人形師(マティアス・チェルニン)
マティアスはプラハのある裕福な家庭に生まれた。父親は今は没落した古い氏族の末裔で、一族は没落したとはいえ神技のような人形劇を受け継いでおり、この家庭に充分な収入をもたらしている。彼の母は紡糸工場のオーナーの娘である。家族三人は平和で円満な生活を送っていた——
そう、あの日まで。彼の父宛にパリからの招待が届き、一家はパリでパフォーマンスをして、かなり有名になっていた。富と名声が流れるように届く。万事順調にいった父親は芸術家に転身し、社交的な母親は高名な貴婦人になっていた。これは生まれつき内気なマティアスにとって、自身が家庭と相容れない存在になってきたということだ。
「「ルイ」みたいになれたらいいのに。」
彼の両親はいつもこういう。
「ルイ」はマティアスの父親がパリにきてから、利口で可愛い幼少期のマティアスをモデルにして作った人形だ。彼は糸で繋がなくても人形劇でパフォーマンスができて、人が声を出さなくても自ら喋れるのだった。活発で明るく、ユーモアがあってよく喋る。父親のパフォーマンスの目玉である。
年月が経ち、一家の中で愛を充分に受けられずひねくれた性格のマティアスは、徐々に「ルイ」に入れ替わられてしまった。
彼が唯一父親と話せる機会は人形劇の勉強時間で、それも父親が休憩をとる隙を狙い、「ルイ」の代わりに話せるのみだ。
そんな時でもマティアスはパートナーである「ルイ」に対し、隠しようのない暗さと冷酷さを示した。
そんな態度が両親から不興を買い、彼らはたびたびマティアスを叱り、やがて離れて行ってしまった。マティアスが逆に、血肉を持たず心配もされない人形のようになってしまった。
マティアスの23歳の誕生日は、お祝いもプレゼントもなかった。父親はちょうど大型のパフォーマンスの仕事があり、彼がひとりでカーテンコールに応えている時間を狙って、マティアスは楽屋に保管してあった「ルイ」を燃やしてしまった。
火勢はすぐに抑えられたが、濃い煙のためにパニックが起きてしまい、舞台の崩落と大規模の転倒事故を引き起こした。
マティアスの両親もこの事故でなくなり、彼自身も崩落事故で左半身に重症を負ってしまった。
だが、マティアスはそれを気にしなかった。少なくとも「ルイ」は死んだのだ。
だが91日が過ぎたころ、ひとつの木の箱がマティアスの自宅前に届き、箱の中にはまるで新品の「ルイ」が入っていた。
あの火災では燃えなかったのか?マティアスは疑いながらも「ルイ」を暖炉に投げ込み、灰になるまで燃えたことを自分の目で見届けた。
さらに78日後、マティアス宛にまた木の箱が届いた——「ルイ」が蘇ったのだ。
これがいつまでも繰り返された。マティアスが何度「ルイ」を処分しても、依然として「蘇生」が起きてしまい、間隔がだんだん短くなっていく。
24歳の誕生日当日、もはや発狂寸前のマティアス宛にまた木の箱が届いた。今回、彼は気づいた。木の箱に一枚の紋章が入っている。彼がこれを調査すると、この紋章は海の向こうにある悪名高き荘園のものだとわかった。
外在特質
- 「ルイ」
完璧な「自我」と称されている人形「ルイ」を携帯しており、スキルを発動すると恐怖値が1/4上昇すると同時に「ルイ」形態になる。
「ルイ」になっている間は通常攻撃X回分の恐怖値を無効化できる。
ハンターの通常攻撃が「ルイ」に命中した場合、その通常攻撃アクション回復時間がX%減少する。
「ルイ」形態になってX秒間経過する、あるいはダメージを無効化すると効果は終了する。
ロケットチェアに拘束されているサバイバーの周囲Xメートル以内にいる場合、「ルイ」の残り時間減少速度がX%増加する。
知覚を持たない人形であるため、「ルイ」形態では不感効果を1回発動できる。
不感期間中は移動できなくなるが、ダメージと制御効果を受けない。
【協力狩りモード】
鎮静剤を使用できない。
- 血肉無用
人間のような見た目をしているが、「ルイ」の身体は木材と機械で構成されている。
負傷しても他のサバイバーの治療を受けられず、他のサバイバーを治療する速度もX%低下する。
他のサバイバーの治療に成功する度、そのサバイバーと自身の恐怖値が1/4減少し、治療を受けたサバイバーの次の治療に必要な時間がX%増加する。
軽度な怪我も治療でき、通常の治療と同じ治療時間を要する。
うわさ
背景推理
実装:シーズン30
1.雛形
生まれた当時は、全てが完璧だった。
- 結論
1枚の出生証明:丁寧に手編みの布袋に保管されている。
出生名の欄にはマティアス・チェルニンと書かれているが、マティアスの部分が少し掠れている。
【基礎目標】 ・1回「ルイ」になる 【レベルアップ目標】 ・2回「ルイ」になる ・3回「ルイ」になる
2.組み立て
それは血脈から授かった祝福だ。
- 結論
1枚の部分構造設計図:年季の入った紙で、精巧な関節パーツの組み立て方法と作動原理が描かれている。
【基礎目標】 ・1人の仲間に出会う 【レベルアップ目標】 ・2人の仲間に出会う ・3人の仲間に出会う
3.創造
細かい部分を突き詰めていき、一つ一つの失敗を覚えていく。
- 結論
1枚の練習リスト:「両唇音」、「唇歯音」、「舌尖前音」、「舌尖後音」、「舌面音」と記されており、最初の単語に線が引かれている以外は全てバツ印が書かれている。
【基礎目標】 ・人形でダメージを1回無効化する 【レベルアップ目標】 ・人形でダメージを2回無効化する ・人形でダメージを3回無効化する
4.磨き上げ
人の欠陥は覆い隠せないが、木材のバリなら取ることができる。
- 結論
丸められた手紙:わかっているさ。
これは然るべき時に使われるべきだ……きっと今ではない。
【基礎目標】 ・不感を1回発動する 【レベルアップ目標】 ・不感を2回発動する ・不感を3回発動する
5.飾り付け
道具と芸術は、人に見られたかそうでないかの違いしかないのかもしれない。
- 結論
3枚のチケット:プラハからパリ行きの列車の特等席。
【基礎目標】 ・他のサバイバーを1回治療する 【レベルアップ目標】 ・他のサバイバーを1回治療する ・他のサバイバーを2回治療する
6.彩り
「これ」じゃない、「彼」だ。
- 結論
1枚の表装依頼:表装が必要なのは「ルイ」という人形。
愁いを帯びたような少年の写真が1枚添付されている。
表装要求は、「もっと明るい雰囲気にしてほしい」。
【基礎目標】 ・不感を使用してダメージを1回防ぐ 【レベルアップ目標】 ・不感を使用してダメージを2回防ぐ ・不感を使用してダメージを3回防ぐ
7.操り糸
彼に導きなど必要ない。
- 結論
1枚の切り抜き:舞台事故の報道。
この事故による死者は7人、負傷者は9人。
死者にはショーの主催者であるチェルニン夫妻が含まれており、負傷者にはその一人息子、マティアス・チェルニンがいた。
【基礎目標】 ・60秒間追撃される 【レベルアップ目標】 ・90秒間追撃される ・120秒間追撃される
8.調整
私たちは、あの「想定外」を待ちわびていたのかもしれない。
- 結論
1枚の診断書:マティアス・チェルニンの検査結果が記録されている。
身体はすでに回復しているが、両親を失くした心理的な影響故か、断続的な感覚障害が確認されている。
身体の左側が特に顕著だ。
【基礎目標】 ・ハンターの付近で1回「ルイ」になり、かつダメージを受けない 【レベルアップ目標】 ・ハンターの付近で2回「ルイ」になり、かつダメージを受けない ・ハンターの付近で3回「ルイ」になり、かつダメージを受けない
9.検査
人々が気になっているのは、「君が何に見えるか」だ。それ以外の何でもない。
- 結論
1枚の練習リスト:「両唇音」、「唇歯音」、「舌尖前音」、「舌尖後音」、「舌面音」と記されており、全ての単語に線が引かれている。
【基礎目標】 ・「ルイ」になっている間に他のサバイバーを1回救助する 【レベルアップ目標】 ・「ルイ」になっている間に他のサバイバーを1回救助する ・「ルイ」になっている間に他のサバイバーを2回救助する
衣装
UR
- KING-h1(限定)
勝利を飾った王冠は、捨て駒が帰る最良の場所。
(S30・真髄2)
SR
- ROOK-e4
定められた捨て駒。
しかしそれが一番最初に退場する駒になるとは限らない。
(ショップ)
携帯品
なし
料理
なし
その他
- 紹介動画より
loading...まるで長い悪夢のようだ
私は自分が現実にいるのかすら分からなくなる
操らなくとも動く人形
我が誇りの
ルイ マティアス
今夜はお集まりいただきありがとうございました
ぜひ私とルイの次のパフォーマンスを楽しみにしていてください
次の
また次も
何度も何度も
この悪夢から目覚めようとした
誕生日おめでとう
マティアス
- デザイン過程
【プロットの構想】*1
チェルニン家の全体のストーリー設計においてチェコから来た人形劇の家で、腹話術と可動装置の設計製作に長けている。
パフォーマンスを愛し拍手と賞賛に夢中な彼らは、劇場パフォーマンス効果を高めるため、この技術を神秘の外套に包んだ。
遊学中にチェルニン家の演出を鑑賞した荘園のゲームの設計者は、新たなアイデアとインスピレーションを得て、この「興味深い」家族に注目し始めた。
元々このような関心は装置設計程度に留まっていた。
しかし事故が起きた後、チェルニン家の舞台に上がり始めた遺児マティアス・チェルニンが見せた家の「天賦」と相反する特質は、ゲーム設計者の注目を集めた。
マティアスの経験は、人々が「完璧な自分」を追求するのは、自分を「強くする」ことだけでなく、他人の期待により近い「自分」をどのように演じるかが、完璧を求める近道であることを示している。
彼らにとって、その丹念に設計された錯覚ショーは、一生正すことができない錯覚を成し遂げた。
【デザイナーの構想】
人形師のストーリー背景に基づき、私たちは人形に見える人間と、人間に見える人形という風にデザインを進めました。
第1案では、人形師の頭部の破損効果がひどすぎたため、すこし緩和する必要がありました。
胴体部分は逆にもっと破損の要素が欲しく、火災と崩落による損傷を表すために、全体を3つ目の画像からブラッシュアップしていきました。
第2案では頭部と胴体の破損をさらに加工し、口まわりの縫合と顔部分の陰気さも強調しました。
人形師と人形の雰囲気のギャップを強調するために、人形の服装をより明るい配色にしました。
さらに細部を調整し、デザインの完成です。
【細部のレビュー】
◆人形師-マティアス・チェルニン
ぼさぼさの茶色の髪の毛には光沢も生気もなく、ボロボロの左の頬には火傷が残っているようで、眉毛は垂れ下がり、空洞のような目の周りには恐ろしい縫い目の傷跡があります。
数本のピンで固定された破れた服、その隙間から何本かの綿がはみ出ていて、綿でできた胴体ははちきれんばかりです。
操作用の吊手は随分使いこまれていて、周りには巻いている糸もあり、富と名声をもたらしてくれた技術に永遠に囚われているかのようです。
◆人形-「ルイ」
精巧に作られた人形の表面はすべすべとして、茶色の目には狡賢い眼差しを秘め、口角にも不気味な微笑みが見えています。
彼の服は明るく繊細な模様で、蝶ネクタイも少年のやんちゃなイメージです。
関節部分の金属のネジがなければ、本当の人間と見分けられないかもしれません。
(参考1、参考2)
まとめ
本名
マティアス・チェルニン(日本語)
马蒂亚斯 切尔宁(简体中国語)
Matthias Czernin(英語)
마티아스 체르닝(韓国語)
職業
人形師(日本語)
木偶師(中国語)
Puppeteer(英語)
인형사(韓国語)
人間関係
参考文献
- 設定資料
- その他
コメント
- 2024-02-29「人形師の推理目標3と9のテキストの誤りを修正」されました。結論部分の確認をお願いいたします! -- 2024-02-29 (木) 16:14:20
- 「舌両音」→「舌面音」に修正しました -- 管理人? 2024-02-29 (木) 19:50:23