ミッドナイトカーニバル

Last-modified: 2023-11-03 (金) 16:23:49
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イベントストーリー

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募集告知

「募集要項」
カーニバルの準備のための短期作業員を募集中です。
☆作業にいち早く慣れてもらえるよう全面的な無料研修を提供し、
☆あなたの貢献によってそれに見合う豊富な報酬を得られることを約束します
☆共にカーニバルに無限の喜びとサプライズをもたらしましょう
【職務】カーニバルの装飾道具の制作、会場の建設、調整・修理作業。
【職務条件】積極的にコミュニケーションが取れる方。無経験者歓迎。進んで学習し、芸術を愛し、積極的にコミュニケーションが取れる方。
十月城市議会 十月城芸術協会

招待状.jpg

私:この感覚は吹き抜ける風や流れる水、そして涼しさを帯びてきた空気の中だけでなく、それらと同じように重みがない、空っぽなクローゼットと財布の中にも隠れている。
私:世界は常に変化している。天気は冷えた後に暖かくなり、金は減った後に増えていく。もう十分寒くなったし、金も少なくなった。もうそろそろいいことが起こる……そんな気がする。
私:この仕事が、最良の転機かもしれない。
私:値千金のチケットが必要な十月城カーニバルーーこの仕事を手にすれば、チケット代を節約できるうえに報酬も得られる。
私:噂のミッドナイトカーニバルは楽しみだが、生憎懐が寂しい……芸術の殿堂を目にする機会があるのなら、それ以上は何も望まない。
私:しかも今年は、あの血族の伯爵の名を冠したショーがあるらしい。伯爵が自ら書いた脚本に、最も優秀なソプラノ歌手を招いたそうだ……
私:あのローレライのサインを大金を出してでも手に入れたいという人は大勢いる!
私:コホン。まあしかし、金は芸術には変えられない。ローレライはもうずいぶん長い間ショーを行っていないが……伯爵の脚本に感化されたのだろうか?とにかく一ファンとして、この舞台を見逃す手はない。
私:ショーが終わったら、スタッフ特権で記念にサインがもらえないか聞いてみよう。

本編

1日目

私:カーニバルの準備が正式に始まった後、街を行き交う人が多くなってきた。昨日は多くの者たちが装飾とカボチャが入った箱を街中のあちこちへ運んでいた。今日の設置作業のための準備作業だったんだろう。
私:(私は研修で分配されたエリアへ向かった。ここはすでに整理された後で、街に面した道で装飾や物品を設置できるよう場所が空けられていた。)
私:よし、この7日間、ここが私の舞台だ。

  • 1.街道/紙心
    私:(まずは装飾材料を確認しよう。芸術協会は優しい人ばかりだな……私みたいな他所から来た臨時作業員のセンスもここまで信頼してくれるのだから。)
    私:(まあ、私が任されたこの街自体、あまり重要ではない可能性もあるが……そんなことは関係ない。せっかく自由に創作できるんだ。どんな素材があるかなーーん?どうして中身が全部……)
    目の前の箱は傷一つついていないのに、中に入っている装飾材料や道具は程度は異なれど全て破損していた。カボチャは砕かれ、色紙と白い布にも汚れの数々が……
    ???:そんなに見たって直りはしないよ。てっきり間違った備品が配られたのかと思っていたけど、君のところも同じみたいだね。
    私:えっと、あなたは……?
    ???:ここ数日間の同僚ってところかな。いろいろあって十月城に流れついた身だから、カーニバルの準備はあまり手慣れていなくて。
    ???:それで君に聞いてみようと思ったんだけど、まさかこんなことになるなんてね。
    私:私も慣れているわけではないんだ。でも、役に立てることがあったらいくらでも知恵を貸そう。
    ???:それは良かった!近くにいる同僚の中だと、君が一番落ち着きがあるように見えたから……
    私:これから数日間、よろしく頼むよ。失礼ながら、名前を伺っても?
    ???:ああ、忘れる所だった。私のことは、紙心(ししん)と呼んでちょうだい。
    私:紙心さん、1つ聞きたいんだが、今の話だとそちらの材料も……?
    紙心:うん。私の分もほとんどが壊れていたよ。周りの皆もそうだった。
    私:……それはいい兆候とは言えないな。雇い主に報告しないと。
    紙心:芸術協会への報告なら、すでに他の人がやってくれたよ。それに結構噂が広まっていて、どこもかしこもこの話題で持ちきりだし……寝坊した君の耳までは届かなかったみたいだけど。
    私:太っ腹な雇い主は仕事時間を決めなかったからね。しかしまあ、今日は作業を行えそうにないな。

  • 2.街道/首席顧問
    私:あ、貴方様は……芸術協会の首席顧問ではありませんか。どうしてこんなところに……
    首席顧問:作業中に色々あったと聞いた。心配しなくていい、協会は十分な材料を用意している。遅くとも今夜には壊された分の装飾が配られるだろう。
    首席顧問:それから、十月城は黒猫が多い。作業を邪魔する猫がいたら、直接私に知らせてくれ。
    首席顧問:だが、たとえ捕まえる途中であっても、決して猫に怪我をさせてはならない。
    ◆それは十月城の風習ですか?
    首席顧問:十月城の住民は、亡くなった人間は生者が感知できない別の世界へ行ったのだと信じている。そして猫は不思議な力を宿した、生死を司る使者として認識されているのだ。
    首席顧問:室内に猫が入れば、それは死者の思いと関心を表す。そのため、ここの人間は決して猫を傷付けない。君たちも気を付けるといい。
    私:(どうして「十月城の住民は」なんて言い方を……まさか十月城芸術協会の首席顧問は地元の人間じゃなかったのか?)
    ◆猫がカーニバルの準備を邪魔しに来るんですか?
    首席顧問:可能性の話だ。どうしても本能を抑えられない猫もいるかもしれない。
    私:(これは手掛かりになる。後で道具にそれらしき痕跡はないか確認してみよう……)

  • 3.城の小道/伯爵
    ???:実にいい街だ。神秘と一般人の関係をここまで上手く築いているのだからな。
    ???:血族も彼らの方法を学ぶべきかもしれない……

  • 4.広場/紙心(デイリーセール確認後)
    紙心:ジャック・オー・ランタンも完全に砕けてるしねーー他の荷物に潰されただけなら、こんな状態にはならないはずだよ。それにこの爪痕が付いた色紙も……どちらも明らかに運搬時の損傷じゃない。
    私:つまり、何者かがカーニバルを邪魔していると?
    紙心:他の同僚たちも皆、そう思っているんじゃないかな。まあ、私たちみたいな十月城に来たばかりのよそ者に限った話だけど。
    紙心:ふふっ、彼らは大々的に宣伝されている十月城カーニバルの「亡霊の舞」を良く思わないやつの仕業だって言ってる。毎年地元の人たちの中でも文句を言う人が出るらしいんだけど、今年の不満は今まで以上に過激みたい。
    紙心:十月城の発展に嫉妬した連中による八つ当たりだと思う人もいれば、死者を冒涜する者は必ず呪いを受けると言ってる人もいる。あとは、死者が蘇る前兆だとも聞くね。蘇った亡霊は理性を持たず、生者の世界を破壊することしかできないんだって。
    紙心:でも、十月城の住民は全然意に介していない。彼らは「十月の皇后」が必ず守ってくれると信じているみたい。
    私:「十月の皇后」?
    紙心:十月城の主催者は毎年のカーニバルで女性と1人選出し、1年間「十月の皇后」に就任してもらうんだよ。でも基本的に十月城の住民が対象で、旅行客が選ばれた前例はないらしくて。
    紙心:十月城が建設された当初、人々を守ったとある女性が残した習わしだって聞いたことがあるんだ。皇后は十月城で最も高い地位と権力を手に入れ、ずっとここの住民に尊敬されているんだって。
    私:毎年管理者が変わっても問題は起こらないのか?
    紙心:どうも日常事務を実際に管理しているのは市議会で、「十月の皇后」が関与することは滅多にないんだとか。皇后は「亡霊」の制御と悪人の処罰だけを担うから、人々は歴代皇后を忘れない。
    紙心:彼らの言う通りなら、毎年の「亡霊の舞」も、十月城の平和も、全部皇后のおかげになる。
    私:ずいぶんたくさんの情報を集めたんだな。こっちまでカーニバルが楽しみになってきた。

2日目

  • 1.街道/紙心
    私:(昨日は何者かがカーニバルの装飾用道具をメチャクチャにしたため、私は残されたわずかな道具を使って基本的な飾りを作ることしかできなかった。)
    私:(雇い主が妨害工作を受けたことで給料の配布を延期しなかったのは幸いだったが、好奇心と責任感に駆られた私は、他の者たちのように目の前の状況に対する思考を止める気にはなれなかった。)
    紙心:おはよう。何を持っているの?
    私:道端の店主からもらったんだ。
    紙心:爪に引っかかれたような痕があるけど……猫に餌でもやってきた?
    私:いや、そうじゃない。これは前の客によるものだ。残念ながら、私はその客に会えなかったが。
    私:(芸術協会から予備の装飾材料が送られてきた。私が箱を開けると、横から少女の視線を感じた。そんなにこれのことが気になるのだろうか。)
    私:昨日より少しマシなだけさ。
    私:(しかしこの道具に残っている痕跡は、猫の爪痕のようにも見える。今日はこの小さな「お客さん」たちを探しに行くべきなのかもしれない。
    紙心:同僚たちは不安そうにしているけど、いくつかの大型設備はまだ使える。部隊建設を終わらせるのは問題ないはずよ。でも、君には何か別の考えがあるみたいだね?
    私:考えというほどではないが……この破壊工作の原因を突き止めなければ、自体はいつまで経っても収まらない。未知の妨害を受けながら仕事するより、問題の根源をはっきりさせたいと思わないか?
    私:紙心さんなら、私の好奇心と不安を理解してくれるはずだ。なんせ、あなたも同じ考えを持っているようだからね。
    紙心:そうだね。私もいたずらの根源と、その目的が知りたい。
    紙心:十月城では年に一度カーニバルが開催される。その中でも亡霊の舞は欠かせない一部なんだ。これが本当に彼らの言う通り、時間が迫るつれて蘇った亡霊によるいたずらだとしたら、このカーニバルはとっくにきなくなっていたはずだよ。
    紙心:今年は、何か特別なことが起こっているのかも。
    私:伝説と人による故意のいたずらを同列に考えるとは意外だな。てっきりリアリストかと思っていたよ。
    紙心:私は私が認知している現実を信じているーー例えば、ここ数日破壊されている道具。その痕跡からは2種類の異なる破壊方法が見受けられる。ひっかき傷は猫によるもので、残りの痕跡は人為的なもの。
    紙心:つい先日、お化けの仮装のつもりか、白い布を被った人達を遠めに見たの。彼らは見つかりにくい小道を選んで歩いて、カーニバルの会場をコソコソと回ってた……
    私:その人物を疑っているのか?
    紙心:まだ証拠も何もない憶測だよ。すぐに見失ったし、他の人に聞いても見ていないって言われたから。
    私:私にもちょっと推測があるんだ。効率を高めるために、ここは分かれて調査しないか?あなたも誰かが傍にいるとぎこちないだろう。
    私:何か進展があったら、互いに情報を交換しよう。
    紙心:いいね。それじゃあ、調査が上手くいくことを祈っているよ!
    紙心:……あ、そう言えば聞き忘れたな。どうして他人と一緒に行動するのが好きじゃないって思われたんだろ?今のところ、割と友好的に接してきたはずだけど。

  • 2.城の小道/猫
    私:ぜぇ、ぜぇ……こら、逃げるな!
    私:(調査中に破壊工作の最中らしき現場に遭遇したものの、「犯人」はすさまじい速度で逃げ出してしまった。このままだと、黒猫を追いかけているうちに街を一周しそうだ!)
    私:(身体が軋み、抗議を上げている。正直獣との体力比べに何度も音を上げそうになったが、何とか気力を絞り出し、両足を前に進めた。)
    私:(そのため、前にいた黒猫が突然立ち止まり、今度は何かから逃れるように踵を返してこちらへ走ってきた時、私は反応すらできなかった。)
    猫:ニャー、ニャニャ。
    私:ぜぇ、ぜぇ……待てよ、ここにはまだ誰かがいるみたいだ。あの白いのは……「お化け」か?ーーこら、顔に跳びつくな!
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  • 3.城の小道/紙心
    紙心:「お化け」の仮装をした破壊者と仲が悪い黒猫は、ほんの少数だけだった。
    紙心:十月城には黒猫がたくさんいるけれど、逃亡する彼らを猫たちが邪魔してくることはなかったもの。
    紙心:もしかしたら、彼らといがみ合ってるのはあの小柄な黒猫だけなのかも。

  • 4.街道/クインラン
    ???:すまない、さっきは街並みの鑑賞に夢中で周りを見ていなかった……って、ん?君はあの女性の聞き込みを手伝っているわけじゃないのか?
    私:いや、私は仕事でここにいるだけだ。そちらは旅行客の方かな?
    ???:うん。ミッドナイトカーニバルが楽しみなあまり、何日も早く来てしまったんだ。
    ???:それにしても、妙にはっきり聞くんだね。そんなによそ者っぽかったかい?
    私:私だって、十月城に来たばかりのよそ者だ。ただ最近、少し不気味なことが起こっていて……そもそも地元の人間は私たちの仕事に注目していなかったし、あの一件の後は更に近寄ろうとしなくなった。
    私:そして私の同僚たちは、今も作業に明け暮れている。ゆっくりと街を眺めることができる人なんて、旅行客くらいだろう。
    ???:そうか。今年の十月城はより多くの旅行客を招いただけでなく、君たちのような作業員も招集したんだな……

  • 5.広場/「ローレライ」
    ???:ごめんなさい、猫を見なかったかしら?黒い子猫なのだけど。
    ???:ありがとう。突然飛び出しちゃって、心配しているの。
    私:抑えられた女性の声が私の注意を引いた。柔らかく優しい口調だったが、人々が行き交う賑やかな街中でもはっきりと耳に入る声だった。
    私:(プロの発生方法だ。それにこの声、どこかで……)
    私:(カーニバルに招待された役者だろうか?好奇心に狩りたてられて思わず声を上げたが、女声はすでにこの場を去っていた。)

  • 6.広場/伯爵
    私:(あれ?向こうで街を観察しながら散策しているあの男性……私が持っているポスターに載っている人物にそっくりだ。)
    私:(「カーニバルスポンサー」……謎に包まれた伯爵とは彼のことか。十月城カーニバルで自分が書いた脚本を上演させるためにスポンサーになったなんて噂もあるが。)
    私:(でも今のところ、十月城芸術協会の顧問さんは確かな芸術理念と追求心を持っている。決して金のために妥協するような人ではない。)
    私:(『子の刻の歌声』……ポスターの宣伝を見る限り、血族に関する物語のようだ。上演日が待ち遠しい。)

  • 7.街道/猫
    私:(カボチャの中で「お化け」と黒猫が追いかけっこをしていたーー昨日は予想外の不思議と刺激で溢れていた一日だった。)
    私:(私はあの場ですっかり慌てふためいてしまったが、後から己の経験不足を反省した。今後また同じ場面に遭遇した時は、昨日よりも上手く対処できるはずだ。)
    私:(あの「お化け」たちの偽装を解くことはできなかったが、彼らの重たい足音を聞く限り、現世の範疇から抜け出した存在ではなさそうだ。一方、その者たちの正体以外にも気付いたことがあった。)
    私:(破壊された痕跡は重なっていたが、あの黒猫と「お化け」は仲間というわけではなかったようだ。「お化け」に捕まりそうになった時、あの猫は私のような赤の他人に助けを求めたほどなのだから。)
    私:(しかし十月城の黒猫はあまりにも多すぎる。後を追ってその主人でも見つけられないかと思ったが、少し目を離した隙に人影……いや、猫影は消えていた。なぜか私は、追手を撒くのが上手い者にばかり出会う。)
    猫:ニャ?
    私:思考の途中、私は気づけば道端で前足を舐めていた黒猫と数秒目が合っていた。この黒猫は十月城を歩き回る他の黒猫よりも一回り小さく、まだ子猫に見えた。
    私:そのピンと立った耳も、あざとくて狡猾に見える緑の瞳も、背後でユラユラと揺れる尻尾も、私は見覚えがある気がした。
    ◆その場で黒猫をおびき寄せる
    私:(私のポケットは財布以上に空っぽだったため、猫のマネに賭けることにした。喉の奥から猫の鳴き声に似た音を絞り出すと、黒猫の耳がピクリと動いた。確かに聞こえたようだが、それ以上の反応はなかった。)
    私:(残念ながら、私に猫語の才能はないみたいだな。)
    ◆ゆっくりと近付く
    私:黒猫は尻尾を揺らし、私から遠ざかるように足を進めた。
    私:(私に近寄られたくないみたいだ。)
    私:黒猫の態度を見て、私はその猫が昨日の猫だと感じた。明確な証拠がない時、私は直感に頼る癖がある。私は立ち去ろうとした黒猫を追いかけた。

  • 8.城の小道/猫
    私:今回は見失わなかった。黒猫の後ろを歩いていると見覚えがある道、更に見覚えがある古城、そして荒れ地のカボチャと蠢く「お化け」を目にした。
    私:どうやら私の成長を検証する時が来たようだ。
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    首席顧問:何故あなたがここに?
    私:そう聞いた男性はほど遠くない物陰からゆっくりと歩み出た。街中の宣伝チラシに載っていたその顔を見て、彼が十月城芸術協会の首席顧問……同時に私たちに給料を支払っている上司であることが分かった。
    私:(彼のような大物の顏はよく覚えている。数日前に言葉を交わしたばかりなのだから、尚更だ。だが、彼の表情を見る限り、向こうも私に対して深い印象を持っているようだった。)
    私:(妙だな。顧問さんはプライドが高いお方だ。彼に覚えられるようなことでもしたのだろうか。)
    私:黒猫を追ってここに来たのですが、近くにカーニバルの準備を邪魔している幽霊の仮装をした人物がいたのです。あなたもここへ調査に来ていたのですか?
    私:(これまでの会話で、この顧問さんが芸術に対して並々ならぬ情熱を注いでいると分かる。カーニバルの準備が遅れていることを知ったのなら、彼も同じように「お化け」を追っていると考えるのが妥当だが……)
    首席顧問:私は一時的にこの古城に住まわせてもらっていて、物音が聞こえたから様子を見に来ただけだ。
    私:(予想外の返答だった。町外れの古城などとっくにもぬけの殻だと思っていたし、この先の荒れ地も手入れがされていない。十月城芸術協会の首席顧問ともあろうお方が、ここに住んでいるとは思わなかった。)
    私:お騒がせして申し訳ございませんーーですが、しばらくここであの者たちが残した痕跡を調べてもよろしいでしょうか?
    首席顧問:構わぬ。そもそもここは出入りが制限されているわけではない。
    私:貴方様の休憩を邪魔してはいけませんから。
    首席顧問:問題ない。
    私:私を安心させるように、顧問さんは私の返事を聞くと街の方へと歩いていった。我らが雇い主は、目の前の喧騒をあまり気にしていないようだ。

  • 9.城の小道/首席顧問
    首席顧問:毎年新しい「十月の皇后」を選出する理由を知りたいのか?
    首席顧問:十月城では10月の最終日にランダムで1人の幸運児を選ぶという説を耳にしたかもしれないが、実際はそうではない。
    首席顧問:亡霊を制御するというのは、決して楽なことではない。善意を持った死者はカーニバルで蘇り、悪霊は永遠に封印される。これらは全て皇后が行っていることだ。
    首席顧問:人々が「十月の皇后」を敬うのも、彼女たちが常人にはできないことをやってのけるからであり……毎年のパレードで選ばれるのは、その才能が最も突出した女性だ。
    首席顧問:王冠は権力であり、責任、そしてプレッシャーでもある。選ばれた後の1年間、大変な苦労が彼女を待っている。故に我々は、毎年皇后を交代することにしたのだ。

  • 10.街道/「ローレライ」
    ???:どうやらあの件はカーニバルの準備にさほど影響なかったみたいね。
    私:(声をかけてきたのは仮面をつけた女性だった。身長が高くほっそりした体形で、精巧な造りの仮面が彼女の顔の大半を覆っており、その表情はよく読み取れない。)
    私:(この不思議な既視感がどこから来ているのか分からなかったが、その独特な声色を聞いて、昨日慌てて立ち去った女性であることが分かった。しかしカーニバルの会場を気ままに歩き回る様子を見る限り、彼女も芸術協会のに関わる大物なのかもしれない。)
    私:ご安心ください。この進捗のまま進めば、カーニバルも予定通り開催できるでしょう。
    ???:それは良かったわ。
    ???:他の場所はどうでもいいけれど、広場に設置される舞台だけは絶対問題がないようにしてちょうだい。あそこはカーニバルの中心なのだから。
    ???:芸術協会の人にこう伝えておいて。舞台の安全性が確保できなかったり、何か他の問題があった場合、私たちは……『子の刻の歌声』は、出演を拒否するってね。伯爵もこれに同意しているわ。

  • 11.街道/紙心
    紙心:あの古城について?私も良く知らないよ。街からそう離れてはいないけど、十月城の住民は滅多に行かないらしいよ。
    紙心:スポンサーになった伯爵の提案で、カーニバルの雰囲気を盛り上げるためにあの近くに大規模な迷宮を建てたらしいんだけど、それでも誰も遊びに行かなかったんだって。
    私:十分知っているじゃないか。私が聞いた人たちのほとんどは口にすることすら嫌がっていたのに。
    紙心:仕方ないよ。あの人たち、古城の中には大量の黒猫が住みついてるって思い込んでるらしいから……自分から黒猫の邪魔をしたくないんだって。
    私:先日集めた情報によれば、黒猫は十月城の風習で「十月の皇后」と似た職務を担っている。だからこそ猫は「十月の皇后」の使者と見なされ、皇后に向けられた敬意の一部を得るようになったとか。
    紙心:でも、十月城の猫ってまるで同じ空間を共有している黒い影みたいに、人間の暮らしにほとんど干渉しないよね。ただ1匹……
    私:ただ1匹、あの小さな黒猫を除いて。
    私:(私と紙心さんの声が重なった。彼女も似た状況の猫には遭遇しなかったみたいだ。)
    私:(予想外なことが多すぎる。あの「お化け」はよそ者には見えなかった。地元の人間だとしたら、なぜ1匹の黒猫と敵対関係になったんだ?)

3日目

  • 1.城の小道/フェニック
    私:(「お化け」の痕跡は古城の前の荒れ地から続いており、十月城に入ってからは少しずつ判別が付かなくなっていった。この街は十数年もの間外部との交流に閉鎖的だ。ここまで街を熟知しているのは……地元の人間しかいないだろう。)
    私:(十月城はカーニバルを毎年開催している。過去に取り消しになったという話は聞いたことがない……毎年こんな妨害をしていても、開催に影響がないなら無意味だろう?それとも今年は反対の声が特に強いのか?)
    私:(今年と往年の違いはどこだ?……まさかよそ者を準備の手伝いに招いたから?しかし今のところ、十月城の住民から排他的な感情は感じない。むしろ親切の程度は平均を超えているように思える。)
    私:(待てよ、さっき向こうに光る青い球が見えたような……錯覚か?)
    私:青い光が現れたのは「お化け」がいた方向だ。すでに確認済みだが、見逃した手掛かりはないがもう一度目を凝らしてじっくりと観察した。
    ???:気を付けて。君が立っているそこ、崩れやすいから。
    私:見ず知らずの男性が転びかけた私に手を差し伸べた。彼は青い光の方向から来たようだ。
    私:(顧問さんが公共の場所だと言っていたのは本当だったみたいだ。人気があるように見受けられる。)
    私:助かったよ。でも、あなたはどうしてここに?
    ???:そういう挨拶とかは苦手なんだ。……僕のことはフェニックと呼んでくれればいい。一応、君が来た時にはもういたよ。
    私:つまり、私が息を上げながらお化けや猫を追いかけ、地面に這いつくばって痕跡を観察していたところも全て見ていたわけだなーーはぁ、転ばないよう注意してくれてありがとう。
    フェニック:僕はここで「亡霊」を探しているんだ。それ以外のことには関心がない。
    私:「亡霊」?白い布を被ってあちこち彷徨っている「お化け」のことか?フェニックさん、失望させてしまうかもしれないが、ここには人間が偽装したいたずら小僧しかない。
    フェニック:彼らは確かに人間だけど、僕が探している「亡霊」も……ここに姿を現わしたことがある。
    私:それは……十月城の「亡霊の舞」の伝説にあるように、祝日の子の刻のみ現世に蘇り、思いを寄せる生者と共に一曲踊るという、あの「亡霊」か?
    フェニック:そう。「亡霊」は確かに存在する。そしてそれは、十月城が宣伝しているほど無害なものではない。
    フェニック:……君はあまり信じていないようだね。でも、「亡霊」とその危険性に関する忠告は本当だよ。十月城のカーニバルも、可能なら手伝わない方がいい。
    フェニック:僕1人の言葉じゃ足りないなら、この街の記録を確認してみて。過去はたとえ埋もれてしまっても、必ず痕跡を残すものだから。

  • 2.城の小道/フェニック
    フェニック:サウィンについて聞いたことはある?死の神、サウィンだ。
    フェニック:十月城の伝説は、外界のものとは大分異なっている。実際のところ、死をもたらしたり、亡霊を制御する力を持っているのはサウィンだけのはずだ。
    フェニック:制御というより、あれは一種の封印と言った方が正確なのかもしれないけれど……

  • 3.街道/紙心
    私:いつもよりご機嫌だな。
    紙心:今まで知らなかった情報を知ることができたからね。成人してからずっとやりたかったことなんだけど、まさかこんなところで手掛かりが見つかるなんて。
    私:それはおめでとう?
    紙心:あ、でも、今日は親切な人にそれを教えてもらっただけで、まだ確認が取れたわけじゃないんだ。
    私:(そう言いつつも、紙心さんの様子を見る限り、その手掛かりとやらをウキウキと期待しているのは明らかだ。)
    私:(長らく抱いていた願いが叶わなかった時の落胆は嫌というほど知っている。紙心さんにはそんな思いをしてほしくないな。)

  • 4.広場/首席顧問
    私:「十月の皇后」……女性と黒猫。この組み合わせは魔女を連想させます。言い伝えによれば、魔女や魔術師はそういった動物の使者を従えていることが多いので。
    首席顧問:君は……こういう話を信じるような人間には見えないが。別に無視して信じることもない。
    私:今まで関りがなく、この目で見たことがなかったから、自然と世界には普通の人間しか存在しないものだと思っていました……それで、十月城は本当に魔術師と関係があるのですか?
    首席顧問:この城の記録によれば、最初に十月城を築いた者たちが魔術師だったそうだ。もちろん、彼らは一般人も多く受け入れた。
    首席顧問:それ以降、時が流れるにつれ魔術師の血は薄まるばかりで、今の十月城の住民に流れる血脈はもはや魔術師と呼べないほど希薄になっている。
    首席顧問:君がこの歴史について興味を持っており、且つ自分の目で見た実例や情報しか信じられないと言うのなら、城内の図書館で昔の資料を調べてみるといい。
    首席顧問:あれはもう、城内の人間のほとんどが忘れてしまった過去だ。

  • 城の小道/猫(挑戦時会話)
    猫:ニャ?
    私:まだここにいたのか。残念だが、食べ物は持っていないよ。
    私:カーニバルの道具も片付けたから、爪とぎに使えるものもここにはない。
    猫:ニャー、ニャニャ。
    私:案内してくれるのか?いや、さすがにそれは……

4日目

  • 1.街道/紙心
    私:(仕事がますます複雑になってきた。白い布を被ったいたずら「お化け」と攻防を繰り返すだけでなく、十月城の図書館にも行かなければならないなんて。)
    私:(古い習わしほどしつこいものはない。他の者たちのように、何も聞かずに手だけ動かしていればよかったのかもしれないが、ここまで来たら……)
    紙心:あれ、ここで会うなんて奇遇だね。君も資料を探しに来たの?
    ???:こちらは?
    紙心:この前話した熱心な友人だよ。そうだ、君にも紹介してあげる!こちらはクインランさん。カーニバルに興味を持って、ずいぶん前から十月城に来ていた旅行客なんだ。
    私:数日前に何度かお会いしたが、正式に挨拶するのはこれが初めてだ。会えて嬉しいよ、クインランさん。あなたたちは何故ここで資料を?
    紙心:私たちも、カーニバルが予定通り開催できることを望んでいるから。クインランさんは知識が豊富で、これまで色々と助けてくれたの。おかげで「幽霊」のふりをしていたずらをしていたやつらの正体が分かったよ。
    紙心:それは「亡霊」の名を偽る死神サウィンの信仰者で、10月31日ーー生者と死者の世界の境界があやふやになるこの日に、カーニバルの儀式舞台を破壊することでサウィンを召喚しているんだって。
    私:「カーニバルの儀式」とはなんだ?おとぎ話や小説にでも出てきそうな響きだが。
    紙心:毎年十月城で開催されるカーニバルは、一種の儀式でもあるんだよ。よくある話でしょ?かつての祭事と祭典は代々受け継がれ、文化となる。人々は祭典の初心をとうに忘れているかもしれないけれど、今でも祝福のエネルギーが集まっているのを感じることができる。
    私:どうして君がそんなものを感じることができるのかは……聞かないでおこう。
    紙心:別に構わないよ。魔術師の一族って知ってる?私はその血統を一部受け継いでいるんだ。だから、人より自然のエネルギーを感じやすいの。
    私:明るい笑顔の少女が紡ぐ言葉は、私のこれまでの常識を覆していった。傍で悠然と微笑む紳士に目を向けると、クインランは視線を避けることも、紙心の言葉に対して驚く素振りを見せることもなかった。
    クインラン:紙心さんの状況は僕の親しい知り合いによく似ていてね。彼女に出会った時、少し懐かしくなって……思わず口を出してしまったんだ。
    クインランさんの助けには感謝しているよ。切り絵もこの通り捗ってるし!
    私:彼女が掲げた綺麗な色紙を見ると、そこには切り絵の手法で巧みに模られた猫のようなシルエットがあった。
    君も知っておいた方がいいよ。ここの人間はーー地元の人たちからサウィンの信者まで、みんな黒猫を敬っている。だから、猫の形をした装飾を作れば、破壊されることもなくなるかもしれない。
    理由は似たような文化的信仰を持っているからだと思うけど、今のところそれらしき記録はまだ見つかってなくて。
    私:それだけでも、十分カーニバルの準備に役立つだろう。しかし、1つだけ疑問がある。個人的な……些細な好奇心によるものだ。
    紙心:なに?
    私:あなたが魔術師のハーフで様々なエネルギーを感じることができる上、今は本物の信者が死神を召喚しようとしていることを知っている。ならどうしてこの仕事を……カーニバルの手伝いを続けているんだ?
    私:十月城に流れついたというだけなら、資金稼ぎの方法は他にもあったはずだ。普通はこんな厄介事を避けるものじゃないのか?
    やりたいことがあるからだよ。
    紙心:正に、私が魔術師のハーフだから。私は母をずっと前に病気で亡くして、ある事故がきっかけで父とも連絡が取れなくなった。彼の気配を感じるがままに追いかけた結果、ここまで導かれたってわけ。
    紙心:でも、城内に彼の姿はなかった。ここの亡霊の舞の伝説にあるように、生者は思いを寄せる死者と共に一曲踊ることができるっていう話が本当なら……試す価値はあると思ったんだ。
    ◆上手くいくといいな?
    紙心:ありがとう。たとえ会えなくても、それはそれで結果の1つだから。きっと父も、どこかで同じように私を探しているはず。
    ◆本当に会えたら、一曲だけで足りるのか?
    紙心:どうだろうね……足りないかもしれない。でも、ここの十月の皇后は街中の人間に崇められている。儀式の中心である彼女たちなら、きっと何か知っていると思う。
    紙心:本当に会えたら、私はここに残って、死者ともっと長くいられる方法を十月の皇后に聞くことにするよ。それに、父にもまた会えるかもしれないし。
    私:紙心さんの眼差しに迷いはなかった。傍らのクインランさんは笑みを浮かべるだけで、特に意見するつもりもなさそうだ。私は口に出かけた言葉を飲み込んだ。運命の力とやらを感じたことがない私には、それらの軌跡に対する尊敬の心を持つことができない。
    私:流されるままにここへ来た私とは異なり、ここを訪れた他の者たちにはそれぞれの目標や望みがあるようだ。……私はこのような意志の強い者に弱い。

  • 2.城の小道/フェニック
    フェニック:この町の死と神秘に対する態度は彼らの伝説と同じように、外界の人々とは大きく異なっている。
    フェニック:君も感じたはずだよ。彼らは神秘を普通のものとして受け入れている。血族も幽霊も、その存在はここの人々の暮らしに溶け込んでいるんだ。
    フェニック:この黒猫たちを町の一部として受け入れたのと同じようにね。
    私:猫は血族や幽霊と同列に考えられているのか?
    フェニック:猫たちの本質はまだ分析でできていないけど、ただの動物じゃないことだけは確かだ。猫というよりも、何かが黒猫の姿に化けたように思える。
    フェニック:黒猫に化けられるなら、もちろん他の生き物にもなれるだろう?
    フェニック:十月城の伝説にある、黒猫は生死を司り、生者のもとへ死者の思いや言葉を届けるというのも……完全にありえない話だ。
    フェニック:僕が知る限り、亡霊というものは理性なんて持ち合わせていないし、善良なんて欠片も見つからない。

  • 3.広場/クインラン
    私:旅行客さん……いや、クインランさん、あなたもカーニバルの最後にある亡霊の舞が目当てで十月城へ来たのか?
    クインラン:まあね、僕には探したい相手が何人もいるから、その内の1人でもここで確認できれば大助かりだよ。
    クインラン:だから君も頑張ってくれよ?いたずらなんかに負けないでさ。
    クインラン:手伝ってほしいことがあれば僕に聞くといい。このカーニバルを楽しみにしている人間は、僕以外にも大勢いるはずだからね。

  • 4.城の小道/紙心
    私:機能確認したがっていたのはこれか?
    紙心:うん。私の父は、とある事故で行方不明になったから……亡霊の舞で彼に会えなかったとしても、それはそれで父の今の状況を確認できるでしょう?
    紙心:君は亡霊の舞が楽しみじゃないの?
    紙心:十月城のミッドナイトカーニバルのチケットが入手困難なのは、会いたい人に会えるからだよ。皆、それ目当てで来てる。
    ◆私にとっては他の演目と大差ない
    私:(死とは、揺るぎないものであるからこそ恐れられる……一曲踊る間に抱いてしまった希望は、より苦しい喪失感となって返ってくるだけだ。)
    ◆少し興味があるだけだ
    私:(こういう時、私の心は決まって思考より一歩早く動いてしまう。)

5日目

  • 1.広場/首席顧問
    私:紙心さんのアドバイスを聞き、新しいカーニバル装飾に猫のイメージを取り入れることにした。すでに破壊された道具の穴を埋めるため、主催者が色紙の要素を増やす方針を定めたおかげで、二次的な修正が行いやすくなった。
    私:今日の確認では、破壊工作が行われた範囲がかなり狭まっていた。私は紙心さんの方も同じ状況であることを確かめた後、彼女と共に芸術協会へ向かい、雇い主にこの妙案を報告することにした。
    私:運が良いのか悪いのか、私たちの謁見はすんなり叶った。
    首席顧問:安心してください。あなたが書かれた脚本は予定通りに上演されます。カーニバルの会場が原因で延期されることはありません。
    首席顧問:しかし数日前、ローレライさんを訪ねたのですが、彼女は会ってくれませんでした。今はどうされていますか?舞台ができても主演がいなければ、観客はがっかりしてしまうでしょう。
    ???:なに、名役者のちょっとした悪癖だ、どうか許してやってほしい。ローレライさんの状態なら、既に確認が取れている。しばらくはコンディションの調整に忙しいのだそうだ。時が至れば、何事もなく舞台に立ってくれるだろう。
    首席顧問:伯爵の『子の刻の歌声』を楽しみにしております。
    私:彼らの会話を聞いたところ、恐らく顧問さんの傍にいる人が今回のカーニバルの演目『子の刻の歌声』の作者……謎に包まれた血族の伯爵だろう。隣にいる紙心さんも少し緊張しているようだ。芸術協会の首席顧問に初めて会うからか、それともあの響宴の伯爵を初めて見たからか……
    私:私は紙心さんに脇まで引っ張られていき、2人の会話が終わるのを待ってから顧問さんに報告することにした。紙心さんの緊張は未だに解けていない。彼女の気付きであるにも関わらず、私が説明のほとんどを担うことになった。
    首席顧問:鋭い観察力だ。その通りに設置するといい。
    私:彼は私たちを使いに出すこともなく、芸術協会のスタッフに指示を出した。私たちはその場で顧問さんを伯爵を見送り、その姿が見えなくなった後、傍から2つのため息が聞こえた。
    紙心:はぁ……
    猫:ニャー……
    私:影になっている隅で、緑色に輝く猫の目がパチリと瞬いたかと思うと、実体を持った「黒色」が影の中から跳び出し、あざ笑うかのように紙心さんに向かってニャーと鳴いた。
    私:ずいぶん大胆になったみたいだな。
    猫:ニャニャ、ニャー?
    私:猫は何も知らないふりをしているが、盗み聞きしていた事実は明らかだ。私の猫語はあまり優秀とは言えないため、理解してくれることを願って自分が知る唯一の言語で語りかけた。
    私:怖いならどうして聞きに来たりしたんだ?見ての通り、私たちはカーニバルの準備に行かなければならない。どこへ行こうと君の勝手だが、舞台の邪魔はしちゃダメだ。
    猫:ニャー!
    私:毛づくろいに集中している黒猫が私の言葉を理解したかは分からないが、ほどなくして突然現れた黒猫がまだ切り終わっていない色紙をぴょんと踏みつけた。更に被害が広がらないよう捕まえようとしたが、その前にもう1つの手が猫を抱え上げた。
    「ローレライ」:ごめんなさい、この猫が迷惑をかけたみたいね。
    私:数日前に道端で話した女性だ。今の盛装と仮面を取った姿を見て、私は既視感の理由を理解した。彼女こそが長らく活動休止していたソプラノ歌手、ローレライ……ショーのチケットは手に入れることすら難しいと言われたアーティストだ。
    私:ローレライさん……あなただったんですね!大丈夫です、まだそこまで大きな害を与えたわけではありませんので。『子の刻の歌声』のリハーサルに来たのですか?
    猫:ニャー。
    私:彼女の腕の中にいる黒猫に抵抗する様子はなかったが、それでも巧みにローレライさんの手から逃れ、舞台裏へと走って行った。しかし会場に対する要求が高く、そう簡単には歌ってくれないと噂のローレライさんはさほど気にしていないようで、私にコクリと頷くだけだった。
    「ローレライ」:ショーは明日だから、舞台の様子を確認しに来たの。後でリハーサルさせてもらうわ。スタッフの方々は先に帰っていいわよ。
    私:伯爵の新しい脚本を秘密にしておくためか、私も追い出されてしまった。しかし広場から離れる前、風に乗って聞こえたかすかな歌声は、消えかけた余韻だけでも心を震わせた。

  • 2.街道/首席顧問
    首席顧問:ローレライさんは近頃、猫を飼っているのか?
    私:えっと……それは、私に聞いているのですか?
    私:ローレライさんが猫を飼っているかどうかは私も知りませんが、先日確かに逃げた猫を追うローレライさんを見かけました。
    首席顧問:偶然だな。私も子猫を1匹探しているんだ……後でローレライさんにも確認を取っておこう。

  • 3.城の小道/伯爵
    伯爵:魔術師の儀式がついに始まる……
    伯爵:当時、彼女たちはこの方法で都市の者たちを守った。世から隔たれ、継承も途絶えてしまったが、その効果は今でも継続している。
    伯爵:しかし残念なことに、その仕組みは儀式中にしか調べられない。どうやら明日まで待つ必要がありそうだ。

  • 4.広場/「ローレライ」
    「ローレライ」:いい舞台ね。頑張ってくれてありがとう。
    「ローレライ」:ショーがあんなことのせいで中断されたら、ごたごたを巻き起こすのが大好きな評論家たちにどう書かれるか分かったもんじゃないわ。
    私:(そう言えば、ローレライさんの前回の公演は、事故によって中止になったと聞いた。それ以降長らくショーはしていないと。)
    私:(彼女は「復帰」作を完璧にしたいんだろう。だから脚本に対する要求が高かったんだ。しかし、彼女のような名優が久々に舞台に上がるのだから、人々が必要以上に騒ぐ気持ちも分かる。)
    私:(過去の事故で声帯を損傷して歌えなくなったとか、プライドが高すぎると批判する文章とか……噂は山ほど流れているが。)
    私:(今回の公演が上手くいくといいな。そうすれば、ショーが終わった後に記念のサインも貰いやすい。)
    猫:ニャー。
    私:(ん?今何か聞こえたような……誰かが会話を聞いていたのか?)

6日目

  • 1.紙心/城の小道
    私:カーニバルは予定通りに開催された。まずは盛大に飾られたパレードが都市を一周する。このパレードが最後に都市広場に到達した時、今年の十月の皇后が選出される。
    私:カボチャの中に置かれた蝋燭が夜を照らし、人々の笑顔が孤寂を吹き飛ばす。熱気のこもった雰囲気と不思議な香りが空気中を漂い、全ての作業を終えた私は思いのままこの賑わいを楽しんでいた。
    私:しかし、パレードが出発してからすぐ、私は先日いたずらをしていた「馴染みの友人」を見かけた。
    白い布を被った「お化け」が道路の両脇から跳び出し、出発しようとしていた隊列の間を駆け回り始めたのだ。
    彼らがあちこちにぶつかっているせいで陣形が崩れ、それを避けようとしたパレートの役者が観客とごちゃ混ぜになった。
    人数が多すぎる。このまま混乱が続けば、怪我人が出るかもしれない。
    私:人数が多すぎる。このまま混乱が続けば、怪我人が出るかもしれない。
    ◆まずは安全確保
    私:人ごみの混乱は1人で制御できるようなものではなく、目立てばあの信者たちの注意を引いてしまう。今日の彼らの行動は今までよりも迷いがない。私は数歩後ずさり、できる限り自分が巻き込まれないようにした。
    ◆秩序の維持を試みる
    私:私は声を上げ、近くの人々秩序を維持するよう呼びかけると同時に、縦横無尽に駆け回る「お化け」を避け続けた。しかしこんなにも激しく動いているというのに、彼らが被っている白い布はなぜめくり上げられていないのだろう?
    私:その時、私は一斉に息をのんだ声が聞こえた。彼らは異なる口調で、同じ内容を口にしたのだ。
    クインラン:王冠ーー!
    紙心:王冠ーー!
    猫:ニャー!
    私:稲妻のような黒い影が人ごみの中を駆け抜け、往来する者たちは誰もそれを止めることができなかった。はっきりと目にしたわけではないが、周囲の人々の訝し気な声を通して、私は何が起こったのかを理解した。
    十月城の城の住民:おい、あの猫が王冠を咥えて逃げていったぞ!?
    フェニック:そうだね。どうして十月の皇后の王冠を?
    首席顧問:……
    私:パレードの中にいた顧問さんはずっと秩序を維持しようとしていた。あのいたずら「お化け」たちがいくら喚いても、彼は落ち着いた様子のままだ。しかし今は、王冠を咥えて逃げた猫の方角を見て少し表情が……
    首席顧問:猫を捕まえなさい。
    私:顧問さんの顔を一瞬よぎった感情が何なのか考える暇もなく、いつの間にか傍まで押し寄せられていた紙心さんに腕を引っ張られた。
    紙心:行くよ!王冠を取り戻さないと!

  • 2.広場
    私:紙心さんは私を待たずになりふり構わず飛び出し、素早い身のこなしで人ごみを掻い潜っていった。私が何とか人の流れをかき分け、息を上げながら都市広場までたどり着くと、彼女はすでに取り返した王冠を顧問さんに返そうとしていたところだった。
    首席顧問:紙心さん、それはあなたのものだ。あなたが身につけるといい。
    紙心:でも、これは毎年選出される十月の皇后しかーーまさか。
    私:紙心さんが驚きの後、興奮、そして喜びの表情を浮かべたのを見て、私も顧問さんの言葉の意味を察した。十月の皇后は十月城の住民から選ばれるはずだが、今年は変化が多い……これも変化の1つなのかもしれない。
    首席顧問:それを頭に載せ、あなただけの歌声を浴びるといい。
    首席顧問:敬愛なる皇后よ、人々はあなたに忠誠の誓いを捧げる。同じように、あなたも彼らに約束をするのだ。
    私:人々は舞台上の少女に歓声を上げた。私はその雰囲気を壊さぬよう、時折声を上げながらキョロキョロと周囲を見回した。あの謎に満ちたフェニックさんの姿はなく、クインランさんは人ごみの中で微笑みながら拍手を送っていた。
    私:十月城の住民も紙心さんがここ数日カーニバルの準備に励んでいたのを覚えており、なりふり構わず王冠を取り戻そうとした姿を見たこともあって、私が心配していたような、よそ者が「十月の皇后」に選ばれたことへの反発は起こらなかった。
    私:この歓声は、ローレライさんが舞台に上がった後も止まず、顧問さんが民衆を鎮めてようやく静けさが戻ってきた。ほどなくしてローレライさんのショーが始まり、私はこれまでの憂いを忘れ、彼女の歌声が作り上げる不思議で美しい世界の中に浸った。
    私:ローレライさんの歌声が止んだ時、私の周りにいた人々は誰もが終わりを惜しむ表情を浮かべていた。鏡は持っていなかったが、きっと私も似たような顔をしていたと思う。
    私:カーニバルの最後の演目は「亡霊の舞」、私が長らく興味を抱いていたものだ。私にもう一度会いたいと思うような相手はいないが……誰がパートナーとなるのだろう?
    私:新しく就任した「十月の皇后」はこの部分の開幕を担うと同時に、ダンスをリードしなければならない。紙心さんは顧問さんに教わりながら、まだ慣れないが優雅な姿で「亡霊の舞」の始まりを宣言した。
    私:周囲の蝋燭の光が一瞬暗くなった気がした後、人ごみの中から「人々」がゆっくりと歩み出て、他の者たちに向かって頭を下げ、手を差し伸べた。どこからか聞こえるバグパイプの音がゆっくりと大きくなっていき、徐々に不思議な旋律を奏で始めた。
    私:重い溜息をつく者、口元を覆ってすすり泣く者もいる。
    私:前へ出てダンスを誘う者はごく普通な身なりで、旅行客のような盛装はしていない。年齢も様々で、ヨロヨロとステップを踏む白髪の老人もいれば、頑張って背伸びするおぼつかない足取りの子供もいる。どう見てもプロのダンスパートナーには見えないが、それを気にする者はいない。
    私:人々がどんどん手を取り合って広場の中央へと歩いていき、ステップに合わせて踊り始めた中、私だけがポツンとその場に取り残された。
    私:左右を見てみると、もう1人立ちつくしていた男性と目が合った。
    私:ああ、フェニックさん、やっと見つけた。警戒しなければならない危険な「亡霊」がいると言っていたが、これは……
    フェニック:あれは僕の勘違いだったんだ。皇后が選ばれた今、この「亡霊」たちはもう危険ではない。君にも踊りたい相手がいるのなら、僕が言ったことに構わず踊ってくるといい。
    私:踊らないのはあなたの言葉を気にしているからではなく、誰にも構われなかったからと言ったら……場の空気を台無しにしてしまうだろうか?
    フェニック:パートナーを持たない人なんていないよ。ほら、あっち。
    私:フェニックさんが示す方向を見ると、そこには微笑みながら私へ向かってくる人物がいた。無意識に舞台の方に目を向けると、そこでは紙心さんと、彼女に似た顔立ちの男性が幸せそうに微笑んでいるのが見えた。
    私:子の刻が来たり。少し冷える夜風の中、星々が煌めく。爽やかな空気と楽しい雰囲気、私も思わず笑みを浮かべた。
    私:心地よい天気の中、一曲踊るのもやぶさかではない。

  • 3.首席顧問/広場
    首席顧問:他の役者や観客への配慮がなければ、君が舞台に上がった瞬間に引きずり降ろしていたところだ。
    猫:ニャーゴ。
    首席顧問:(顧問さんは1匹の黒猫と何か話していた。辺りは薄暗く、私が目を向けるとその猫は周囲の影に溶け込んでしまい、ただか細い鳴き声だけが耳に入った。)
    私:(顧問さんもいなくなった猫を見つけられたのかな?)

  • 4.「ローレライ」/広場
    私:ローレライさん、素晴らしいショーでした!もっと多くの人に聞いてもらえたらどんなによかったか。
    「ローレライ」:気に入ってくれてありがとう。でも、今後はもう舞台に上がるつもりはないの。
    私:根拠のない批判や疑いのせいですか?そんなもの気にしなくてもいいのに!それよりも、大勢のファンがあなたのショーを楽しみにしているんですから。
    「ローレライ」:そうね。でも、このショーは新しく知り合った友人のおかげで叶ったものよ。今はちょっとしたトラブルに巻き込まれているから、それが解決されるまで、私の舞台には上がらないわ。
    私:そうだったんですね……ご友人の成功を祈っています。舞台の上に立つあなたと再会できる日を、いつまでも待っていますので!
    私:(その時にチケットが買えるかどうかは別の話だが……)

  • 5.紙心/街道
    私:そういえば、頑張ってカーニバルの準備をした作業員に「十月の皇后」は報酬を配ってくれないのか?
    私:(紙心さんはすでに人ごみに呑まれていた。興奮と喜びの最中にある人々の間に割って入る気力は私には残っておらず、遠くから彼女に向かって声をかけることしかできなかった。)
    紙心:アハハッ、そんなことを覚えていたんだねーー機会があれば必ず渡すよ!
    私:(彼女は知り合ってから一度も見たことのない、生き生きとした表情を浮かべていた。彼女の隣にいる男性は、正に彼女が長らく探していた父親なのだろう。)
    私:(私は彼女に手を振り、声を上げて私に応えようとする彼女を遮った。今は再会の喜びに浸るべきだ。)
    私:(良かった。一曲踊ったら、もう消えてしまうわけではなかったんだ。曲が終わった後も、彼女たちにはまだまだ時間がある。)

  • 城の小道/猫(挑戦時会話)
    私:カーニバルもこれで終わりだ。君も相当いらずら好きみたいだが、そろそろ大人しくしたらどうだ?
    私:あんな騒ぎまで起こして……まったく、どうして王冠を奪おうとしたんだか。
    猫:ニャー……
    私:(顧問さんが王冠を手にした後にこの黒猫を捕まえたからか、今は鳴き声まで元気がない。)
    私:(猫は疲れているように見えたが、もはや警戒心を本能に刻んでいた私は周囲の物音を聞き逃さなかった……嫌と言うほど聞いた音だ。)
    私:はぁ……これで最後だ。いいか?
    私:こうなったら、今度こそいい成績を取らないと。

エピローグ

晴れ。
出発に適した良い天気だ。
昨晩はダンスの後すぐに帰ったが、今日目が覚めたらやはり疲労感が溜まっていた。
しかしカーニバルが終わったら、十月城はよそ者を受け入れなくなる。疲れていても、もう帰らなくてはならない。
立ち去る前、私は知り合いに別れを告げるつもりだったが、市内をグルグル歩き回っても、店じまいに励む熱心な店主すら見つかったのに、紙心さんの姿は見当たらなかった。
現地の住民に聞いたところ、それは「十月の皇后」が高貴なお方であるため、戴冠後は一番良い邸宅に住み、専属の従者しか周りに置かず、会うためには従者を通さなければならないからだそうだ。
彼らは私が今まで気付かなかった彫像を指さした。カーニバルが終わった後に作られたもののようだ。王冠を被った紙心さんは、生き生きとした笑顔を浮かべていた。
ここの彫像は年に一度取り換えられるらしく、その年の「十月の皇后」を模して作られる。「十月の皇后」に直接会えない住民たちは、普段はここに来て皇后の彫像に祈りを捧げているという。本人に会えない以上、別れはこの彫像に告げるしかなさそうだ。
昨夜は疲れていたし、紙心さんの周りにはたくさんの人が集まっていたから、結局お開きになるまで彼女と喋ることはできなかった。私は彼女と、ようやく再会できた彼女の父親への祝福を、物言わぬ彫像と吹き抜ける風に向けてゆっくりと語った。
「十月の皇后」がその任期中に十月城を離れることはない。もう空が明るくなっている。私もそろそろ行かなければ。
風が届ける音すら、別れの声に聞こえる。
私は持っていた最後の金で魚を1匹買った。あいつの口に合えばいいが。

画像

街道
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城の小道
城の小道.jpg
広場
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デイリーセール

デイリーセール.jpg

店主:いらっしゃい。ご注文は?
店主:すみません。ちょうど猫がいらっしゃったもので、少し散らかっているんです。何かお求めでしたら、気を付けてくださいね。
カーニバルに向けて、ここの通りの準備を担当している者です。少し聞きたいのですが、怪しい人物を見かけませんでしたか?
店主:いいえ、特には。あなたのような他所からいらした方以外は、全員見知った顔ばかりです。
先ほど店が猫に荒らされたと言ってましたよね?片付けを手伝いますから、壊された物を見ていってもよろしいでしょうか?
店主:もちろん、助かります。しかし、手掛かりをお探しでしたら、無駄な努力になるかもしれません。
店主:十月城は猫が多いので……よくあることとは言えませんが、別に珍しくもないですから。
店主:棚で猫の爪痕がついた商品を見かけたら、ここまで持ってきてください。こうなっては半額で売るしかないでしょう。
店主:見つけてくれれば、報酬をお渡しします。

  • 1日目:ジャック・オー・ランタン
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    くり抜かれたジャック・オー・ランタン。
    新しい爪痕がついている。

  • 2日目:人形服
    人形服.jpg
    いたずらお化けたちが大好きな人形服。
    ただ、通りすがりの「いたずらっ子」の毒牙にかかったようだ。

  • 3日目:「サプライズ」パック
    「サプライズ」パック.jpg
    開けるまでは中身が分からない祝日パック。
    しかし肝心の「サプライズ」よりも、そのパッケージ自体が気に入った者がいるらしい。

  • 4日目:キャラメル
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    大人気のキャンディー。
    大きな歯型は甘~い誘惑の証。

  • 5日目:ブラックチョコレート
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    純粋なココアの味が残されたブラックチョコレート。
    これにも猫の足跡が残されている。

  • 6日目:パンプキンパイ
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    出来立てのパンプキンパイ。
    ふんわり漂う香りが新しい客を引き寄せる。

  • 7日目:熱いりんご酒
    熱いりんご酒.jpg
    店主の独自のレシピで作られたりんご酒。
    飲むといい夢が見れるらしい。

店主:親切なお客さんですね。何度もありがとうございます。
店主:今日はカーニバルに参加するのでしょう?もう、この辺で大丈夫ですよ。
店主:これを受け取ってください。私からのお礼です。
店主:これは……りんご酒?どうしてこんな瓶に入れているんですか?
店主:こうやって祝日の雰囲気に合わせた方が客に喜ばれるんですよ。それに、これを飲むといい夢が見れると言う客が多くて、皆モヤモヤした気分になると買いに来るんです。
店主:薬剤の瓶にしてからは、更に効果が顕著になったと言われました。
店主:どうぞ。あなたがカーニバルを存分に楽しめることを祈っていますからね。

キャラ裏話

  • 紙心
    紙心.png
    • 1. 突然姿を表した少女。
      魔術師一族のハーフであり、私の同僚。
      彼女が十月城に来たのは偶然ではなかったようだ。
    • 2. カーニバルに対して興味を抱いており、凄まじい行動力で調査に当たっている。
      観察力が強く、手先も器用だ。
      私では彼女が作った切り絵を再現できそうにない。
    • 3. 自身の父親を探している。
      彼女にとっては、父親に関する手掛かりを見つけるだけでも十分なのかもしれない。
  • 首席顧問
    首席顧問.png
    • 1. 十月城芸術協会の首席顧問。
      私に報酬を支払う立場の上司であり、ミッドナイトカーニバルの主催者の一員でもある。
    • 2. 芸術に心酔し、真面目で責任感がある。
      他者の評価からも、私自身の観察からも同じ結論が得られた。
      しかしどうにも……彼はカーニバル自体にあまり興味がないように思える。
    • 3. 彼は何を探しているんだ?猫?
  • 「ローレライ」
    「ローレライ」.png
    • 1. カーニバルのパフォーマンスに招待された者。
    • 2. 独特な声を持つ優秀なソプラノ歌手。
      近頃、黒猫を1匹飼い始めたらしい?
    • 3. 彼女は最高のショーを作り上げるために全てを注ぐ。
      それ以外に望むものはないようだ。
  • 伯爵
    響宴の伯爵.png
    • 1. 謎に満ちた血族の伯爵。
      ミッドナイトカーニバルのスポンサーであり、カーニバルの新演目『子の刻の歌声』の作者でもある。
    • 2. カーニバルと準備の進展と『子の刻の歌声』の上演を気にかけているが、それは芸術的な追及のためではない。
      パフォーマンスは手段の1つでしかない。
      彼は舞台の下に集まる人々を観察しているのだ。
    • 3. 十月城は魔術師の一部がサウィンの脅威に対抗し、身近な人々を守るために建てた都市だ。
      彼は魔術師が残した儀式に対してかなりの興味を持っている。
      どうやら血族の内部にもトラブルがあるらしい。
  • クインラン
    ティーパーティー.png
    • 1. カーニバルを体験しに来た情熱的な旅行客。
      カーニバルの準備に積極的に取り組んでいる。
    • 2. 博識で、人助けにも積極的。
      しかしその熱意の裏には何かしらの考えがあるようだ。
      自分の経験と似ているから、紙心さんのことを特に気にかけているという。
    • 3. カーニバルの最後に予定されている亡霊の舞を特に注目しており、これを通して誰かの手掛かりを探そうとしているらしい。
  • フェニック
    フェニックス.png
    • 1. カーニバルを体験しに来た謎に満ちた旅行客。
      準備作業を妨害した「お化け」が気になっているようだ。
    • 2. 彼はカーニバルの準備作業を邪魔した「お化け」を明らかに警戒し、怪しんでいる。
      しかしそれはカーニバルのショーを期待しているからというわけではなさそうだ。
      「お化け」とカーニバルの両方を疎んでいる珍しい人物だ。
    • 3. 彼が警戒している対象は死の神、サウィンだった。
      「お化け」と「十月の皇后」はどちらもサウィンの力が及ぼす範囲内にある投影だからだそうだ。
      しかし最後はその脅威が消えたと言った。
      「十月の皇后」の誕生が彼の考えを変えたようだ。
      彼は自分のこれまでの考えが間違っていたと言っていた。
      つまり、「十月の皇后」の儀式は何かを呼び起こす性質ではなく、その逆の効果……封印なのだろうか?

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