった。
      だが荘園では、クリーチャーは目の前の庭師がその少女であることに気付いていない。
      ーー泥棒手紙(2年目)より
    • フレディ・ライリー(4-0-3)について
      クリーチャーがフレディを陥れた方法は幼稚で軽率なものだった。
      「ちょっと待て!食器は準備されていないのか?これはどういうことだ?お前か?やったのはお前だろ?(弁護士)」
      「ど、どうやらあんたは『みっともない』方法で、た、食べなければならないようだな。(泥棒)」
      ーー泥棒日記・1より
  • フレディ・ライリー(4-0-3)の実験ファイル
    弁護士.jpg
    テスト標記虚言、愛する人、手段を選ばない
    テスト傾向利益を奪う「体裁を気にする人間」
    薬物投与-結果
    フレディ・ライリーは非常に典型的な実験対象であると言える。
    虚偽的、残忍、傲慢、身の程知らず。
    野心という培養皿によって、これらの下劣な根性は最も典型的な形で顕現し、復讐心が薬物以上の活性剤となった。
    フレディのみに注目すると、実験初期におけるフレディの全ての行動の目的は、階級の優越感と利益を最大まで搾取するという人間の本質によるものである。
    これらの社会性のある行動動機はたとえマイナス的なものであっても、彼が実験中に高い警戒を保つことに繋がり、他の実験対象とは区別された安全区を作り上げた。
    更に個体性のあるーー彼自身に「愛」と定義されている動機が主導権を握っており、
    このプラス的な動機に基づいたマイナス行為ーー復讐は、目標に更なる傷害を与えるとともに、フレディ自身の防御壁をも破壊した。
    • エマ・ウッズ(4-1-1)について
      実験の準備段階、フレディはエマに警戒心を表した。
      彼は他の実験対象と主観的に一定の距離を保っていた。
      エマ・ウッズ、彼女は何かを企んでいるようだ。彼女を避けたほうがよいだろう。
      ーー弁護士日記・2より
    • クリーチャー・ピアソン(4-0-2)について
      実験の準備段階、フレディはクリーチャーに対して強い敵意を示した。
      クリーチャーと彼の爆発的な衝突によって、フレディはその強烈な復讐心を露にした。
      リスクの高い処刑人を刺激したが、今は代わりとなる実験対象がいないため、今回の実験ではフレディに根絶的な処罰は与えなかった。
      「ちょっと待て!これはどういうことだ?さっきまであったはずなのにーー(弁護士)」
      「ど、どうやらあんたが『みっともない』方法で、た、食べなければならないようだな。(泥棒)」
      「この野郎…クソ。ふん、飯が食べたいのか?作れる奴がいればの話だろう。記憶が間違ってなければ、バルブはエントランスホールにあったはずだ。(弁護士)」
      ーー弁護士日記・1より
      食堂の〈あれ〉は主催者の言う罰だろうか。
      私はもっと気をつけなければならないな。特にあいつを見つける前は……
      ーー弁護士日記・1より
    • エミリー・ダイアー(4-0-4)
      実験の準備段階、フレディはエミリーに警戒心を表した。
      彼は他の実験対象と主観的に一定の距離を保っていた。
      実験の第二段階にて、第一段階に新しく収集した情報を参考に、フレディに誘導を行い、今回の実験で彼に設定した肝心な情報を前もって与えた。
      その結果、フレディが敵視する対象がクリーチャーからエミリーに変化した。
      食堂の〈あれ〉は主催者の言う罰だろうか。
      私はもっと気をつけなければならないな。特にあいつを見つける前は……
      ーー弁護士日記・1より
      「『要求』?(庭師)」
      「ある種の治療方法よ。私は同意できなかった。(医師)」
      「もしこれが俺の思い出したあの診療所だったら…(弁護士)」
      (1F02の扉を開ける)
      「鍵がかかっているが、大した問題じゃない。すぐに、結果がわかる……(弁護士)」
      「特別なことは書かれてないな……カカシがしゃべるもんか……(弁護士)」
      「そういうことか。ついに見つけたぞ。(弁護士)」
      ーー弁護士日記・4より
  • エミリー・ダイアー(4-0-4)の実験ファイル
    医師.jpg
    テスト標記必要とされる、同情心、救済
    テスト傾向自己救済を求める「罪人」
    薬物投与-結果
    職業背景と境遇から、エミリー・ダイアーの訪れにはかなり警戒していた。
    しかし長年の逃亡生活と内心の苦痛を経た彼女は、すでにかつての敏感な観察力と、職業的な追求によってもたらされた判断力のほとんどを失っていた。
    故に、十分安全な実験対象となっている。
    最初の実験目的の設計上、彼女はエマ・ウッズとフレディ・ライリーの実験効果を活性化させるためだけの存在だった。
    しかし彼女とエマの複雑な過去と、吊り橋効果によって生まれた感情のつながりによって、実験の主体エマの実験結果に別の可能性を生んだ。
    • エマ・ウッズ(4-1-1)について
      エミリーはエマに対して異常な関心と保護欲を見せた。
      この傾向は実験の進行と共に高まっていき、徐々に変質していった。
      実験初期、エミリーのこのような傾向はエマに対する友好的な信号に留まり、可能な限りの保護行動をするまでだった。
      中期になると、エミリーはエマの危険性に気付いたが、離れるどころか最初の保護措置を脅威阻害へとエスカレートさせた。
      彼女は相変わらずクリーチャー・ピアソンと親しく接している。
      こんなに不安定で、コンプレックスにまみれてプライドが高い人間と付き合うなんて。
      彼女に悪い影響を及ぼすわ。
      明日チャンスを伺ってもう一度彼女によく言って聞かせましょう。
      誰かがクリーチャー・ピアソンを消したいと思っているとしたら誰かしら?
      私は高みの見物ができるわ。
      ーー医師日記・2より
      昨晩、私はずっと朝の事件について考えていた。
      わざと釘を穿った手すり。そして…エマの奇妙な言葉。
      「人の落ちる音が聞こえたんだもの」
      彼女はなぜ、あの音が「人」の落ちる音だと分かったの?
      私の考えすぎだといいけど。」br;ーー医師日記・3より
    • フレディ・ライリー(4-0-3)について
      実験者がフレディに肝心な情報を与えたことによって、エミリー本人も危険の中に晒された。
      実際、エミリーもそれに気づいたようだが、全くそれらしいそぶりは見せない。
      そんな異常は、実験末期になると、エマの安全を脅かす脅威を排除するか、その脅威を利用して自身の生存の脅威を擦り付けるか選択を迫られた時に検証された。
      結果、エミリーはエマの安全を脅かす脅威を排除することを選んだ。
      「聞け、俺はちょっと刺激が欲しかっただけなんだ。別にゲームとやらに勝たなくていいし、賞金も欲しくない。金にも困ってないからな。ただ…現状は俺の想定を超えている。これは危険すぎる。(弁護士)」
      「理解できないわ…何が言いたいの?(医師)」
      「俺には盟友が必要だ。お前がゲームに勝てるよう手助けしよう。(弁護士)」
      「それで?(医師)」
      「もちろん、俺の身の安全を保証してもらう。俺が負傷したら、俺の治療を優先してほしい。(弁護士)」

      「待て。あれはなんだ?ちょっと見てこい。何か手掛かりがあるはずだ。(弁護士)」
      「マーシャ…俺は…もう待てない…(弁護士)」
      「ここには何もない?ライリーさん?(医師)」
      ーー医師日記・4より


第5グループ

番号役職名前補足
5-?-1画家エドガー・ワルデン
5-0-2調香師ウィラ・ナイエル
5-0-3一等航海士ホセ・バーデン
5-?-4カウボーイカヴィン・アユソ
5-0-5呪術師パトリシア・ドーヴァル
5-0-3-U白黒無常-ホセの実験に使われた道具
  • 実験内容
    薬剤は安定していないため、当グループの実験には投入せず。
    よって、当グループの実験者の判断と行動は、全て各自の性格や立場によるものである。
    このグループの実験で、実験対象たちはそれぞれの過去に直面させられた。
    自らの傷を暴く自己反省である。彼らの文化背景、価値観、階級の差が一連の衝突を生んだ。
    カヴィン・アユソパトリシア・ドーヴァルを同じグループに置いて実験を行うのは、危険を伴うが、創造力のある決定だ。
    両者の接触は予想外の、だが本来あるべき流れに進んだ。カヴィン・アユソは「ゲーム」に入らなかったため、対象の観察と研究は「段階的」に留める。
    これも1つの発見であるーー「ゲーム」は実験対象全員の参加が必要だとは限らない。
    ホセ・バーデンの実験結果から薬物制御と精神制御のどちらが認知操作における主導権を握るか、明確に判断するのは難しい。
    気前良い友人からの「プレゼント」をもっと気長に待つべきかもしれない。
    また、エドガー・ワルデンの選んだ答えや彼の執念は成長過程で家族が亡くなったり、恩師に裏切られたことによる一連のショックが原因だと思われる。
    あるいはそれも関係なく、「天才」とはそもそもこういうものなのだろうか?
    1つのグループの実験だけでは確かな結論を出せない。
    今後の実験でエドガー・ワルデンに類似する実験体を投入し、引き続き検証を行うことにする。
    パトリシア・ドーヴァルのような信仰が本当に見返りを得られるのかについても、次のグループでは更に深掘りしていきたい……。
    • 1.実験初期
      エドガー・ワルデンは終始中立的な立場に立ち、傍観者の視点から他の4名の争いを観測していた。
      彼は朧げな、意味不明な絵で一同の恐怖心を煽り、おもしろがるような態度で彼らの反応を観察した。
      彼は人の心を弄ぶ争い合いを見下げ、更にはパトリシア・ドーヴァルが仕掛けた罠すら見破った。
      ホセ・バーデンは催眠によって実験初期の彼は一時的に有利に立つことができ、彼は主観的に実験全体に対する初期的な陣営を制定すると同時に、最強の盟友を見つけた。
      しかし、カヴィン・アユソの犠牲行為によって揺らいでいた彼の善悪観に罅が入った。
      エドガー・ワルデンウィラ・ナイエルはその隙をついてホセ・バーデンを唯一の犯人に仕立て上げたのだ。
      その結果、ホセ・バーデンの最も苦痛な記憶が呼び起され、自己審判に陥って彼の精神は崩壊し、実質上の事前脱落となった。
    • ?.時系列不明
      ウィラ・ナイエルホセ・バーデンと短期的な協定を結び、パトリシア・ドーヴァルを不利な境地に追い込んだ。
      実験者はウィラ・ナイエルに調香機材を提供した。
      彼女は特殊な効能を持つ香水を調合し、他の実験対象だけではなく自分に対しても特製アロマを使用した。
      この行為は実験をある程度推進させる効果を及ぼし、4日目と5日目の実験で劇的な結果を得ることができた。
      これは別の方面からホセ・バーデンの催眠作用の影響範囲を論証した。
    • 2.実験末期:湖景村
      実験者は5-0-3-Uを湖景村の大船に設置し、ホセ・バーデンに接触させる実験を行った。
      (5-0-3-Uはテストの結果、微量な生物エネルギー反応を有していることが分かっている)
      彼は5-0-3-Uのエネルギーを利用して再び自己催眠をかけ、自己審判から逃れた。
      理性的なエドガー・ワルデンには、最終的な勝利を手にするチャンスがあった。
      だが彼の絵によって、パトリシア・ドーヴァルはその血液を使って報復を果たした。
      最終局面でエドガー・ワルデンは反抗せず、「絶唱」こそが彼の追い求めてきた最終的な目標であることに気付いた。
  • エドガー・ワルデン(5-?-1)
    画家.jpg 
    テスト標記芸術家、中立派、微慢な傍観者
    テスト傾向歪められた「献身者」
    薬物投与-生死パトリシアによって脱落
    エドガーはグループの中で最も理性的な実験対象である。
    しかし、その理性は彼自身の人間としての感情をほとんど消すことで得た彼の芸術に対する執着に由来するものだ。
    だが芸術は同時に敗北を招き、よって彼は抵抗を諦め、望んでその身を捧げた。
    個人の目標という面から見れば、エドガーの望みどおりの結果と言えるだろう。
    即ち「画家の命を差し出すことで、絵を絶唱とする」という、作品の価値を更に昇華させる方法を見つけたのだ。
    だがその答えも彼の執念も、病的であり偏屈で歪んだものだ。
    これは成長過程で家族が亡くなったり、恩師に裏切られたことによる一連のショックが原因だと思われる。
    • パトリシア・ドーヴァル(5-0-5)について
      エドガーは人の心を弄ぶ争い合いを見下げ、更にはパトリシアが仕掛けた罠すら見破った。
      理性的なエドガーには、最終的な勝利を手にするチャンスがあった。
      だが彼の絵によって、パトリシアはその血液を使って報復を果たした。
      最終局面でエドガーは反抗せず、「絶唱」こそが彼の追い求めてきた最終的な目標であることに気付いた。
      (黒く塗りつぶされている)、あなたが鮮血の川に囲まれ、自らの後悔の中で絶唱を終えることを願う。
      ーー呪術師手紙(4年目)より
  • ウィラ・ナイエル(5-0-2)の実験ファイル
    調香師.jpg 
    テスト標記機敏で疑い深い、脆い心、善良さを残している
    テスト傾向薄氷の上を歩くような自己麻痺者
    薬物投与-結果
    実験で期待していたウィラ・ナイエルの行動動力は「恐怖」と「激化した奪取」である。
    環境と死者に関する記憶が再び言及された恐怖、そして過去の境遇から遠ざかるために徐々に激化していく尊重の奪取、名誉の奪取、愛情の奪取などの逆行型逃避行為を指す。
    しかし実験中、ウィラは明らかに前者のみを論証し、むしろ、記憶を取り戻してからは理性が崩壊するなどという、善良さが残る反応を見せた。
    推理モデルの修正が急遽必要である。
    • ホセ・バーデン(5-0-3)について
      ウィラはホセと短期的な協定を結び、パトリシアを不利な境地に追い込んだ。
    • パトリシア・ドーヴァル(5-0-5)について
      ウィラは匂いの物質成分に対して非常に敏感で、実験薬剤は影響を与えづらいかもしれない。
      よって、彼女の感情を激化させるため、実験者は死者を見ることができると自称する信仰者(パトリシア)をテスト的に投入することにした。
      環境と死者に関する記憶が再び言及された恐怖からウィラはホセと短期的な協定を結び、パトリシアを不利な境地に追い込んだ。
      もしかすると、ここへ来るような人間にまともな人はあまりいないのかもしれない。
      彼がどうやったのかは知らないけれど、とにかく彼もあの「異類」と同じくらい危険よ。
      常に警戒しなければならないわ。意識を再び誘導されることがないように。
      忘れた物を思い出す必要はない。私に思い出は必要ない。
      そう、あの薬草を早く見つけないと。
      ーー調香師手紙(2年目)より
  • ホセ・バーデン(5-0-3)の実験ファイル
    一等航海士.jpg 
    テスト標記目くらまし、認知ゲーム、自己審判
    テスト傾向自己救済の「救済」者
    薬物投与-結果
    自己認知のずれが生存に脅威を与えた時、被験者は自己防衛のために認知のバランスを取る解決方法を見出し、真偽に関わらずそれを信じる。
    「故人の遺物」として、ホセ・バーデンの使い方には特別気を払っていた。
    そのため、監視を行っていた処刑人がその精神がじきに崩壊すると判定を下した時、対象に実験を行う計画を一時的に中止する準備もできていた。
    しかし、かつて彼に深い催眠をかけた人物も彼に特殊な精神基点を定めていたようだ。
    彼が他の被験者に対して脅威とならなくなり、完全に危険にさらされた時、その基点が彼の精神を支え続けたおかげで、彼は用意された実験を最後まで進めることができた。
    • 5-?-1・ウィラ・ナイエル(5-0-2)について
      実験初期、催眠によっての有利に立ったホセは、自身が他の被験者に与えた催眠効果は短く不安定なものであることを知らなかった。
      5-?-1とウィラはそれを利用してホセを欺き、ホセを唯一の犯人に仕立て上げたのだ。
    • カヴィン・アユソ(5-?-4)について
      カヴィンの予想外の犠牲行為は、揺らいでいたホセの善悪観に罅を入れた。
    • 5-0-3-Uについて
      かつて彼に深い催眠をかけた人物は彼に特殊な精神基点を定めていたようだ。
      彼が他の被験者に対して脅威とならなくなり、完全に危険にさらされた時、その基点が彼の精神を支え続けたおかげで、彼は用意された実験を最後まで進めることができた。
      そして5-0-3-Uのエネルギーを利用して再び自己催眠をかけ、自己審判から逃れたのだ。
  • カヴィン・アユソ(5-?-4)の実験ファイル
    カウボーイ.jpg 
    テスト標記自我否定、道徳潔癖、感情衝動
    テスト傾向自由であることに誇りを持ち、
    罪悪感に捕らわれる臆病者
    薬物投与-生死自己犠牲の脱落
    カヴィン・アユソは民族、身分、立場を問わず、女子に対する庇護欲を持っている。
    その女性に対する「利他行為」は、異性に対する通常の好意を遥かに超えている。
    過去の経歴と合わせて分析すると:少年時代の経験が原因で、罪悪感の対象が他の女性に反映されており、過度の庇護欲が合わさっている。
    悲劇が再演される不安を紛らわせるため、自分を守るための心理的な暗示とも取れる。
    男性に対するマイナス的な態度は比較的複雑で、表面上は大袈裟な同性同士の競争心であると同時に、彼の幼少期の弱さ、わがままなどの自己認知によるものでもある。
    彼は相手の男性の見た目、態度、立場などを顧みず、部分的な言葉や行為だけで相手を狼、牛、鷹、馬など、自分が良く知る動物に例える。
    それに卑劣、横暴、臆病などのマイナス的な単語を付け加えることで定義づけと攻撃を行う。完全に幼稚で主観的な偏見である。
    例えば1組の男女が彼の目の前で争っていた場合、彼は無意識に女性の方を当時彼が守ろうとしていた仲間と見なし、男性の方を警戒すべき、注意しなければならない当時の「何もできなかった」自分と認識する。
    この点において、彼は終始自身の罪悪感に囚われている。
    • パトリシア・ドーヴァル(5-0-5)について
      カヴィンは少年時代の経験が原因で罪悪感と過度の庇護欲を女性に持つ傾向があり、パトリシアとの後半の接触で最も顕著だった。
      「毒薬を飲むのは誰だ?」
      先の見えない言い争いが、ますます醜くなっていく。
      「文明社会」の住人であると自称する二人はまるで二頭のバカ牛のように、気にくわない相手に鼻息をかけ続けていた。
      彼らの身勝手さと度量の小ささは大して変わらない。
      奇妙な服装やまじないの類、そして故郷を離れた異族の少女一一そんな己が理解できず、理解しようとも思わない存在に恐れ、排斥することしかできないのだ。
      たとえこれが下心のこもった偶然だったとしても、同じことを二度起こらせるわけにはいかない。
      しかし、俺はなぜもっと早く立ち上がらなかったのだろう?あの女の子さえ、俺が徒党を組むような悪人だと勘違いしてしまったのに。
      数々の不公平を目にしてきた傍観者は、颯爽としているふりをして、実は何も悟っちゃいなかったんだ。

      ……自分を許す機会が欲しい。
      もしかしたら……あの毒薬は俺に用意された試練なのかもしれない。
      ーーカウボーイ手紙(2年目)より
  • パトリシア・ドーヴァル(5-0-5)の実験ファイル
    呪術師.jpg 
    テスト標記信仰を守る、冷酷で傲慢、攻撃性
    テスト傾向異教信仰の狩人
    薬物投与-結果
    パトリシア・ドーヴァルは「獲物」を捧げることで「神」との約束を維持しており、それが動機で荘園のゲームに加入した。
    しかしゲーム中、信仰する神がパトリシアに与えた益や加護を客観的に査証することはできない。
    パトリシア出身が異なることによって一族に認められず、成長した環境は差別の目に溢れていた。
    「神に認められる」ことが、彼女が族内で身分の認可を得るという切迫した望みの前提だ。
    神との約束を実行する過程、パトリシアが「獲物」の基準で相手の行動を推し量る傲慢で冷酷な態度は多くの非難と偏見を受けた。
    そのためパトリシアの自己認識は「歓迎されない人間」になった。
    パトリシアが獲物の運命を決め、儀式の結果を表す鍵となるのは「獲物が神の御前で悔い改めるか」である。
    獲物は自分の過去から抜け出さなければ、困窮から抜け出すことはできない。
    • パトリシア・ドーヴァル(5-0-5)について
      神との約束を実行する過程で、パトリシアは抵抗なく自身を外族との対立に置き、常に「獲物」の基準で相手の行動を推し量った。
      この傲慢で冷酷な態度によって多くの非難と偏見を受け、パトリシアの自己認識は「歓迎されない人間」になった。
      だからパトリシアはカヴィンの善意を受け入れられなかった。
  • 筆跡の異なる実験記録の下書き(5-0-3-U)
    白黒無常.jpg 
    5-0-3-Uに関する伝説によると、5-0-3-Uは神秘的な東方の力を持っているらしい。
    テストの結果、5-0-3-Uは確かに微量な生物エネルギー反応を有していたが、記録者はこのエネルギー反応と「内に宿る亡霊」の伝説は無関係であると考えていた。
    かつて長期的に特殊な生態環境にいたことと関係しているかもしれない。
    現在説明のつかない異常な部分は、5-0-3-Uを湿った環境に置き、湿度変量を制御して放置すると、程度の異なる磁場変化が検測されることだ。
    変量と結果データの間に関連性は構築されていない。
    • 実験内容
      1. 5-0-3-Uを湖景村A号大船のマーク地点Xに置き、環境内の湿度を制御し、磁場変化度が最大となるデータに到達させた。
      2. ホセが無事ゲームに入った場合、マークされた地点に目標を誘導。
    • 実験結果
      ホセはマーク地点に到達、船内で異常な表現を見せる水紋情報を発見。また、この場所の環境は異常に湿っており、5-0-3-U の所在位置に近いほど湿気が強い。
      ホセは水紋符号の解読を試みた。
      ホセは観測できない何かを目にし、影響を受けたように混乱に陥った。
      ……(内容は塗りつぶされている)
      ホセは徐々に落ち着いていき、精神状態もポジティブな変化を見せた。
      ホセはマーク地点を離れ、ウィラがいる方向へ向かった。

第6グループ(1回目)

番号役職名前補足
6-1-1
(1回目)
6-1-2
(1回目)
6-1-3
(1回目)
祭司フィオナ・ジルマン
6-1-4
(1回目)
魔トカゲ
教授
ルキノ・ドゥルギ実験報告の内容に2回目の内容が含まれないことから
6-0-5
(1回目)
アーサー・ビアス「湖景の道」の作者。黄衣の王手紙(4年目)から何度もフィオナと接触していることが分かり、「祭司の調査対象」という特徴と一致する
6-1-6
(1回目)
  • 実験内容
    計画そのものが中止になってしまうリスクはあったが、これは今までで最も危険だが最も成功した実験である。
    全実験過程で最も多くの情報を握っている参加者であるフィオナ・ジルマンの最終実験結果は、実験体に対する新しい考え方を与えてくれた。
    人並み以上の頭脳と、情報に対するより全面的な掌握力は、実験に更なる障害を与えない。逆に、この全てがあの偽りの恐怖を更にリアルに、信憑性のあるものにした。
    ルキノ・ドゥルギは唯一残された観察対象である。彼の未知に対する適度な好奇心ゆえか、未知も適度に彼を「優遇」した。
    以前集めた資料の中で、あの愚かな漁師たちは湖の中の「未知の存在」を確信していた。今や私も似たような怪奇現象を目にしたが、私は観察や実験を行い、より厳正な原理を以て解釈を行えるかもしれない。
    5人の消失によって、このグループの実験は意味を成さなくなった。よって、このグループのファイルは封じられることになった(排除も考慮)。
    「第6グループ」をもう一度やり直し、再び湖景村実験場にルキノ・ドゥルギ、そしてこのグループに類似する「ユニークかつ危険」な実験対象を投入しよう。
    新しい6つ目のグループはこのグループと同じような結果となるだろうか?今回の興味深い状況は再現されるのだろうか?
    人々は未知を恐れるものだ。しかし、そんな神秘的な現象の中で規則性を探すのも、実験の中で最も面白い部分だと言える。
    • 薬物の効果がすでに安定していることが確信できた後、私はアーサー・ビアスを招待することにしたが、長い間ずっと十分な数の対照群が見つからなかった。
      しかしそれもフィオナ・ジルマンが現れるまでだ。
      彼女は古くからの友人が私に「提供」してくれた良き対象だ。
      彼女が握る情報を基に、フィオナ・ジルマンはすぐにアーサー・ビアスを最初の調査対象と定めたようだ。
      最初、フィオナ・ジルマンの進展は順調と言えるもので、彼女が計画の主導権を握ることができていた。
      しかし、6-1-2の「事故」死に伴い、アーサー・ビアスと湖景村に対して見せたフィオナ・ジルマンの過度な注目は、アーサー・ビアス6-1-4の警戒を招くことになった。
      6-1-6が後から加わった後、フィオナ・ジルマンは並外れた直観によってアーサー・ビアスの「生贄」となる事を避けたが、迷いによって「神意」に関する肝心な情報における唯一のチャンスを逃してしまった。
    • 実験の後処理中、予想外の状況が起こった。実験終了後の最初の夜、6-1-1が処理室から消え、翌日はフィオナ・ジルマンが消えた。
      こうしてルキノ・ドゥルギ以外の5名が、その後の3日間のうちに全員姿を消していったのだ。その中には死亡を確認した参加者の遺体も含まれていた。
      検証を行ったところ、残された水たまりはこのグループの実験場にある湖の成分と酷似していた。
  • 名前未公開(6-1-1)
    実験終了後、最初の夜に処理室から消えた。
  • 名前未公開(6-1-2)
    「事故」死した。
  • フィオナ・ジルマン(6-1-3)
    祭司.jpg 
    テスト標記自信を持つ懐疑論者、ロマン主義、天啓
    テスト傾向「神意」の天啓を覗き見る
    薬物投与-結果
    フィオナ・ジルマンは賢くて鋭く、行動力がある。
    我々は彼女の特殊能力を借り、湖の底にあった一部の真相を見つけることができた。
    アーサーの物語は彼女に不足していた情報を補い、薬の効果を発揮するより多くの操作空間を提供した。
    全実験過程で最も多くの情報を握っている参加者であるフィオナの最終実験結果は、実験体に対する新しい考え方を与えてくれた。
    人並み以上の頭脳と、情報に対するより全面的な掌握力は、実験に更なる障害を与えない。
    逆に、この全てがあの偽りの恐怖を更にリアルに、信憑性のあるものにした。
    なんせ真相と信仰とは、ゾートロープの中にある絶景に似ているーー
    「手に入れることも、作ることも、捨てることもできるが、触れることはできない」。
    彼女も、私も、皆そうだ。
    • 6-1-2について
      6-1-2の「事故」死に伴い、フィオナは6-0-5と湖景村に対して過度な注目を見せた。
    • ルキノ・ドゥルギ(6-1-4)について
      6-1-2の「事故」死に伴い、彼女が6-0-5と湖景村に対して見せた過度な注目は、(6-0-5と)ルキノの警戒を招くことになった。
    • アーサー・ビアス(6-0-5)について
      フィオナはやって来てすぐに、彼女が握る情報を基に、アーサーを最初の調査対象と定めたようだ。
      しかし、6-1-2の「事故」死に伴い、彼女がアーサーと湖景村に対して見せた過度な注目は、(ルキノと)アーサーの警戒を招くことになった。
      6-1-6が後から加わった後、フィオナは並外れた直観によってアーサーの「生贄」となる事を避けたが、迷いによって「神意」に関する肝心な情報における唯一のチャンスを逃してしまった。
      ジルマンはその作家さんに異例な関心を持っていた。
      しかも隠れた場所で秘密の会話をしていたらしい。
      彼らは私の理解できない言語を使っていたから、話の内容までは把握できなかった。
      だが、私はあることに気づいた。
      作家さんの体には、どこかで嗅いだことのある匂いが付いている。
      毎日の夕方、ジルマンが謎の場所で全身に染み込ませてくる、例の湿った泥のような匂いだ。
      ーー祭司手紙(2年目)より
      今日の午後、私は5度目の湖を訪れた。
      案の定、あの人もいた。彼は変わらず同じ場所に――あのボロボロの船の傍に立っていて、湖の対岸にある密林の方向を見つめていた。
      私は彼に向かって、もう4度目になる問いを口にした。当時、幼い彼は湖の底で何を見たのかと。
      以前の3回とは違い、今回の彼は私たちしか知らない言語を使って聞き返してきた:
      「君は僕が何を見ていたらいいと思う?」
      私は答えられなかった。彼も私から答えを得られるとは思っていなかったようで、返答を待たずに続けた:
      「行ったことがあるんだろう。君は何を見つけたの?」
      私は驚いた。確かに湖の底に行ったことはあるが、誰にも知られていないと思っていたからだ。

      「ジルマンさん、こう考えたことはない?僕たちが答えを探しているんじゃなくて、答えが僕らに呼びかけているのだと」
      私はその場に立ちつくした。 例のなじみ深い、冷たく湿っぽい感覚が再び私を襲う。
      昔、あの黄金郷で、私にまったく同じことを訊ねた人物がいる。
      私ははっと振り向いた。しかしその時、ボロボロの船の傍にはすでに誰もおらず、湖の水がその船体にぶつかり、水飛沫をあげていた。
      鏡面のように穏やかで起伏のないこの湖に、初めて満ち潮が起こった。
      ーー祭司手紙(4年目)より
  • ルキノ・ドゥルギ(6-1-4)の実験報告
    教授.jpg魔トカゲ.jpg 
    テスト標記警戒心、適度な知識欲
    テスト傾向警戒心を抱いた探求者。本グループに唯一存在する実験対象。
    薬物投与-生死生存
    6つ目のグループのうち、消えた5名は生命的な意味でも、現実の肉体的な意味でも、すでに存在していない。しかし「消失」よりも、私は彼らを「存在していた証を消された 」と称するべきだと考えている。
    厳重な監視を潜り抜けて、彼らは湿った冷たい水たまりとなったのだ。
    ルキノ・ドゥルギは唯一残された観察対象である。
    彼の未知に対する適度な好奇心ゆえか、未知も適度に彼を「優遇」した。
    かつて爬虫類に噛まれた頃と比べれば、少なくとも彼は過去の経験から適度な敬意と警戒を持つことを学んだのだと思われる。
    • アーサー・ビアス(6-0-5)について
      アーサーが「生贄」となったせいで局面が完全に混乱に陥った後も、ルキノは冷静に危険と距離を保ち続けることができた。
    • 6-1-1・フィオナ・ジルマン(6-1-3)・他3人の参加者について
      実験終了後の最初の夜、6-1-1が処理室から消えた。地面には水たまりが残っていた。
      翌日はフィオナが消え、同じように深い色の水たまりを残した。
      こうしてこのグループのルキノ以外の5名が、その後の3日間のうちに全員姿を消していったのだ。
      その中には死亡を確認した参加者の遺体も含まれていた。
  • アーサー・ビアス(1回目の6-0-5)
    作家。
  • 名前未公開(1回目の6-1-6)
    最後に加わった。


第6グループ(2回目)

番号役職名前補足
6-1-1
(2回目)
占い師イライ・クラーク
6-1-2
(2回目)
消去法で魔トカゲの可能性がある
6-?-3
(2回目)
バーメイドデミ・バーボン
6-1-4
(2回目)
空軍???
(分かりにくいので以下では「空軍」と仮称する)
番号不明2回目の魔トカゲ
  • 実験内容
    • デミ・バーボンの到来は予想よりも大分早かった。
      最初は、薬物を通して彼女を制御しようと試みたが、2つ目の試薬まで進めた時、今まで繰り返された実験で安定した効果を発揮していた薬剤に揺らぎが見られた。
      過去に繰り返された実験から、実験の重複回数が多くなるほど、実験対象に対する薬物作用の安定性は落ちることが分かる。
      そのため、前のグループの事故がまだ解決できていないままだが、新しいグループのテストを始めることにした。
      そして実験対象をいち早く補充するために、前のグループで残ったサンプルを二次投入し、予備実験対象である新しい「空軍」を起用した。
    • このグループは「ピノキオ」ゲームが宛がわれた。4人の試験品は「本物と偽物」を逆に演じるよう要求された。
      ルールに従い、「空軍」はゲーム内で本当の身分を使用する必要があった。
      しかし自己紹介の時、彼女は変わらず偽りの身分を使用し、彼女の偽りの身分は同じグループの他の3人の実験体に認められた。
      その夜、「空軍」は警告を受けた。そして翌日、彼女は改めて自己紹介を行った。
      しかし彼女の本当の身分の方が、逆に他の3人の実験体に偽りの情報だと判断された。
      彼女がゲーム内で「嘘をついた」行為によって、6-1-2は彼女が預言の中で最後の「悲劇」を導く「嘘」であると考えた。
      彼女がゲームの最後に6-1-2に「真相」を伝えようとしたが、信頼されなかった。これによって、彼女と6-1-2の間に悲劇が起こった。
      真相に包まれた虚偽実験の中、デミ・バーボンは終始恐れ知らずな姿を見せ、残酷と言えるほど衝動的かつ直接的な行動を取った。
      その典型例が、実験過程において、安定性を考慮した私が6-1-2「空軍」デミ・バーボンに誘導干渉を行った時のことだ。
      他の実験対象とは異なり、デミ・バーボンは誘導内容に対していかなる修正も行わなかった。
      このゲームにどうやって勝つか、その策路的な選択において、デミ・バーボンは最初から真相と嘘に対する識別を放棄し、嘘と真相そのものを破壊することを選んでいたのだ。
    • 「予知」の能力はこれが初の事例となる。現在はまだ十分な実験結果が得られていないため、正確な定義はできない。より多くの実験データが必要である。
      しかしイライ・クラークの実験結果から見ると、魂や未来などの神秘学に関しては、湖景村試験場がこの類の能力を刺激する無二の選択であると思われる。 
      今後の実験では、イライ・クラークに類似する実験対象を探し、湖景村試験場で集中観察するのが良いかもしれない。
  • イライ・クラーク(6-1-1)の実験ファイル
    占い師.jpg 
    テスト標記慎重(「予知能力」による精神負荷)、高すぎる自意識、名利心
    テスト傾向何も知らない「予知能力者」
    薬物投与-結果
    イライ・クラークの実験結果によると、確率的な事件から分岐した選択肢であっても、発展の曲線は限りなく何かの既定事件に近付いて行くことが判明した。
    彼は予知した結末を受け入れられず、それを回避するために様々な方法(邪魔になる対象の排除、あるいはそれ以外も含む)を試したが、回避のために行った行動が逆に最初に予知した結末を招いてしまった。
    残念ながらイライに対する実験は1回のみで結果は変わらず、実験過程も繰り返すことができないため、以下の仮説は検証できない。
    イライが未来を変えることができなかったのは、彼が回避のために行った選択そのものが既定の結末を導くものであったからか、それとも別の3人の実験対象の行動によって、元の結末に修正されたのか?
    未来を予知できる超人は、往々にして最も無知な人間でもある。
    初めてこの実験個体たちを見た時、「予知能力者」が「予知能力者」を葬り、「正直者」が「超人」に勝つという実験結果を誰が予想できただろうか?
  • 名前未公開(6-1-2)
    「空軍」との間に悲劇が起こった。
  • デミ・バーボン(6-?-3)の実験ファイル
    バーメイド.jpg 
    テスト標記薬物耐性?、恐れを知らない「コマ」
    テスト傾向間違った「正解」
    薬物投与2種類の試薬結果
    学識的な角度から言えば、デミ・バーボンはサム・バーボンに遠く及ばないだろう。
    しかし明らかに、ルールに挑戦する果敢さ、あるいは狂気のようなものは血縁によって繋がっているものではなかった。
    デミの実験計画初期、私は彼女を2種類の研究試薬の対照群としてゲームに投入するつもりだった。
    しかし明らかに、私は元同僚の「傑作」に対する予測を誤ったようだ。
    最終的な薬効は全く異なる(真逆とすら言える)が、この2種類の研究試薬の核心的な素材は、同じ原料から摘出されるものだ。
    これが薬同士が強い薬物耐性を生んだ原因だろう。私がこのような薬物耐性の影響に対して予測を誤ったため、この実験は最初から最後まで私が察知できなかった変数に満ちていた。
    そしてこれらの変数によって、デミは確かに優秀な実験の駒であることが分かった。しかしどうやら、私は唯一の指し手ではないらしい。
    だが、私が一枚上手なのは疑う余地もない。なんせ私は最終的に自分だけの答えを見つけたが、彼は永遠に、私たちが解決しなければならない問題が、最初から違うということすら知り得ないのだから。
  • ???(6-1-4)の実験ファイル
    空軍.jpg 
    テスト標記偽装者、真実の中の噓、ロールプレイング
    テスト傾向自我を忘れた者。
    薬物投与-結果
    「空軍」自身が「偽り」の人間であるため、このグループの実験では面白い現象が起こった。
    同グループの実験体は「空軍」の嘘を受け入れたが、彼女が正直になろうと決意した後口にした真相を穴だらけの嘘として捉えた。
    「空軍」は生活の中で常に他人の身分を借りるため、彼女が本当の自分を名乗ろうとした時、同グループの他の者たち、そして彼女自身にとって、それは「嘘」になった。
    実際、「空軍」が「偽りの身分」を名乗った時、彼女は冷静で余裕を見せ、まるで彼女こそがこの人物であるかのように見せた。
    一方ゲーム内で本当の自分を名乗るよう要求された時は、不安げで落ち着かない様子を見せた。
    以上のことから、彼女は自分以外のどんな身分でも成りすます準備が出来ていたが、自分自身となる準備だけは出来ていなかったと推論できる。
    • 6-1-2について
      「空軍」がゲーム内で「嘘をついた」行為によって、6-1-2は彼女が預言の中で最後の「悲劇」を導く「嘘」であると考えた。
      「空軍」はゲームの最後に6-1-2に「真相」を伝えようとしたが、信頼されなかった。
      これによって、彼女と6-1-2の間に悲劇が起こった。


第7グループ

メンバー不明

第8グループ

番号役職名前補足
8-0-1結魂者ヴィオレッタ
8-?-2曲芸師マイク・モートン
8-0-3道化師
泣きピエロ
ジョーカー
8-1-4踊り子マルガレータ・ツェレ
8-?-5野人モウロ
  • 実験内容
    ヴィオレッタは今回の実験の中心人物ではないが、その単純な個性は研究に値する。
    よって、ヴィオレッタに薬剤を使用するのは実験計画外であり、薬剤は実験対象の行動に予想通りの影響を与えなかった。
    ヴィオレッタが傷つけられた後、「和やか」だった雰囲気は砕け散った。ウサギの出現はオオカミの群れの足跡を暴くように。
    この実験対象を引き続き利用する必要もないが実験による副産物は注目に値するーー「善」の退場は「悪」にどのような影響を及ぼすのか?
    この方向に研究を進めるべきだろう。
    マルガレータ・ツェレの実験では、本質的に繊細で脆弱な人間は、薬物の影響がなくとも崩壊の瀬戸際で足を踏み外すことが証明された。
    しかし薬物実験の対比例としては十分で的確な対比結果を提供できない。今後の対比例の選択においては、できる限り回避すべきだろう。
    今後高いプレッシャーにおける薬物実験体の感情制御観察は、今まで以上に慎重に進める必要がある。
    • 1.実験初期
      このグループのメンバーには明確な陣営区分が存在した。
      モウロ マイク・モートンは強固な同盟を結び、共にジョーカーマルガレータ・ツェレに対抗した。
      ヴィオレッタは疎遠されていたが、何度もモウロマイク・モートンの助けを受けていた。
      初期の実験において、モウロは目的達成を急いでおらず、同盟のマイク・モートンの方がより強い目的性を見せた。
    • ?.薬物投与(どの段階で投与されたか不明):マルガレータ・ツェレ
      マルガレータ・ツェレは薬物の影響の下、ジョーカーを微笑みピエロのセルゲイと勘違いした。
      しかしジョーカーの正体が分かると、すぐにまた「美貌と弱みを見せることで同情を引き、他人の庇護を求める」という既存の行動パターンに戻った。
    • 2.実験過程中
      テーブルに残された劇のリハーサルルールが「ノイジー」の意見が分かれたきっかけとなった。
      予測通り、ヴィオレッタは劇のリハーサルに対して気持ちを高ぶらせ、すぐにその内容を一同に知らせた。
      他のメンバーの反応ももれなく予想の内だったが、ジョーカーだけは違った。
      ジョーカーは劇というものが現実での実際の虐殺でなければならないと思い込み、このグループで疎遠されていたヴィオレッタを呼び出し、その機械足を切断して荘園から放り出し、動きがままならない彼女を大雪の中に放置した。
      彼女が襲われた時、マイク・モートンの心の中で事件の真相の朧げな答えが浮かび上がった。
    • 3.実験末期:月の河公園?
      ゲーム開始後、月の河公園の惨劇の真相が徐々に暴かれていった。
      ジョーカーは今までのように現実を受け入れるのではなく暴力的な手段を以て主導者となろうとした。
      しかし圧迫的な環境の中、長時間十分な強気と警戒を保たせるほどジョーカーの脆弱な内心は強くなかった。
      ジョーカーの8-1-4に対する庇護は脅迫へと変わり、薬物の影響で精神が崩れかかっていたマルガレータ・ツェレは極端な道へ足を進めたが、幸運が彼女自身に再び訪れることはなかった
      サーカス事件の「状況が再現される」につれ、ジョーカーの「嘘の鎧」も崩壊していき、真相が露になった後、彼は仮面を取った「赤裸々」な自分と向き合えず精神が暴走を起こし、マルガレータ・ツェレと同じ結末を迎えた。
      マイク・モートンは自身の楽しい舞台が上辺だけの穏やかで短いひと時にしか存在しないことを知り、信念が崩れた彼は再び現実に向き合うことができなくなった。
      運よく生き残ったモウロは再び帰属先を失った。
  • ヴィオレッタ(8-0-1)の実験ファイル
    結魂者.jpg 
    テスト標記疎遠化、盲目的な善意、お人よし
    テスト傾向騙されることを望む「道具」
    薬物投与生死ジョーカーによって脱落
    ヴィオレッタに薬剤を使用するのは実験計画外であり、薬剤は実験対象の行動に予想通りの影響を与えなかったため、一時的に最終結果に準じて番号を振る。
    先天的な欠陥と過去の経歴によって「自己卑下、軟弱、他人からのいじめに対して習慣的に避ける表現を見せる」というヴィオレッタの個性は形成された。
    長期的に疎外されてきたヴィオレッタは舞台へ戻ることを渇望し、他人に重視されたがっている。
    ポジティブな感情が欠けているため、彼女は藁にもすがるように「希望」を信じて疑わず、それは盲目的と言えるほどになっている。
    結果として、彼女は人間の悪意的な行為に対する判別がつかず、偽りの希望に身を委ねるようになっている。
    • ジョーカー(8-0-3)について
      ヴィオレッタがジョーカーに傷つけられた後、「和やか」だった雰囲気は砕け散った。
  • マイク・モートン(8-?-2)の実験ファイル
    曲芸師.jpg 
    テスト標記疎遠化、盲目的な善意、お人よし
    テスト傾向迷子の「家族」、帰れない「ノイジー」。
    薬物投与-生死脱落
    マルガレータ・ツェレの対照群として、同じく「ノイジー」サーカス団の生き残りであるマイク・モートンは薬剤を投与されなかった。
    ゲームの全過程においてマイクは確かに旧友との再会の雰囲気に浸ることはなく、最も冷静な実験目標だった。
    マイクは真相を探求する目的で荘園を訪れ、「ノイジー」の知り合いたちと再会するとは思ってもいなかった。
    かつては楽観的でまっすぐだったマイクがどうやって復讐するかがこのグループの実験の最大の懸念の1つだが、復讐を諦める選択をし、彼の本性から外れる事はなかった。
    「ノイジー」サーカス団の家族は、彼の心の中で1番の存在だ。このような家族に対する愛着は幼稚で、盲目的だ。
    「ノイジー」の過去の闇が暴かれるにつれ、彼はようやく自身の楽しい舞台が上辺だけの穏やかで短いひと時にしか存在しないことを知った(この点に関しては私も共感する)。
    そして信念が崩れたマイクは、再び現実に向き合うことはできなかったーーこれによって再び、無垢で楽観的な人間はゲーム内で存続し続けられないことが証明された。
    • ヴィオレッタ(8-0-1)の実験ファイル
      マイクは真相を探求する目的で荘園を訪れ、「ノイジー」の知り合いたちと再会するとは思ってもいなかった。
      そしてヴィオレッタが襲われた時、マイクの心の中で朧げな答えが浮かび上がり、過去の様々な闇も徐々に露になっていった。
    • ジョーカー(8-0-3)・マルガレータ・ツェレ(8-1-4)について
      「ゲストショー」は徹底的にジョーカーとマルガレータの協力関係を打ち砕いた。
      しかし再びマルガレータを失い消沈したジョーカーに対し、マイクは復讐を諦める選択をした。
    • モウロ(8-0-5)について
      ゲーム内で、マイクとモウロは「ゲストショー」を共に行った。
  • ジョーカー(8-0-3)の実験ファイル
    泣きピエロ.jpg道化師.jpg  
    テスト標記悲観、劣等感、脆弱さ
    テスト傾向崩壊間際のトラブルメーカー
    薬物投与-生死脱落
    顔が潰れる前のジョーカーは、喜劇感あふれる哀愁の顔を持っており、その泣き顔の裏にはジョーカーの脆弱さと劣等感が隠されていた。
    月の河公園事件で泣き顔が潰れ、笑顔の仮面をつけるようになったジョーカーは、暴力で物事を解決するようになった。
    当初の実験設計上、ジョーカーは元々このグループの最後の生き残りとなるはずだったが、薬物の影響がないにも関わらず、ジョーカーの情緒は制御不能なまま極端な方向へと傾いていった。
    その原因を探るならば、やはりジョーカーの内心に深く根付いた劣等感によるものだろう。
    古い仮面を被ったジョーカーが頼りにしていたのは卑屈なご機嫌取りだ。そして新しい仮面はジョーカーにとっても、簡単に見破られる戯言にすぎない。
    実験にて、再び「ノイジー」の知人に出会ったジョーカーは、情勢が自分の想定していたものとは異なると気付くと、今までのように現実を受け入れるのではなく暴力的な手段を以て主導者となり、彼が望む結果を手に入れようとした。
    しかし圧迫的な環境の中、長時間十分な強気と警戒を保たせるほどジョーカーの脆弱な内心は強くなかった。サーカス事件の「状況が再現される」につれ、彼の「嘘の鎧」も崩壊していった。
    真相が露になった後、仮面を取った「赤裸々」な自分と向き合えず精神が暴走を起こし、最終的に薬物を使用したマルガレータと同じ結末を迎えた。
    • ヴィオレッタ(8-0-1)について
      ヴィオレッタはテーブルに残された劇のリハーサルに対して気持ちを高ぶらせ、すぐにその内容を一同に知らせた。
      ジョーカーは劇というものが現実での実際の虐殺でなければならないと思い込み、すぐに行動を起こした。
      「ショーのインスピレーション」を集めるという名目で、このグループで疎遠されていたヴィオレッタを呼び出した。
      その機械足を切断して荘園から放り出し、動きがままならないヴィオレッタを大雪の中に放置した。
    • マルガレータ・ツェレ(8-1-4)について
      真相が露になった後、ジョーカーは仮面を取った「赤裸々」な自分と向き合えず精神が暴走を起こし、最終的に薬物を使用したマルガレータと同じ結末を迎えた。
  • マルガレータ・ツェレ(8-1-4)の実験ファイル
    踊り子.jpg 
    テスト標記薬物実験体、同情を得るために弱者としてふるまう者、多重身分の帰還
    テスト傾向幻覚の淵で揺れるヒロイン
    薬物投与生死脱落
    ナターシャ、ナタリー、マルガレータ。どの身分も、8-1-4に真の自由をもたらすことはなかった。
    よそ者である湖景村のナターシャは現地の集団に溶け込むことができず(彼女の養育者は生贄にされたほどである)、サーカス団のナタリーも夫の暴力でボロボロになり、ジョーカーに相談する外なかった。
    惨劇の後、生き残ったマルガレータは束縛から逃れたように見えたが、鮮やかな生活に対する追求が彼女の目に見えない拘束具となった──これが全ての不幸の源であり、彼女が荘園へ来た目的でもある。
    ゲーム開始後、月の河公園惨劇の真相が徐々に暴かれるにつれ、ジョーカーのマルガレータに対する庇護は脅迫へと変わった。
    この時、薬物の影響で精神が崩れかかっていたマルガレータは極端な道へ足を進めたが、幸運が彼女自身に再び訪れることはなかった。
    • ジョーカー(8-0-3)について
      マルガレータは薬物の影響の下、ジョーカーを微笑みピエロのセルゲイ──彼女のかつての恋人と、悪夢だと勘違いした。
      ほんの一時、彼女は心から「ノイジー」サーカス団の暖かい家族の雰囲気を懐かしんでいた。
      しかしジョーカーの正体が分かると、マルガレータはすぐにまた「美貌と弱みを見せることで同情を引き、他人の庇護を求める」という既存の行動パターンに戻った。
      セルゲイとジョーカーに対する依存は彼女の弱点であり、武器でもあった。
      彼女は(一部の角度から見れば)セルゲイを通して漁村を離れることに成功し、ジョーカーを通してセルゲイから解放された。
      ゲーム開始後、月の河公園惨劇の真相が徐々に暴かれるにつれ、ジョーカーのマルガレータに対する庇護は脅迫へと変わった。
      「全員沈黙に陥った。他の者たちも私と同じように考えているのだと思う。
      セルゲイだけが妙に小躍りしていた。「純粋さ」と「彼」は、あまりにも合わない。
      彼は両手を腰に添え、嬉しそうに踊り始めた。
      セルゲイは絶対にこんな風に踊ったりしない。彼は単純な喜びなんて知らない。
      彼が本当にこの曲を好きになったことはない。踊った時に左足を先に着地させたりもしない!
      思い出した。これは『道化師』ポルカだ。
      右足が不自由なジョーカーが大好きだった曲。
      彼はユーモアなこの音楽が好きで、不器用な彼の動きを笑う人々の笑い声が大好きだった。
      「ああ、セルゲイ。あなたは相変わらず素敵ね。」片隅の女がぼつりと囁いた。
      彼女の声は軽やか過ぎて現実味がなかったが、この素晴らしい全てを引き裂くには十分だった。
      かつて私が深く愛したこの顔は、徐々にサーカス団の裏で木を切り落とす時のあの落胆した顔と重なり、見たことないような歪みと凶悪さが見えるようになった。
      ーー道化師手紙(2年目)より
      「あなたと再会できた時は本当にうれしかった!本当よ!
      昔の日々を思い出したわ。あなたが傷の手当をしてくれた時はすごく優しかった!
      後のことは、ああ、あの後に起こったことはもう思い出したくない。私、怖くて……!
      あれはあなたの意思でも、私の意思でもなかった。私たちは人を傷つけるような人じゃないもの。
      こんな時にあなたを必要とする私をどうか許して。でも、あなた以外に誰を信じていいのか分からない。
      私が信じられるのはずっとあなただけだわ!
      来る前にあいつが私を探していると聞いた。
      彼がここ数日私たちを見る目つきにはあなたも気付いたはず。
      嫌悪、憎しみ………あんな恐ろしい思いはもうこりごりよ。
      どうかもう一度私を信じて!お願い。
      今夜皆が寝静まった後、一度私に会いに来て。
      ずっと待っているから。
      ーー踊り子手紙(2年目)より)
  • モウロ(8-?-5)の実験ファイル
    野人.jpg 
    テスト標記主人公妄想、帰属感の欠如、自己定義できない
    テスト傾向悲劇の中で自己価値を探す「主人公」
    薬物投与-生死唯一の生存者
    特殊な経歴によってサーカス団を離れたモウロは、自分に明確な定義を持つことが難しかった。
    人に決められた運命から脱する努力はしているが、自身に対する認知も他人に由来するものであることが多い。
    サーカス団内で、モウロはほとんどの者たちに疎遠されていたが、実験内の小さな環境で、他人との同盟によってモウロは団体で認められたと感じ、相手との対抗で「人間」として向き合われた自己肯定を持てるようになった。
    しかし、他人の目線の上に築かれた自己実現は不安定なものだーー一度予測通りの特定の環境から離れてしまえば、彼は再び自己定義ができない迷いの中に陥ってしまう。
    このような現象はモウロの主人公妄想にも由来する。
    彼は決められたシナリオを嫌悪しているが、幼いころからの教育によって、彼の潜在意識は既定のシナリオに頼っていた。
    実験での付き合いを通して、彼は役者の身分以外の参加者と改めて知り合い、一時的に現実における自分の主役枠を見つけることができた。
    しかし劇の幕引きとともに、人々は1人また1人と退場していった。
    運よく生き残った彼は再び集団の外に「孤立」され、帰属先を失い、空っぽの穴に落ちていったのだ。
    • ヴィオレッタ(8-0-1)について
      ヴィオレッタは疎遠されていたが、何度もモウロとマイクの助けを受けていた。
      序盤のモウロは状況に合わせて行動するだけだったが、ヴィオレッタを助ける最中、モウロも徐々に環境や自我に対する明確な認知が生まれ始め、自身の価値と「使命」を認めることができた。
      実験中にヴィオレッタを救った時は自らに感動を覚えた。
    • マイク・モートン(8-?-2)について
      モウロとマイクは強固な同盟を結び、共にジョーカーとマルガレータに対抗した。
      初期の実験において、モウロは目的達成を急いでおらず、同盟のマイクの方がより強い目的性を見せた。
    • ジョーカー(8-0-3)・マルガレータ・ツェレ(8-1-4)について
      モウロとマイクは強固な同盟を結び、共にジョーカーとマルガレータに対抗した。


第9グループ

番号役職名前補足
9-?-1冒険家カート・フランク
9-?-2オフェンスウィリアム・エリスセルヴェの細工を目撃した
9-?-3傭兵ナワーブ・サベダーアーサー・ラッセルからモウロ殺害の依頼を受けた
9-?-4マジシャンセルヴェ・ル・ロイ荘園主からモウロの依頼を受けた
8-?-5野人モウロ前のゲームの生き残り
  • 実験内容
    このグループの参加者の共通点は、人に言えない秘密があることだ。
    自身の過去から脱するため、或いはずっと続けてきた偽装を維持するために。
    偽装が暴かれそうになった時、人はますます極端な方法でそれを隠そうとし、秘密が暴かれそうになる危機感は、簡単に恨みを引き起こし、殺し合いを促す。
    それは薬物の干渉すら必要としないほどーー
    実験ではナワーブ・サベダーが一方的に局面を支配し、闘獣場は彼だけの狩場となってしまった。
    最終的な実験結果は理想的ではなかったが、このグループでの経験は今後に生かせる。
    実験対象の差異はより多くの可能性を導くが、差異が大きすぎる者を同じゲームに投入するのは適切ではない。
    実験対象を選ぶ時も、より慎重に対象が制御可能であるか審査すべきだろう。
    実験終了後、処刑人に連れ戻された数少ない実験対象としてナワーブ・サベダーの身に新たな発見があった。
    彼の身には、非常に面白い行為が2つ観察できたーー
    迷いなく邪魔者を排除する傍ら、自身が追い詰められると故郷への思いを絶筆となった手紙に託すのだ。
    極悪人も死に際の絶望によって良心が芽生えるのか、それとも家族に対する感情こそが殺戮の中で彼を生かし、冷静さを保たせた動力なのか?
    現在に至るまで、実験では様々な「悪」のサンプルを記録してきた。
    その中でも特に危険なもの、矛盾しているもの、面白いものは、再びゲームに投入し、融合させることで、更に研究を深めることができるかもしれない……
    • 1.実験初期(12月5~6日)
      ウィリアム・エリスカート・フランクとの接触を拒まず、彼に手を貸したナワーブ・サベダーを簡単に信じ込んだ。
      しかしセルヴェ・ル・ロイだけは師匠が殺された現場を目撃していたため、非常に警戒していた。
      中産階級出身のセルヴェ・ル・ロイは他の「身分が低い」メンバーと馴れ合うことを拒んだ。
      また、モウロ捜索のためにセルヴェ・ル・ロイが何度も探りを入れていたことはナワーブ・サベダーの怒りに触れ、2人の軋轢は激化した。
    • 2.時系列不明(12月7日以降)
      積極的過ぎたカート・フランクは真っ先に前回の生き残りであるモウロの行方に気付き、冒険小説を作り上げた。
      これはナワーブ・サベダーの疑いを招き、懐疑的かつ危険性が極めて高い彼に排除された。
    • 3.実験末期(12月10日~)
      ウィリアム・エリスは中毒後、ナワーブ・サベダーの誘導の下、事故を故意的な傷害行為だと断定して疑いをセルヴェ・ル・ロイに向けた。
      (セルヴェ・ル・ロイはネズミを退治するために赤ワインに毒を盛り、それをナワーブ・サベダーウィリアム・エリスに薦めている)
      また、セルヴェ・ル・ロイが師に手をかけた過去を利用し、ナワーブ・サベダーカート・フランクに関する疑いの目を自分から逸らさせた。
      ナワーブ・サベダーウィリアム・エリスを騙して協力させ、共にセルヴェを排除した。
      ウィリアム・エリスは運よく危険性が高いナワーブ・サベダーからは脅威とみなされなかった。
    • 4.実験後
      規則違反のナワーブ・サベダーを処理するため、処刑人が派遣された。
      彼に協力したウィリアム・エリスも対価を払うことになった。
  • カート・フランク(9-?-1)の実験ファイル
    冒険家.jpg
    テスト標記回避性パーソナリティ障害、好奇心は猫を殺す
    テスト傾向目の前の現実から切り離される幻想家
    薬物投与-生死ナワーブによって脱落
    かつての経験がカート・フランクの回避性パーソナリティ障害を形成した。
    他人の視線に敏感で、批判、孤立、反対意見を極端に恐れる。
    カートは群衆に疎外されることを恐れ、虚構の経験によって自身に指導者としての身分を作り上げた。
    一方で、強制的に他人と交流を持ち、自身を証明しようと焦っている。
    カートは日記の記録に大量の創作内容を混入させていたほどで、ある程度実験の記録と総括に影響を及ぼした。
    自我の意識が強すぎるほか、幻想に陥りやすいのもカートが脱落した理由と言える。
    しかし参加者たちが秘密を隠すため、一切の代償を惜しまずに行動したことこそ、このグループのメンバーが次々と脱落した根本的な原因である。
    • ナワーブ・サベダー(9-?-3)・セルヴェ・ル・ロイ(9-?-4)について
      カートは元々争いの中心にはいなかったが、積極的過ぎた彼は真っ先に前回の生き残りであるモウロの行方に気付き、ナワーブの警戒を招いた。
      それぞれに対する細かい観察の後、彼は冒険小説を作り上げ、更にナワーブの疑いを招いた。
      それによって、彼の行動そのものに悪意はなかったが、懐疑的かつ危険性が極めて高いナワーブに排除された。
      その後、ナワーブに利用され、セルヴェ脱落の導火線となった。
      「私は野獣が彼を、死体を引きずって草むらに投げ込んだのを見た。獣はその男の首を噛み千切ったんだ」
      「君が見たのは確かに野獣だったのか?」
      狩人が私に訊ねた。
      「間違いない」
      数日経った後、私はついに我慢できず、自分が見たものを狩人に聞かせた。
      私は彼にあの男がすでに死んでいると伝えるのが忍びなかった。
      しかし、彼らに私がいない場合の危険性を知ってもらう必要がある。
      狩人は考え込み、小屋へ戻ってナイフを手にした。
      「ここは危険だ」
      彼は言った。
      「今後のためにも、野獣の巣穴に案内してくれないか」
      彼は正しい。明日、私たちは見に行く必要があるだろう。
      あの男の死体を見つけられるかもしれない………
      ーー冒険家手紙(2年目)より
  • ウィリアム・エリス(9-?-2)の実験ファイル
    オフェンス.jpg
    テスト標記単純、衝動的で無謀、無防備
    テスト傾向計に嵌る愚者
    薬物投与-生死規則違反者に協力したことで処罰を受けた
    学園出身のウィリアム・エリスは性格が単純で、長期間の付き合いの中で他人に仲間意識を持ちやすい。
    騙し合いが苦手で、「善人」だと思い込んだ相手を軽々しく信じ、仲間たちに認められたいがために情報を全て共有し、自身を証明したがっている。
    ナワーブは正に彼のそのような特性を利用し、彼の計画に影響を及ぼした人間を排除した。
    ウィリアムは運よくナワーブからは脅威とみなされず、自覚しないまま殺人の凶器となった。
    しかしたとえ何も知らなくても、規則違反者は処罰を受ける。
    人間性の裁判において、愚者の軽率さと無謀こそが彼が犯した罪である…………
    • カート・フランク(9-?-1)について
      ウィリアムは彼と直接的な衝突があった者以外を全く警戒せず、カートとの接触を拒まなかった。
    • ナワーブ・サベダー(9-?-3)について
      ウィリアムは彼と直接的な衝突があった者以外を全く警戒せず、彼に手を貸したナワーブを簡単に信じ込んだ。
      緊張した雰囲気の中でも、彼は熱心に焼きイノシシと酒を共に分かち合おうとナワーブを誘っていた。
      「君は本当にこんな訳のわからないものが食べたいのか?
      見た目が少し気持ちが悪い。本当にそうしない方が良いよ。(傭兵)」
      「わかった。だが香辛料を加えるか、酒とともに召し上がった方が良いと思うぞ。どうぞお召し上がれ!(傭兵)」
      「嗅いだ感じがとても新鮮だ。彼は何を心配しているんだ?(オフェンス)」
      「完璧な食中酒だ!あるいは…食前酒か。(オフェンス)」
      ーーオフェンス日記・4より
    • セルヴェ・ル・ロイ(9-?-4)について
      師匠が殺された現場を目撃していたため、ウィリアムはセルヴェを非常に警戒していた。
      これによって、彼は中毒後、真っ先にセルヴェの仕業だと思い込み、他人の誘導の下、事故を故意的な傷害行為だと断定し、矛先をセルヴェに向けた。
  • ナワーブ・サベダー(9-?-3)の実験ファイル
    傭兵.jpg
    テスト標記命知らずの乱暴者、規則違反者
    テスト傾向全員を抑え込んだ狩人。制御不能となった実験対象。
    薬物投与-生死規則違反によって処罰を受けた
    ナワーブ・サベダーは自由傭兵である。よって、彼はグループ内の他の参加者とは異なり、ゲームそのものに関心はなかった。
    その行動の全ては、任務達成を保障するためのものだ。
    ナワーブはこのグループにおける最も危険な実験対象である。
    彼は比較的強い身体能力と精神を持ち、最初から最後までモウロの殺害をこなすためにその邪魔となる参加者を全て排除した。
    その手段は迅速で無駄がなく、実験対象の行いに対する初歩的な予測を大きく上回っていた。
    しかしゲーム開始前からルールを無視したことで局面を制御不能にしたため、実験後に処刑人を派遣して処理した。
    実験終了後、処刑人に連れ戻された数少ない実験対象として新たな発見があった。
    ナワーブの身には、非常に面白い行為が2つ観察できたーー迷いなく邪魔者を排除する傍ら、自身が追い詰められると故郷への思いを絶筆となった手紙に託すのだ。
    極悪人も死に際の絶望によって良心が芽生えるのか、それとも家族に対する感情こそが殺戮の中で彼を生かし、冷静さを保たせた動力なのか?
    • カート・フランク(9-?-1)について
      モウロを処理した後、ナワーブは更に計画を漏らす可能性があるカートを排除した。
    • ウィリアム・エリス(9-?-2)・セルヴェ・ル・ロイ(9-?-4)について
      ナワーブはウィリアムを騙して協力させ、共にセルヴェを排除した。
      ナワーブの規則違反によって実験後に処刑人を派遣され、ナワーブを処理すると同時に彼に協力したウィリアムも対価を払うことになった。
  • セルヴェ・ル・ロイ(9-?-4)の実験ファイル
    マジシャン.jpg
    テスト標記疑い深い、計算高い、自尊
    テスト傾向飴を飲み食いする「鼠」は、飢えた「猫」に敵わない
    薬物投与-生死ナワーブとウィリアムによって脱落
    このグループでは、中産階級出身のセルヴェ・ル・ロイは他の「身分が低い」メンバーと馴れ合うことを拒んだ。
    セルヴェは体面的な仕事と、業界内の地位を有していたが故に、ずっと優越的な心理を抱いていた。
    しかし彼は同時に、苦労して手に入れた財と地位を失うことも恐れており、判断を前にすると常に不安が先に出て踏みとどまってしまう。
    セルヴェは疑い深く、狡猾な人間である。彼が慎重に維持してきた平穏な生活を破った2通の招待状は、彼の精神を徐々に蝕んでいった。
    自衛のため、彼は危険を冒してゲームに参加することを余儀なくされたのだが、それでも彼はまるで食べ物を盗みに来た鼠のように周囲を警戒し、最も安全な策を探し求めることを諦めなかった。
    セルヴェの最大のミスは、真の悪人を甘く見たことである。
    不安だらけの小悪党と手段を選ばない悪人が同じ闘技場に放り込まれた時、その勝敗は言うまでもないだろう。
    • ナワーブ・サベダー(9-?-3)について
      セルヴェが何度も探りを入れていたことがナワーブの怒りに触れ、2人の軋轢は激化した。
      ナワーブは完璧にカートを排除し、更にセルヴェの師を殺した汚点を利用して疑いの目を自分から逸らさせた。
      同盟相手を失ったこと、そしてナワーブの故意的な誘導もあり、セルヴェが過去に師に手をかけた悪行が暴かれると、参加者は全員セルヴェの敵に回った。
      度重なる罠と直接的な攻撃によって、未だに 自分の疑いの中に浸っていたセルヴェは手も足も出なかった。
      もううんざりだ。夜中に部屋を駆け回る鼠、ボロボロの部屋……
      くそ、かつてないほどの侮辱だぞこれは!
      これが偉大なマジシャンの待遇か?ちゃんとした厨房やランドリーすらない!
      答えはすぐ目の前にある。
      だがくそったれのナワーブ・サベダーがずっと調査の邪魔をしてくるのだ。
      あのイノシシの中には何かあると確信している。
      奴の悪事を暴くチャンスを待つだけだ。
      待ってろよ、ナワーブ・サベダー。
      何を隠しているか知らないが、私に見抜けないトリックはない!
      ーーマジシャン手紙(2年目)より

第10グループ

番号役職名前補足
10-0-1機械技師トレイシー・レズニック補欠者
10-0-2「囚人」ルカ・バルサー
10-1-3
  • 実験内容
    このグループの実験対象は、程度は異なるが全員道具的実践理性を尊ぶ傾向がある。
    ルカ・バルサーを始めとする「高い知能の持ち主」は、実験初期において穏やかで協力関係にも積極的である印象を与えた。
    この「協力」は、大型機械の中で効率よく作用し合う軸と歯車のように、 専門領域に対する判断ーーそして完璧な論理に基づいていた。
    しかしいずれの結果も、利益の衝突や疑心暗鬼が蠢く競争環境の中では、うわべだけの協力関係は必ず崩壊することを示している。
    珍しい才能が内在的な激しい矛盾を生み、事は効用とは全く逆の方向へと進んでいく。
    実験の最後になると、その勢いは平和に見えた事象を全て引き裂いていた。
    トレイシー・レズニックの素晴らしい「活躍」によって、システムの危険性が露わとなった。
    しかしこのリスクに薬物の影響が加わることで同等の脅威が生まれるか否かは、次の実験で更なる検証が必要だ。
    特筆すべきは、実験過程の一部始終でトレイシー・レズニックが私の予想以上に実験の内容を把握していたことだ。
    このような現象の起因が、このグループの被験者の特質か、実験内部に何らかの制御不能な要因が生まれたのか、それとも以前の実験グループの影響が残っていたのかは、まだ定かではない。
    どんな原因であれ、念のために今後の実験では、結果を問わずすぐに被験者への後処理を遂行することとする。
    • 1.実験初期
      実験初期において、ルカ・バルサートレイシー・レズニックの情報交流は表面的なものに留まっており、これは両者にとって有利かつ効率的と言える探り合いだった。
      補欠者であるトレイシー・レズニックは、実験当初からこれまでの被験者を遥かに上回る知能と観察力を見せたため、実験が順調に進むよう予定よりも早く処刑人を介入させて観測を行わざるを得なかった。
      しかしこのような予防性質の観測は、ルカ・バルサーの到来と処刑人の主観意識の変化によって、最終的に行動介入へと昇華した。
      協力関係において、ルカ・バルサーは元々のレベルを上回る従順さと利他性を見せた。このような一時的な表象は処刑人の判断にも不利な影響を与えた。
      他の実験グループがゲーム内での出来事や進展に注目する中、この2人は思考の罠に陥らず逆に限られた実験空間をもとに、実験そのものに対して有効な考察を行ったーー
      その全てを推し量る洞察力は巧妙にも処刑人の存在を回避し、協力を通して彼らは謎を解く鍵を共に手に入れたのだ。
    • 2.初期以降
      トレイシー・レズニックルカ・バルサーが理想とする目標地点は本質的に方向性が異なりーー両者は短期間のうちにそれを感じ取った。
      表面的な協力関係は互いの利害関係を調和するには至らず、両者が自分を一番に考えていることにも変わりはなかった。
      トレイシー・レズニックは局面を制する支配力への驕り、そしてルカ・バルサーの経験に対する認識の不足によって、自ら仕掛けた巧妙な罠が己を失敗へと導くことになった。
      実験の初歩的な進展に伴い、このグループが持つ実験特性に対応する影響要素として、2つ目の実験サンプルが新しい観測実験に投入された。
      ルカ・バルサー10-1-3に見せた態度は前後で大きな差が生まれた。
      最初は自分と似た、珍しい境遇に対する同情。そしてそれは、徐々に巧妙に隠された殺意へと変化した。
      ルカ・バルサーは元々立てていた慎重で回りくどい計画を放棄し、有限な条件下で利用できる情報と材料に基づき、トレイシー・レズニック10-1-3の行動に助長された側面もあって、最終的にこの実験を——残酷だが、 素晴らしい結末へと導いた。
  • トレイシー・レズニック(10-0-1)の実験ファイル
    テスト標記高い知能、最優秀学生(書き換えられた痕跡がある)、欠陥テスト
    テスト傾向パーツの欠けた「精密機械」
    薬物投与-結果
    優れた頭脳、鋭い観察力、優れた実践力によって、トレイシー・レズニックは誰よりも優秀な生徒のごとく、彼女のために設置された実験課題を難なく模範解答通りにこなした。
    しかし肝心な情報が欠けていたことによって、彼女は時間内に正しい答えに辿り着くことができなかった。
    結果は彼女の思い通りには行かなかったが、彼女は確かに引導者としての役割を演じきり、久しぶりの勝者の誕生に促進作用を与えた。
    • ルカ・バルサー(10-0-2)について
      トレイシーは自分に対するはっきりとした認識を持っていた。
      「最後のパーツ」ルカの協力を得た後は極度な自信を持つようになり、勝利のみとならず更なる報酬も手に入れることを望んだ。
  • ルカ・バルサー(10-0-2)の実験ファイル
    テスト標記高い知能、自負、頑固
    テスト傾向自己中心的で頑固な 「理想家」
    薬物投与-結果
    度重なる電気ショックによって、ルカは永久的な脳の損傷を負った。確認できる範囲の観測結果を見る限り、ルカは記憶、認知、心理機能において確実な欠陥が存在する。
    意外なことに、このような損傷による変化はルカを受け身の状況に陥らせなかった。
    むしろルカは頑なな性格が幸いし、実験そのものの存在を察知でき、潜在的な危険に対して正確な評価と対応を行ったことで、極めて不利な状況に置かれても予想を上回るほどの主導権を握ることができた。
    特に、ルカが実験の要となる施設を改造しようとした点は警戒に値する。
    高い自尊心ゆえに、ルカは皮肉げ態度を取っており、これはトレイシーとルカの協力関係が破綻した要因にもなっている。
    • トレイシー・レズニック(10-0-1)について
      実験初期において、ルカとトレイシーの情報交流は表面的なものに留まっており、これは両者にとって有利かつ効率的と言える探り合いだった。
      協力関係において、ルカは元々のレベルを上回る従順さと利他性を見せ、2人の協力関係は目ぼしい成果を生んでいた。
      このような一時的な表象は処刑人の判断にも不利な影響を与えた。
      しかしトレイシーは局面を制する支配力への驕り、そしてルカの経験に対する認識の不足によって、自ら仕掛けた巧妙な罠が己を失敗へと導くことになった。
      最初、私たちは互いに簡単な挨拶をしただけで解散した。
      でも私が壊れた時計を壁から外していた時、彼は突然私の背後に現れ、私に時間を訊ねた。私は彼に今は午後の3時21分だと伝えた。
      私が振り返った時、彼は何か考え込むように私を見ていた。私は自分が時計職人で、時計の部品をたくさん発明したことがあり、その部品でこの時計を直せることを彼に告げた。
      そして時計が止まってしまった原因は2つ。1つ目は電池が切れたこと。2つ目はチェーンを繋ぎ直す必要があること。
      この話は彼の興味を引いたようだった。彼は私の言葉を繰り返すように「電池……チェーン……」とブツブツ唱え始めたが、納得のいかないような口調だ。
      彼に理由を訊ねてみると、設備の寿命を延ばす部品を作ることを「発明」と呼ぶべきではないと思ったらしい。
      そして、一般的なボルタ電池と振り子よりももっと良い方法があると言った。
      言っている意味は理解できたけれど、それはあまりにも突飛な話だ。
      私は時計を自主的に運動させ、誤差を有効的な範疇に抑えることは最も偉大な革新か、甘い幻想でしかないと認識していた。
      ーー機械技師手紙(3年目)より
    • 10-1-3について
      ルカが10-1-3に見せた態度は前後で大きな差が生まれた。最初は自分と似た、珍しい境遇に対する同情。
      そしてそれは、徐々に巧妙に隠された殺意へと変化した。
      ルカの過去に対する執着心を考慮すれば、この態度の変化は妥当とも言えるだろう。