ポーション

Last-modified: 2025-02-21 (金) 00:43:50
収録拡張カード名コストカード種別効果
AlchemyPotion4Treasureポーション
Base Cards
錬金術ポーション財宝
基本カードセット

概要

コストにポーションを含むカードを用いる場合にサプライに追加される、コインとは異なるコスト単位である、「ポーション」を産出する財宝カード。
錬金術に収録されているカードはポーションコストを持っており、購入するためにはこのカードを使用する必要がある。
ポーションコストのカードを用いるゲームでは、初手から購入して早期にポーションコストのカード獲得に動くべきか、他のカードを優先しデッキの構築が進んでからポーションに手を伸ばすのか、あるいはポーションコストのカードを無視した構成にするのかの選択が求められる。
必然的に、ゲームに用いられるポーションコストのカードの枚数&種類により価値が変わるカードと言える。
薬師錬金術師念視の泉など、集めると強いカードがある場合はもちろん、2人戦なのか多人数戦なのかでもポーションの価値はがらりと変わるので注意。

利用法

  • ポーションコストのカードを早期に集める戦略であれば、初手4-3の際にポーション+3コストカードを購入する流れになるだろう。
    • サプライにもよるが、4金でのポーションを購入する動きでは「デッキ内の総コイン量」が増えないので、初手3金の相方には銀貨執事などのコイン産出能力のあるカードが選ばれやすい。
      • 宰相は2金を出しつつポーションが残っていない山札を捨てることができ、相性が良い。
      • 4金で使者を購入し、全員にポーションを撒く、というパターンもある。使者自身も宰相効果・2金・購入権が悉くポーションと相性が良い。後手であれば狙いやすい動きといえる。*1
      • 薬草集めは、宰相効果+ポーションの使用機会増を得られる。後述の購入権問題の解決にも役立つので、相方として悪くない。
      • 初手3金の相方を城門とすることで、デッキ2巡目の手札が「ポーション、銅貨屋敷×3」となることを避けることが可能。
    • 初手5-2の場合は、基本的に5金でポーションを購入する動きとはならない場合がほとんどだろう。
    • いずれの場合も、2巡目の引き方次第ではポーションを引いたタイミングでコインがうまく出ず欲しいカードが買えないケースがある点に注意が必要。
      • 薬師のようなコストが「2金以下+ポーション」のカードがあれば、(手札が「ポーション、銅貨屋敷×3」の場合を除き)を購入すればよく、保険になる。ドルイドのような2金の比較的優秀なカードでも多少はダメージが低減される。
      • パン屋財源を保持しておけば2巡目の3金+ポーションは達成しやすくなる。
      • プロジェクト同盟などの効果で、事故率を低減できることもあるため見逃せない。
      • そういった助けが何もない場で初手ポーションをやるのはリスキーな行動であるが、使い魔を早くから使いたい場合などはリスクを承知で敢行することもある。
    • 序盤でデッキに入れたポーションが相手のアタックで流されるor廃棄されてしまうと、いきなり出鼻を挫かれる。
      • ポーションコストカードはその特殊なコストにより騎士枢機卿などに耐性があるが、蛮族はポーションコストカードも破壊でき、大敵と言える。
  • ポーションは初手では購入せず、ある程度デッキが成長してからの「中盤ポーション投入」で、中盤以降からポーションコストのカードを集め始める戦術もある。
    • ポーションコストでないカードに優秀なカードがある場合は、ある程度デッキを成長させて十分に回転するようになってからポーションを入れることで、初手ポーションより効率よくポーションコストカードを集められることもある。
      他の拡張セットと錬金術を組み合わせて遊ぶ場合はこのパターンを取ることも多くなりやすい。
      • 特に、5金で使いやすい圧縮カードや購入権増加カードがある場合は先にそちらに手を伸ばすのもあり。
    • ポーションをデッキトップに獲得する手段(身代わり要求など)や手札に獲得する手段(彫刻家鷹匠など)が利用できるのであれば、「中盤ポーション投入」戦法が採りやすい。
    • そもそも、欲しいポーションコストカードがゴーレム支配ブドウ園など、序盤から欲しいとまでは言えないor序盤にはコスト的に購入が難しいカードであれば、自然に「中盤ポーション投入」戦法を採ることにもなるだろう。
  • もちろん、ポーションを無視し、獲得しないのも手である。
    • ポーション自体は基本的にポーションコストのカードの購入にしか意味を為さないため、属州購入の足枷となる可能性があることには注意が必要。
    • 逆に言うと、ポーションをデッキに入れる選択をした場合は、「終盤で不要になったポーション自体の処理方法」まで考えてあるとスマートと言える。
      • 改築するもの良いが、ポーションを使い終わったら仮面舞踏会大使で他プレイヤーに押し付ける戦略もある。
    • なお、一部の「コストを無視してアクションカードを手に入れる効果(待ち伏せ輸送など)」を用いることで、ポーション無しでポーションコストのカードを入手できる場合もあるので、注意が必要。
      • 念視の泉使い魔であれば、従者の廃棄時効果で獲得できる場合もある。
      • ランダム性は高いが、道化師で相手のデッキのポーションコストのカードを奪うパターンもある。特に、デッキ破壊アタックはポーション戦法の弱点なので注意が必要。
  • ポーションコストカードを集める戦法を採る場合、「購入権を増やせるか」も重要になりやすいことに注意。
    • ポーションコストカードを集めていると、「ポーション使用ターンにポーションコストカードだけの購入ではコインが余る」という事態に陥りがち。購入権が増えれば、「安価なポーションコストカードと安価なコインコストカード(例えば、倉庫配給品など)を購入」という形でデッキ成長が早まる可能性が高い。
      • ブドウ園戦法も、例えば「中終盤は中庭とブドウ園購入」などとできればより強力な戦法となる。
    • ゲーム終盤で11金+ポーション+2購入で属州錬金術師を購入し続けるパターンもあるだろう。
      • 総じてポーション戦法はポーション分の手損がある分、ポーションを無視する戦法よりも速度には劣りがち=中終盤で追い越すためにも購入権は重要と言える。
  • ポーションを2枚以上買うケースはあまりないが、次のような状況では例外となる。
    • ブドウ園をかき集めたい場合、1ターン1枚ずつでは間に合わないと判断すればポーションを2枚以上入れることもある。
    • この目的の場合、「ポーション複数枚をデッキに投入する」ではなく「財宝を複数回使用できる効果と組み合わせる」という手もあるので、見逃さないように。
    • を用いるゲームの場合、5勝利点のために、終盤でポーションを購入する場合もあるだろう。

詳細なルール

  • コストにポーションを含むカードを用いる場合、ゲームの準備の際にサプライに16枚のポーションを追加する。
  • ポーションの山札はサプライに追加される。
    • カードの効果で獲得でき、購入フェイズにコストを払って購入できる。
    • ポーションの山札が切れた場合、ゲームの終了条件である「サプライの山札が3つ以上切れている」に含む。
  • ポーションは王国カードではない(基本カードに該当する)。
    • 特性で選ばれることはない。
    • Ferrymanの効果で準備される3~4金の王国カード選出の際、ポーションが選ばれることはない。

関連カード

拡張名前コスト関連
錬金術薬師2+ポーションキャントリップ後にデッキの上4枚を見て、銅貨とポーションを手札に加えられる。
錬金術師3+ポーションポーションが場に出ていることが条件で、クリーンアップフェイズにデッキトップに置ける。
弟子5ポーションコストを含むカードを廃棄すると、2枚追加でドローできる。
ギルド石工2*ポーションを過払いすることで、ポーションコストを持つアクションを獲得できる。

余談

ポーションは、ドミニオンの中で現状唯一存在する、コイン以外のカード購入のためのリソース*2*3であり、長いドミニオンの歴史の中でも特にユニークなもののひとつと言えるだろう。
英語フォーラムのThe Secret History of the Alchemy Cards (dominionstrategy.com)でポーションについて述べられた一節がある。

原文と日本語訳

【原文】(引用元)

When I came up with Dominion, I figured it would have multiple resources. When I actually made it, I went with one resource, because it was simpler. I could always add another resource in an expansion. With Alchemy I finally got around to doing that. Originally I was thinking it would be Reagents or Mandrake or something. I didn't find a good enough picture to use for such a card, so I went with Potions. That's how these decisions get made.

【日本語訳】

最初にDominionを考えたとき、複数のリソース*4を作ろうと考えていた。

実際に作るときは、リソースは一つにした。その方がシンプルだったからだ。

拡張セットでリソースを追加することはいつでも可能で、錬金術でついにそうした。

最初は「試薬」とか「マンドレイク」とかにしようと思ったが、それに使ういい絵が見つからなかったためポーションにした。

こんな感じで、ポーションについて決まっていったんだ。

ポーションコストは開発当初の時点からアイデアとしてあったものの具現化であると読み取れる。

コメント



*1 使者のカード撒きに共通する話だが、先手で『使者でポーション撒き』をするのでは、後手にポーションをタダで渡すだけで、後手のうまみが大きいが、逆に「先手がポーション購入後に後手が『使者でポーション撒き』をする」であれば、先手に余分なポーション押し付けられるので良い戦法といえる。あるいは、「先手がリシャッフルしたが、まだ後手がリシャッフルしていない(=後手2ターン目)に、後手が『使者でポーション撒き』をする」であれば、【後手はデッキ2巡目にポーションが利用できるが、先手はデッキ3巡目にしかポーションを利用できない】というパターンを狙う場合もあるだろう。
*2 負債もカード購入にかかるコストの一種ではあるが、コインと独立のリソースとは言い難いだろう。
*3 動物見本市セイレーンなどは「アクションカード」というリソースで購入していると見ることもできるが
*4 訳注:例えば、「石」「木」「鉄」のような財宝カードがあって、「村のコストは石1つと木2つです」となっていたようなイメージと思われる。