シーズン28

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  今回の真髄のインスピレーションは異なる光線の元でそれぞれ違う色を放つ燐光の鉱石です。
  真髄ストーリーの主人公たちは特殊な鉱洞窟で生まれました。
  この鉱洞窟は外界と違って、様々な色彩の燐光の鉱石が光源となっています。
  彼らは先祖代々、鉱石の採掘で生計をたて、この鉱石は彼らの先祖にとって富の源でありながら、彼らにとっては呪いでもあります。
  遺伝子の欠落的特徴と長い鉱洞窟での生活の影響から、彼らは光線に対して敏感になり、皮膚からは淡い光を放つようになりました。
  人々はこの症状を燐光症と呼び、病巣の違いで鉱石の名前をそれぞれ名付けました。
  燐光症は体を蝕みます。まずは皮膚、次は筋肉、最後は骨と臓器の順で、蝕まれた部分を皆は機械に変えています。
  このような環境で生活する若者たちは、外の世界への好奇心に満ち溢れています。
  そのため彼らは毎月、月の光が最も明るい日に、競走大会を行います。
  この日は地上との取引のため、天井が開放され、月の光が洞窟にも注ぎ込んで、地上への通路を照らし出します。
  噂では、最も優秀な競走者はたび重なる障害を乗り越え、その天井から出ていき、月の光が照らす世界を目にして、日が昇るまでに戻れるのだと……そして、戻って来れないとも。
  一方、地下の悪環境に暮らす人々は、2つの派閥を作っていました。
  洞窟から離れたいと考える脱出派と、洞窟に残ろうとする踏襲派です。
  脱出派にはここを離れれば、健康な肉体を手に入れられるという言い伝えがあり、踏襲派は地上に出れば灰になって消えてしまうと信じていました。
  フローライト、タングステン、アラゴナイトは脱出派のリーダーですが、それぞれ異なる性格でした。
  フローライトの兄は脱出派の初代リーダーで、かつて助手のアマゾナイトと一緒に星光の競走を機に洞窟から脱走しようと画策しました。
  ですが、あの日戻ったのはアマゾナイトだけーーフローライトの兄は戻らなかったのです。
  戻ったアマゾナイトは脱出派から離れ、踏襲派に入ったのでした。
  岩塩とアパタイトは踏襲派のリーダー格であり、鉱洞窟を統治し、法令を出して洞窟を脱出しようとする人々に重い刑罰を与えています。

• デザイナーの構想
  応援団-フローライトは重い燐光症を患っています。
  手足はすでに蝕まれ、顔以外が全身淡いピンクの光を放っています。
  
  3つの原案はほぼ元の設定に忠実ですが、原案1の下半身が重たく、上半身は薄っぺらく感じてしまいます。
  原案3のデザインは全体のバランスはいいのですが、胸部分の明るい配色が浮いていて、全体の配色が暗く感じられます。
  そのため、原案2をベースに上品さを強調できるように、ブラッシュアップしました。
  
  配色を増やして、髪型も修正し、ポイントに多彩な素材感を取り入れて上品さを引き出しました。
  
  細部のブラッシュアップの段階では燐光症罹患部の面積を増やし、上品さをアップさせて今回のテーマにもより合わせました。
  
  完成版です。

• ディテール
  
  ピンクの髪は三つ編みになり、シニヨンが大きな宝石を包んでいます。
  紫赤色の傷跡は目尻から首まで伸び、ヒビが入った顔の下はすでに輝く宝石です。
  
  ピンクのレザーグローブには破損箇所があります。
  持っている金色のホーンはクレイジーな行為を高らかに宣告するかのようです。
  
  濃緑色のコートの背中には「FlyAway！Girls」と堂々と書いてあります。

• プレビュー
  
  異様な燐光に覆われた地下洞窟。
  砕かれた蛍光石が地面に散っています。
  フローライトは地面に飛び降り、ボーディングボードを修復して、周囲を見渡しています。
  
  フローライトが床に座って休憩していると、お馴染みのガスマスクが月の光の輝きとともに現れました。
  彼女は拾おうとしましたが、体が月光に入る瞬間、それは散ってしまいます。
  驚いて彼女が後ろに引いた瞬間、夢から目が覚めました。

• ゲーム内プレビュー
  
  フローライトが両腕を上げ、手に持ったホーンを空中で揺らすと、ピンクの光が彼女の周りに流れていきます。
  彼女は口元に勝利の笑顔を浮かべました。
  この競走は彼女が主役なのです。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  再び洞窟に戻ってきたアマゾナイトは踏襲派に所属しています。
  脱出派にとっては裏切り者ですが、アマゾナイトは既知の脱出派を捕まえたりはせず、むしろ他の踏襲派幹部からの狙いをかわすための手助けをしています。
  2つの派閥の間で、アマゾナイトの信念も彼女の身分と同様に揺れていました。
  彼女は唯一地上を見た者であり、フローライトの兄が陽光の中で灰と化し消えたのを目撃したと同時に、自分が日差しに治癒された事実を知った者でもあります。
  少なくとも現段階では地上の環境と燐光症の関係は、この洞窟内の派閥の関係のように、再生と消滅を半分ずつはらんでいます。
  それもあって、アマゾナイトは脱出派の過激な行動にずっと賛同できないでいるのです。
  彼女はまずはこの相違を引き起こす原因を陰で調査してから行動を取ろうと考えています。

• デザイナーの構想
  
  背景ストーリーに基づき、第1案の原稿を作成しました。
  彼女はパイロットジャケットを着て、中は鉱夫の衣装+スカート+作業服のズボンの組み合わせです。
  大きなゴーグルをつけ、左前腕はすでに燐石化しています。
  全体的に颯爽として大人、穏やかなイメージを狙いました。
  
  原案1をベースにブラッシュアップし、ゴーグル、スカート、ピストルとベルトのデザインを調整しました。
  機械の腕の案を取り消して、ジャケットの輪郭を強調しつつ晶石のデザインも加えました。
  
  最後には髪型と腰部分の輪郭を調整し、キャラクターにより熟達した元気なイメージをプラスしました。
  さらに配色とエフェクトも調整し、飛び回る鷹のデザインも加え、衣装のテーマによりフィットさせました。

• ディテール
  
  高く結んだ白いポニーテールに使い込んだゴーグルを着け、青の晶石の瞳には鋭い青のヒビ割れが見えています。
  
  白の皮ジャケットに青の晶石のネックレス、さらに腰に巻いたベルトに吊った錆びついたトランシーバーは、もう使えないもののようです。
  
  アマゾナイトの左腕は半透明の晶石であり、青の鷹が彼女の腕を中心に飛び回っています。
  右手にもつピストルにはチェッカーフラッグがはためき、いつでも号砲を発射できるといわんばかりです。

• プレビュー
  
  アマゾナイトが着けているガスマスクは外からの侵蝕を防ぎ、マスクが落ちると、彼女の手の平にある天の川のようなネックレスから鷹が飛び出し、遠くへ飛んでいきます。
  
  鷹が記憶の鍵を持って現れると、友人の面影が出現します。
  彼女にとって、守る意味とはなんでしょう？暗闇の中の安全？それとも自由と危険が伴う彼方？

• ゲーム内プレビュー
  
  鷹は彼女を囲んで飛び回り、青の粒子が彼女の動きとともに空中に満ちあふれ、星のような欠片が時々浮かんでいます。
  胸に飾った鷹は守護であり、攻勢でもあるのです。
  鷹の彫刻が青く光って、点々と星のような光が広げた翼から消えていき、暗闇の夜を微かに照らしています。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• デザイナの構想
  
  ストーリーに基づき、第1案の原画を作成しました。
  彼の上半身は汚れてボロボロの茶色の作業服に白の革ジャケット、濃い青の大きなマフラーで鼻と口を隠しています。
  頭部には大きなゴーグル。同時に下半身にはメカニカルな要素を取り入れています。
  
  第2案では機械義肢のデザインを調整し、より時代背景に合致するようにして、輪郭も強調しました。
  
  最終案では燐光症による侵蝕を強調し、足の部分の輪郭を微調整して、さらに襟とマスクのバランスを整え、キャラクターが持つオーラをより引き出すようにしました。
  

• ディテール
  
  ショートヘアが濃い青のゴーグルからはみ出て、マスクの上には傷跡が見えています。
  彼の瞳には固い意志が感じられ、ゴールにはあの星光であることがうかがえます。
  
  彼の手のボールにはブルーの鉱石がが嵌められ、この鉱石を通して星光を望むかのようです。
  
  ボロボロのズボンから機械の関節がのぞき、パーツの精巧な組み合わせが頑丈かつ動きやすさを感じさせます。
  あらゆる障害に強い彼の特徴が一端が垣間見えているのです。

• プレビュー
  
  タングステンが手にしたボールを投げると、レンチがぶつかり、反射でまたタングステンの手に戻りました。
  無数の赤いボールが飛んできて、タングステンはそれらをすべて打ち返し、さらに画面すらも打ち破ります。
  
  タングステンは青のボールで照準を絞ると、レンチを全力で振るった一撃を放ちました。
  ナイスショット！手を上げて遠くをしばらく眺めていると、ボールがまたタングステンの手に戻ってきて、青の光が彼を囲んでいます。

• ゲーム内プレビュー
  
  タングステンの後背には漂う青の光の点があり、レンチはとても重そうですが、彼は余裕の表情で使いこなしています。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• デザイナーの構想
  
  背景ストーリーに基づき、燐光症を持つ発破技士のデザインにしようと決めました。
  第1案では様々に試行錯誤して、ラフなスタイルとフォーマルなスタイルの両方を試しました。
  その中でも原案1の頭部は爆弾の形で面白いのですが、全体のデザインが整っていなくて、ビジュアル的な美しさも足りなく、ボンボンの体型ともかけ離れているので、調整が必要でした。
  原案2のヘルメット姿はあまりにフォーマルすぎて、ストーリー上のイメージとズレていて、燐光症の要素も欠けています。
  
  第2案では原案1と原案2を調整しました。
  左はシルエットと細かいアクセサリーを整え、右はフォーマルすぎる特徴を破棄し、乱雑感を持たせました。
  
  第3案は爆弾の頭のデザインを取り入れ、頭上の煙突をバルブに変え、シルエットをより洗練させて機械感を増やすことで、肩にあるスプリングと一体感を出しました。
  さらに頭の大きさと飾りの大きさを骨格にあわせて調整し、対戦時にキャラクターが動いて変形するのを防ぎました。
  

• ディテール
  
  ヘルメットの亀裂が雑に補強されており、ボンボンの右目は光が消えています。
  突き出たボルトはまだ動いており、ボンボンは星光を追う道のりを走っています。
  
  機械の腕がトーチを持ち上げ、不滅の炎があらゆる闇を照らし出します。
  
  ベルトには鍵と爆弾が収納され、作業服のズボンは埃だらけですが、ボンボンは出発の支度をすでに完了しています。

• プレビュー
  
  強力な爆発とともに、アラゴナイトが地面から登場しました。
  手に持つトーチは彼の冒険のお供であり、落ちてきた石がぶつかった頭を撫でます。
  痛みはもうなく、ただ筋肉が反応しただけのようです。
  
  アラゴナイトは背後から爆弾を取り出すと、それをトーチで起爆させようと、端っこに隠れて爆発を待ちます。
  起爆に成功して、アラゴナイトは誇らしそうな素振りを見せます。

• ゲーム内プレビュー
  
  アラゴナイトの頭部の起爆ケーブルが切断され、火花が上がります。
  紫色のバルブの裏に隠されたのは不気味な笑顔。
  アラゴナイトは爆弾を投げ出し、発破による破片が散らばっています。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  今回の真髄のキャラクターには砂漠という背景を選定し、行商貿易の旅路での物語を繰り広げます。
  過去の砂漠テーマと異なり、今回の衣装はより秋という季節の要素を含み、砂漠での焚き火や古国の夜の宴のキーワードにマッチさせています。
  昆虫学者のキャラクター背景と持ち物にあわせて、和睦する姫の設定にしました。
  彼女は箜篌を奏でることが得意で、演奏するたびに蝶や蜂が彼女に近寄り、音楽とともに舞い踊るのです。
  侍女(踊り子-花枝鏡)と守衛(占い師-信書)の保護で、箜篌(昆虫学者)ははるか遠いところからこの大砂漠のある古国にやってきました。
  彼女は恥を忍んで重責を背負い、自分が犠牲になれば貴重な平和が訪れると思っています。
  ですが講和の旅路は順調なものではありませんでした。招かれざる客すらも必然だったのです。
  たとえ進行ルートを変更したとしても、飛来する矢がいつも彼女らを狙っています。
  そして彼女たち一行は、オアシスを探すために、古国から来た小隊とその隊長である夜光杯と出会いました。
  バーメイドは今回は古国の宮廷のバーテンダー役ーー夜光杯であり、彼女の腕前は彼女の兄から教わったものです。
  彼女の兄はとある任務実行中に行方不明になり、夜光杯は兄の仕事を受け継ぎ、水源を探すために旅をしながら兄の行方の情報を調査しています。
  ちょうどその時、不運に陥っていた箜篌一行に出会い、夜光杯は彼女らを救助して、自分の国に連れていきました。
  姫を迎えるために、古国の民衆は箜篌のために盛大な宴をあげました。
  盃を交わす間に、国王の守衛ーー———鎏金銅鹿が大急ぎで駆けつけました。
  彼の左足には矢が刺さって、箜篌に救援を求めています。
  戦争に負けてしまい、王は行方不明になっています。
  左足の負傷は断罪狩人の元の設定とも合致しており、マスクを被る彼は王の失踪の手がかりをわざと隠しているようでもあります。
  突然の悪い知らせから夜光杯が気づいた点がありました。
  箜篌たちを襲う矢は鎏金銅鹿が使う矢と同じ種類だったのです。
  そのため彼女は彼が仲間かを疑います。
  古国を通る水源は徐々に枯渇していき、民たちは苦しい局面に嘆いています。
  箜篌は気づきました。ただ折り合っていても本当の平和が来ないことを。
  彼女は重い楽器の箜篌を手放し、共に新しい水源を探すために、民衆を集めて出発しようとします。
  それは今回の「大漠の秋懐」イベントでは、泣きピエローー沙州月下の目線や、人々の言葉からこの物語の全貌を復元していきます。
  ですが箜篌一行は新しい水源を見つけたのか、それを我々は知ることはできません。
  泣きピエロがいる年代はもう箜篌たちとは違っているのですから。

• デザイナーの構想
  昆虫学者-箜篌の背景ストーリーにあわせて、和睦を図る姫として登場させましたが、最初の原稿案は軽やかさが足りず、遠くから来た姫とのイメージを感じさせないので、衣装のデザイン方向を変更することが必要でした。
  
  第2案では全体の衣装とキャラクターのデザインと配色を改善し、より衣装の設定に合致させていきました。
  
  最後は細部の調整も施し、デザインの完成です。
  

• ディテール
  
  薄くて軽い絹をかぶり、赤と緑の宝石に飾られることで、金のベールの華奢さがより際立ちます。
  そのベールの下に彼女の顔が隠されています。
  ベールの隙間からは丁寧に仕上げた化粧と赤白の蝶の飾りが見えています。
  
  全身赤の衣装をまとう彼女のシルクの上着には純白の刺繍模様が見えます。
  真紅のスカートの裾は金の縁に飾られ、肩から腰には鳳凰が。
  胸に飾った同心鎖が少しずつゆるみ、袖口とスカートの裾にある花の模様に蝶が引き寄せられて舞い踊っています。
  背後にある焼きついたベールの一部は、壮絶なる過去を暗示しています。
  
  手持ちの箜篌は改良された形で、最上部には緑の宝石が嵌められ、蛇の瞳の形を模しています。
  赤い宝石を嵌めた金色の蝶々が箜篌の上に止まっています。
  箜篌の弦が切れて、蝶々は飛び上がっていきました。
  これは来たる異変の前奏なのです。

• プレビュー
  
  砂嵐の中、箜篌は気絶してしまい、駱駝から落ちてしまいます。
  突然、一輪のたんぽぽが、ひらりと箜篌の身に舞い降りてきて、遠くから飛んできた鳳凰が彼女を呼び覚ましました。
  箜篌による音楽が鳳凰を空中で舞い踊らせて、音楽が終わると鳳凰は彼女の身に戻り、衣装の模様へと変わりました。
  
  彼女は静かに箜篌を奏でていますが、急に飛んできた矢に演奏が中断され、瞬時に彼女の身にまとった鳳凰が光り出し、彼女のために矢を弾きます。
  光が消え、最後の一本の矢は夜光杯に食い止められました。
  夜光杯は箜篌に手を添えたあとに姿を消します。
  茫然とした箜篌は周りを見渡します。

• ゲーム内プレビュー
  
  箜篌の身には宝石がかすかに光っていて、その身の周りを蝶々が舞い踊り、光る虫たちは彼女が通る道にしばらく留まります。
  ベールが輝き、燃えているようにも見えます。
  彼女の行動とともに点々の火の粉がこぼれ落ちます。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  このキャラクターの特徴から、私たちは「ウルタールの猫」の物語をベースに、「使徒」をウルタールに来た商人でありながら、同時に町の猫の代わりに、猫を傷つける人を処罰する者に設計しました。
  ウルタールで猫に関する法令が出される前、ある農家の老夫婦が夜な夜な出没し、一帯の猫を捕殺する噂がありました。
  そんな中、ある怪しげな商隊が現れました。
  その商隊のリーダーは妙な衣装をまとい、マスクもつけて、真の顔を知る者はほとんどいません。
  その時から毎晩、猫たちがまるで指示に従うかのように行動し始め、商隊が町を去ったあと、猫を捕殺する老夫婦は二度と出現しませんでした。
  レビュー画面では、「使徒」を始めとする商人一行がウルタールにきて、猫を救う物語を制作しました。
  昼の彼女は商人に扮し、傷ついた猫から情報を集めます。
  夜になると、彼女はマスクを外して猫に変化し、反撃して暗殺を遂げたあと、再びマスクをつけ戦利品として一本の骨を咥えて帰るのです。
  ギフトパックに入っている携帯品は猫を呼ぶためのシストラムで、月光に照らされ鈴の音がなると、猫たちが集まってきて攻撃します。

• デザイナーの構想
  「使徒」の背景ストーリーに基づき、衣装は白色がベースのカラシリスとオーガンジー生地、宝石の飾り等を組み合わせて、月とエジプト模様も取り入れました。
  
  第1案の2枚の原稿からはさっぱりしながら華奢感がある1つ目を選びました。
  ですが髪型と衣装のブラッシュアップが必要です。
  この時点では髪型がシンプルなので、前髪と髪飾りを調整し、服には羽の要素も加え、胸部分の飾り物と合わせていきました。
  
  対戦時の視線を遮る懸念から、髪飾りの部分をコンパクトにし、顔の部分もさらにブラッシュアップして、身に着けた飾り物や猫のための飾り物も適切に調整しました。
  さらに月光と星光のエフェクトも加え、使徒-ウルタールの来客のデザインが完成です。
  

• ディテール
  
  猫耳の形の金色の髪飾りに太陽の目がゆったりと開き、舌をちらつかせるコブラは攻撃態勢の表れです。
  金色の首輪が彼女を縛っているようで、ウルタールの来客は人の顔の形のマスクをつけ、黒いストレートの髪に琺瑯と金の髪飾りを着け、「人間にとけ込むこと」に慣れようとしているのです。
  
  ボディラインにピッタリとした衣装が華やかで、腕に巻いた金色の蛇は羽根とつながり、衣装には目の模様と月の模様が月光に照らされ輝いています。
  前腕についている箍には様々な符号が刻まれていて、ある種の神秘な信仰を表すかのようです。
  
  黒猫にはウルタールの来客と似たアクセサリーが着いていて、主の動きに注視しながら自らが持ってきた「戦利品」を自慢しているようです。
  手持ちのシストラムの真ん中には神秘の模様が刻まれ、緑の玉石を通して、月下に集結の号令を発しているようです。

• プレビュー
  
  魔法陣が広がって、「ウルタールの来客」は陣の真ん中から現れます。
  黒猫の身にある傷が徐々に消え、彼女は絨毯の上の物品を払い、月の形のクッキーを猫に食べさせました。
  
  ウルタールの来客がマスクを外すと、黒猫が月光の導きでその場を去り、彼女は手にあるマスクを弄んでいます。
  猫の鳴き声が聞こえると再びマスクをつけ、ご褒美としてしゃがんで黒猫を撫でました。

• 対戦時プレビュー
  
  「ウルタールの来客」は月光と星光に囲まれ、彼女の動きとともに光が消えていきます。
  金笏を振るう瞬間、彼女のマスクがはがれるとともに猫が離れていき、元の顔が露になります。
  黒猫に「捕まった」人の足元には深淵が現れ、深淵の中からみつめる猫の目は静かに獲物を凝視しているのです。
  
  猫のしっぽに巻かれた金笏が「ウルタールの来客」が指定する場所にそびえ立ち、周りの猫も金笏に招集されました。
  猫たちが帰還すると、「ウルタールの来客」のマスクが再び彼女の顔に現れます。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• デザイナーの構想
  
  背景ストーリーにあわせて、第1案がすでに全体の設定と合致していますが、1枚目はかなりだぶだぶで荒っぽく、古国の衣装の特徴に似合いません。
  2枚めは全体的にはバーメイドのイメージに近く、気候風土も感じさせるため、2枚目のデザインをベースにブラッシュアップしていきました。
  
  細部を調整し、帽子、髪と酒器等の部分で高級さとエキゾチックさを引き出しました。
  
  完成版です。

• ディテール
  
  白いフェルトの帽子をかぶり、薄茶色の雁の羽が帽子に止められています。
  ブラウンの髪に白のメッシュが見えて、毛先には火の焦げ跡がありますが、彼女は気にしていないようです。
  
  襟の毛皮とタイトなコートのギャップ感が面白く、腰に緻密な細工の短剣と水筒を掛けています。
  絹のスカートの前にはまだ火が燻る枯れ草が飾られ、何かの異変の予兆を示しているかのようです。
  
  金属の酒器の胴部分は緑の玉石で作られ、真ん中には赤の宝石があり、華奢で繊細さを感じさせます。
  美酒が注がれ、夜光杯は月光に照らされて輝きます。
  これらの価値はそれ自体の価値を遥かに凌駕しています。
  それは兄の腕前と意志の継承でもあるのです。

• プレビュー
  
  夜光杯は駱駝を引き先に進みます。
  漂うたんぽぽの綿毛に気づき、追いかける内にある幻像が見えました。
  盃を取り出して一緒に飲もうとすると、その幻像は風と共に消えていきました。
  夜光杯は落ち込んで、盃を捨ててしまいます。
  
  夜行杯は箜篌の音色とともに酒を楽しんでいます。
  突如襲ってきた矢に邪魔された彼女は、すぐに立ち上がって矢を食い止め、周りの安全を確認したあと、後ろにいる箜篌を慰めます。

• ゲーム内プレビュー
  
  金と緑の光点が彼女の周りに漂い、彼女の動きとともに、枯れ葉が背後に落ちていきます。
  木のカゴの中の夜光杯も輝き、鮮やかな緑の光を放っています。

(参考1、参考2)

【デザイン過程】

• デザイナーの構想
  
  背景ストーリーに基づき、1枚目の原稿は古国テーマに合致しているものの、狩猟民族の古国貴族のイメージが強すぎ、3枚目は見張り兵というイメージが強いので、2枚目の原稿の要素を多めに取り入れて、ブラッシュアップしました。
  
  まずは角の大きさと向きを調整し、視線の妨害や3Dモデルの歪みを避けるとともに、断罪狩人をより大柄に見えるようにしました。
  同時に細部では、キャラクターの設定により合致させ、こまごまとした感じが出ないように調整しました。
  
  完成版です。

• ディテール
  
  枯れ木のような鹿角には布が巻かれ、僅かな銅の飾りが布から垂れています。
  毛皮と鎧を着けて鹿骨で作られた面をかぶり、首輪にかけている鎖は魚鱗の模様になっています。
  
  足に刺さった矢に鎧も欠けて、見える傷が異変を訴えているようです。
  マントの裾から砂が落ちてきて、鎏金銅鹿は彼の時代を静かに待ち望んでいます。
  
  背負った木製の矢立では金と銀の鹿が対峙し、決してつかない勝負をしているようです。
  そばにはきめ細かい意匠の銀の矢が地面に刺さっていて、矢立にある木造の矢とは全く品が違います。

• プレビュー
  
  鎏金銅鹿は火の粉が混じった砂嵐の中を駆けています。
  獲物の行く先を塞ぎ、駱駝から飛び降りて獲物を捕まえますが、抵抗にあって逃げられてしまいます。
  彼は獲物が逃げる方向を眺めながら、無言で一本の矢を取り出すと、獲物に狙いをつけて放ちました。
  
  鎏金銅鹿は足に刺さった折れた矢を抜き、矢立から新しい矢を取り出すと、燃やして折り、また足に刺しました。
  さらに身についた砂を叩き、冷たい笑い声を発します。

• ゲーム内プレビュー
  
  精巧な細工の矢の先端が燃えて、鎏金銅鹿の身には宝石の光が輝き、彼の動きに合わせて鹿角とマントの裾からは砂がぱらぱらと落ちます。

(参考1、参考2)