イベントストーリー
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プロローグ
耳元で風の声が聞こえる。
再び目を開けた時、君は荒れ果てた世界が目に入るだろう。
灰色の空が大きな廃墟を映し、瓦礫が何もない土地の上を転がっている。
ほど遠くない場所でーー1人の男が瓦礫の中で何かを漁っている。
「枯れ葉」:……
「枯れ葉」:そ、そこにいるのは誰だ!
「枯れ葉」:何をする!私のものを奪う気か!?
「枯れ葉」:どうか……どうか帰ってくれ。頼むから……
「枯れ葉」:……
「枯れ葉」:す、すまない……私は「枯れ葉」という。
「枯れ葉」:もうずいぶん長いこと人間に会ってないんだ。あいつらは皆避難所に行ったから……
「枯れ葉」:3か月。私は3か月探し続け、ついに「あれ」に関する手掛かりーーあの研究所の実験ファイルを見つけた。
「枯れ葉」:そう、私が手掛かりを辿って「あれ」を見つければ……私は永遠に休める……
実験調査・植物ノート
1日目:銀杏
- 植物ノート
「枯れ葉」:新しい種を獲得した時、種に関する情報を記した資料を1枚見つけた。
「枯れ葉」:この記録と情報をここに映しておこう……何かの役に立つかもしれない。
銀杏(NO:0000001)
学名:Ginkgo biloba
形態特徴:
裸子植物の中で唯一の中型落葉広葉樹。
扇形の葉っぱで、種は白果と呼ばれており、食用可能だ。
日誌:
今日は研究所へ来た初日。この場所を気に入った!
私のコードネームは「白ウサギ」そして同僚は「灰色ウサギ」だ。
私の最初の仕事は銀杏の世話だった。
しばらく育てた後、種を保留して次の段階を担当している研究員に送り届ける。
銀杏には長い歴史があり、同門の品種は全て絶滅している。
私たちの手元にあるのも、最後の数本の内の1つかもしれない。
- 実験調査
1. 船首と船尾に立つのは好きだ!
2. それに比べて、あの小船はなんて小さいんだ!
3. 腐敗した魚の死体がここに捨てられている
「枯れ葉」:こ、これは私が欲しい種じゃない……
「枯れ葉」:聞いたことがあるんだ。何年も昔、この世界のほとんどの植物が消えた。
しかしこの研究所の中には種のサンプルが残されていると。
「枯れ葉」:だから……私はこの失われた記録を見つけた。
中には最後の7つの種が埋められている場所が記されている……
「枯れ葉」:でも私が欲しいのは「あれ」だけだ……
2日目:太平洋イチイ
- 植物ノート
太平洋イチイ(NO:0000002)
学名:Taxus brevifolia
形態特徴:
常緑樹、雌雄異株。
種はナッツのような形をしており、肉質の仮種皮の中に包まれている。
日誌:
研究所は珍しい太平洋イチイを仕入れた。
イチイ属の植物が相次いで絶滅した後、それは文献の中でのみ生きている植物となった。
灰色ウサギさんは昔医者をしており、生物学にも造詣がある。
彼女曰く、イチイ属の植物には毒があることが多いが、貴重な抗がん剤の材料にもなるらしい。
「医療、エネルギー、素材。植物は人々の暮らしと共にあり、人々は色々な方法でそれらを利用している。」
彼女は考え込むようにそう言っていた……
彼女はすごいな。私よりもずっと物知りだ。
- 実験調査
1. 巨大な風車、壮観な景色!
2. 枯れたトウモロコシ畑……ここもかつては賑やかな村だったんだろう
3. 小さなランプが1つ、私が埋まる場所を照らしている
「枯れ葉」:イチイとは何だ?
「枯れ葉」:私が知っていることはほんのわずかだ。災いは一部の植物の絶滅から始まった。
その次は動物だ。多くの人間が餓死し……洪水や砂嵐に巻き込まれて……
「枯れ葉」:家族が死んだ後、私も唯一の居場所を失った。
「枯れ葉」:でも幸い、私から物を奪ったやつらは地下の避難所に逃げていったよ……
「枯れ葉」:ふん、連中は正に地下で暮らす虫そのものだ。
3日目:ソテツ
- 植物ノート
ソテツ(NO:0000003)
学名:Cycas revoluta
形態特徴:
円柱状の茎、雌雄異株。
小葉は真っすぐで鎌のような形をしており、種は卵形。
日誌:
研究所で半年以上働いているが、今日、銀杏の葉っぱがようやく金色になった。
秋の風景は資料の中でしか見たことがなかった。
しかし銀杏の姿から、私も灰色ウサギさんも秋を感じることができた。
これが「一葉知秋」ということなのか。
人工的に作られたこの建物の中には秋なんて見られないが、銀杏の木は自ら小さな秋を作り上げた。
……今日記録するのはソテツ。
この世に現存するもっとも古い種植物だ。
その葉っぱは一年中緑のままで、ハリネズミの針のように尖っている。
植物を届けてくれた人が帰った後、灰色ウサギさんが小声で「残念ね」と言うのが聞こえた。
送り込まれた品種がどれも絶滅しかけていることを惜しんでいるんだろう。
でも心配する必要がない。私たちが必ず守り抜くのだから……
- 実験調査
1. 暖かい場所だ。人々は炎を囲んで躍る
2. 空中に何かが吊るされているようだ……
3. 前回通りかかった時、提灯を隣の箱の上に置いていた
「枯れ葉」:いつになったら「あの」種を見つけられるだろう?美しく、聖潔で、紫色の……
「枯れ葉」:こ、これさえあれば、私は安心して地中に眠れる。
「枯れ葉」:もうこの日光に耐えられない……土砂も……ゴホッ、ゴホッ……
「枯れ葉」:ハハッ。この「最後の希望」すら、私以外に気にかける者はいない……- 暖かい場所だ。人々は炎を囲んで躍る
- 空中に何かが吊るされているようだ……
- 前回通りかかった時、提灯を隣の箱の上に置いていた
4日目:イヌマキ
- 植物ノート
イヌマキ(NO:0000004)
学名:Podocarpus macrophyllus
形態特徴:
常緑樹。葉は綿状披針型。
カラー(collar)は赤紫色をしており、種と一緒に見ると僧衣の羅漢のように見える。
日誌:
もう1年以上研究所を離れていない。
植物を運んでいる、「フクロウ」という名の研究員によると、外の世界はますます悪化しているらしい。
多くの種が絶滅し、異常気象が起こり、先日、大規模な植物病が流行ったそうだ。
かつての銀杏やイチイも、完全に本にしか残っていない記録だけの存在となった。
今日、実験室にイヌマキが送られてきた。これも、現存する最後の1本らしい。
植物が消えかけているのに、私たちは何もできないのか?
私たちは何を研究しているんだ?
灰色ウサギさんに聞いた時、彼女は何も言わず、私の手に文字を1行書いた。
……Emily、彼女の名前のようだ。
- 実験調査
1. 作りかけの小船だ。主人はどうしたんだ?
2. ボロボロの穴がある……
「枯れ葉」:ふん、当然だ。研究所に隠れている連中は私たちが何を経験したか知らないのだから。
「枯れ葉」:……何日経った?食べ物どころか、水も底をつきかけている。
「枯れ葉」:こんな荒唐無稽な世界なんて……速く滅びてしまえばいい。
帰る場所なら、すでに選んである……
5日目:ヤグルマギク
- 植物ノート
ヤグルマギク(NO:0000005)
学名:Centaurea cyanus
形態特徴:
1年生植物。青紫色、淡い赤、あるいは白色の花が咲く。
鑑賞用だけでなく、優秀な蜜源植物でもある。
日誌:
灰色ウサギさんはもう2日間仕事に来ていない。
他のプロジェクトに異動になったと彼らは言うが、私は信じていない。
彼女は先日、種を1袋渡したばかりなのに。
白果、イチイ、ソテツ、イヌマキ……様々な種をそれぞれ袋に包む。
私たちが一緒に育てた樹木ばかりだ。
今日、実験室でヤグルマギクの種を手に入れた。
私はようやく綺麗な花を育てることができた。
彼女が見られないのが残念だ。
新しい同僚が来た。コードネームは「リス」。
彼女はキャンディーをいくつかくれた。とても甘い。
ずっと昔、人々は「花の蜜」という食べ物を食べることができたと聞いたことがある。
花の蜜も甘いらしい。
だが私にヤグルマギクの蜜を口にする機会ははないかもしれない。
- 実験調査
1. ここはたくさんの子どもたちの遊園地だったはずだ
2. ツリーハウスの下にいれば太陽や雨を凌げる
「枯れ葉」:昨日廃墟に通りかかった時、倒れかけていた建物が崩れ落ちた。
「枯れ葉」:廃墟の中を漁り回っていると、「砂糖」と書かれた缶を拾った……
「枯れ葉」:「砂糖」なんて珍しい!天然のものでも人工のものでも、第七次大全滅以来見たことがなかった!
「枯れ葉」:だが残念なことに、蓋を開けて出てきたのはアリだった……
6日目:アオギリ
- 植物ノート
イヌマキ(NO:0000006)
学名:Firmiana simplex
形態特徴:
落葉樹、高さは12メートルに達する。
広く分布している鑑賞樹。
日誌:
恐ろしい秘密を1つ知った。
研究所に入った翌年から、外の世界では戦争が始まっていた。
戦争は植物病による食糧不足、そして植物の枯死に起因する。
その後、人間と動物の食糧不足によって、多くの種が絶滅した。
際限なく資源を掘り尽くしたことで、環境はとうに破壊されていた。
脆い生態バランスはあっという間に打撃を受けた……
今日、実験室にアオギリの種が送られてきた。
これも絶滅しかけている植物なのか?
子どもの頃はアオギリの木の下で遊んだことすらあるのに。
あれほど努力を費やしても、これらを救うことはできなかった……
いや……もし私たちがこれらを救っていたわけではないとしたら?
- 実験調査
1. 足を休められる小屋……
2. 近付くと、薪が燃える音が聞こえる
3. 一番近い窓の下にあれを埋めた……
「枯れ葉」:手掛かりは1ページしか残っていない。
「枯れ葉」:最後の記録を補えば、「あれ」を見つけることができる。
「枯れ葉」:空がどんどん暗くなり、風から嵐の前特有の土臭さが漂ってきた……
「枯れ葉」:これらの建物も、汚い川も、私たちに対する「あれら」の報いだろう。
7日目:イチハツ
- 植物ノート
イチハツ(NO:0000007)
学名:Iris tectorum
形態特徴:
多年生短茎草本、根茎は細長くて丈夫。
花序は扇形で、1輪または複数の六弁花が対称に咲く。
日誌:
研究所の中で種を見つけた。
包装と記録を見たところ、イチハツの一種のようだ。
そして種の資料を漁ってみると、奇妙な薬剤を見つけた……
それを見るに、私の予想は的中したようだ。
全てがはっきりした。消えた灰色ウサギさん、彼女が残した種……
明日の朝、私はここを去る。
灰色ウサギさんが集めた種と、リスさんからもらったキャンディーの残りを持っていこう。
元研究員「レッサーパンダ」さんから連絡をもらえた。
研究所を出た後は彼が迎えに来てくれるそうだ。
……研究所はもう長くは持たない。
もう誰もが知っていることだ。
でも、まだ間に合うなら、この最後の「希望」を隠しておきたい。
誰かがこの種を撒いてくれることを祈る……
- 実験調査
1. 汚染された川から鼻を突くにおいがする……
2. 気を付けろ!そこには鋭い風車がある
3. 月光があの石を照らしている……
「枯れ葉」:あ、あれだ!
「枯れ葉」:……土の中に埋められれば、神聖で美しい、紫色の花が生える。
これさえ持っていれば、永眠の後に天国へ行けるんだ!
「枯れ葉」:……
「枯れ葉」:いや、いや……植えてはいけない。
「枯れ葉」:ほら、今の土地にはこの種を植える価値すらない。
「枯れ葉」:……
「枯れ葉」:進み続けるよ。この最後の「希望」を、「これ」を持って。
「枯れ葉」:皮肉なものだ。嵐が私を吞み込むまで……
その他
- 「枯れ葉」の頼み
「枯れ葉」:た、頼みがあるんだ……
「枯れ葉」:これは、私からのささやかなお礼だ。
- 星々の秘密
「枯れ葉」:星空は古くから変わらないものだと人々は言う。美しく、神秘的だと。
「枯れ葉」:でも私は時々……星が目に似ていると思うことがある。
「枯れ葉」:夜中に私をじっと見つめ、私を追って眼球がギョロリと動き、全てが破滅する様を静かに見届ける……
「枯れ葉」:その眼差しの中には、いつも何か秘密があるように思われる。- 1日目
芽生え:土を破る瞬間は、どの生命も美しい願いを抱いている。 - 2日目
苗:形ができたばかりの頃は、それらがどのような未来をもたらすか予測できない。 - 3日目
成長:土壌、日光、水分……可能な限り全ての養分を奪い取る。 - 4日目
開花:美しい花ほど、腐敗した生命の中で咲き誇る。 - 5日目
実り:それは力を吸収……いや、凝縮し、「希望」を次の代へ託す。 - 6日目
休眠:次の始まりを待つ。当然、一年生植物はこれに当てはまらない。 - 7日目
化石:どの種族も残酷な成長を記録するために、このようなものを残したいと願う。
- 1日目