クリスマス・セレナーデ
プロローグ
クリスマスイブ、誰もが帰途につく時。
酒場を横切り、その入り口の階段に酔い潰れた人が座っているのを見た。
ヴァイオリニスト:私のバイオリンの音色が響けば、観客が欠けることはない。
だがこの聖なる夜では……酒こそが私の真のパートナーだ。
ヴァイオリニスト:やあ、こんばんは。こんな夜に一人か。
どうして家に帰らないんだい?
◆回答1:こんばんは。家に帰る前に、少し散歩していただけだよ。
ヴァイオリニスト:家はクリスマスの避難所だからね。
◆回答2:私も、酒場の前の階段口で野宿するのが好きなんだ。
ヴァイオリニスト:ふっ、面白い人だ。
ヴァイオリニスト:名乗る必要はない、友人よ。
私の名は君を驚かせてしまう……逆に雰囲気を壊してしまうだろう。
ヴァイオリニスト:今この時、酒場の前、雪夜の街角にいる私はただのヴァイオリニストだ。
ヴァイオリニスト:……どうか私の今の状況を誤解しないでほしいーー
私はこの夜を酒と共に過ごすのが好きなんだ。
ヴァイオリニスト:しかし多くの不幸な人と同じように、金が尽きるとパートナーも離れてしまう。
ヴァイオリニスト:(泥酔)ふむ……でも、その手中のコインがあれば、丁度我が家の家族団欒を取り戻せるかもーー
◆回答1:これはただのクリスマス記念コインだけど……
ヴァイオリニスト:(コインをもぎ取って)たしかに飲みすぎてはいるけれど、金の匂いはまだわかるんだ。
◆回答2:物乞いなら他の人をあたったほうがいい、本当のお金が貰えるだろう。
ヴァイオリニスト:あなたの寛大な心に感謝する。
どうか1曲聞いておくれーー
ヴァイオリニスト:1枚のコインで1曲。
きちんとしたコンサートではないが、十分価値はある。
ヴァイオリニスト:では、どんな曲がお好みかな。
◆回答1:1-家族の曲
ヴァイオリニスト:家族。クリスマスの不変のテーマか。
◆回答2:2-友人の曲
ヴァイオリニスト:友人。私1人で十分じゃないか?
◆回答3:3-故郷の曲
ヴァイオリニスト:他郷にいる者は、ふとした時に自分の故郷を思い出す。
◆回答4:4-自分探しの曲
ヴァイオリニスト:……面白い選択だ。
ヴァイオリニスト:これがストリートショーの醍醐味と言ってもいい。
ヴァイオリニスト:常に新しい客が来て、新しい物語が聞けるからね。
エマ・ウッズ
- 好感度0
エマ:…こんにちは。
こんなに……感動的な音色は聞いたことがありません。
エマ:お父さんを思い出しました。
彼と過ごしたクリスマスの夜のことを、たくさん。
エマ:小さい頃、私はクリスマスになる度にプレゼントを2つ貰っていたんです。
エマ:12月21日は私の誕生日なので、父さんはいつも先にプレゼントを1つどこかに隠していました。
エマ:クリスマスになると、彼は誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントを一緒にツリーの下に置いていた。
エマ:今はもう……いませんが。プレゼントも、もう何年も途絶えてしまってます。
◆回答1:ごめん、もっと楽しい曲にするべきだったね。
エマ:ああ、いえ、このヴァイオリニストさんの演奏で十分です。
◆回答2:(手のひらを見せる)残念だが、分けてあげられるプレゼントはないんだ。
エマ:ああ、ごめんなさい。そういう意味ではなくて。
エマ:もうしばらくここに居させてくれませんか?
エマ:邪魔はしません。ただ、ここで曲を聴くだけでいいので。
エマ:そうだ、私はエマっていいます。エマ・ウッズ。
- 好感度1
エマ:曲のリクエストを聞いてくれた人なんていなかったから、すごく嬉しいです!
エマ:父さんは昔よく一緒に遊んでくれたけれど、楽器の類はできませんでした。
エマ:工場から持ち帰った唯一鳴る物と言えばーー「バンッ」ーー未完成の銃くらい。
◆回答1:銃?それは危ない!
◆回答2:娘へのプレゼントにしては、ずいぶん特別な……
エマ:父さんが紡績工場を営んでいた時にくれたお人形の方が好きだったんですーー
エマ:ーー彼が作った、私のお人形!
エマ:人形には2人の「ボディーガード」もついていたらしいんですが……
エマ:もう、確かめることはできなくて……
- 好感度2
エマ:あの……コンサートではこういうバイオリンの曲も聴けるんですか?
エマ:ずっとコンサートに行く機会がなかったんです。
エマ:でも、舞台劇なら一度だけ。母さんが連れて行ってくれたんですよ、眼鏡の叔父さんと一緒に。
◆回答1:お母さんの話はあまり出てこなかったようだけど。
エマ:母さんは家のためにたくさんの物を犠牲にしてきました……いつも私と父のために忙しくしていましたし。
◆回答2:舞台劇?そのおじさんは時間もお金も惜しまずに、相当太っ腹なんだね。
エマ:でも、彼のお金は私の父の物だと聞いたことがあります。
エマ:彼らは楽しそうに見ていました。私はよく分からなかったから、正直集中できませんでしたが。
エマ:あの人のことは、あまり好きじゃなくて。私は父さんと一緒に見たかったのに……
エマ:でも、その時父さんと母さんは喧嘩していたから。
エマ:もし、もしもう一度チャンスがあったら、父さんと母さんと一緒にこの曲を聴いてみたいです。
エマ:私たちだけの、クリスマスの曲。
※KFCコラボ時の生放送で弁護士は庭師の叔父ではないと明言されているため、叔父さんとは親戚ではなくオッサン的な意味合いだと思われる。
- 好感度3
エマ:いい曲ですね!音楽家ってすごいわーー
エマ:私はただの庭師……音楽を習ったことなんてありません。
◆回答1:私はエマさんの歌を聴いてみたいな。
◆回答2:練習がてら、植物たちに歌を歌ってやるのはどう?
エマ:え~歌は苦手ですよ。
エマ:誰もがカナリアのように枝の上でさえずることができるわけではありません。
エマ:私は木の下で草木を切って、土を育てる方が好きです。
エマ:……もし自分の花壇を持てたら、それでもう満足です。
◆回答1:庭師は根気が必要な仕事だろう。
◆回答2:毎日草花ばかりを相手にするのは、退屈じゃないの?
エマ:音楽の鑑賞とは違って、植物はつまらない思う人もいます。それらは緩やかで、脆いから。
エマ:でも、孤児院で過ごしていた頃、柵の外で自由に成長する植物を眺める時だけは、なんだか安心できたんです。
エマ:もしあの時も音楽があったら……もう少し楽しい暮らしができたのかもしれません。
- 好感度4
エマ:この曲は最後のクリスマスを思い出させてくれました。
エマ:私と父さんの、最後のクリスマス……
エマ:その時、父さんはサンタクロースの格好をしていて、私はクリスマスツリーを演じたんです。
エマ:彼は高くて私は小さかったから、ちょうど彼の背に乗れて。
◆回答1:微笑ましいね。仲が良かったんだろう。
◆回答2:それは面白い。サンタクロースがクリスマスツリーを背負うなんて。
エマ:彼はこう言いました。
『エマ、来年はこのツリーいっぱいのプレゼントを吊り下げよう。そうすればお前が隠れて見えなくなる』って。
エマ:父さんの言葉はかなわなかったけれど、
エマ:その時から、私はプレゼントがいっぱい飾ってあるクリスマスツリーに憧れるようになりましたーー
たとえそれが私のものではなくても。
- 好感度5
エマ:今日の露天コンサートは最高でした!
エマ:そうだ、一緒にクリスマスツリーを飾りませんか?
エマ:クリスマスツリーがあればいいのですが。
どんなクリスマスツリーがお好みなんです?スギ?ネズ?
◆回答1:……クリスマスツリーはないよ。
エマ:それでは、この酒場の入り口の木にしましょう!共にクリスマスを過ごした、私たちの見届け人として!
◆回答2:酒場の入り口にある木はどうかな?};
エマ:いいですね!では、これが私たちのクリスマスの見届け人になりますね!
エマ:メリークリスマス!これ、私が作ったクリスマスリースなんです。あまり上手くできなかったけれど、
エマ:上にたくさんの木の実と種を置いたのでーー
エマ:これらは今年の収穫を意味していて、新しい一年への願いも込められているんですよ!
- 好感度MAX
エマ:一緒に過ごしてくれて、本当にありがとうございました!
おかげさまで、思い出に残るクリスマスになりました。
ロビー
- 好感度0
ロビー:!わわ……わ!
◆回答1:!誰かがクリスマスツリーの後ろに隠れてる?
◆回答2:!ふん……ツリーの後ろから脅かす気かな?
ロビー:(突然飛び出す)うはっ!!
◆回答1:布の袋をかぶった子供?
ロビー:あれ、びっくりしないなんて!
◆回答2:布の袋をかぶった妖怪?
ロビー:びっくりびっくり!ウラウラウ!
ロビー:いい曲だね!
ロビー:お前、面白そうだ。
ロビー:一緒に遊んでよ!
- 好感度1
ロビー:フララ~ウラウラウ~
◆回答1:静かに曲を聴いてくれるかな?
◆回答2:曲が嫌いでも、うるさくする必要はないでしょう。
ロビー:うるさくするもんね!フラフラフラ!
ロビー:ウラウラウ!……ううううう……
◆回答1:……あれ、泣き出した?その変な袋を取りなよ。
◆回答2:……なんで急に泣くの?泣き虫って呼ぶよ!
ロビー:(逃げる)いや!いやだ!
ロビー:ウラウラウ!……ううううう……
ロビー:僕はロビー!ロビー!ロビー!
◆回答1:ロビーーー泣かないで!
◆回答2:泣き虫さん、どうして泣いてるの?
ロビー:ウラウラウ!ーーやっと、一緒にクリスマスを過ごしてくれる人ができたから!
- 好感度2
◆回答1:ロビー、袋をかぶったままじゃ、あんまり聞こえないんじゃない?
ロビー:ロビーは被るの!ねずの木だってクリスマスの帽子をかぶってるもん!
◆回答2:ロビー、そんな袋をかぶっていると背が伸びないよ。
ロビー:ロビーはいつか、ねずの木よりも高くなるんだよ!ねずの木よりも高く!
◆回答1:ねずの木が好きなの?
◆回答2:ははっ、木と比べてどうするのさ。
ロビー:ねずの木のお話、ロビーは大好きなんだ。
ロビー:何度も聞いた。
ロビー:ロビーは木を切るのも好きだよ。でも、ねずの木は切らない。
ロビー:大きな斧、ロビーより大きい斧、ガンガンガン。
◆回答1:……子供は斧で遊んじゃダメ、危ないよ。
◆回答2:木は無闇に切っていいものじゃないし、斧で遊ぶのはもっとダメだよ。
ロビー:ロビーは斧で遊んでるんじゃないもん。薪を割ってるんだよ!ガンガンガン!
ロビー:そうだ、お姉ちゃん!お姉ちゃんもロビーは上手だって言ってた!
- 好感度3
◆回答1:ロビー、お姉さんがいるんだ。その人は今どこに?
◆回答2:ロビー、そのお姉さんのところに行かないの?
ロビー:お姉ちゃん?
ロビー:……お姉ちゃんは?
ロビー:ウラウラウ!……ううううう……
ロビー:ロビー、覚えてない。
ロビー:お姉ちゃんはどこ?
◆回答1:慌てないで。考えてみて、最後に会ったのはどこ?
◆回答2:どこではぐれたの?
ロビー:お庭、シスター、他にも子供がいっぱい。
ロビー:あとは……覚えてない。ロビーは、ねずの木の下で目を覚ました。
ロビー:でもお姉ちゃんはいなかった。どこにも見当たらない。
- 好感度4
ロビー:ううう……
ロビー:ロビー、かくれんぼしたい。
ロビー:ロビーは、お姉ちゃんと、かくれんぼしたい。
◆回答1:この曲で……お姉さんのことを思い出したの?
◆回答2:どうやって遊んでいたの?教えてごらん。
ロビー:昔、お姉ちゃんはロビーとよくかくれんぼで遊んでくれた。
ロビー:お姉ちゃんは手が不自由だった。
ロビー:だからロビーは、箱の中には絶対に隠れなかったんだ。
ロビー:ロビーはねずの木の後ろに隠れて。
ロビー:お姉ちゃんが探しに来ると、いつもロビーに驚かされるんだ!
◆回答1:私もさっき、君の頭に驚かされたよ!
◆回答2:…彼女も大変だね。
ロビー:わはは、うはっ!
ロビー:曲はおしまい、遊ぼう!
ロビー:一緒に遊ぼうよ!
- 好感度5
ロビー:ふああ…
ロビー:(眠い)あう……
◆回答1:ロビー、もう遅いよ。
◆回答2:子供は寝る時間だよ。
ロビー:君もお姉ちゃんと同じ?自分だけこっそりおいしいもの食べて、こっそりプレゼントもらうの?
ロビー:お姉ちゃんはいつもロビーを先に寝かせて、自分はこっそりスープを飲んでた。
ロビー:ロビーは1回だけお姉ちゃんのスープを横取りしてみたけど、美味しくなかった。
ロビー:全然美味しくなかった……
◆回答1:食べ物も、プレゼントもないよ。
◆回答2:プレゼント?どこに?こっちが貰いたいくらいだよ!
ロビー:え?本当にないの?
ロビー:1個も?クリスマスソックスも?
ロビー:………
ロビー:……はい、あげる!
◆回答1:これは……靴下?
◆回答2:靴下1本だけ?
ロビー:ロビーはクリスマスの時、いつもお姉ちゃんから靴下を貰えたんだ。
ロビー:お姉ちゃんはクリスマスソックスがないとプレゼントはもらえないって言ってた。
ロビー:プレゼントを貰ったら、全部ロビーにちょうだい!
- 好感度MAX
ロビー:ウワウワウワ、またロビーに会いに来たの?
ロビー:それじゃあ一緒に遊んでよ、かくれんぼ?それとも木を切ろうかな?
呪術師
- 好感度0
パトリシア:なんて中途半端で人心を惑わす音楽なの!
パトリシア:この寒い夜がもっと寂れるべきだとでも言うのかしら。
◆回答1:……?気に入らなかったら申し訳ない。
◆回答2:この音楽は寒さを吹き飛ばせると思わない?
パトリシア:この雰囲気は嫌いよ!この街も、寒さもーー
パトリシア:はあ……でもどうすることもできない。
◆回答1:悩めるお嬢さん……悩みをどこで解消できるか分からないなら、しばらくここにいたらい
パトリシア:「悩めるお嬢さん」なんかじゃない。私はパトリシア。
◆回答2:どうせ行く当てもないなら、ここにいればいいでしょう?
パトリシア:行く当てもないわけじゃないわ。私はパトリシア。
パトリシア:(足を止める)私は……クリスマスが嫌いなの。
- 好感度1
パトリシア:ふん……つまらない音ね!
パトリシア:音色も旋律も素敵だけれど、この音楽には魂がこもってないわ。
◆回答1:魂?ただの路上の演奏で、盛り上げるための曲だけれど……
◆回答2:音楽から魂が出てくるなんて、私の聞いたことがないよ!
パトリシア:盛り上げる?あさましい!
パトリシア:魂も、敬意もない。凡人が自分で楽しむためだけの音楽ーーつまらない音でしょう?
パトリシア:真に奏で、歌うべき音楽は、祈りと神に語りかける儀式よ。
パトリシア:……あんたたちがこの日に求めるのは、自分の願いを満足させることだけなの?
◆回答1:あとは、クリスマスイブに友達と集まり、家の暖かさを楽しむことかな。
◆回答2:あと、家族の願いも。父、母、兄弟姉妹……これこそ、家の暖かさだよ。
パトリシア:家の暖かさーー私に家はないし、暖かさもない。
パトリシア:故郷と呼べる場所ならある。そこは年中暖かいけれど……
- 好感度2
パトリシア:何?まだこの音楽の「宣伝」を諦めていなかったの?
◆回答1:音楽を聴く時はリラックスすべきだよ。自分を楽にするんだよ。
◆回答2:音楽を聴くだけじゃないか。リラックスするのも悪くないでしょう?
パトリシア:リゴバが私に応えてくれない限り、私は自分に対する要求をおろそかにしてはいけない!
パトリシア:新しいタバコ葉を見つけて、新しい儀式を準備して、真に価値ある魂を見つけて、もっと安定した呪術を練習して……
◆回答1:パトリシア、弦はあまり強く張りすぎると切れやすくなるんだ。
◆回答2:そんなにたくさんやることがあるなら、どうしてここへ散歩に来たの?
パトリシア:まだまだたくさん……
パトリシア:……少し迷っただけ。少し疲れただけ……
パトリシア:本当に……
パトリシア:………
パトリシア:そうね、息継ぎがしたかったの。
- 好感度3
パトリシア:この楽器、たしか……なんだったかしら?バイオリン?
◆回答1:バイオリンだよ。
◆回答2:こいつにはチェロという兄がいる。
パトリシア:バイオリンーー聞いたことがある。かつて、あの自分勝手な口から。
パトリシア:そう……これがバイオリン。
パトリシア:この音色ーー思っていたほど嫌で傲慢な音ではないのね。
◆回答1:やっと静かに鑑賞する気になった?
◆回答2:どうやら音楽の鑑賞の仕方がよくわかっていないみたいだね。例えばこの音色ーー
パトリシア:鑑賞?いいえ、ただこの楽器から別のものを思い出しただけーー「バンジョー」っていう楽器を。
パトリシア:マリーお母様が言っていたわ。あれは私の故郷でとても人気な楽器だって。
パトリシア:でも海を渡ると、それは逆に偏見と不公平に塗れた異色という烙印を押されていた。
パトリシア:ーー故郷を離れたら、誰が元々の姿を保っていられるって言うの?
◆回答1:なら戻ってみればいい。故郷へ。
◆回答2:今戻ったら、故郷は受け入れてくれないの?
パトリシア:行ったわ。でも、そこは逃れられない差別で溢れていた。
パトリシア:生まれた場所も、育った場所も私を歓迎しない。
パトリシア:私はここに流れ着き、知らない音楽を聴いて、当てのない生活を過ごすしかない。
- 好感度4
パトリシア:(独り言)本当に気が楽になった気がする。バイオリンのおかげかな?
パトリシア:いや……音色だけじゃない。あんたが一緒に聞いてくれたから。
パトリシア:今この場所で私たちの間には差別の偏見もないーー
パトリシア:ーー今まで、私たちは互いを全く知らない赤の他人だった。
◆回答1:他人ーーそう聞くと、悪い言葉でもないかもしれない。
◆回答2:うん、それは……いいじゃないか。
パトリシア:過去も、行き先も問わない。これ以上に楽な関係があるかしら?
パトリシア:私たちは自分の出身も血縁も選べない。
パトリシア:人との出会い方も、別れ方も選べない。
パトリシア:でも、少なくともーー
◆回答1:少なくとも、人の付き合い方を選ぶことは出来る。
◆回答2:少なくとも、他人をクリスマスを過ごすことはできる。
パトリシア:他人も、クリスマスも、バイオリンの曲もーー
パトリシア:このすべてとの付き合い方を、私は選びたいわ。
- 好感度5
パトリシア:こんなに寒くなかったら、今日はなかなか良い日だったんだけど。
パトリシア:私の故郷では雪なんて降らない。
パトリシア:この世に雪があることを信じない頑固者すらいるほどよ!
パトリシア:……待って。
パトリシア:私ーーまた故郷へ帰るべき理由ができたわ。
◆回答1:ははっ、雪を持ち帰るの?
◆回答2:雪を抱えて海を渡る、とか?
パトリシア:外の世界で見聞きしたものを、彼らに持ち帰るの。
パトリシア:故郷の外にはまだたくさんの偏見や不公平、紛争があるけど……
パトリシア:広くて、美しくて……そして様々な温度があることを、彼らに伝えるわ。
パトリシア:(雪の結晶の木彫りを取り出す)ーー私たちの方法で。
◆回答1:木彫り?雪の結晶の形……君が彫ったの?
◆回答2:雪の結晶の木彫り?パトリシア、良いアイディアだね。
パトリシア:私の故郷では、木彫りには特別な意味がある。
部族の人たちの、世の中の万物に対する思いが中に宿っている。
パトリシア:私たちは自分で経験しない限り、魂が宿る彫刻は作れないと信じているわ。
パトリシア:(無理やり木彫りを押し付ける)はい!あんたは私を説得してこのバイオリンの音色を鑑賞させた。
パトリシア:私もあんたに、魂に対する敬意を感じさせてあげる!
◆回答1:メリークリスマス!パトリシ、プレゼントありがとう。
◆回答2:あ……ありがとう。とても「気持ちのこもった」プレゼントだね!
パトリシア:え、うん……メリー、クリスマス。
- 好感度MAX
パトリシア:またあんたなの?
パトリシア:はいはい、ちゃんと聞いてますよ。
カウボーイ
- 好感度0
カヴィン:このクリスマスの団欒の夜に路上演奏とは、趣があるな。
◆回答1:こんにちは、あなたは?
◆回答2:その派手な装いはーー
カヴィン:ただの流離いのカウボーイさ。
◆回答1:牧場の外でカウボーイに会えるとは思わなかった。
カヴィン:皆同じ人間だ。特に珍しいこともない。
◆回答2:また帰る家のない流浪者か。
カヴィン:観客が増えるのは嫌か?
カヴィン:家を離れれば、誰もが流浪者になる。
でも、カウボーイは牧場を離れても、カウボーイのままなのさ。
カヴィン:そうだ、俺のことはカヴィンと呼んでくれ。
- 好感度1
カヴィン:路上の寒い夜、冬がまたやって来た……
カヴィン:曲が聴けるとしても、冬を好きにはなれないな。
◆回答1:どうして?冬もクリスマスも、暖かい暖炉も、柔らかいベッドもあるのに……
◆回答2:私も冬は嫌いだ。寒さに耐えられない。
カヴィン:俺が生まれた牧場は辺鄙な場所でな。
両親は必死に働いていたが、牧場の経営は悪くなる一方だった。
カヴィン:気温が下がると、隙間風だらけの納屋では生まれたばかりの牛や羊の子供たちが凍え死んでしまう。
◆回答1:それは確かに苦しい生活だ。
◆回答2:どうやら牧場生活も、優雅でロマンのあるものじゃないみたいだね。
カヴィン:ロマン?ああ、そういえば、ロマンと言えることもあったなーー
カヴィン:小さい頃、冬は両親に頼まれて納屋の掃除をしていた。
飢えと寒さで興奮状態の家畜たちの檻の掃除をな。
カヴィン:一度、雄牛の尻尾を踏んでしまったことがあったが、俺はそいつに納屋の外まで追い回されたよ!
はっはっはっ……
◆回答1:……ろ、ロマンだね。
◆回答2:牛の追い回されるカウボーイのどこがロマンなのか、いまいちわからないな。
カヴィン:そう、それが彼女との出会いだった。
カヴィン:あの麗しい少女が俺を助けてくれたんだ。
- 好感度2
◆回答1:カヴィン?曲はどう?
◆回答2:そこの怠けたカウボーイーー
カヴィン:……なんだ、このストリートソングを堪能していたのに。
◆回答1:この前、女の子と話をしていたよね。
◆回答2:「麗しい」少女とやらについて話さない?
カヴィン:彼女は当時、まだ背が低かった。
冬にもかかわらず、彼女が来ていたのはレザーベスト1枚、その上の狼の皮には雪が積もっていた。
カヴィン:頭の羽は……何の種類の鷹かは忘れたな。
カヴィン:彼女が言っていた気もするが……もう知る術はない。
◆回答1:普通のレディには聞こえないね。
◆回答2:かなり特別な「レディ」なんだ?
カヴィン:彼女が?礼儀正しいおしとやかな女の子だと?
ははは……彼女は個性的なインディアンだ!
カヴィン:道に迷った彼女は吹雪の中で俺と出会い、俺は彼女に出会ったことで旅に出た。 - 好感度3
カヴィン:この曲を聴くと、別の音楽を思い出す。
◆回答1:それも良い曲?
◆回答2:へえ、もっと良い曲を聴いたことがあるんだ?
カヴィン:いや。その楽師たちから弦楽器の高貴さは微塵も感じられないが、
カヴィン:彼は太鼓や鈴、木笛、排簫で唯一無二の音楽を奏でることができた。
◆回答1:面白そうだね。
◆回答2:カウボーイはハーモニカしか知らないと思ってた。
カヴィン:あれはインディアンたちの音楽だった。
カヴィン:自然と、生命に対する思いが込められた音楽だ。
カヴィン:だが俺は一度きりの訪問客。
彼らの楽器に、曲に、敬虔な踊りがなじむ前に……
カヴィン:俺は尻込みしてそこを去った。
- 好感度4
カヴィン:なあ、お前は逃げようと思ったことはあるか?
◆回答1:どうしてそんなことを?
◆回答2:確かに彼は変な演奏者だけど、曲は悪くないでしょう?
カヴィン:クリスマスに相応しい楽しい曲を演奏しなくても、ここの音色は団欒の雰囲気に満ちている。
◆回答1:だから、あなたは家族や友人から逃げるために放浪していると?
◆回答2:遠くへ逃げれば逃げるほど、徒労に終わるものだよ。
カヴィン:……
カヴィン:………
カヴィン:どうしても逃げられないものもある。
カヴィン:血縁、温情、憎しみ、誤解……
◆回答1:カヴィン、あなたは私が見た中で一番感傷的なカウボーイだ。
◆回答2:感傷的になるなんて、カウボーイらしくないよ。
カヴィン:冗談はよせ、お前が知っているカウボーイは俺だけだろう。
カヴィン:……深く聞かないでくれてありがとう。
カヴィン:今後もいつも通りクールに、少なくとも実家の恥にならないことを祈るよ。
- 好感度5
カヴィン:(酒場から出てくる)あ、お前、まだここにいたのか?
カヴィン:ちょうどいい、いいものを見つけた。
◆回答1:これは、対になっているジンジャーブレッドマン?
◆回答2:ジンジャーブレッドマン?結構子供心があるんだね。
カヴィン:(泥酔)子供のころはクリスマスになると、両親がジンジャーブレッドマンを用意してくれたんだ。
カヴィン:あの日、あのクリスマス、2人はジンジャーブレッドマンを2つ用意した。
カヴィン:1つは可愛い少女、もう1つは……おろおろした少年。
◆回答1:あのインディアンの女の子とあなたへのプレゼント?
◆回答2:「貴重」なクリスマスプレゼントだね。
カヴィン:2人は欲望に目がくらんだのかもしれないし、わざと密告したわけでもないのかもしれない。
カヴィン:少なくともあの瞬間、あの日だけは、彼女のことを自分の娘として扱っていた。
カヴィン:彼女の両親も、彼女の家族も、俺を部族の一員のように信頼してくれた。
◆回答1:カヴィン、話がよく分からない……
◆回答2:……話が複雑すぎる。
カヴィン:あの辺鄙なボロ牧場は、忘れられない俺の故郷だ。
カヴィン:そしてあのテントの周りには、俺の帰りを待ちわびる部族たちもいるだろう。
カヴィン:(ジンジャーブレッドマンを放り投げてくる)
カヴィン:たとえ暴れ牛が縄に繋がれても、オオカミが群れからはぐれても……
カヴィン:決して自分の故郷を忘れることはない。
- 好感度MAX
カヴィン:よう!その……さっきは酔っていたから……
カヴィン:クリスマスが終わったら、あのジンジャーブレッドマンは返してくれ。食べるなよ!
結魂者
- 好感度0
ヴィオレッタ:うーーこの音楽、布に切れ目を入れた時みたいないい音がする。
◆回答1:(周囲を見回す)よければ姿を現して、一緒に鑑賞しない?
◆回答2:『独特』な例えだね。一緒に鑑賞しない?
ヴィオレッタ:私を……誘ってくれるの?
ヴィオレッタ:本当に……私を!?
◆回答1:ここで足を止めるお客さんは誰でも歓迎するよ。
◆回答2:見ての通り、この路頭パーティーには観客が足りないんだ。
ヴィオレッタ:私は滅多に姿を見せないわ。
ヴィオレッタ:でもお誘いを受けた以上ーー
ヴィオレッタ:(大きな黒い影が滑り落ちた)こんにちは、私はヴィオレッタ。
ヴィオレッタ:実は壁の向こうからずっとあなたたちを見ていたの。
◆回答1:!斬新な登場だね。
◆回答2:!き……君は……特徴的だね。
ヴィオレッタ:(足を上げる)何?あなたも私の美しさを理解できないの?
ヴィオレッタ:偏見だらけの奴らみたいに愚かじゃないことを祈るわ。
ヴィオレッタ:招待した客に対しては、最低限の礼節と尊重を持ってもらわないと。
- 好感度1
ヴィオレッタ:(手がしきりに布を編んでいる)カチャカチャ……
◆回答1:ヴィオレッタさん?その……布を編んでいるの?
◆回答2:この伴奏は特別だね。
ヴィオレッタ:気付いたの。バイオリンのリズムと紡績の操作はとても似ている。
ヴィオレッタ:弓は横糸、弦は縦糸、指で横糸を弾き、爪で縦糸を引く。
ヴィオレッタ:こうして動かせばーー
ヴィオレッタ:(耳障りな音を発した)
ヴィオレッタ:(動きを止めて)気に入った?
◆回答1:……面白い。紡績に対して心得があるみたいだね。
◆回答2:あなたの紡績演奏における造詣はとても……斬新だ!
ヴィオレッタ:「紡績演奏」ーー気に入ったわ。
ヴィオレッタ:クリスマスはいつも1人で静かに布を編んでいたの。
ヴィオレッタ:でも今夜は、1人じゃない。
- 好感度2
◆回答1:ヴィオレッタさん、もう地面が糸で溢れ返って……
◆回答2:ヴィオレッタ、あなたは一体何を編みたいの?
ヴィオレッタ:服を編みたいの。カチャカチャ……
ヴィオレッタ:自分への服よ!
ヴィオレッタ:(子供服を手に持つ)見て、まだ作り終わってないけど……大きさはぴったり。
◆回答1:(手で量ってみる?)あなたの体とはサイズが合わないんじゃ?
◆回答2:これは……子供のころのあなたへの記念?
ヴィオレッタ:これは私の服よ!昔も、今も!
ヴィオレッタ:(爪を上げる)これは私の体だけれど、本当の私じゃない。
ヴィオレッタ:昔、私は特別な舞台でショーをしていて、熱心なお客さんもたくさん得たわ。
ヴィオレッタ:でも彼らからもらった5メートルのローブも、手のひらサイズのワンピースも……
ヴィオレッタ:どれもサイズは合わなかった。
ヴィオレッタ:でも信じてるーーいや、彼らもきっと、熱意と真心を持っていたはずよ!
ヴィオレッタ:それが同情であってもーー
◆回答1:あなたは見た目とは真逆のーー優しさを持っているんだね、ヴィオレッタさん。
◆回答2:それはあなたの甘さ?それとも優しさ?
ヴィオレッタ:優しさ?私に優しさは必要ないわ。
私は冬に暖を取れる服が欲しいだけ。
ヴィオレッタ:(手中の服を広げる)でも、分かってる。
どれだけ編んでも、試しても、服の大きさに関係なくーー私には着れない。
- 好感度3
ヴィオレッタ:昔ショーをしていた時、バイオリンはなかったけれどーー
ヴィオレッタ:私たちにはトランペット、ドラム、銅鑼があった……
◆回答1:その楽器を全部習ったの?
◆回答2:そのたくさんの「手」で、一緒に1曲演奏しない?
ヴィオレッタ:いや、私はただ見て、聞いていただけ。
ヴィオレッタ:マックスさんは私の体はどんな楽器も使えないと思ったらしいわ。
ヴィオレッタ:それか、化け物の手足が音楽を奏でる姿を客が受け入れられないと思ったか。
ヴィオレッタ:彼は私にジャンプと編み物しか練習させなかった……
ヴィオレッタ:『ヴィオレッタが常人の行動を滑稽な方式で演じることができれば、それだけで見どころがある』
◆回答1:障害者を笑うなんて、ひどすぎる。
◆回答2:人の目を引くためだけのショーなんて趣味が悪い。
ヴィオレッタ:芸が尽きると、彼は私にボールの上に乗ってピエロみたいにコロコロ転がるように要求したわ。
ヴィオレッタ:ーーまるでボールが2つ転がっているみたいだから。
ヴィオレッタ:他の出演者は、私が「簡単」で「拙い」ショーをするだけで歓声と喝采を得られることに嫉妬していた。
ヴィオレッタ:(爪を折り曲げる)でも彼らは知らない。私もずっと、彼らに嫉妬してたことを。
※日本版では最初マックスさん(麦克斯先生)ではなくマイクさん(麦克先生)となっていたが、後に修正された。
- 好感度4
ヴィオレッタ:(服をかかげる)完成!……この曲のおかげで、私は編み方に特別なリズムを組み入れることができた。
ヴィオレッタ:ーー次は……。(爪で引き裂く)
◆回答1:!ヴィオレッタさん、今編み終わった服でしょう。どうしてーー
◆回答2:着れなくても、破くことはないでしょう。
ヴィオレッタ:これは私が編んだ服で、自分へのプレゼント。
ヴィオレッタ:でも見に合わない服は、最悪のプレゼントよ。
ヴィオレッタ:ーー毎年のクリスマス、私は最悪のプレゼントを受け取る。
ヴィオレッタ:1つしかないし、こんなもの、残しておく必要はないでしょう?
◆回答1:あなたは……関心が欲しいだけだ。
◆回答2:あなたが本当に欲しいものは、プレゼントじゃない。そうなんだね?
ヴィオレッタ:私は温かみが欲しい。何か代償が必要だとしてもーー
ヴィオレッタ:サーカスを抜けた後、私は自分が編んだたくさんの服をまだ見ぬ友達にあげようと思った。
ヴィオレッタ:でも彼らは私を見ると、悲鳴を上げて逃げ出してしまった。
ヴィオレッタ:太陽は遠すぎる。炎は強烈すぎる……
ヴィオレッタ:風が入る布切れ、冷たい爪。これが、私の触れることのできる全てよ。
◆回答1:いや。あなたが触れることができる人だって、きっといる。
◆回答2:今まで出会ったのが悪い奴ばかりでも、全員がそうとは限らないでしょう?
ヴィオレッタ:私に近寄ってくれる人がいるの?
- 好感度5
ヴィオレッタ:何を持っているの?
ヴィオレッタ:これは……見覚えがあるわ。
◆回答1:さっき引き裂いた服。結びなおして包帯にしたんだ。少なくとも……
◆回答2:服は合わないかもしれないけれど、これならーー
ヴィオレッタ:(包帯の破片を取る)少なくとも、私の爪に巻きつけられる!
ヴィオレッタ:ほ、本当に私にくれるの?
ヴィオレッタ:(爪にしっかり包帯を巻きつける)わ、私、やっとプレゼントを貰えたわ!
ヴィオレッタ:(壁に登り、陰に消えた)今まで、誰も……
◆回答1:……ヴィオレッタさん、メリークリスマス!
◆回答2:ただの布切れでそんなに興奮しなくても……
ヴィオレッタ:(壁から再び現れる)メリークリスマス、私の友!
ヴィオレッタ:ちょっと待って!待って、まだ、まだ……
ヴィオレッタ:(爪から布を一切れちぎる)少しだけ待ってーー私の糸と合わせて……
ヴィオレッタ:(1枚のマフラーが壁から舞い落ちた)
ヴィオレッタ:(陰に隠れる)ありがとう。これは私からのプレゼント。
- 好感度MAX
ヴィオレッタ:マフラーはどうだった?
ヴィオレッタ:ほら、まだ布と糸はたくさんあるから、もう1枚作れるわーー
ヴァイオリニスト
- 好感度0
アントニオ:(演奏後、誰もいないのを見て)まあいい、自分で自分の観客になるとしよう。
◆回答1:いやいや、私がいるじゃないか。
アントニオ:ああ、どうやら1人忠実な観客がいたようだ。
◆回答2:ちょっと!ここに路上チケットを買った人が1人いるんだけど。
アントニオ:おやおや、こちらの「大金主」のことを忘れるわけないじゃないか。
アントニオ:私たち2人だけでもーー
アントニオ:ーー観客と演奏者がいれば、それだけで斬新な演出ができる。
◆回答1:演出の前に、あなたの本当の名を聞いてもーー?
◆回答2:「先生」、少なくとも名乗ってくださいよ。
アントニオ:ヴィオリニストーーアントニオだ。
アントニオ:驚きを隠す必要はない。表に出したい感動も心にしまいなさい。
アントニオ:私の名を聞き、私のショーを見た人は、皆それに魅了されるーー
- 好感度1
アントニオ:ふむ……あなたには才能がある。
◆回答1:どんな才能?
◆回答2:まさか、音楽の才能が?!
アントニオ:観客としての才能だ!
◆回答1:……冗談はやめてください。
◆回答2:それは才能とは言わないですよ?皮肉は勘弁してください。
アントニオ:これのどこが才能じゃないって?音楽家への第一歩は「聴く」ことだ。
アントニオ:人の演奏に耳を傾け、自分の演奏にも耳を傾ける。
アントニオ:他人の声と、自分の声に耳を傾ける。
アントニオ:ーー良い観客になるのも、簡単なことではない。
◆回答1:なら、あなたもきっと優秀な観客ですね。
◆回答2:あなたはどんな観客なんですか?
アントニオ:花街の欲望の音も、宮廷楽団のつまらない音もーー全て聞いたことがある。
アントニオ:私の心が弱ってしまった時は、私を戦慄させた恐ろしい音すら聞こえた。
アントニオ:しかし今でも、自分自身の音ははっきり聞こえないんだ。
- 好感度2
◆回答1:(拍手)先生、あなたはバイオリンの音色だけでなくーー
◆回答2:なんて魅力的な演奏姿なんだろう。
アントニオ:(泥酔)ほう?言いたいことがあるのか?
◆回答1:髪と1本の弦だけで演奏を終わらせるなんて、他の人にはできない芸当じゃないですか!
◆回答2:どうやって髪で演奏を?
アントニオ:(髪をすくう)これか?本能だ。
アントニオ:この髪は全て弦なんだ。
目に見えない糸とーー私の意識が途切れた時に私を操る糸と繋がっている。
◆回答1:よくわかりません。ーーあなたが眠っている間に、誰かがあなたを操っているってことです
◆回答2:見えない糸?先生、酔っているみたいですが、幻覚でも見たんですか?
アントニオ:…私が眠りにつくと、それは私を導き、操り、弄ぶ……
アントニオ:私が酔うのは酒ではなく、音楽だ。
アントニオ:私のような才能を持つ者はいないし、私のように音楽に酔える者もいない。
アントニオ:ーー自我を失くした状態に。
アントニオ:……私が両手を上げた時、私はヴァイオリニスト、アントニオなのだ。
アントニオ:しかし私が昏睡の中で両手を下ろし、バイオリンの弓を持ち上げるのは一体ーー?
- 好感度3
アントニオ:Zzzz……Zzzz……
◆回答1:先生?
◆回答2:アントニオ先生?アントニオ?
アントニオ:Zzzz……Zzzz……Zzzz……
アントニオ:Zzzz……
アントニオ:どけーー私は……Zzzz……
◆回答1:この……氷点下の街角で、寝た?しかも寝言まで?
◆回答2:そんな……一体どれくらい飲んだんだ?
アントニオ:Zzzz……よく聞いた……
アントニオ:よく聞いた……私が残って……
アントニオ:あのずうずうしい姫を……私のベッドから落とせ…
アントニオ:げっぷ……
- 好感度4
アントニオ:うん……悪くない、酒の足しになった。
◆回答1:アントニオ先生、あなたの身分と技術なら、もっと高級な酒場や宮廷の宴会にだって行けるは
◆回答2:先生、なぜこんな街角の酒場で酒を飲みながら演奏を?
アントニオ:ふん、上流社会のやり方なんかとっくに知り尽くした。
アントニオ:自分は平民達と違うと、その地位をひけらかすために、
アントニオ:彼らはあちこちで珍しい宝を、人材を自分の懐に収める。全ては自分を誇示するためだ。
◆回答1:でもあなたは、音楽で彼らを魅了したのでしょう?
◆回答2:でもあなたは彼らに音楽を演奏した。そうでしょう?
アントニオ:音楽?
アントニオ:あんな見かけばかり気にする連中は音楽を全く尊重しない。
彼らが欲しいのはーーおもちゃだ。
アントニオ:おもちゃが手中に収まらなかった時、虚栄にすがり、どうでもいい事ばかりに熱を注ぐ奴らはどうすると思う?
アントニオ:……しかし今日、この場所で、
アントニオ:純粋に音楽と酒を楽しめることができるとは思わなかった。
アントニオ:御託はやめよう!ーー極寒の中であろうと、人情が脆くとも、それがどうした。
- 好感度5
アントニオ:この1曲は、私にとってはまずまずの質だと言える。
アントニオ:しかしそれでも、他の奏者が到底到達できない水準だがな。ふっふっふっ……
◆回答1:素晴らしかったです!
◆回答2:今日は運が良かった。行き当たりばったりでもこんな素晴らしい演出が聞けたなんて。
アントニオ:ふん、あなたは本当に何も知らないみたいだな。
アントニオ:真のG弦の独奏を見たことはあるか?『永久運動』の潮のような律動を感じたことは?
アントニオ:それらが私、アントニオの真の実力だ……
◆回答1:なら、今日はもう少し……?
◆回答2:コインをもう何枚か出せば、もうしばらく演奏してくれますか?
アントニオ:満足を覚えることだ。今日の演奏は長く君の心に残るだろう!
アントニオ:しかし今日は……確かに新しい収穫が得られた。
アントニオ:今日の私は演奏者でもあり、観客でもある。
アントニオ:私は……どれほど自分のために演奏していなかっただろう?
アントニオ:あの時からだろうか。完全に自我を諦め、才能を受け入れた時から。
アントニオ:……「悪魔の音色」から。
◆回答1:悪魔?本当に酔っているのか、気が狂ったんじゃないですか。
◆回答2:酔って気が狂ったんですか?
アントニオ:気が狂う?はははっ、まるで自分たちはまともに生きているかのような言い方だな!
アントニオ:(バイオリンを持ち上げる)これを握っていれば、私は天才だ。
アントニオ:(酒瓶を持ち上げる)これがあれば、私はアントニオだ。
アントニオ:今宵は、本当の自分に戻ろう。
- 好感度MAX
アントニオ:なんだ、まだ私と飲みたいのか?
アントニオ:普段は美女としか飲まないが、今日はーーいいだろう。
昆虫学者
- 好感度0
メリー:素晴らしい演奏ね!
メリー:花園の中で舞う蜂のように、優雅で生き生きとしている。
◆回答1:こんにちはーーあれ?変わったマスクだね。
◆回答2:仮装舞踏会に行くべきでは?ここはただのストリートショーだよ。
メリー:(紗帽を指さす)これ?
メリー:これは一種の、うんーー「防護措置」よ。
◆回答1:「防護装置」は何から身を守っているの?こんな静かな夜に?
◆回答2:慎重なお嬢さん、この周辺で何を心配する必要があるって言うんだい?
メリー:暴力?偏見?気まずい空気?……私が立ち向かえない、立ち向かいたくない全てよ。
メリー:でもここでこの曲を聴いたら、「冒険」に来る価値があったと思えたの。
メリー:私はメリー・プリニウス。よろしくね。
- 好感度1
メリー:(紗帽を揺らしながら真剣に音楽を聴いている)
◆回答1:メリーさん、その紗帽は音楽を聴くのに邪魔なのでは?
◆回答2:お嬢さん、それを着けたままでは……音楽がうまく聴き取れないんじゃ?
メリー:そんなことはないわ。それにーー
メリー:私は特別な方法で、私が嫌いな音を排除しているの。
メリー:(周囲にブンブンという音が響いた)これでねーー
◆回答1:これは……蜂?
◆回答2:蜂!蜂!蜂だ!
メリー:そう、このカワイ子ちゃんたち。
メリー:この子たちは私の指示を聞くから、決して私を傷つけない。
メリー:私に自由と、生活の道しるべをくれたの。
メリー:そして私はーー
◆回答1:ーー音楽の指揮者?
◆回答2:ーーヘルメットをかぶった将軍?
メリー:真面目な昆虫学者よ。
メリー:観察、研究、実験……
蜂の群れを飼いならす過程はあなたが想像しているほどロマンチックなものではないわ。
でも確かに私が得意とし、好きな事でもある。
メリー:あら……この子たちはあまり寒い天気が好きじゃないみたい。
メリー:帰りたがっているのかしら。
帰って私と一緒にこのクリスマスを過ごすのを待っているんだわ。
- 好感度2
メリー:ごめんなさい。もう……行くわ。
メリー:私……あまりうるさくて馴染みない場所に長くいるのに慣れていなくて。
メリーさん、どうして急に……まるで人が変わったようなーーえっと、人というより、状態が?
ええ?さっきまでこの曲を絶賛していたのに!
メリー:多分これが……私がいつも群れに馴染めない理由。
職業病みたいなものねーー常に「距離を取ろう」としてるの。
メリー:蜂の群れと付き合う時、距離を取らずに進退のタイミングを逃すと、自分を傷つけることになる。
◆回答1:でも、人と人の間は違うんじゃーー
◆回答2:でも、この人を刺すカワイ子ちゃんたちと人間を一緒にすべきじゃないと思う。
メリー:確かに違うわね。……人間はもっと複雑で、分かりにくい。
メリー:そこに生まれる矛盾はもっと鋭く、残される傷跡ももっと深い。
◆回答1:メリーさん、人との付き合いから生まれるのは、苦しさだけじゃないよ。
◆回答2:ブンブンブンブンーーなら蜂の言葉であなたと話そう。
メリー:ブンブンブンブンーーブンブンブン
メリー:変わったユーモアね。
メリー:……慰めてくれてありがとう。
メリー:もう少しーーここにいたいわ。
- 好感度3
メリー:うん……このコンサートの欠点が見つかったわ。
メリー:不確定で、臨時の会場で、素晴らしい音楽家による即興のショー。
メリー:観客さえも通りがかりの人ばかり。
◆回答1:それのどこがまずいの?
◆回答2:私はそれらを、サプライズと意外性と呼んでいるけどーー
メリー:規則性がない。規則性のない物事に向き合うと、人は不安を感じるの。
メリー:良いものはいつ悪くなるんだろう?悪いものはいつ終わり、いつ再来するんだろう?
メリー:どうやって利を得て、害を避ければいいんだろう?
◆回答1:メリーさん、クリスマスイブに憂いは相応しくない。
◆回答2:慎重なお嬢さん、悲観的になっても何も改善されないよ。
メリー:クリスマスイブは幸せと円満を祈るべき、それはわかってるわ。
メリー:でももっと大事なのは、目の前の全てを大切にし、感謝し、祝うこと。
メリー:私は安定した生活を維持したいだけ。
全ての取り返しがつかなくなる前に、掴んでおけるものを掴む……
メリー:この安らかなコンサートがずっと続いてくれたらーー
- 好感度4
メリー:(蜂が1匹飛び出した)
◆回答1:メリーさん!メリー!蜂!蜂!
◆回答2:蜂がまた出てきた!
メリー:(蜂を導く)心配しないで、1匹だけじゃない。
メリー:バイオリンの音色に惹かれたのかもしれないわね。
メリー:蜂と交流する方法はたくさん試したわ。音楽もその内の1つ。
◆回答1:でも、さっきは1匹しかいなかった。その子は特別なの?
◆回答2:音楽が分かるのは1匹だけ?
メリー:蜂はそれぞれの個体によって群れを作る。
でも、群れの意向がが単独の個体に現れることもあるの。
メリー:もしかすると、この蜂が音楽に何か感じたのかもしれないし。
メリー:もしかすると、蜂の群れ全体が何か……変化を求めているのかもしれない。
そしてこれはほんの始まりーー
メリー:……
メリー:……飼いならされた蜂の群れですら変化を求める。
メリー:私が関心を寄せるものは、最終的に全部私が知らない姿になってしまうの?
メリー:だったら私は……
- 好感度5
メリー:実は、プレゼントがあるの。
メリー:(クリスマスの帽子を取り出す)
◆回答1:ふむ……きっと親しい人へのものでしょう。
◆回答2:帽子?サンタクロース役の人にあげるのかな?
メリー:(頷く)……
メリー:でもこれは、決して届かないプレゼント。
メリー:彼は行ってしまった。
メリー:彼が去った時から、全てが変わった。
メリー:私は足踏みしている。
メリー:昔の彼が恋しいのか、昔彼と一緒にいた自分が懐かしいのか、私にはわからないけれど。
◆回答1:なら、この帽子はあなたが貰えばいい!新たな始まりはいつだって遅くない。
◆回答2:なら彼のことは忘れて、あなたも紗帽を取り換えてみなよ!
メリー:(紗帽を指さす)いいえ、私にはこれがあるから。
メリー:本当に安らかな、安定した新しい生活を受け入れるまでは、これを捨てることは難しいわ。
メリー:(クリスマスの帽子を差し出す)じゃあ……あなたにあげるわ!
メリー:一緒にいてくれてありがとう。
それに、蜂の群れに小さな刺激を与えてくれてありがとう。メリークリスマス!
- 好感度MAX
メリー:ありがとう、また素晴らしい曲が聴けたわ。
メリー:今度はどの蜂が出てくるかしら。
ポストマン
- 好感度0
ビクター:(こっそり近づく)……
◆回答1:?…………こんにちは?
◆回答2:(興味深そうに様子を伺う)
ビクター:(恥ずかし気に顔を上げて目を向ける)
ビクター:……こ……こんにちは…
◆回答1:おしゃべりは嫌い?
ビクター:(ワン、ワン。傍の子犬が鳴き始めた)あ、ウィック、その……い、いや、つまり…
◆回答2:(興味深そうに近づく)……
ビクター:(ワン、ワン。傍の子犬が鳴き始めた)あ、ウィック、わ、分かったよ……
ビクター:僕はビクター、こ……こっちはボクの友達、配達犬のウィック。
ビクター:僕はポストマンで、ウィックは配達犬なんだ。
ビクター:よ、よろしく。
- 好感度1
ビクター:……
ビクター:………
◆回答1:?……
◆回答2:ビクター。ビクター!
ビクター:!……!
◆回答1:……この曲、あんまり好きじゃなった?
◆回答2:曲が嫌いでも、ここで塞ぎこむ必要はないでしょうに。
ビクター:あ、す、好きですーー
ビクター:たくさんのクリスマスソングを聴いてきたけれど、僕への曲は1つもなくて。
ビクター:えっと、クリスマスは丁度……ボクの誕生日だから。
◆回答1:誕生日おめでとう、ビクター!
◆回答2:1曲で君に2つの祝福を贈ろう。悪くないよね?
ビクター:ありがとう。家を離れてからは、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントを貰ったことがなかったんだ。
たとえそれが曲であっても。
- 好感度2
◆回答1:……ビクター?
◆回答2:ビクター。ビクター!
ビクター:?……な、なに?
◆回答1:普段もバイオリンを聴いてるの?
◆回答2:何か趣味はある?
ビクター:音楽は、あまり聴かない。いや、この曲はとても素晴らしいんだけど。
ビクター:……でも暇な時は、街中にいる野良の動物たちと一緒にいるかな。
ビクター:彼らは話せないけれど、みんな真摯で、とてもーー正直だから。(手の甲の引っかき傷を指さした)
ビクター:でも、それ以上に好きなのは手紙だ。
◆回答1:手紙?
◆回答2:それは分かりやすい。君はポストマンだからね!
ビクター:そう、僕が送る手紙!
ビクター:でも僕に手紙を送ってくれる友達はいないんだ。僕には友達が……いないから。
ビクター:だから、僕はよく自分に手紙を送ってる。
ビクター:独り言みたいで面白いんだよ!まあ……その文字の中に、秘密がないのは残念だけど。
- 好感度3
ビクター:う……そろそろ自分宛の手紙を書くべきかな。
ビクター:「ビクター……今夜のクリスマスイブはとても……特別で……」
◆回答1:ビクター、何してるの?
◆回答2:自分に手紙?面白い人だね。
ビクター:………どうしたの?
◆回答1:君は、手紙の何がいいと思う?
◆回答2:手紙って、音楽を奏でたり話したりするのと同じ、表現の1つでしょう?
ビクター:手紙は読むだけで、話さなくてもいいから。
ビクター:僕だけじゃない、人と人の間には、言いたいことを言えないこともある。
ビクター:紙に記した時だけーーそう、手紙だ!封をした手紙だけが本当の秘密なんだ。
◆回答1:君はポストマンという仕事を大事にしているみたいだね。
◆回答2:手紙の話になると、口数が多くなったね!
ビクター:だって、だって……僕は、僕は手紙の秘密の配達者だから。
ビクター:配達者で!守護者で!所有者なんだ!
ビクター:ほんのしばらくの間だけでも、言葉では伝えられない秘密が僕の手に渡る。
- 好感度4
ビクター:(ワン!ワン!犬は嬉しそうにくるくる回っている)……ウィックもこの曲が好きみたいだ。
◆回答1:このペットはずっと君の傍にいるの?
◆回答2:面白いペットだね。
ビクター:ペットじゃ、ない!僕の一番大切な仲間だ。
ビクター:……市場で唯一の。(犬を撫でる)
◆回答1:ごめんなさい。確かにいい仲間みたいだ。
◆回答2:仲がよさそうだね。
ビクター:ウィックの前の主人は火事で……不幸にも亡くなってしまったんだ。
ビクター:僕は火事でーーあの恐ろしい火事で、ウィックを見つけた。
ビクター:ウィックは部屋の入り口にいた。1通の手紙を咥えて、しきりに扉を引っかいて。
ビクター:その扉の向こうで、まだ主人が彼を待っていると信じて……
◆回答1:ビクター、その話をしている君はーー緊張も迷いもないように見える。
◆回答2:ははっ、こんなに流暢に話せたんだ。
ビクター:!……
ビクター:……緊張や迷いを感じる余裕すらない話だって、あるから。
- 好感度5
ビクター:……こ、こんにちは?
◆回答1:どうしたの、ビクター?
◆回答2:お?そっちから話しかけてくれるなんて。
ビクター:お礼を言いたかったから。
ビクター:僕はずっと友達がいなくて、ウィックが話せたらなって何度も想像したことがある。
ビクター:その……
ビクター:えっと……友達に……僕たち、
ビクター:僕と友達になってくれますか!?
◆回答1:もちろん。
◆回答2:ダメ、こんなに適当な友達はいらない。
ビクター:本当!本当に、いいの?
ビクター:僕はただ……君たちの演奏に感激しただけで!
ビクター:(「ワンッ!ーー」犬も嬉しそうに尻尾を振った。)
◆回答1:みんな、お疲れ様。メリークリスマス!
◆回答2:メリークリスマス!ポストマンビクター、配達犬ウィックも。
ビクター:!……メリークリスマス……お互い、もっとたくさんの素敵な友達ができますように。
ビクター:これ……気持ちばかりだけど、僕からのプレゼント。(クリスマスベルを取り出す)
◆回答1:ありがとう、面白いプレゼントだね!
◆回答2:これは、ベル?
ビクター:そうーークリスマス限定、郵便局特製のポストマンベルなんだ!
ビクター:リンリン~~今後の絶えぬ来客を祈るよ!
- 好感度MAX
ビクター:………優しさをありがとう。
ビクター:今日は……失礼なことをたくさん言ったけれど、どうか気にしないで欲しい。