書記官

書記官(キーガン)

家族の中で一番下の娘だったキーガンは、かつては自分が自由で平等な家に生まれたことを幸福に思っていた。
彼女はタ食時の長テーブルで会話をするのが好きで、まるでそこが法廷であるかのように自分の観点から意見を述べたものだった。
しかし彼女が成長すると、兄たちは皆一番優秀とされる学校に進学し、弁護士資格を取って権力の中枢に入っていくのに、彼女は荘園で淑女として過ごしながら縁談をただ待っているだけだった。
幼い頃大好きだった長テーブルでのタ食、兄たちが優秀なのを誇る両親、兄たちのお陰で繁栄を極めるキーオ家。それに対して彼女はどんどん無口になり、ついに発言する権利さえも失った。いや、最初から平等などなかったのだろう。
両親が彼女に、家族に更なる名声と地位をもたらす貴族への縁談を決めたあと、キーガンは自分の外見を変化させることでそれを拒もうとし、その思惑通りに貴族は彼女の顔を見るなり首を振った。
それから彼女は兄とともに大都市に出向き、普段は兄の為に資料を整理したり、重要な法律条例の書き出しなどを手伝うようになった。
当時、義姉が妊娠中だった。彼女は心機一転、充実した日々を過ごしているように見えた。
しかし、それも長くは続かない。兄の仕事を手伝っているうち、両親とは別に最も愛していたはずの男の本性が、次第に明らかになっていったのだ。
キーガンは当初反抗したが、一人の女性として声を上げる権利を持ち得なかった。彼女は徐々に、女であるという自分の身を嫌悪し始め、行動や服装などもそれに合わせて変容していった。
彼女は熱心に兄の食事を『世話』したが、兄の健康状態は悪化の一途をたどり、裁判所への出廷すらキーガンに任せることが増えていった。
この時、すでにキーガンは兄に変わって真の独裁者に変わりつつあった。だが権力の頂点に立ったとき、彼女の心は、自分が受けた不公平な仕打ちに対する復讐に満たされてしまい、初心を忘れてしまっていた。
彼女は「It ain't over till the fat lady sings（最終的な結果をやすやすと決めてはならない）」というセリフを非常に好む、なぜなら彼女こそが最後の結末を決めるその人なのだから。

外在特質

なし

形態変化

• 記録
  スキルボタンを長押ししてサバイバー1名または自身を選択すると、対象のその後X秒間の移動ルートと操作行為を記録することができる。
  再びボタンをタップすると記録を終了し、そのシーンを保存欄に収納する。
  
  【操作行為】
  以下を含む：板・窓の操作、暗号機解読、ゲートを開く、ハンター攻撃、ハンターが異常を使用。
  【特殊】
  サバイバーが記録されている間、板・窓の操作速度がX%減少し、シーンは2つ保存される。
  ハンターのシーンは1つ保存される。

• 宣告
  記録されたシーンを1つ選択し、マップ内の任意位置にドラッグして設置するとシーンの内容を再現できる。
  スキルボタンをタップするとシーンが発生した位置で再現が起こり、シーン内の操作行為がマップ内の操作地点と対応する場合、操作地点に相応の影響が発生する。
  
  【特殊】
  自身を記録している間に攻撃すると、シーンの中で、ハンターは短時間後に行動を開始できる。
  攻撃と異常効果は半減し、攻撃は恐怖の一撃を与えなくなる。

• 宣告方式
  スキルボタンをタップするとシーンの宣告方式を切り替えることができ、シーンを再生または逆再生で再現できる。
  

• 審査
  長押しで1つの目標を選択し、俯瞰視点で目標エリアを観察する。
  このエリアで記録と宣告を行うことができ、自身も移動、攻撃などの操作が可能。
  選択可能な目標：未解読の暗号機、サバイバーが拘束されているロケットチェア、開放可能なゲート。
  

• 無効
  パッシブ効果：記録過程中に操作された操作地点は、記録終了後の10秒間サバイバーに操作されなくなる。
  

• 証拠認定
  シーンを審査する。
  この機能を使用すると自動的に記録過程中の無用な移動ルートを削除し、肝心な操作行為とそれに繋がるルートのみが保留される。
  
  
  

うわさ

年齢の増加と共に、キーガンは徐々に理解した。
「重み」のある人間の声しか人に聞き入れられないのだと。
でも関係ない。
今の彼女なら、その全てを決められる人間になれる。

背景推理

実装:グローバル版シーズン20

1.立件

第40.4条：生命権

• 結論1枚の新生児の写真の裏：
  少女の名前「キーガン」は、困難を恐れず、公明正大という意味だ。

【基礎目標】
・自身を1回記録
【レベルアップ目標】
・自身を2回記録
・自身を3回記録

2.開廷宣言

第40.6.7.i条：言論の自由

• 結論
  1冊の法律書の傍にある、歪んだ小さい文字：
  次の夕食ではこれで父に反論できるわ。

【基礎目標】
・サバイバーを3回記録
【レベルアップ目標】
・サバイバーを4回記録
・サバイバーを5回記録

3.合議制法律構成員

第40.1条：法律の前では誰もが平等

• 結論
  1通の合格通知の裏：
  2番目の兄も上の兄と同じ学校へ行った。
  あと2年経てば、私も「キーガン・ニコラス・キーオ」と書かれた合格通知をもらえる。

【基礎目標】
・宣告を3回成功させる
【レベルアップ目標】
・宣告を4回成功させる
・宣告を5回成功させる

4.陳述

第42.3.1条：教育を受ける権利

• 結論
  濡れた紙切れ：
  ジョーンズさん、あなたに対する不満は一切ありません。
  ただ、私は部屋の中で家庭教育を受けるのではなく、兄たちのように一番の学校で最高の教育を受けたいのです。

【基礎目標】
・シーンを逆再生して木の板を1回持ち上げる
【レベルアップ目標】
・シーンを逆再生して木の板を1回持ち上げる
・シーンを逆再生して木の板を2回持ち上げる

5.異議

第34.2，34.3.1°，34.3.4°条：第一審裁判所

• 結論
  1枚の手書きの判決書：
  私にとって、彼らはもう公正な判決を下す権利を有さない！

【基礎目標】
・スキル【無効】を利用して操作を1回禁止する
【レベルアップ目標】
・スキル【無効】を利用して操作を2回禁止する
・スキル【無効】を利用して操作を3回禁止する

6.確認

第45.1条：社会秩序

• 結論
  新聞の見出し：
  再び医療事故が発生、しかし裁判所はメスマー医師を無罪と判決。

【基礎目標】
・審査状態で宣告を1回成功させる
【レベルアップ目標】
・審査状態で宣告を2回成功させる
・審査状態で宣告を3回成功させる

7.審判

第34.3条：特別法廷設立

• 結論
  1つの処方箋：
  メスマー医師の治療案に問題がない場合、現在の措置も合理的な範疇にあるはずである。

【基礎目標】
・シーン中の自分が攻撃を1回命中させる
【レベルアップ目標】
・シーン中の自分が攻撃を1回命中させる
・シーン中の自分が攻撃を2回命中させる

8.執行

第40.4.6°：保釈拒否

• 結論
  乱れた筆跡の記録：
  キーオさん、もし彼女の目の泪によって動揺し、幼い甥の無垢な眼差しに揺らいだなら、
  あなたはもう寒い冬の中、氷雪に覆われた無実の者たちの声を聞くことは出来ないでしょう。

【基礎目標】
・シーンを逆再生して暗号機進度を1回減退させる
【レベルアップ目標】
・シーンを逆再生して暗号機進度を1回減退させる
・シーンを逆再生して暗号機進度を2回減退させる

9.新秩序

第34.2，34.5.1条：終審裁判所

• 結論
  1件の記録の最後：
  「全能なる神の前で、厳粛かつ真摯に約束し、宣言しましょう。
  私は自分の知識、能力、そして権力の全てを以て首席大法官の職位(あるいは状況に応じて決定)を全うします。
  何も恐れず、誰にも加担せず、憲法と法律を遵守します。
  神が私を導き、私を支えてくれますように。」

【基礎目標】
・宣告に成功した後、1回12秒以内にサバイバーを攻撃
【レベルアップ目標】
・宣告に成功した後、1回12秒以内にサバイバーを攻撃
・宣告に成功した後、2回12秒以内にサバイバーを攻撃

記念日手紙

1年目

ベシーの記録

記録対象：ベシー
　ハロッズ・ニコラス・キーオの妻、ベシーと1月16日午後3時に面会を行った。単独で会うのはこれが初めてになる。待ち合わせ場所はメスマー宅にあるベシーの寝室だった。
問：彼女に何があったのか知っていますか？
答：彼女から、ひとまずハロッズと別居することにしたと聞きました。今の家は住みやすく、胎児の成長にも良いと考えていたようですが、言葉の節々から仕方がないという諦めが伝わってきました。
問：彼女とハロッズの間に何があったのですか？
答：彼女は何度もため息をついた後、ハロッズは少なくとも2回は一緒に病院へ行く機会を逃していると言いました。
問：彼女が家を出たのはそれが理由だと？
答：恐らくそうでしょう。彼女の挙動を見る限り、自身の婚姻に満足していないようでした。ですが違う面から見れば、これはいいことと言えるかもしれません。
問：なぜいいことだと思うのですか？
答：この関係に囚われず、より客観的に他の物事を見ることができるからです。
問：他の物事とは、具体的にどのような？
答：彼女は普段は立ち入ることを許されていない夫の書斎にこっそり忍び込んだことがあったらしく、引き出しの中から彼女の夫の名前が記された巨額の預金証書を見つけたそうです。その時はあまり気に留めていなかったようですが。
問：あなたはどう思ったのですか？
答：私は、彼女の夫の本来の収入ではそんな大金を貯められるはずがないと彼女に伝えました。
問：それに対する彼女の反応は？
答：探るような口調に変わり、「仮に最も近しい人間が法的な問題を起こした場合、それは自分に影響するか」と訊ねてきました。
問：彼女の質問に対してどう思いましたか？
答：彼女は話を聞いて少し怖くなったのだと思いました。私は、ただの仮説に答えることはできませんが、確かな証拠を提供できるなら話は別だと答えました。
問：なぜそう言ったのですか？
答：彼女には専門的なアドバイスが必要なのだと思いました。ですが、はっきりとしない仮説に答えたところで何の役にも立ちません。やはり実質的なものを提供してもらわないと。
問：あなたはこれを「取引」と見なしているのですか？
答：はい。
問：その後はどうでしたか？彼女はより価値のある情報を口にしましたか？
答：はい、彼女は自身の父親がハロッズに送った手紙を見つけました。手紙には、治安法官であるハロッズが父親の代わりに謂れのない非難を治めたことへの感謝が綴られており、巨額の小切手も同封されていました。彼女がこれらを語っていた時、その手は震えていました。
問：彼女の挙動をどう思いましたか？
答：彼女はきっと勇気をふり絞って話しているのだろうと思いました。父親に夫、彼女と最も近しい2人に関係している話ですから。彼女を落ち着かせるために、私は今日の内容を決して誰にも話さないと伝え、彼女には由来不明の収入が自身と関係ないことを証明する弁護士が必要だと勧めました。
問：なぜそのような提案を？
答：審判に勝利するために、私には盟友が1人必要だったからです。
問：その後の会話内容は？
答：また来てくれるかと聞かれました。
問：応じたのですか？
答：もちろん。
記録終了
記録時間：1月18日
記録者：キーガン・ニコラス・キーオ

衣装

UR

• 創始者
  自分の夢が他人と異なる時、孤独に包まれるのは仕方ないことよ。
  そして私の夢は、あの美しい新世界なの。
  (期間限定ショップ)
  
  

SSR

• 執行官
  彼女は再びバシリッサに服従し、執行官の名のもとに、車輪上の傲慢な反乱軍を制裁する。
  (S27・真髄1)
  
  

SR

• 黒百合
  黒百合――彼女はこの場所に属さない。
  ただ、起こってはいけないことを容認できないだけだ。
  (S22・真髄1)

• 菌糸専門書
  多くの研究者が信念を曲げた中、
  彼女だけは人類が知る知識のすべてを駆使すれば「それ」を解釈できると信じていた。
  人類がその存在を征服するか、その存在が人類を征服した時に、勝負の決着は付くのだと。
  (CALL OF THE ABYSSⅦ)

• 海霧観測
  海上では、どんなに些細な雲や風の変化も全て記録される。
  この穏やかな海が船上の乗客を裏切ることはないと、彼女はそう強く確信していた。
  (S31・真髄2)
  
  

R

• 秩序の赤
  彼らは少女に絹織物と赤いスカートを着せたがったが、
  赤色は一種の規則に……そして警告にもなる。
  (S25・真髄3)
  
  

携帯品

SSR

• 幸福の地
  黄昏の木の下に、1人の笛吹きがいた。彼女が我々を導き、また新しい1日を迎える。
  特殊効果：スキル特殊効果の変更
  (期間限定ショップ)
  
  

SR

• ガベル
  私の運命をあなたが決められるとでも思ったのかしら？
  否。
  (S23・ランク秘宝)
  
  

料理

SR

• 揚げ物朝食
  エネルギー溢れる朝食が、1日の労働を支えてくれる。
  (イベントショップ)
  
  

その他

• 紹介動画より
  キーオさん
  あなたの子供時代は幸せでしたか
  ええ
  ええ
  夜　家族揃って暖かい食卓を囲むと父はいつも笑顔でこう言っていたわ
  キーガンお前はまるで小さな法廷のようだと
  その後は
  その後　彼らは私が得るべき幸せを与えようとした
  当然　兄たちも
  あなたの兄
  彼は正義を代表するに相応しくない
  そして私は　そんなことを許せなかった
  何をしたのですか
  すべきことをしたまでよ
  正義には服従がそして犠牲が必要なの
  この世の穢れを排除できるのは　私だけだわ
  今日の筆録はここまでにしましょう

• デザイン過程
  【プロット】
  今回の新キャラクターはゲームスタイルのまとまりがより突出したハンターであることを望んだ。
  スキルデザインにおいて、このハンターの核心は行動の遡及であるため｢記録｣の方式を選択してスキル包装を行った。
  デザイン上キーガン・ニコラス・キーオは理想の人であり、彼女の理想と現実は彼女自身と対立し、彼女の選択は彼女の人生を形作った。
  彼女の名前である｢キーガン｣ーーそれは困難や危険を恐れず正々堂々としていることを意味する。
  彼女は｢名誉革命｣で生まれたが、残念ながら彼女の魂は常に太陽の光を浴びることができず、勇敢に抵抗するが夜の帳が降りて途方に暮れている。
  秩序の正義から結果の正義に到るまでの選択の道で、彼女は自分の判断基準を持っている。
  外観のデザインでは彼女の服装の造形は彼女の身分を満たす必要があるため、彼女は黒いローブを着ており、手には法律文書を持っている。
  同時に彼女の外観はハンターらしい威厳を体現したい。
  そのため皆さんの前に現れたキーガンは、四肢が細く身体は大きく、片目は半分開いていてもう片方の目は大きく見開いている。
  厚い眼鏡を通して怒ってあなたを睨んでいるかのように。
  【美術】
  書記官のデザインは元々歳をとっていて個性的な女性ハンターのイメージを増やしたいと思っていた。
  ストーリー背景は18世紀末から19世紀初頭でデザインされており、スケッチの段階で探していた概念のデザインの方向性のキーワードは書記官という職業と厳格で迅速な法令の執行だ。
  スケッチ段階では素早く面白い組み合わせの方式も探していた。
  
  スケッチの案の問題は、デザインの比例が写実的すぎることだ。
  調整段階ではキャラクターの各部分の比率を誇張した。
  
  デザインを洗練した後最終稿が完成した。
  
  【原画の細部展示】
  
  書記官の双眸は片方を少し細め、片方は見開き眼鏡を通して全てを眺めている。
  唇を少し窄めて口角を下げ、表情は無関心だ。
  
  書記官は大量の法律文書を持っている。
  正義の裁決者である彼女は様々な法律条例を通じ、深遠なる理論の備蓄している。
  それは彼女が正義を執行する重要な基盤だ。
  
  書記官は黒いローブを纏い、胸にはスカーフを整然と積まれている。
  服のスタイルは彼女の厳格で冷淡な個性を暗示し、荘厳で厳粛な気質を醸し出している。
  (原文)

まとめ

本名

キーガン・ニコラス・キーオ(日本語)
柯根・尼古拉斯・基奥(中国語)
Keigan Nicholas Keogh(英語)

通称

書記官(日本語)
记录员(中国語)
Clerk(英語)
서기관(韓国語)

記念日

1月21日

趣味

模擬法廷

特技

論弁

性格

好きなもの：読書、文字記録、法律研究
嫌いなもの：不公正な法律の採決、不平等な対応

人間関係

◆荘園のゲームの参加者

• 「リッパー」
  キーガンと同時期に荘園に招待された自称芸術学生。
  最低2回会っており、2度目の遭遇時は2人で荘園の絵の鑑賞をした。
  その際、「リッパー」は笑いながら「私の美学的観点から言えば、絵の中のこの可愛い子たちは目を閉じた方がさらに美しくなると思うのですよ」と言った。
  キーガンの足音のリズムを好んでいるらしい。*1

• エドモンド・レイド
  キーガンと同時期に荘園に招待された刑事。
  キーガンに「取り返しのつかない危害を与えた」犯人を、過去の犯罪軌跡から「リッパー」なのではないかと疑っている。*2

◆その他

• チャールス・メスマー、エダ・メスマー
  医療事故を起こしたが無罪判決を受けた医師はチャールスかエダである。*3

参考文献

• 設定資料
  • 公式Weibo(三面図)
  • 公式Twitter(立ち絵)
  • 幻匠科技によるストーリーPVアニメーション
• プロフィールのソース
  • 記念日予告(日本版、中国版)
• 記念日イラスト
  • 2024年(日本版、中国版)
• その他
  • 実装時イラスト

コメント