シーズン26

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  記者の真髄衣装は、去年登場した「少女」の真髄衣装「悪の源」と対をなすストーリーとみていいでしょう。
  ストーリーのはじめでは、幼い頃のアリス・デロス同様、エウリュディケ荘園は最終的に呪われた場所になってしまいましたが、かつてはあらゆる幸せをもたらした永遠の楽園でもありました。
  悪意につきまとわれる運命と貪欲な人間たちにより、永遠は終焉を迎え、安寧が破壊され、聖潔は汚染され、かの地は悪名高き場所になってしまったのです。
  記者の真髄に登場するキャラクターたちが演じる役も、メインストーリー上でも彼らの運命を投影しています。
  そのため、キャラクターの衣装の色調については基本「少女」の真髄衣装の補色を取り入れました。
  全体のスタイルもチューダー王朝期の厳粛な雰囲気に寄せています。
  永遠の光が終わりを迎えると、死の闇が降臨してしまいます。
  ですが自らの死を経験した人だけが、命の尊さを知っているのです。
  「永遠」は未世であっても、思いやりの心を持っています。
  前途は多難ですが、魔法の箱には最後となる希望を放つようにしています。
  ここはメインストーリーにある、アリス・デロスの「呪われた女」の設定と合わせています。

• デザイナーの構想
  
  衣装の背景ストーリーに基づき、永遠は死の騎士であり、人々には憐みを持っているので、涙を流すマリアのイメージを参考にし、衣装の全体のデザインはチューダー王朝のスタイルを取り入れ、ジュエリーや刺繍で飾り付けました。
  第1案は気品のインパクトが欠けています。
  チューダー王朝期の衣装の素材感はシルクではなく、ベルベットです。
  またジュエリーと刺繍の配分は均等すぎてビジュアル面においても重要なポイントが欠けています。
  
  第2案は第1案の下半身のデザインをベースに、上半身を再設計しました。
  ドレスの裾とギャザーの部分をさらに大きくして、全体で気品を強調しました。
  胸部、背部、裾部分の刺繍を増し、上半身のジュエリーもゴージャスにしました。
  衣装のベルベット感もアップし、体の一部にはスキルを発揮する際のCG効果を入れました。
  
  細部を調整して、デザインの完成です。

• ディテール
  
  黒金のティアラを冠し、白金色の髪結いに繊細な真珠の髪飾りを着けています。
  黒い涙は誰の命を悼むためでしょうか？
  
  スクエアのデコルテ部分には金色のボタンが嵌められ、真珠ネックレスには黒い宝石のペンダント、それはまるで黒い空洞のように、人々は永遠の深淵に吸い込まれようとしています。
  手には銀の魔法の箱があり、青黒い霧が漂っています。
  
  ベルベット素材のトレーンには真珠を散りばめられ、黒い地模様が怪奇かつ神秘的です。
  足は青色で半透明なため、永遠はこの世にいない存在であることを感じさせます。

• プレビュー
  
  永遠は銀の箱を開き、世の悪を開放します。
  襲い来る憎しみと苦しみは使者の彼女にとっても耐え難いもので、よろめいて倒れた彼女は魂まで引き裂かれるように感じています。
  
  絶体絶命となった彼女に、銀の箱の底から懐かしい人影が現れ、彼女に手を差し伸べました。
  苦しみを和らげ、引き裂かれた傷が治った今、彼女はあの人影は彼女の「過去」であることを思い出したのです。
  それはすべての悪の源でもあり、救いの旅の始まりでもあります。

• 居館ホールのレビュー
  
  永遠は部屋の中で足を止め、その頭上には真珠が輝き、ベルベットのドレスが光に照らされて満天の星空のようです。

• ゲーム内プレビュー
  
  青緑の炎と銀色の光に囲まれる永遠。魂の欠片が寄せ集まって、「記憶」へと変わりました。まるで憎悪の境地にいる彼女を守っているようです。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  安寧は戦火に呑み込まれ、あらゆる無垢な純白も血の赤に染められる運命から逃れられません。
  あの過去の記憶、未来への憧れもやがて鏡の中の色褪せた支離滅裂な幻影になっていきます。
  これがジョゼフ・ドラソネスのストーリーで戦火に引っ掻き回された人生です。

• デザイナーの構想
  
  第1案では騎士のイメージに相応しいデザイン1と2と選び、融合させ、さらに調整を行いました。
  
  細部では、金属のアクセサリーの光沢をピンポイントで引き上げ、衣装の繊細さとCG効果をより豊かに感じさせるものにしました。
  
  さらに細部を調整し、デザインの完成です。

• ディテール
  
  剣のように鋭い王冠に飾られた血色の宝石が目を引きます。
  美しくまとまったラフカラー純白の戦袍と対比する赤いパーツがより眩しく輝いています。
  
  冷たい銀色の剣の柄の中央には赤い宝石が嵌められ、さらに不気味な赤い液体に覆われています。
  
  カメラが石碑の形となり、征伐の象徴である剣は平和の象徴である円に囲まれています。
  何を差しだせば、本当の安寧を手に入れられるのか。

• プレビュー
  
  長い剣が赤白の光点に囲まれ、安寧は剣の柄をきつく握りしめて、空から降りてきました
  純白の髪と軍服を纏いながらも、双眸が紅い輝きを放っています。
  戦火に破壊された安寧は、血と炎のなかにこそ、再びの生を得るのかもしれません。

• 居館ホールのレビュー
  
  肩までの白い髪、襟元に飾った赤い宝石が光っています。
  安寧は手に持つ剣を振りかざしています。

• ゲーム内プレビュー
  
  安寧の顔が白い陶器のようにヒビ割れ、赤い光がヒビから溢れてきます。
  カメラの世界に入ると、安寧のが復元されました。青い瞳が上品で神秘的です。
  黒紅色になった長剣の柄はどれほどの貪欲な苦しみに染められたのか、誰にもわからないのです。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  「罪の源」ではありますが、悪の象徴ではありません。
  「悪夢」の当初の目的はただ汚れに塗れた罪悪を浄化したい、それだけでした。
  歪んだ記憶と制御できない薬の作用の下、浄化された記憶を求める者はやがて霧の中で脆い残像と無限の虚無に彷徨うのです。
  これが「オルフェウス」たちが作り出し、経験した共通の運命でもあります。

• デザイナーの構想
  
  第1案からは我々は浄化者としてふさわしいーーペスト医のデザイン1と2を選び、両者を融合した上、調整を行いました。
  第1案ではデザイン1がよりソフィスケイトされ、デザイン3は「聖潔」のイメージとかけ離れたため、デザイン2をベースに調整を行いました。
  
  「聖潔」の設定により相応しくするために、羽毛、煙等の要素の色を銀色に統一し、衣装の裁縫具合もより繊細にしました。
  
  さらに細部を調整し、デザインの完成です。

• ディテール
  
  つば広帽にはシルバー模様があり、ケープコートの縁には液体に腐蝕されたような痕跡がみえています。
  胸に飾るネックレスから神秘的な銀白の煙が漂ってきます。
  
  革のベルトに銀製のアロマボール、それににんにくの飾りを着けています。
  彼は厄災を駆除するのか、または招くのか？
  聖潔のマスクの下に、その答えが隠されています。
  
  革製の黒い手袋には注射器も付いています。
  鋭い銀製の注射器は薬で満たされています。
  この儚い聖潔のため、人々は自ら眠りに陥るのです。

• プレビュー
  
  聖潔が銀色の煙の中から出現し、膝に付いたホコリを軽く叩きます。
  渡鴉が手に止まり、聖潔に頭を撫でられてまた飛び去りました。
  
  聖潔は白いケープを纏い、胸に下げたネックレスと腰のアロマボールからは銀色の煙が漂ってきます。

• ゲーム内プレビュー
  
  聖潔の手袋の銀の注射器から細長い煙が昇っています。
  彼はサバイバーの行動を覗き見しているのです。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• ストーリー背景
  砂漠のオアシスに、奇妙な雲風が漂っています。
  今回の真髄ストーリーはS16真髄1の玩具職人たちの話の延長であり、大砂漠での物語になります。
  前回の物語では、とある王国の姫が神秘なる財宝をもって旅立ち、強盗にあいましたがうまく危機から逃れました。
  あれから、逃走した姫はやがて同盟国へとたどり着きます。
  ここで姫が旅する理由が判明します。
  国王が亡くなり不穏な情勢の中、姫は危険あふれる苦しい長旅を経て、両国で守り続ける財宝を開放するようにと異国に助けを求めたのです。
  でもこの同盟国には別の企みがありました。
  財宝の遺跡にいく姫のために「護衛」を派遣します。
  姫君一行は必ず途中にあるオアシスに通ります。
  実はほかにもこの姫の動向を注視している人がいたのです。
  この財宝と深い縁がある旅の商人たちがすでにこのオアシスの市場で変装し、姫の一行を待ち受けていました。
  王国の統制から逃れた漫遊の盗賊たちは密かに準備を整えていたのです。
  周囲は全て、蟷螂を狙う雀のように目を光らせています。
  この姫は窮地から逃れられるのでしょうか。

• プランナーの構想
  今回の真髄ではコウライバトは手品を披露する者を乗せ、奇妙なからくり機械を持ち、砂漠を旅する商人です。
  数年前、コウライバトを育てた先代商人が財宝の手がかりを二人の国王に売り出しました。
  あれからコウライバトはずっとこの事実を念頭に置いて、各地を点々と潜伏しながら、財宝の手がかりを探しているのです。
  マジシャンのこの限定UR衣装に対し、我々は彼の設定中において最も魅力的な部分を引き出すよう、デザインを考えました。
  老練、スマート、勝利への自信に満ち、素晴らしい手品の演出……我々は彼を、砂漠の旅商人として登場させました。
  衣装では「鳩」をイメージして白を使いました。
  エキゾチックな肩掛けに、身に着けた小蛇やトカゲもその神秘的な雰囲気を増しています。

• デザイナーの構想
  
  デザイン案の制作において、マジシャンから「大砂漠の奇妙な旅商人」のイメージを出すために、彼にたくさんの金のアクセサリーを着けました。
  腰にはさらに各地で集めた珍品、中には小さなペットもいます。
  
  第2案では目の花形のデザインを貨幣の形に変更し、彼を商人の設定に寄せました。
  さらにビジュアル的により調和を感じさせるように、衣装部分のスタイルを調整しました。
  
  細部を補強し、コウライバトのデザインの完成です。

• ディテール
  
  インパクトある耳飾り、ずる賢い笑顔、どうか旅人たちよ、彼のトリックに騙されないように。
  ほら、彼の帽子で舌を出す毒蛇が、あなたに警告しているようですよ。
  
  コウライバトの魔法の杖はとある動物の骨で作られ、淡い紫の宝石を嵌めています。
  周りには謎の煙が漂っています。
  
  コウライバトはゆったりとした襟の白い長衣で、紫の肩掛けにベルトには華奢な宝石と珍品を下げ、さらに細かい細工の篭には緑色のカメレオンもいます。

• プレビュー
  
  灰白色の鳩が紫の霧から飛び出し、空中で少し飛び回った後、華麗な衣装をまとうコウライバトに変身しました。
  彼が魔法の杖を振ると、一瞬で一輪の花が現れますが、コウライバトのテクニックはこれに留まりません。
  
  コウライバトは目の前にある金の鍵に触れようとしましたが、鍵はそのまま消えうせました。
  彼は身を横に向けて顔を隠しますが、嘆いているのかクスクスと笑っているのかはわかりません。
  すべては彼の目くらましであり、すべては彼の目論見通りなのでしょうか。

• 居館ホールのレビュー
  
  コウライバトの腰にじゃらじゃらと小物が飾られています。
  これから、彼の得意な芝居の時間です。

• ゲーム内プレビュー
  
  コウライバトの帽子で黒色の毒蛇が舌をチロチロと出しています。
  彼の襟周りに、銀河のように淡い紫の光が流れています。
  手にある魔法の杖には何らかの不思議な魔法が隠されているようです。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  「ハヤブサ」は真髄において常に単独行動する流浪の人であり、王国間の争いを嫌って、人知れず活動する盗賊でもあります。
  ハヤブサのイメージを決めた要素には、彼自身が闇の奥に潜む狩人なのだという暗示も含まれています。
  ストーリーの中ではいつも冷酷かつ自由な放浪者ですが、小さな旅の友のヤマガラを常に随行し、師弟や友達のような関係となっています。
  この残酷な砂漠でわずかな温かみを感じられるのでしょう。
  我々はハヤブサの翼とクチバシの形を参考して、衣装と持ち物のデザインを進めていきました。

• デザイナーの構想
  
  ハヤブサはオアシスで待ち受ける狩人という設定に基き、ハヤブサや鷹といった猛禽類の特徴を取り入れ、旅人であり漫遊の侠客といったイメージを制作していきました。
  第1案のデザインは人物に気質にあっていますが、左側の原稿は重苦しく感じられます。
  人物の性格と合致しているものの、見た目が祭司やシャーマンを連想させすぎて、旅人や遊侠の雰囲気が足りません。
  右側の図は全体的にイメージに近いのですが、エキゾチックなイメージが薄く、ハヤブサの特徴もそう顕著とはいえません。
  
  そのため、右側の図をベースにし、砂漠というエッセンスを改良しながら、髪型、顔の模様、飾りやスタイル等も含めて全体を調整しました。
  さらに「ハヤブサ」が特徴をより目立つように、肩部分、マフラー、裾部分、地模様等もブラッシュアップしました。
  
  これでデザインの完成です。

• ディテール
  
  ハヤブサが目の前を見下ろすようにして、周りの獲物を注視しています。
  額に流れる一筋の白髪がとてもよく目立ちます。
  褐色の長いマフラーを巻き、細長い首にかけた金色のネックレスが見え隠れしています。
  
  手にある杖は今まさに獲物を攻撃せんとする鷹のようで、その中心には球体が浮いています。
  
  ノースリーブのガウンはハヤブサの足首まで届くほど丈が長く、分かれ目がある裾の部分には銅製のあしらいがあります。
  ゆったりとしたズボンの裾がブーツインなのは、砂漠の砂が入らないようにするためです。

• プレビュー
  
  ヤマガラは金色の鍵をハヤブサに贈り、そのまま姿を風の中に消しました。
  ハヤブサが持っている鍵は金色に輝く光を放っています。
  
  砂嵐が襲来し、ハヤブサが手を上げて砂と風から身を守ろうとする間に、金色の鍵は飛来したハトの群れにくわえられていきましたが、やがてハヤブサの手に戻ってきます。
  予測不可能な気候の砂漠において、最後の勝者は一体誰になるのでしょうか？

• 居館ホールのレビュー
  
  ハヤブサの顔にある金色の模様が陽射しに照らされ、輝きます。
  杖を地面に重々しくひと突きすると、深く轟くような響きと振動が伝わっていきます。

• ゲーム内プレビュー
  
  ハヤブサは周りを注視しています。鷹の形をした杖の中心にある球体から赤い閃光が送っています。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  骨董商は今回の真髄では王国の護衛として登場します。
  彼女は姫君の「護衛」に派遣された、自由を持たぬ王国の駒のひとりにすぎません。
  彼女は俊敏な身のこなしで、颯爽とした勇姿の持ち主です。
  骨董商のSSR衣装で、彼女の「侠気」ある一面をみせようとしました。
  衣装に「カラス」の名を冠し、彼女の颯爽とした、知恵あふれる、陰で動く特徴を表しています。

• デザイナーの構想
  今回のテーマは玩具職人の時の砂漠真髄+猛獣のスタイルを継承し、骨董商は砂漠の予期せぬ気候に適応した、ハンサムな女刺客を演じます。
  
  第1案では砂漠での衣装を強調しましたが、自由で颯爽とした質感が弱いので、第2案は第1案の下半身のデザインと第2案の上半身のデザインを融合させ、裾の長さとプリーツ部分を拡大し、より設定を前面に出してみました。
  胸、背中の部分は立体的に、スカートの裾には刺繍、上半身にはジュエリーも着け、衣装はビロードの質感を強調しました。
  
  また、フードを髪飾りに変え、シルエットでの識別度もアップさせました。
  衣装をよりスリムシルエットにし、背中の羽毛のショートマントで軽やかさも表現しました。
  
  さらにベールと部分的に花の模様をあしらい、防具の金属部分の質感も加工して、骨董商のSSR衣装カラスのデザインが完成しました。
  

• ディテール
  
  金属の羽毛の髪飾りの中心には淡い紫の宝石が輝き、軽やかなベールを纏ったカラスの、鋭い眼光がはっきりとみえます。
  
  カラスは義侠であり賊でもあり、身のこなしは俊敏で、腕には金属板の防具を付けています。
  腰には紅白の綿麻の紐と紫の宝石の飾りがあります。
  
  漆黒の長棒に金色の羽毛で飾られ、先端にもカラスの羽毛の飾りが付けられています。
  背後にある黒羽のマントから数枚の羽毛がはらはらと落ちてきます。

• プレビュー
  
  姫君がよろめいて、遠くへ逃げていきます。
  カラスは周りを警戒し、手持ちの簫を振って、姫を追撃する陰を砕きます。
  周囲からの風が彼女の颯爽とした動きで、紫の霧として見えてきます。
  
  カラスが手を上げると、砂漠の砂嵐の中で数枚の黒羽に変化しました。
  風で羽が目の前に吹き飛ばされ、俊敏なカラスが再び姿を現します。
  彼女の真の目的は一体何でしょう？

• 居館ホールのレビュー
  
  カラスが周囲を見渡すと、背後の羽毛のマントが風とともに揺れています。
  淡い紫のベールの下に、深謀遠慮が隠されているのです。

• ゲーム内プレビュー
  
  カラスの額にある紫の宝石がひときわ目立ちます。
  まるで鋭い目のようです。
  彼女の機敏かつ、余分のない動きで、黒と金のマントの裾からは黒い羽がゆらゆらと落ちていきます。

(参考1、参考2)