時空の影

時空の影(「アイヴィ」)

町中の人が知っていること。ローソン家には「背中が繋がった姉妹」がいる。出生後まもなく彼女らは「すぐに死ぬだろう」と言われた。幸運なことに彼女らの両親は敬虔なる信仰をもっていた。彼女らを決して諦めずに名前を授けた––アイヴィとイーディスと。
幼いアイヴィは覚えている。家中の笑顔と喜びが沈黙に変わり、壁の外の「善意」が悪意の誘惑に変貌したことを。
周囲への拒絶とともに彼女の心には決意が芽生えたが、彼女の執拗さは彼女を理想の結果には導かなかった。手術後6日目、傷口から酷く感染したことでイーディスが絶命。アイヴィにもいつ死んでもおかしくない障害が残った。彼女は初めてイーディスの顔を見た——幼いアイヴィは大いなる不条理を感じていた。イーディスの魂が離れていけば、彼女も死んでしまうと。
「新生」はいつも絶望した誰かのためにある。アイヴィは海を渡り、新しい学校で過ごした数年間で、その素晴らしい学才を際立たせながら、よく似た運命をもつ友人に出会った。精神医療の分野に没頭する友人と違って、アイヴィは魂の研究に異常な関心を寄せた。魂と精神が的確に解釈され、測量かつ研究できるとしたら、これは飛躍的な究極の知識になる。アイヴィの心の底の穴を埋めてくれるかもしれない。
彼女の執着心に感動したのか、友人は最初の理解を示さない態度をがらりと変えて、徐々に彼女を応援し始めた。さらに精神研究の観点から薬理学のサポートもしてくれたのだ。アイヴィは研究を深めていくうちに、自身が間欠的な記憶障害を患っていることに気付き、時には怪しく感じる夢をみることもあった。だがこれは悪いことばかりでもなく、彼女は時間の垣根を越えて、遠い昔のどこかのある瞬間からひょいと「現在」まで移動できるような感覚を体験できた。まるで遠い昔の地球に繁栄していた多くの巨大な植物群も、水の中も鉱石も、ついさっきまですぐ側にあったかのように。
残念なことにこういった感覚は長く続かなかった。学業を遂げた友人が離れていき、彼女のあの感覚も徐々に薄くなってしまった。そして彼女はいくつかの文献の残りと一冊の日誌を受け取った。文献の内容が、自分のおかしな症状に完全なる説明をくれた。これらを記録した人は相当な専門知識を持つ者らしい。だが行間から精神の異常を思わせる狂った言葉遣いが見られた——非常に古い存在で、異なる空間、時間の中を自由に通り抜け、魅了された人の脳と心を占有している。
アイヴィはこの弱い命の藁を必死に掴んでいた。意識が明瞭になると、彼女は自身でも説明できない「何か」に変化していたことを知る。3つの大きな目が不自然に眼窩にはまり、喉からも人間ならぬ粗野な言葉を発していたのだ。だが彼女はこれを「贈り物」だと信じている……
次第にアイヴィは学校に姿を現さなくなった。ひとりで部屋にこもっているのか、またははるか遠いところに行ってしまったのか。彼女の行方を誰もしらない。

外在特質

• 古の面
  サバイバーが「アイヴィ」のXメートル範囲内で「アイヴィ」の顔を見た時、侵蝕度がX秒ごとにXpt増加する。
  
  【侵蝕度】
  侵蝕度がXptに達すると、サバイバーはX秒間制御不能になる。
  この時、サバイバーが「アイヴィ」の恐怖半径内にいる場合は、X秒間「アイヴィ」の方向へと緩やかに移動する。
  サバイバーが「アイヴィ」の恐怖半径を離れてからX秒経過すると、侵蝕度は毎秒Xptの速度で低下する。
  サバイバーが拘束されているロケットチェア付近Xメートル範囲内では、侵蝕度の増加値が通常状態のX倍になる。

• 幻視
  イース人が「アイヴィ」という名の身体を支配しており、自由に融合・分離することができる。
  「アイヴィ」またはイース人の恐怖半径内にいる時、全サバイバーの視界範囲が縮小する。
  
  【イース人】
  イース人は「アイヴィ」の実体から離脱でき、単独で操作可能になる。
  サバイバーは離脱していないイース人を見ることはできない。
  イース人の恐怖半径は「アイヴィ」の半分であり、サバイバーの心拍音を引き起こさない。
  イース人は素早く移動でき、木の板や窓を飛び越えることができるが、通常攻撃や操作は行えない。
  
  

形態変化

• 意識転移
  イース人が「アイヴィ」の実体から離脱し、操作対象に切り替わる。
  イース人が離脱状態の間は操作対象を自由に切り替えることができる。
  操作対象が「アイヴィ」の時、スキルを使用することでイース人を「アイヴィ」の実体に戻し、融合させることができる。
  

• 異族の正体
  操作対象が「アイヴィ」、あるいはサバイバーに憑依していないイース人の時、スキルを使用すると短時間「古の面」を出現させる。
  操作対象が憑依状態のイース人の時、スキルを長押しすることで位置を選択し、サバイバーに短時間「古の面」を表示する。
  サバイバーが操作対象のXメートル範囲内で「古の面」を見た場合、現在の行動が中断され、侵蝕度がXpt増加する。
  

• 精神憑依
  イース人はサバイバーに憑依できる。各サバイバーの憑依クールタイムはX秒。
  憑依状態のイース人はサバイバーと共に移動し、そのサバイバーの輪郭を見ることができる。
  また、サバイバーの足元にマークを生成し、サバイバーのカメラ方向を強制的に変更できる。
  憑依成功後、憑依されたサバイバーの傍に侵蝕の破片がXつ生成される。
  侵蝕の破片は生成されてからX秒間破壊不可。
  
  【侵蝕の破片】
  侵蝕の破片のXメートル範囲内にいるサバイバーがその影響を受け、侵蝕度がX秒ごとにXpt増加する。
  侵蝕の破片はX枚まで存在でき、上限を超えた場合は最初に生成された侵蝕の破片から破壊される。
  侵蝕の破片は生成からX秒経過すると自然消失する。

• 空間転送
  「アイヴィ」は破壊されていない侵蝕の破片の位置まで瞬間移動することができる。
  侵蝕の破片の瞬間移動クールタイムはそれぞれX秒。
  

• 憑依の渇望
  各サバイバーの憑依クールタイムがX秒に減少。
  

• 侵蝕転送
  「アイヴィ」が瞬間移動を行うと、使用した侵蝕の破片を中心に「古の面」の範囲効果をX回発動する。
  これにより、侵蝕の破片の影響範囲内にいるサバイバーは侵蝕度がXpt増加する。
  
  
  

うわさ

友人が去った後、あの荒唐無稽な日誌がアイヴィの症状に完璧な解釈を提供した。
異族からの「贈り物」は、彼女を遥か遠くへと導いた。

背景推理

実装:シーズン31

1.「背中合わせ」

人の魂は名前を通じて大地に結びつけられる。

• 結論
  水の痕が付いた古い写真：痩せこけた癒合双子。
  背中合わせに繋がっており、1人の女性の手が優しく彼女たちに触れている。
  写真の裏には「アイヴィ」、「イーディス」という2つの名前が書かれている。

【基礎目標】
・イース人が木や窓を6回飛び越える
【レベルアップ目標】
・イース人が木や窓を8回飛び越える
・イース人が木や窓を10回飛び越える

2.脆い甘さ

あの紙飛行機には、真心が込められていたのだろうか？

• 結論
  刃物に引き裂かれた肖像画：拙い筆跡で、背中合わせの2人の女の子が描かれている。
  2人が繋がった部分には花が細かく彩られており、紙の裏には丁寧な字で「ありがとう」と書かれている。

【基礎目標】
・イース人がサバイバーに3回憑依する
【レベルアップ目標】
・イース人がサバイバーに5回憑依する
・イース人がサバイバーに7回憑依する

3.「繋がる心」

あなたはよく知っていたーー彼女が迷っていることも、決してあなたを断らないことも。

• 結論
  交換日記の1ページ：イーディス、私たちはいつか別々のスカートを履いて、一緒に街の学校に行けるはずよ。
  もう、私たちを傷つけるような人はいないから。

・「アイヴィ」が空間転送で侵蝕の破片の位置まで3回移動する
【レベルアップ目標】
・「アイヴィ」が空間転送で侵蝕の破片の位置まで5回移動する
・「アイヴィ」が空間転送で侵蝕の破片の位置まで7回移動する

4.罪を背負う者

そっくりだが、もう血の通っていない顔。
奇妙な記号。

• 結論
  日記の1ページ：今日は私たちの……私の誕生日。
  でもそんなもの、もう何年も祝っていない。
  知ってる？毎年の今日、私は怖くなるの……ああ、またお母さんの泣き声が聞こえてきた。
  お父さんが言うように、魂は温かくて色鮮やかな楽園に行くのだと信じたい。
  ここよりもずっと、素敵な場所に。

【基礎目標】
・侵蝕の破片の効果範囲に解読未完了の暗号機を2回取り込む
【レベルアップ目標】
・侵蝕の破片の効果範囲に解読未完了の暗号機を3回取り込む
・侵蝕の破片の効果範囲に解読未完了の暗号機を5回取り込む

5.離郷

先へと進む切符は才能などではなく、押し付けられた諦観だ。

• 結論
  1枚の集合写真：人が往来する渡し場。
  ひどくやつれているが、それでも笑顔を浮かべている3つの顏。

【基礎目標】
・ダウン状態/ロケットチェアに拘束されているサバイバーに1回憑依する
【レベルアップ目標】
・ダウン状態/ロケットチェアに拘束されているサバイバーに1回憑依する
・ダウン状態/ロケットチェアに拘束されているサバイバーに1回憑依する

6.同行者

魂の本質を追い求めれば、心の空洞を埋められるのだろうか？

• 結論
  アイヴィと署名された手紙：物事に対する人の印象を変えるのが簡単じゃないことは分かっている。
  別の視点を提供してくれてありがとう。もちろん、あの「価値のある試み」も。
  心霊協会の詐欺師たちよりも断然頼りになるわ。

【基礎目標】
・侵蝕度が100ptに達したサバイバーを1回攻撃する
【レベルアップ目標】
・侵蝕度が100ptに達したサバイバーを2回攻撃する
・侵蝕度が100ptに達したサバイバーを3回攻撃する

7.時を越える夢

稀に訪れる眠れない夢と、遠く賑わう場所。

• 結論
  枕元のメモ：私はこういった怪異の夢に浸るようになった。
  これらの夢を具体的な言葉で表現するのは難しい。
  まるで時を超えたような……遠い過去の瞬間から、軽やかに、俊敏に、「今」に跳躍した感覚。

【基礎目標】
・「アイヴィ」が「古の面」でサバイバーの操作を1回中断させる
【レベルアップ目標】
・「アイヴィ」が「古の面」でサバイバーの操作を2回中断させる
・「アイヴィ」が「古の面」でサバイバーの操作を3回中断させる

8.「予想外の収穫」

コップの中に水を注ぐのは簡単だ。
魂を置き換えるのもまた同じ。

• 結論
  丁重な言葉で、詳細な資料を交えた日誌：
  この10年間、私はもはやこの研究のために文明社会の反逆者となった……
  この結論が極めて不合理なものだということは分かっている。
  でも、この信じがたい古の存在に触れた時、私は自身の存在の小ささに言葉にできないような恐怖を覚えた。

【基礎目標】
・イース人が「古の面」でサバイバーの操作を1回中断させる
【レベルアップ目標】
・イース人が「古の面」でサバイバーの操作を2回中断させる
・イース人が「古の面」でサバイバーの操作を3回中断させる

9.一種の侵蝕

「いや、違う……これは贈り物なんだ」

• 結論
  日記の最後の1ページ：紙いっぱいに「アイヴィ」と書きなぐられている。
  最初の数行の筆跡はぎこちなく、紙が破れそうなほど力が入っており、アルファベットたちは不器用に、気味が悪い形でグチャグチャに混ざり合っている。
  ページの一番下にある筆跡は、前のページのものと酷似しているように見える。

【基礎目標】
・「アイヴィ」が侵蝕転送をサバイバーに1回命中させる
【レベルアップ目標】
・「アイヴィ」が侵蝕転送をサバイバーに2回命中させる
・「アイヴィ」が侵蝕転送をサバイバーに3回命中させる

衣装

UR

• モルペウスの誘い(限定)
  この迷宮は、彼女が人間に共通する心理構造を探求するための箱庭だ。
  人々の夢の呟きに耳を傾け、彼らを象牙色の扉へと誘う。
  (S31・真髄1)
  
  

SR

• 夢を植える者
  当初の彼女は精神分析士として知られており、きちんとした作業着も白く清潔に保たれていた。
  そして何より重要なのは、誰も彼女の顔を覚えていなかったことだ。
  (ショップ)

携帯品

なし

料理

なし

その他

• 紹介動画より
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  魂がその肉体から離れた時
  私は彼女が「死」に触れたと確信した
  見境なく混じり合った混沌は日常を混乱へと導き
  別れは更に荒唐無稽な結果をもたらした
  遠くへ行かなければ
  世間の目も　日の光も届かない場所へ
  正確に計算された魂と精神が
  肉体から分離した後も無数の世界を
  行き来できるようになれば
  私は　そんな根拠すらない狂言の中にあった
  最後の希望に縋った
  異類の何かが私の身体を支配し
  私の皮膚を覆い隠したようだ
  鏡の中で　影の下で
  肉体はその「存在」の器となった

• ショップ販売開始時のパックキャラ説明より
  時空の影、それは古の存在。人間の身体を支配し、思うままに出入りできる。
  「その」行動は素早く、周囲には浸蝕が広まっていく。
  
  

まとめ

本名

「アイヴィ」(日本語)
“艾维”(简体中国語)
"Ivy"(英語)
“아이비”(韓国語)

通称

時空の影(日本語)
时空之影(中国語)
The Shadow(英語)
시공의 그림자(韓国語)

人間関係

参考文献

• 設定資料
  • 公式Weibo(三面図)
  • 公式Twitter(立ち絵)
• その他
  • 実装時イラスト
    
    

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