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1日目
- 1.街道
私:……もしかして、道に迷ったのか?確か十月城はこっちだったはずなのに……
私:まるで、いくら歩いてもこの町から出られないみたいだ。もう日も暮れ始めている……
私:不思議なことに、日が暮れてからようやく、先ほど人気のなかった街道にローブを着た人影が見え始めた。
私:彼らは皆、顔をローブの影に隠しながら道を急いでおり、声をかけても返事をしてくれなかった。
私:もうすぐ夜だ。今先を急ぐのは効率が悪い。引き続き進もうか?
- 2-A.道(引き続き進むを選択)
私:足元や道端の壁には、動物の爪痕と……猫の足跡がある。
(空気中に甘い香りが漂っている。キャンディーの香りだろうか?)
謎の男性:見ない顔ですね……珍しい。
私:えっと……私のことかな?
謎の男性:もちろん。ここが賑わうのは本当に久しぶりです。数日前にここに来た変わり者の魔女の他にも、この町を訪れる客がいるなんて思いませんでした。
私:実は客というわけではなくて……うっかりこの町に迷い込んでしまったんだ。町を出る道を教えてくれないか?
謎の男性:ここを出たいのですか?フフッ、それが建前でないのなら、残念ながら……
謎の男性:この町は封印されています。稀に封印の抜け穴から滑り込んでくる人がいますが、誰も立ち去ることはできません。
(封印……十月城の近くに封印された町があるなんて初耳だ。)
(しかも「内部の人間を閉じ込める」なんて大がかりな効果。今の魔法で本当に実現できるのか?)
私:他に方法はある?
謎の男性:封印の効果を緩めるか、消すことができれば、自由に出入りできるようになるでしょう。l
謎の男性:ですがもちろん、強硬な手段には代償が伴います。封印によってこの町は完全に外界から隔たれ、時間の流れも止まって襲い掛かるでしょう。
謎の男性:どれくらいの間この町にいるか覚えていない者もたくさんいます。ひとたび離れれば……
私:なるほど。でも私は十月城に行こうとしただけで、生き急いではいたものの、変わったことは何もしていなかったはずだよ。なのにどうじて……
謎の男性:あなたの身に……封印されし物と似た気配があるのかもしれません。死に近い、あるいは「死」に触れたことがある人も、ここへ引き寄せられることがあります。
私:……それでも、この目で町の外の封印の効果を確かめてみたい。
謎の男性:止めませんが、町の外にあるのは果てしない荒野と、彷徨う魂だけですよ。
謎の男性:この出会いも何かの縁でしょう。この出来たてのキャンディーを受け取ってください。いずれあなたの役に立つかもしれません。
- 2-B.道(休憩するを選択)
私:道沿いの照明は徐々に灯されているが、遠くの道はまだよく見えない。いくら進んでも、永遠に終わりがないように見える。
私:私の記憶が間違っているのか?
謎の女性:もうすぐ日が暮れる。この町は野外よりも安全とは限らないわ。
ギイィと音を立てながらすぐ傍の家のドアが開かれ、ベールを被った1人の女性が姿を現し、今この瞬間の夜色のように静かな口調でそう言った。
謎の女性:新しい旅人さん、疲れているように見えるけれど、ここでしばらく休んでいったらどう?
私:あなたは……?
「霊の蝋燭」:「霊の蝋燭」と呼んで。あなたも名乗らなくていいわ。この町で本名を口にするのはとても危険なことよ。
私:ありがとう、「霊の蝋燭」さん。だったら私のことは「旅人」のままでいいよ。
私:実は道に迷ってしまって……ここに長居するつもりはないんだ。この町から出る道を教えてくれないかな?
「霊の蝋燭」:どうやってここへ来たのかは知らないけれど、あなた自身がそれを知らないなら、町を出るのは難しいかもしれないわね。
「霊の蝋燭」:外界の封印によって、この町の周りには果てしない荒野が広がっている。どれだけ歩いても、この町以外は何も見当たらないでしょう。
(封印……?十月城の近くに封印された町があるなんて初耳だ。)
(しかも「内部の人間を閉じ込める」なんて大がかりな効果、今の魔法で本当に実現できるのか?)
私:他に方法はある?
「霊の蝋燭」:無理やり出ようとした人たちは、いずれも荒野を彷徨う魂となった……そして弱い魂は、鬼火の燃料となって消えていったわ。
「霊の蝋燭」:急ぐ旅だとしても、せめて明日の朝まではこの小屋にいた方がいいんじゃないかしら。
◆町を出る道を探しに行く
私:ありがとう。でも、そういうことならこの目で町の外の封印の効果を確かめてみたい。
「霊の蝋燭」:そう。なら、このキャンディーを持って行って。役に立つはずよ。
(「霊の蝋燭」さんはカボチャ型のキャンディーバスケットを手渡してきた。中には色とりどりのキャンディーが入っており、甘い香りを放っている。)
「霊の蝋燭」:幸運を祈るわ。
◆ここに滞在する
私:私は「霊の蝋燭」さんにお礼を告げ、小屋でしばらく休んだ後、やはり完全に日が暮れる前に周囲の環境を確認しに出ることにした。出かける際、「霊の蝋燭」さんは私にキャンディーを持って行くよう忠告した。
- 3.街道
(見覚えのある場所だ。この道を通るのはこれで三度目になる。)
(周りの時間や空間は、不自然な停滞に陥ったかのように思われた。そんな中、正直な両足だけが疲れを訴えていた。)
私:疲れた……お腹空いた……キャンディーがあってよかった。
私:少し休憩しよう。これはリンゴ味かな……
私:うっ、頭がグラグラする……
(……何の音だろう。うっすらと騒がしい音が聞こえた気がする。)
黒い影(男):おい、起きろ、目を覚ませ!もうすぐゲームの時間なのに、何呑気に寝てるんだ!
黒い影(女):行かないならこんな場所で道を塞がないでよ。怠け者ねぇ、キャンディーをずいぶん持っているようだけど……
黒い影(男):こんなに不用心に放り出すなんて、まさかいらないのか?それじゃあ、もらってもいいってことだよな?ヘヘッ……
私:……うっ、何の話だ……
(頭の中はまだぐちゃぐちゃだ。何とか目を開けたが、状況は全く把握できななかった。)
(どれくらい気を失ってたんだろう?もう辺りは真っ暗で、街灯に怪しげな光が灯っている。そんな中、顔が真っ白に塗られた奇妙な格好の人が2人、私の前に現れた。)
私:あなたたちは……?
黒い影(男):おっ、目が覚めたのか!だったらゲームを始めよう!
私:ごめん、遊びに付き合う時間はないんだ……
黒い影(男):僕らが一番好きなゲームだ!さあ、選ぶといい、トリックオアトリート!
黒い影(女):私も!お菓子をちょうだい!早く!
(この2人はこちらの話を全く聞いておらず、その言葉は挙動と相まってとても大げさに見えた。私を急かしているのが分かる。)
(彼らは眼差しをバスケットのキャンディーに向けている。このキャンディーが欲しいようだ。)
(ほんの数秒考えただけで、彼らはおっかないことを言い出した。)
黒い影(男):お菓子をくれないなら、いたずらだぞ!
黒い影(女):いたずらもいいね!いたずらも大好き!アハハハ……
私:ちょっと待っ……
猫:ニャーー!
突然現れた黒猫が、私に背を向けて目の前の2人にニャーニャ―鳴き始めた。
意外なことに、黒猫の鳴き声を聞いた2人は徐々に落ち着きを取り戻し、むしろばつが悪い様子を見せた。
黒い影(男):で、殿下、どうして急に……
猫:ニャー、ニャニャ。
黒い影(女):大変失礼いたしました。で、では、私たちはこれで!
(彼らが猫を敬う態度は、去年十月城で会った住民以上だった。ここにも黒猫を崇める文化があるのだろうか?)
猫:ニャーニャ。
私:以前会ったことがあったっけ?去年見かけた黒猫に似ている気がするけど……
私:どうして無視するんだ、待っ……ん?振り向いてくるのは……ついてこいってことか?
- 4.道
小さな黒猫はいくつもの路地を抜けた。
何度も道を曲がり、方向感覚が狂い始めた頃、猫はようやく1軒の家屋の前で足を止めた。
猫:(前足でドアを叩く)ニャー
私:猫ってノックできたのか……?
「霊の蝋燭」(2-Aの場合謎の女性):あら、久しぶり。やっぱりここへ戻ってきたのね、旅人さん。
私:あなたのいう通り、町を出ることはできなかった。キャンディーでも食べて休もうと思ったら、なぜか気を失ってしまって。
私:目を覚ましたら、黒猫が私をここまで案内してくれたんだ。この子は……あれ?いなくなってる。
「霊の蝋燭」(2-Aの場合謎の女性):ここの猫は皆そうなの。封印の境界を越え、生死を繋ぐことができる使者なのよ。日常生活の中でも、ふとした時に境界の隙間を通って姿を現すことがある。
「霊の蝋燭」(2-Aの場合謎の女性):この小屋には一時的に住まわせてもらっているんだけど、空いている部屋もたくさんあるの。ここの主があなたをここまで導いたのなら、あなたもここに泊っていくといいわ。
「霊の蝋燭」(2-Aの場合謎の女性):この町のことをあまりよく知らないみたいだし……1人でうろちょろしていたら、何か良くないことに遭遇するかもしれないわよ?
(一時的に住んでいるだけだと言っているが、彼女はこの町にかなり詳しそうに見える。)
私:迷惑をかけてごめん。えっと、お名前は……?
「霊の蝋燭」:「霊の蝋燭」と呼んで。あなたも名乗らなくていいわ。この町で本名を口にするのはとても危険なことよ。
私:ありがとう、「霊の蝋燭」さん。だったら私のことは「旅人」のままでいいよ。
コメント
- キャンディー製作の材料、牛乳とシロップの説明文が同じものになってます。 -- 写真家さん推し 2024-11-05 (火) 12:44:51
- ありがとうございます、修正しました! -- 管理人 2024-11-06 (水) 20:20:45