蝶舞う荘園の夜夢

Last-modified: 2025-03-16 (日) 00:26:10

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蝶舞う荘園の夜夢

蝶舞う荘園の夜夢.jpg

1日目:水盤

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占いに使用するアイテム。
水面でゆっくりと回転した時、そこから運命の影を窺い知ることができる。


壱原侑子:探偵からの依頼……彼らの願いは全て、ここに集まっている。
四月一日君尋:ミセの外の景色が変わった?あそこにあるのは……エウリュディケ荘園?
壱原侑子:忘れたの?私のミセは願いがある人の前に現れる。だから昨日はあなた達に泊ってもらったのよ。
壱原侑子:普段は客がミセに来ることの方が多いんだけど、今回は少し特殊みたいね。
壱原侑子:この荘園の客は、直接ミセに来ることができない……というわけだから四月一日、百目鬼くんと小羽ちゃんと一緒に行ってきてちょ~だい!
四月一日君尋:急におつかいですか……せめて今回の客が誰なのかくらいは教えてくださいよ。
壱原侑子:今の四月一日に、あの客たちはまだ見えないでしょう。でも、別に見る必要もないわ。客たちが残した、願いが託されている物を見つけて来ればいいから。
壱原侑子:さあ、早く行きなさい。

2日目:懐中時計

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古い型の時計。

四月一日君尋:この荘園、不思議な道具?がたくさん置かれてるな……どれもただの調度品には見えない。
壱原侑子:せっせとミセまで運んでから間違ってたことが判明して、また元の場所に運び直す四月一日の顏もとってもおもしろいわよ?
四月一日君尋:分かってたならどうして教えてくれなかったんですか!
壱原侑子:真面目に探すことも縁の一部だからよ。
壱原侑子:この荘園ではかつて、奇妙な「狂宴ゲーム」が繰り返し何度も行われていた。あなたが見た不思議な道具というのも、その時に残されたものだわ。
四月一日君尋:でもあれは……
壱原侑子:えぇ、その通り。この荘園で開催された「狂宴ゲーム」の参加者は、「サバイバー」と「ハンター」に分かれていたようね。
壱原侑子:「ハンター」は「サバイバー」を追い、「サバイバー」は逃げ出すための僅かな希望を必死に探し求める……あなたが見つけたそれらは、正にゲームの中で使われていたアイテムよ。
壱原侑子:正しい品を見つけたいなら、これだけ覚えておくといいわ。客が残していった物は、個人的な私物であることが多い。
壱原侑子:様々な理由によって大事にされた物だけが、願いを託せる存在になり得るの。
壱原侑子:例えば、あの時四月一日が対価に使ったこれーー
壱原侑子:今時、機械さえあれば何千何万と同じ懐中時計を生産することができるでしょう。これが唯一無二の存在となり、対価となり得るほどの価値を得たのは、それを所有する人間の思いがあったからよ。
壱原侑子:まあそうは言ったものの、客たちの持ち物がそこらへんに転がってることはないでしょうね。

3日目:猿の手

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所有者の5つの願いを叶えられると言われている不思議な品。
効果は確か。

四月一日君尋:見つけてきましたよ……侑子さんは倉庫の確認ですか?
壱原侑子:今日は上出来じゃない、四月一日。
四月一日君尋:お客さんのものなんですね?
壱原侑子:これは今回、願いが一番強かった客のものよ。四月一日にしては察しがいいわね?
四月一日君尋:この荘園は西洋風の建物ですからね……その中に日本っぽいものがあったら、嫌でも目が惹かれますよ。
四月一日君尋:女性のアクセサリーに見えますけど、どうして遠渡はるばる西洋まで来て「狂宴ゲーム」に参加したんでしょうか?
壱原侑子:筋は合っているけれど、推理にしては粗いわ。それに、このアクセサリーの持ち主は本当の意味での参加者というわけでもなかったみたい。
壱原侑子:彼女はここにはいない。荘園の中にあるのは、彼女が愛したこれらのアクセサリーと、それを求めて来た者だけ。
四月一日君尋:このアクセサリーのために荘園に来て、ゲームに参加した人がいるんですか?
壱原侑子:「狂宴ゲーム」はハイリスクハイリターンが売りだったようだからね。
壱原侑子:行方不明となったこの女性を探していた人にとっては、荘園に落とされたアクセサリーと主催者が約束した手掛かりだけが最後の希望だったのかもしれない。

4日目:猿の手

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所有者の5つの願いを叶えられると言われている不思議な品。
効果は確か。

百目鬼静:これ、頼まれたものです。
壱原侑子:あら、百目鬼くんと四月一日って気が合うのね?これも同じ客の落とし物だわ。
百目鬼静:ダブったんですか?幽霊に遭遇した記録みたいなものが書かれてあったんで、持ってきたんですが。
壱原侑子:そうね。でも、四月一日が拾ったのは遠い過去のもので、百目鬼くんが見つけたのはもっと後の記録みたい。
百目鬼静:ここには確かに霊がいると?
壱原侑子:別に祓わなくてもいいのよ。誰もが霊やあやかしを見ることができるわけじゃないから。
壱原侑子:だから、この記録も正しいものとは限らない。記録者は恐ろしい幽霊を見たと思い込み、己の概念を真実として記しただけかもしれない。
百目鬼静:本当は幻覚だったということですか?
壱原侑子:ここで起きたことが真実か幻かは、すべて自分の心の見方次第よ。

5日目:鬼灯

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紙でできた提灯。
照明として使えるだけでなく、普段は見えない何かを見ることができる。

壱原侑子:はい、これを持って行きなさい。
四月一日君尋:これって、この前の鬼燈じゃ……
壱原侑子:覚えていたのなら、もう説明の必要はないわね?
四月一日君尋:鬼燈を持ってると参加できる百鬼夜行……それがここにもあるってことですか?
四月一日君尋:そういえばこの前は百目鬼の野郎と一緒だったけど、まさか今回も……
壱原侑子:まだ記憶が新しいようで何より。ご想像通り、今回も二人に「仲良く」持ってもらうつもりだけどーー
壱原侑子:残念ながら、ここに百鬼夜行はいないわ。これを渡したのは、別の客と共鳴を起こすためよ。
壱原侑子:彼の願いは目に宿っている。だから、彼がかつて目にした場所を見つけてきてほしいの。
四月一日君尋:……その客は、見たくないものを見てしまうのでしょうか?
壱原侑子:四月一日の時とは事情が違う。その客は、多くを知ることを望んだの。
壱原侑子:だからこそ、彼の願いは虚実が入り混じる狭間に沈殿している。
壱原侑子:ある意味、四月一日と縁がある客とも言えるわね。とにかくいってらっしゃい、今までとは違う考えが芽生えるかもしれないわよ。
壱原侑子:この客は星々の軌跡を読むことができる。彼も「占い師」と呼ばれた存在なのね。

6日目:折れた矢

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折れた弓矢。
丁寧に保管されているようだ。

百目鬼静:この武器、見つけた時はあまりにも汚れていたんで、少し拭いたんですけど……大丈夫ですかね?
壱原侑子:構わないわ、渡してちょうだい。
四月一日君尋:この荘園自体不気味なのに、お前ってやつは無表情のまま凶器なんか取り出しやがって……まあ、ここの雰囲気には合ってるのかもしれないけど……
百目鬼静:悪い、ビビらせちまったか。
四月一日君尋:違う!ただ……今回の客の経歴に驚いただけだ。
壱原侑子:戦いに使われた痕跡があるわね。一番得意な武器というわけではなかったみたいだけど、使用者の確かな信念が窺えるわ。
壱原侑子:こちらの傭兵さんの願いは、とてもシンプルみたい。

7日目:空っぽに見える鳥籠

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空っぽの鳥籠。
満足にかざすと、月光鳥の影を見ることができる。

五月七日小羽:ここ、すごく寂しい存在がいた気がする。まるで自分の居場所を探してるような……
五月七日小羽:さっき、女の子の姿が見えた。でも……また消えた。
四月一日君尋:手伝ってくれて本当にありがとう、小羽ちゃん。
五月七日小羽:大丈夫。それに、侑子さんと約束したから。
壱原侑子:私と小羽ちゃんの取引よ。
壱原侑子:四月一日に任せていたら、このままヨボヨボのおじいちゃんになるまで探し続けていたかもしれないわ。
四月一日君尋:さすがにそれは……
壱原侑子:これは小羽ちゃんの願いでもあるの。私は彼女の願いを叶えただけよ。
壱原侑子:今日の客に関しては……この喜びと悲しみが入り混じる「記憶」を見つけた以上、あなたもようやくこの夢から目を覚ますことができるでしょう。
壱原侑子:悪夢の中にいても、この記憶の欠片には暖かい感情が含まれている。人と人の縁が生む不思議の現象ね。
壱原侑子:せっかくこの店の巡り合えたのだから、あなたの願いを叶えましょう。
壱原侑子:この出会いが起こす奇跡……それはたとえ小さくとも、迷わずに歩き続ければ、そこからまた新たな可能性が生まれるかもしれない。
壱原侑子:さて、全ての因果を、今ここで終わらせましょう。
四月一日君尋:お客さんが全員揃ったんですか?
壱原侑子:見つかる客は自然と集まるわ。縁がなければ、いくらでもここにいても出会うことはない。
壱原侑子:それは、必然だったから。この世に偶然なんてない……
四月一日君尋:あるのは必然だけ、ですか?
壱原侑子:そうよ。四月一日も分かるようになってきたじゃない。
壱原侑子:この縁は、ここでお終いよ。

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