夕暮れの宴

Last-modified: 2023-10-18 (水) 20:39:11
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イベントストーリー

プロローグ(ノインテーター)

  • 2022年10月19日
    今号編集担当:クインラン
    • 百年ぶりに「予言の書」現る!
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      先祖ドルイドは死ぬ前に未来を見通す力を持つ『神託の書』を残した。
      その書はサウィンが封印されてから行方が分からなくなっていたが、百年の時を経て、今伯爵の古城に再び姿を現した。
    • 血族の伝説
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      いにしえの伝説に登場する一族であり、生物の生き血を吸って自身の不老の体を維持している。
      彼らの多くは、髪が白い、歯が鋭いといった外見上の特徴がある。
    • 警戒を!狼男、村を襲撃
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      隣村の牧場がまたもや被害に遭い、牛や羊が全滅した。
      月光の下で狼男の姿を目撃した村人もいるとのこと……
  • 2022年10月20日
    今号編集担当:クインラン
    • 伯爵が宣言!ハロウィンの夜の賞品は『予言の書』!
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      今年もハロウィンの夜が近づき、伯爵による月下のディナーパーティーが例年通り古城にて開催されることとなった。
      ただし例年と異なり、今年の舞踏会の最優秀者は、伯爵からじきじきに金の冠を賜るだけでなく、
      『神託の書』の所有者となり、予言の力を手にできるそうだ!
    • ダンスパートナーと一緒に舞踏会に参加する
      舞踏会の最優秀者には伯爵から「夕暮れの星」の称号が送られる。
      ダンスパートナーと共に参加し、力を合わせれば、称号獲得も夢ではない!
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※クインラン・エクティック・断罪の3人からダンスパートナーを選択でき、選択したパートナーの舞台準備中ストーリーを閲覧できる


舞踏会準備中

謎のナイト-クインラン

  • 1日目
    クインラン:ヘレン、戻ったよ。しばらくだね。
    ヘレン・デッケン:クインラン?本当にクインランだ!ケガはない?ちょっと見せて。
    北部の極寒の森は危険だって言われてるのに、行ったきり一年も戻ってこないなんて。
    クインラン:いろいろえらい目に遭ったけど、君のおかげで助かったよ。
    出発前にくれたあの傷薬が役に立ってね。なんとか無事に帰ってこられた。
    クインラン:しかしいざ戻ってみると、君がカボチャを彫っているところに出くわすとは。
    ははっ、飾り付けの最中か?
    クインラン:うん。伯爵が病気で倒れて出てこられないから、城のみんなで協力して今回の舞踏会の準備をしてるんだ。
    私もできるだけのことはしようと思って。
    ヘレン・デッケン:良かったら屋外ディナーパーティー用の飾り付けを手伝ってくれる?
    君がいれば、面白いアレンジができそうだよ。
    クインラン:言われなくたって、ここに残って手伝うつもりさ。
    でもその前に聞いておきたいんだけど、ハロウィンパーティーではかの名高い医師、ヘレン・デッケン先生に我がダンスパートナーをお願いできますかな?
    ヘレン・デッケン:もちろん、光栄です。
  • 2日目
    ヘレン・デッケン:今回戻ってきた理由は、もしかして『神託の書』?
    クインラン:君に久しく会っていなかったからかもしれないだろ?
    ヘレン・デッケン:ふん、もしそうなら、手紙を一通も寄こさないなんてことがあるかな?
    冗談はさておき、最近町で怪しい人を見かけることが急に多くなったんだ。伯爵の城で開かれる仮面舞踏会だけが理由だとは思えない。
    ヘレン・デッケン:あの伝説の予言の書が目当てだと思う。
    ハロウィン舞踏会の夜、鐘の音が12回鳴る時刻に、伯爵は「夕暮れの星」を選出し、その人に『神託の書』を授与する。
    だからみんな、どうやったら「夕暮れの星」に選ばれるか頭をひねってる。
    ヘレン・デッケン:ハロウィンの衣装が誰よりも個性的なら選ばれるとか、立ち振る舞いとダンスが誰よりも美しければ選ばれるとか、
    予言の書が自ら主人を選ぶんだとか言われてる……伯爵はどの説も否定してないみたいだよ。クインラン、君はどう思ーー
    ヘレン・デッケン:って、ちょっと!つまみ食いはダメ!
    クインラン:でも、もうアフタヌーンティーの時間だろ。
    久しぶりに戻ってきたんだから、普通ならまず「お帰りパーティー」じゃないか……わかった、わかった。
    僕が悪かったからそんなに睨むなよ。ごめんって。
    ヘレン・デッケン:話、ちゃんと聞いてた?
    クインラン:やれやれ……いいか、デッケン先生。
    伯爵が『神託の書』を手に入れた瞬間から、この石鐘の城は各種族のやつらに虎視眈々と狙われてるんだ。
    クインラン:舞踏会に来る者たちがどんな魂胆を抱いていようと、僕の知ったことじゃない。
    僕はこのまたとない宴会を君と一緒に楽しめればいいんだよ。
    クインラン:何かあった場合は、僕が君を守る。前もって戻ってきたのはそのためでもあるんだ。
  • 3日目
    ヘレン・デッケン:一年前のあの夜、君が急に真顔で今すぐ極寒の森に向かうと言ったときは本当に驚いた。
    笑ってない君を見るのは、多分初めてだったから。
    ヘレン・デッケン:今でもよく覚えてる。君のお母さんが極寒の森にいるかもしれないって連絡があったんだよね。
    それで、お母さんは見つかったの?
    クインラン:いや。見つかる可能性がほとんどないことは分かってたんだ。
    何年もの間、僕のもとに届く知らせはデタラメか、すでに手遅れのものばかりだった。
    おそらく母はとっくに死んだんだろう。僕が諦めきれなかっただけだ。
    クインラン:まあ、そんなことより、もっと知りたいことがある。
    その災害現場みたいなカボチャの顏はどうやったら彫れるんだ?いや、その……やけに芸術的じゃないか。
  • 4日目
    ヘレン・デッケン:前に伯爵が言ってた。
    極寒の森に人食いの化け物が出た、風雪の中をうろつきながら狙った獲物を狩っている、
    秋になってからすごく頻繁に出没するようになったってね。
    君が襲われるんじゃないかって、ずっと心配だったんだよ。
    クインラン:はっ、確かにそういう噂はあったかな。
    森の近くに住む村人たちは、その怪物を「イタカ」と呼んでいた。
    ただ、少なくとも僕は一度も出くわしていない。うわさに尾ひれがついただけなのかもね。
    クインラン:「イタカ」は作り話かもしれないが、極北の村人たちが魔術師を毛嫌いしているのは紛れもない事実だ。
    ヘレン・デッケン:魔術師……
  • 5日目
    クインラン:ところで、どうして伯爵のお抱え医師になったんだ?
    一つの場所に縛られるの嫌いじゃないのか?
    ヘレン・デッケン:この先ずっとお抱え医師をやるわけじゃないよ。何年か伯爵に恩返ししておきたいだけ。
    伯爵は町のみんなにご自分の蔵書室を開放してくださってる。老若男女や貴賤上下を問わず、誰もが本を借りられるように。
    ヘレン・デッケン:わたしはそのおかげで、自分の身分では本来触れることのできない、高度な薬草学の知識を学べることができた。
    クインラン:それなら、僕に言ってくれればよかったのに。
    ヘレン・デッケン:え?
    クインラン:そんな本、僕だって楽に手に入れられるだろう?
    君みたいな優秀なお医者様だったら、僕だって召し抱えたいさ。
    ヘレン・デッケン:まったく……こっちはもうすぐ済みそうだから、城に戻って他にやることがないか見てくるよ。
  • 6日目
    クインラン:城の出入りに使う道とこの道がいつの間にか一つになっている。誰も気づいていないのか……
    ヘレン・デッケン:クインラン、何を見ているの?さっきから独り言が激しいよ。
    クインラン:この門はどこに続いているんだ?
    ヘレン・デッケン:これ?伯爵の思いつきで建てられた迷宮だけど。
    出来上がったばかりだからまだ正式に開放されてないけど、入りたいだけならこっそり案内してあげようか?絶対迷うけどね。
    クインラン:迷宮?僕が来たときは迷宮なんて見えなかったぞ。
    ヘレン・デッケン:当然だよ。迷宮に向かう道は、城の出入りに使う道とは別なんだから。
    クインラン:へえ、やっぱりそういうことか……
    舞踏会が始まるまではよしておこう。入って出てこられなくなったら大変だ。
  • 7日目
    ヘレン・デッケン:クインラン、確かにこの迷宮はおかしい!ここ数日、買い出しに行った人が一向に戻ってこないそうなんだ。
    それなのに、エクティックさんはひっきりなしに迷宮からティーセットを運び出してる。
    クインラン:……落ち着けって、ヘレン。アドレナリンが出まくってるぞ。
    ヘレン・デッケン:へっ?
    クインラン:やれやれ……
    僕が言いたいのはつまり、そんなに脈が速いと、舞踏会のときに危なくなるってことだ。
    ヘレン・デッケン:危ないって、何が?血族のこと?
    クインラン:ま、そんなところだな……行こう、デッケン先生。舞踏会が始まった。
    ヘレン・デッケン:待って。話を逸らさないでよ。私の脈が聞こえてるの?
    クインラン:ずっとね。

黒の魔女-エクティック

  • 1日目
    エクティック:あら、ヘレン・デッケン、何してるの?ディナーパーティーの会場の準備?
    そんなこと、城の従者にやらせときなさい。あなたにはもっと大事な役目があるはずよ。
    ヘレン・デッケン:先生!?そのお姿のまま石鐘の城に?もし誰かに気づかれたら……
    エクティック:よく考えてご覧なさい。これはハロウィン舞踏会でしょ。
    みんなが奇妙で奇抜な衣装で来るのよ。吸血鬼やら、狼男やら、聖職者やら、魔物ハンターやら……
    エクティック:だから、あたしが「黒の魔女」の姿でいても問題ないわ。
    こういう場所では、浮いてる恰好こそ安全な隠れ蓑なの。
    エクティック:それに、よく覚えておいて。
    石鐘の城にいる間は、あたしはあなたの「先生」じゃなくて、伯爵から任命された舞踏会の責任者、エクティックよ。
    ヘレン・デッケン:わかりました、エクティックさん……
    エクティック:それでいいわ。じゃあ、そのお遊びを早く済ませてしまって。
    あなたに見張ってほしい「特別」なゲストが何人かいるの。
    ヘレン・デッケン:エクティックさん、この庭園は、城に入るときに誰もが通る場所です。
    それに広々としていて景色がいいですから、きっとお茶会や散歩に利用するお客さんが多いと思うんです。
    ヘレン・デッケン:ディナーパーティーの飾り付けを装って、あなたの「カボチャたち」を置いておけば、
    あなたの目となり耳となって情報を集めてくれますよ。
    エクティック:いいアイデアね、ずいぶん知恵が回るようになったじゃない。
  • 2日目
    ヘレン・デッケン:せん……エクティックさん、ずっと聞きたかったのですが、どうしてそんなに『神託の書』が欲しいのですか?
    エクティック:あれは伝説の予言の書よ。誰もが手に入れたいと思ってるわ。
    それに、予言以外の力もあるって言われてるの。持ち主の質問に何でも答えてくれるって噂。
    ヘレン・デッケン:確かに、最近怪しい人が急に増えてきた気がします。きっと彼らも『神託の書』が目的なんですね。
    ハロウィン舞踏会の夜、鐘が12回鳴る時刻に、「夕暮れの星」を選出し、その人に『神託の書』を授与する、という伯爵の宣言を聞いて。
    ヘレン・デッケン:ただ、「夕暮れの星」の選出条件については口にしなかったので、いろいろと憶測が飛び交っています。
    ハロウィンの衣装が誰よりも個性的なら選ばれるとか、立ち振る舞いとダンスが誰よりも美しければ選ばれるとか、予言の書が自ら主人を選ぶんだとか……
    エクティック:ふん、舞踏会に出たからって確実に予言の書が手に入るわけじゃないでしょ。
    とにかく、あたしはそういう不確実な方法には頼らない。欲しいものを手に入れる道筋は全て自分で決めるわ。
  • 3日目
    ヘレン・デッケン:エクティックさん、伯爵を傷つけてはいませんよね?
    一時的に魔法で隠して眠らせてあるだけでしょう?
    エクティック:伯爵は無事よ。面倒なのは、伯爵のあの忠実な従者ね。
    けど大丈夫。あんなやつ、魔法のポーションを一滴飲ませれば、微塵もあたしを疑わなくなるわ。
    ヘレン・デッケン:あの……エクティックさん、伯爵の様子を見に行ってもいいですか?
    エクティック:その必要はないわよ、死んだりしないから。
    余計な優しさは無用、自分の立場をわきまえなさい。あの男のお抱え医師を数日務めただけでしょう。
    エクティック:いったい誰があなたの恩人なのか、それを忘れないで。
    スラム街から救い出してあげたのも、医学の知識を教えて自分の身を守れるようにしてあげたのも、
    本当の自分に気付かせ、本来の能力を開花させてあげたのも、全部あたしなのよ。
  • 4日目
    エクティック:そういえば、彼は一体どこに『神託の書』を隠したのかしら?
    いつまで経っても見つからないようじゃ、モタモタしてるうちにあの面倒なゲストたちが続々と来てしまうわ。
    ヘレン・デッケン:伯爵が以前私に打ち明けてくれたのですが、『神託の書』はハロウィン舞踏会の夜にならないと現れないそうです。
    エクティック:そう……その時まで、作り笑いをしてゲストたちの相手をしないといけないのね。
    ああ嫌だ。こんな舞踏会に何の意味があるっていうの。見せかけの社交の場でおべっかを使い合って。
    ヘレン・デッケン:あははは……
  • 5日目
    エクティック:ほら、準備しなさい。そろそろ舞踏会が始まるわ。
    あたしたち二人だけでは見張り切れないし、舞踏会で想定外のことが起こらないようにするためにも、ゲストの数を減らさないと。
    ヘレン・デッケン:減らすって、どうやって?
    エクティック:伯爵は、趣向を凝らそうと城に入る時に誰もが通る場所に迷宮を作ったの。
    だから、その迷宮にちょこっと「生きたインテリア」を添えてやるだけよ。
  • 6日目
    ヘレン・デッケン:エクティックさん、大変です!
    城への出入りに使う道と迷宮への道が、森林の中で一つに合わさったようです!
    エクティック:しっ!声が大きい!
    エクティック:バカね、あなたの師であるあたし以外に、こんなすごいことができる魔術師なんているわけないじゃない?
    道を一つにしたのはあたしよ。森林の木を少しずらせば、まったく違う道ができるの。
    エクティック:ディナーパーティーが始まれば、城に入るにも、城から出るにも、この迷宮に足を踏み入れることになる。
    迷宮に迷い込んだ者たちは、城の鐘の音が鳴るとともに五感を一つずつ失っていき、最後には生きながら口のきけないモノと化すわ。
    エクティック:エクティック家のディナーパーティーに相応しい芸術品にね。
    ヘレン・デッケン:でも結局のところ、エクティックさんがこうするのは、ライバルを減らしたいからですよね。
    予言の書がご自分以外の人を選ぶかもしれないし、その人たちがエクティックさんの秘密に気づいてしまっているかもしれないから、物言わぬティーポットにするしかないと。
  • 7日目
    ヘレン・デッケン:エクティックさん、食器やお茶菓子にされた人たちは、もとに戻るのですか?
    エクティック:あたしの魔術はあと三日しかもたない。つまりハロウィンの夜までよ。
    『神託の書』が現れたら、それこそこんなバカどもに力を無駄に使いたくないわ。
    エクティック:けど、あの迷宮はおかしい。あたしの力だけじゃなくて、魔術師ではない別の何かの力も感じる。
    あたしの魔術は迷宮に迷い込んだ者を食器に変えているけれど、もう一つの力は茶菓子に変えているみたいなの。
    エクティック:もしその茶菓子を誰かが口にしたら……その者は罪を犯したということにも気づかず、罪を背負うことになるわね。
    ふん、こんな悪趣味なことをするなんて、一体どこのどいつなのかしら。
    エクティック:今後迷宮に入る時は気をつけるように。あたしは道を覚えているけれど、救い出してやるのは面倒だもの。
    中に迷い込んだら最後、人の姿に戻れなくなるかもしれないわよ。
    ヘレン・デッケン:あっ、分かりました!
    エクティックさんが毎日迷宮に入って食器やお茶菓子を運び出していたのは、モノになってしまった人を救うためなんですね。
    エクティック:人を救う?ふふん、そんなつまらないことをするわけないじゃない。
    あたしは、自分のディナーパーティーを楽しくしたいだけよ。
    ヘレン・デッケン:ディナーパーティー用のものはもう十分にそろってるのに?
    エクティック:まったく、本当におしゃべりなんだから。
    エクティック:では、お先に失礼します。もう休んで結構です。
    明日は必ずここに戻り、舞踏会に出てください。

城の守護者-断罪

  • 1日目
    斷罪:ヘレン・デッケンさん、この庭園の飾り付けをお願いします。
    客を招く屋外ディナーパーティー会場として相応しい場所にしてください。
    ヘレン・デッケン:お任せください。簡単なことです。
    斷罪:もちろん、これはカモフラージュにすぎません。
    本当の目的は、飾り付けをしながら怪しい者がいないか監視し、見つけ次第私に報告していただくこと。
    斷罪:舞踏会の参加者然としたゲストも、この石鐘の城の従者も、みな『神託の書』のことを考えています。
    ヘレン・デッケン:確かに町では挙動も外見も怪しい人が急に増えましたね。
    ヘレン・デッケン:ハロウィン舞踏会の夜、鐘の音が12回鳴る時刻に、「夕暮れの星」を選出し、
    その人に『神託の書』を授与するーー伯爵はこう宣言していたと思うのですが……
    ヘレン・デッケン:選出の具体的な条件が謎なので、いろんな憶測が飛び交っています。
    ハロウィンの衣装が誰よりも個性的なら選ばれるとか、立ち振る舞いとダンスが誰よりも美しければ選ばれるとか、予言の書が自ら主人を選ぶんだとか……
    斷罪:ええ。私とあなただって『神託の書』を授与される可能性はあります。
    ですがお互い舞踏会には出ません。我々の目下の主要任務は、伯爵を見つけ出すことです。
  • 2日目
    斷罪:伯爵のお言葉を覚えていますか?
    「『神託の書』は大丈夫だ。誰にも発見される心配はない。ハロウィン舞踏会の夜に自ら現れる」と。
    ヘレン・デッケン:ですが、舞踏会の責任者のエクティックさんによると、伯爵はご病気だそうです。
    ずっとお見舞いもさせてもらえませんし、心配ですね。
    斷罪:よかったらデッケンさん、この片づけが済み次第、もう一度伯爵の状況を聞きに行ってくれませんか。
    客の行動の監視と記録は、私に任せてください。
    斷罪:あなたは伯爵のお抱え医師です。伯爵の健康と安全に万全を期さなければ。
    ヘレン・デッケン:はい、できるだけのことはしましょう。
  • 3日目
    斷罪:今回の舞踏会の参加者は、町の人間だけではありません。人間以外の種族もたくさんまぎれ込んでいます。
    デッケンさん、もし怪しい者がいたら、一人でどうにかしようとせずに、必ず私に知らせてください。
    斷罪:魔術師や血族、狼男、魔族などの人間以外の種族は、何世紀にもわたり人間に紛れ、身を隠し、人間と変わらぬ生活をしてきました。
    斷罪:ですが『神託の書』が現れる時、やつらも必ず姿を現してくるでしょう。石鐘の城が戦場と化さなければいいのですが。
    ヘレン・デッケン:伯爵もそのことはよくご存知だったはずです。
    それなのにどうして、『神託の書』を手に入れたことを公表なさったのでしょう?
    斷罪:それは私も不思議に思っていました。ただ、伯爵なりの考えがあるに違いありません。
    きっと何か理由があるのです。
  • 4日目
    ヘレン・デッケン:断罪さん、伯爵はどうやって『神託の書』を手に入れたのですか?
    斷罪:蔵書室です。なにも、『神託の書』はずっと蔵書室にあったとか。
    ヘレン・デッケン:えっ?でもあの蔵書室は、伯爵が町のみんなに開放していたのでは。
    老若男女や貴賤上下を問わず、誰でも本が借りれるように。
    斷罪:ええ。
    ヘレン・デッケン:ということは、予言の書は誰の手に渡ってもおかしくなかった、常にみんなの手に届くところにあったのですね?
  • 5日目
    斷罪:知らせを受けました。石鐘の城から外に出られる唯一の道に、突然巨大な迷宮が出現したそうです。
    どうやら、舞踏会の攪乱を企む者が姿を現したようですね。
    斷罪:私は迷宮に行って、誰の仕業か確かめてきます。舞踏会のことはあなたとエクティックにお任せします。
    ヘレン・デッケン:断罪さん、どうかお気をつけて。
  • 6日目
    ヘレン・デッケン:断罪さん、お戻りになりましたか!城の外で一体何が?
    斷罪:何者かが、城に入ろうとする人たちと城から逃げる人たちを阻止していました。
    迷宮内で二つの力を感じたので、単独犯の仕業ではないようですね。一つは馴染みのある気配でしたし。
    ヘレン・デッケン:断罪さん、なんだか……興奮なさっているような?
    斷罪:犯人はすぐ近くにいる。石鐘の城の常連客か、ずっと城に住んでいる者だ。
    この手で容疑者を懲らしめられると思うと血が騒ぐな。
    そいつが本当の犯人であろうとなかろうと構わない。本当に潔白なら、そもそも容疑などかからないはずだ。
    斷罪:そう、これも伯爵を思えばこそ。
  • 7日目
    斷罪:ここの茶菓子を誰かから振舞われませんでしたか?
    ヘレン・デッケン:えっ?いいえ、なぜそのようなご質問を?
    斷罪:城の厨房のパンと水以外、この先数日はディナーパーティーの食べ物を口にしないでください。
    特に屋上ディナーパーティーのケーキ、赤ワイン、紅茶は。
    斷罪:それらはおそらく生きています。私には鼓動が聞こえますから。
    ヘレン・デッケン:えっ!?誰が何のためにそんなことを?
    斷罪:全員に罪を犯させることが、何かを達成するための条件なのかもしれませんね。
    ダンスホールの中央の絨毯を見ましたか?私にはあの模様が五芒星に見えました。
    聖職者や悪魔たちにとっては、きっと馴染み深いものでしょう。
    ヘレン・デッケン:すみません、断罪さん。私にはさっぱり……
    斷罪:とにかく、いいですか。私が城にいない間は、あなたに近づこうとする人をすべて避けるのです。
    彼らのうわべに騙されないでください。
    斷罪:可憐に見える「人」も、その人格の奥深くに潜む悪魔が眠っているだけです。
    紳士然とした「人」も、その手に持ったかわいいおもちゃで血の渇きを癒しているのかもしれません。
    斷罪:では、お先に失礼します。もう休んで結構です。
    明日は必ずここに戻り、舞踏会に出てください。


本編

第一章-散策 歓談 混血の男爵

※舞踏会準備中のクインランルートのストーリーと設定が前提になっている

  • クインラン
    • 10月29日 庭園
      ヘレン・デッケン:聞こえた?今の鐘の音、7回だった。
      クインラン:はいはい、今度は何だよ?どんな都市伝説を思い出したんだ?
      ヘレン・デッケン:『夕刊ナッハツェラー』で読んだことがあるんだ。石鐘の城の伝説をーー
      ヘレン・デッケン:たしか、古城に來た客が長居すると、夜の鐘が7回鳴る時刻に嗅覚を失い、
      8回鳴る時刻に味覚を失い、9時に聴覚、10時に視覚、11時に觸覚を失い……
      ヘレン・デッケン:0時の鐘が鳴ると、客は古城のモノと化してしまい、次に來る客たちに振る舞われるそうだよ。
      クインラン:ふうん、『ナッハツェラー』か。あのいいかげんな新聞紙だろう。
      嗅覚を失う、ねぇ……この通り、夜の鐘は7回鳴った。月光に混じっている香りでも1つずつ列挙してやろうか?
      ヘレン・デッケン:月光に香りが?
      クインラン:もちろん。目を閉じてみればわかる。
      どれどれ……柑橘類、ゲッケイジュ、セイヨウキヅタ、露、コケ、土、ダマスクローズ、クリーム、ピーマン、砂糖……
      ヘレン・デッケン:またからかってるんでしょ。月光にそんなに香りがあるわけないよ。
      クインラン:いや、実は君の血から漂ってくる香りなんだ。
      ヘレン・デッケン:あはは、何を言い出すかと思えば。でも、おもしろいウソだね。美味しい料理にでもなった気分だ。
      クインラン:ただ、一番気になるのは、やっぱり生のカボチャの匂いだな。
      さっきからしつこく纏わりついてる。さっさとその匂いを落とさないと、君を置いてくぞ。
      ヘレン・デッケン:はいはい、どうせカボチャ臭いですよーだ!すぐそんなことを言って。
    • 10月30日 庭園
      クインラン:そろそろ舞踏會が始まるな。僕たちも行こうか、甘~い匂いをまとったお醫者様?
      ヘレン・デッケン:待って。ちょっと聞きたいことが。
      クインラン:「他の淑女たちにダンスを申し込むのか」って?もちろんさ。
      ヘレン・デッケン:クインラン、真面目な話なんだ。君はひょっとして……血族なのか?
      クインラン:そうだよ。
      ヘレン・デッケン:えっ?あ、えっと……こんなにあっさり答えてくれると思わなかったな。
      クインラン:真剣に聞かれたのに、ごまかしたりしたら失禮だろう。
      それに僕と君の仲だ、隠すようなことでもない。違うか、魔術師様。
      ヘレン・デッケン:そ、そこまでバレてたのか。そういえば、エクティックさんもそうほのめかしていたっけ。
      まさか、実はみんな気づいているとか?
      クインラン:みんな?そんなことはない。でもこの城にいる人間以外の者たちは誰もか君の正體に気づいているだろう。
      君は魔術師としての力が覚醒したばかりだから、自分の気配をうまく消せていたいんだよ。
      クインラン:だから言っただろう。大人しく僕の後ろについてろ、うろちょろするなって。
      ここに來てるやつらの半分は『神託の書』、もう半分は他の一族の力を狙ってる。
      もちろん僕は違うよ。僕ははたからそれを見て楽しんでるだけだ。
      ヘレン・デッケン:でも、血族だったら、どうして太陽の下でのアフタヌーンティーに付き合ってくれたの?
      クインラン:なんだ、僕に話し相手になって欲しかったんじゃないの?僕の勘違いだった?
      ヘレン・デッケン:いやそんな!じゃなくて、えっと、私が聞いてるのは……
      クインラン:はははっ、血族が日光を恐れるってのは全部作り話さ。君のように普通の世界で育った者たちはそれに騙されている。
      まあ僕は純潔種じゃないからか、日に當たると気分は悪くなるけど、それでも一瞬で消滅するなんてことはない。
      ヘレン・デッケン:いろんな種族が揃ったのに、伯爵が姿を現さないなんて。
      やっぱりこの城では何か起こっているんだね?
      クインラン:ダンスの曲には時に変奏が加えられるものだ。駆け出し魔術師様は餘計な手出しをしないほうがいい。
      問題はどの道か解決される。今大切なのは、舞踏會を心ゆくまで楽しむことだ。
      クインラン:そういえば最近、あの「月佑」とやけに親しくしてるみたいだな。
      気をつけろ。彼女は君が思ってるほど単純じゃない。
      ヘレン・デッケン:気をつけろ、気をつけろって、そればっかりだ……
      クインラン:まあ、心配性ってことにしてよ。あまりやつらに近づいてほしくないんだ。
      鐘が鳴ったね、入場しよう。ところで、美しき魔術師様、最初のダンスをご一緒していただいても?
    • 10月31日 庭園(1)
      クインラン:やっと目が覚めたか。
      ヘレン・デッケン:何があったの?昨夜0時の鐘が鳴ったときに、みんな動きを止めて辺りを見回して、
      『神託の書』の出現を待ち構えていたところまでは覚えてるんだけど、急に眠気に襲われて……その後は?
      クインラン:ふーん、これが月佑の言っていた強大な力を持つ魔術師様ね。
      持ちこたえられた時間は普通の人間よりも短かったみたいだけど?ほら、これを飲め。
      君のために温めておいたんだ。どう?少しは楽になったろう?
      ヘレン・デッケン:たまには「寝込む」のも悪くないね。我らが血族様にこんなに優しくしていただけるんだから。
      クインラン:そんな魔術師様は、どうやら優しさに弱いようだ。
      もっと優しくされたら、誘拐犯にだって喜んでついていくんじゃないか?
      クインラン:ホールに行ってみよう。伯爵が戻ってきたんだ。
      でも、この結末は伯爵が望んでいたものではなかったようでね。これからどうするのか見物だな。
    • 10月31日 庭園(2)
      ヘレン・デッケン:クインラン、聞こえた?
      クインラン:ん?
      ヘレン・デッケン:お城の鐘の音がおかしい。どうしてずっと鳴ってるんだろう?
      あっ、そうじゃない、間隔が違うんだ。9回、8回、7回……
      ヘレン・デッケン:城の音が……逆戻りしてる?
      伯爵:そろそろだな。
  • 血の剣
    • 10月29日 庭園
      血の剣:デッケン医師でいらっしゃいますね。かくも素晴らしき月夜にお会いでき、誠に光栄です、先生。
      ヘレン・デッケン:はじめまして。確かに、今夜はお城の庭園に降り注ぐ月光が美しいですね。失禮ですがお名前は?
      血の剣:仮面舞踏會ではほとんどの人たちが仮名で呼び合います。仮装した姿に合わせて、ね。
      ですから私のことは「血の剣」とお呼びください。
      ヘレン・デッケン:血の剣さん、どうぞよろしく。血の剣さんも、ここの赤ワインがお好きなようでーー
      クインラン:これはこれは、誰かと思えば。ふん、珍しい客もいたものだな。
      クインラン:デッケン、こっちだ。
      ヘレン・デッケン:クインラン?
      血の剣:ふふ、お久しぶりですね。今は「クインラン」と名乗っているのですか?
      クインラン:ここに何の用だ?お目當てのものは、この前の古城で手に入れたはずじゃないか。
      警告しただろう、二度と僕の前に姿を見せるなと。
      血の剣:警告?クインラン、言葉使いには気をつけてください。あなたは私にそんなことを言える立場でしたか?
      血の剣:それに、いいですか。私がこの石鐘の城に來たのはあなたと昔話をするためではありません。
      目當ての人物は他にいます。
      クインラン:あいつか。あいつなら、お前のことなどとっくに忘れている。
      血の剣:ほう?やはり知っていましたか。どうやら、私たちの目的は同じだったようですね。
      あなたの方が一足早かったわけですが。
      クインラン:同じだと?冗談じゃない。僕はここで起こったことには、一切関與したくないな。
      ヘレン・デッケン:この城で何かあったの?
      クインラン:大したことじゃない。心配無用だ。ほら、あっちを見てみろ、あそこのテーブルにケーキが山ほど置いてあるだろ?
      先に味見しといてくれ。僕もあとでいく。
      ヘレン・デッケン:……
      血の剣:ふふっ、人払いの必要はありません。あなたと二人きりになるのもごめんです。とくに話すこともありませんし。
      それでは、私はダンスホールに行きます。デッケン先生、失禮いたします。
      血の剣:そうだ。最後に先生にもう一言申し上げておかなければーー
      血の剣:先ほど、先生が赤ワインが好きなのではと言いかけたところで、この無禮者が邪魔に入りましたね。
      実は私が飲んでいるのは、色は似ていますが、赤ワインではないのです。
    • 10月30日 ダンスホール
      血の剣:デッケン先生、また會いましたね。
      ヘレン・デッケン:血の剣さん、こんばんは。
      クインラン:お前に用があるのは僕だ。
      血の剣:なんだ、がっかりです。
      クインラン:それはこっちの臺詞だ。
      血の剣:「曲」がそろそろ最後のパートに入る。
      クインラン:お前の目的は何だ?魔典では満足できないのか?
      伯爵に戻ってもらうことが目的だなんて言うなよ。それで騙せるのは伯爵のあの忠実な召使いだけだ。
      別にお前のことを心配しているわけじゃない。お前のせいで僕の身近な人に危険が及ばないか知りたいだけだ。
      血の剣:ふふっ、心配などしてくれるわけがないことは分かっていますよ。
      ですが、どうしたんです?もうデッケン先生に外していただく必要はなくなったのですか?
      血の剣:実は、少し恐れている事柄がありましてね。血族の記憶を消す方法を伯爵から聞き出したいのです。
      しかし、伯爵以外の者にその方法が渡ってしまうと危険でしょう。
      クインラン:だろうな。もし僕の手に渡ったら、お前の記憶を全部消したうえで教會にぶち込むからね。
      それはそうと、魔典の力を手に入れた初代血族の口から、「恐れている」という言葉が聞こえたんだけど、気のせいか?
      血の剣:好きに解釈して構いませんよ。私はある聖職者を恐れています。
      なぜなら、その者が私の心の獣を呼び覚ますからです。
      クインラン:お前ほどの力がありながら、たったひとりの聖職者も始末できないのか?
      それに、それと記憶を消すことに何の関係がある?
      血の剣:長く生きているわりに、相変わらず子どもですね。まあ、あなたもそのうち分かりますよ。
    • 10月31日 ダンスホール
      血の剣:結局、伯爵自身も血族の記憶を消す方法を知らなかった。私にはもう一縷の望みしか殘っていない……
      はあ、これからどうしましょう?彼を避け続けるしかないのでしょうか?
      血の剣:まあ、悩んでいても仕方ないですね。では、お別れの前に、デッケン先生と一緒に踴りたいのですが、よろしいですか?
      以前お誘いした際には嫌なヤツに邪魔されてしまいましたから。
      クインラン:ヘレンにそんなヒマはない。用が済んだならとっととうせろ。目障りだ。
      血の剣:もう一度言っておきますが、言葉使いには気をつけてください、クインラン。
      何と言っても私は名義上あなたの「叔父」なのですから。あなたが隠そうとしいても、です。
      ヘレン・デッケン:「叔父」?
      クインラン:自分の兄弟姉妹を殺した張本人を「叔父」と呼べるならね。
      クインラン:行こう。
  • エクティック
    • 10月29日 庭園
      エクティック:あら、デッケンじゃない。クインランさんと庭園を歩いてきたの?
      ヘレン・デッケン:はい。でもエクティックさん、どうしてそれを?
      エクティック:城の中にいるこの子たちは皆あたしの「目」なの。誰かがこの子たちの前を通ると、あたしはすぐに分かるってわけ。
      ヘレン・デッケン:えっ?「この子たち」って……カボチャのことですか?
      エクティック:うふふ、冗談よ。カボチャにものが見えるわけないでしょう。
      そもそも生きてもいないし。それで、あたしに何の用ですか?
      ヘレン・デッケン:伯爵様のことでちょっと。
      伯爵様が數日前に體調を崩されて、急遽舞踏會のホスト役をあなたに託したと聞きました。
      伯爵様の具合はいかがですか?伯爵様は今回、なぜ私をお呼びにならなかったのでしょう?
      これまではいつも私が看病していたのですが。
      エクティック:あなたたちは舞踏會のことだけ考えてなさい。二日後にダンスと衣奘を総合的に評価して、最も優秀なダンサーを決めるの。
      その人に、伯爵が直々に『神託の書』を授與するわ。
      ヘレン・デッケン:『神託の書』ってどんな本なんですか?本當に予言の力があるんですか?
      それほど重要なものを、伯爵様はどうして賞品に?もしも悪い人の手に割ったら、大変ではないんですか?
      エクティック:もう、そんなにいろいろ聞かないでよ。パッと答えられるような質問じゃないわ。
      じっくりお話を聞かせてあげる時間はないの。
      ヘレン・デッケン:でも……
      エクティック:ただ、1つ忠告としといてあげる。行動を共にしてるあの男に気をつけなさい。
      ただの「人間」じゃないわ。
      ヘレン・デッケン:それって……クインランのことでしょうか?
      エクティック:あの男は正體を隠している。あなたが自分の正體を隠しているのと同じように、ね。
      ヘレン・デッケン:あはは、エクティックさん、私には隠すほどの正體なんてありませんよ。
      エクティック:バカね、あたしたちは同族でしょ。無意識に出てるオーラで分かるわよ。
    • 10月30日 ダンスホール
      ヘレン・デッケン:エクティックさん、伯爵はーー
      エクティック:今夜、舞踏會の星が誕生し、月光の下に『神託の書』が現れます。
      親愛なる友人の皆さん、さあ、踴り狂いましょう、笑い狂いましょう。『神託の書』に選ばれるのはあなたかもしれませんよ。
      ヘレン・デッケン:エクティックさん、城の中の様子がどうもおかしいんです。
      昨日よりもお客さんが目に見えて減っていますし、眉や鼻筋の刻まれたティーカップ、ナイフ、フォーク、それにケーキまで現れて……
      しかも息をしていたんですよ!
      ヘレン・デッケン:私の思い過ごしかもしれませんが、もし伯爵と連絡が取れるなら、お伝えしていただいたほうがいいのでは。
      エクティック:デッケン、いいから、今すぐ舞踏會に戻りなさい。ほら、石鐘が11時を告げたでしょう。
      もうすぐ『神託の書』が現れるわ。その神聖なる瞬間をみんなで迎えるのよ。
      ヘレン・デッケン:でもーー
      エクティック:もう!いいから、戻りなさい。
      クインラン:おやおや、エクティックさん、何を怒ってるんだ?赤ワインが口に合わないのかな?それとも食べ物に不満なのか?
      おかげで思い出したよ、この城の本當の主が伯爵だってことを。だからもちろん、すべては伯爵の好みに合わせてある。
      クインラン:伯爵が戻ってきたら、君の不満をかわりに伝えてあげようか。僕が言えば、伯爵はきっと聞き入れてくれるはずだ。
      エクティック:そうね、感謝するわ。伯爵が舞踏會に間に合ったらだけど。
    • 10月31日 庭園
      エクティック:くっ、どうして?月佑は魔族に命を救われて以來、魔術師ではなくなったはず。
      あの體には魔族の汚れた血が流れているのに、どうして魔術師の力であたしの魔法を解けたの。
      エクティック:いや、違う。あれ以降、月佑から魔術師の力は一切感じなかった。
      一度だけ使えるようにしたってこと?だとすると、獻祭かしら?
      エクティック:牧場に災いが起こり、牛や羊が死ぬ……そうだったのね!仮面舞踏會は、やはりすべて見せかけだったのよ!
      斷罪:やはり犯人はお前だったか、エクティック。まさか黒幕が堂々とスポットライトを浴びていたとは!
      蝋人形にされる前に、まずは恐怖と後悔がどんなものかを味わうがいい。
      エクティック:もう來たの。くっ!魔術師や血族に邪魔されようが、こっちに仲間さえいれば今頃とっくに『神託の書』を手に入れたのに。
      もう一度やり直せたら……
  • 断罪
    • 10月29日 ダンスホール
      斷罪:しっ、黙れ。聞きたくない。どいつもこいつもウソをついている。
      斷罪:伯爵が私に何も告げずに閉じこもるわけがない。ましてや、この石鐘の城をよそ者に任せるなど。
      城中を探しても見つからないとは、伯爵は一體どこに隠れてしまわれたのだ。
      斷罪:もしや、何かあったのでは。伯爵とこの城に害なそうとするやつらは、絶対に許さない!
      斷罪:私なりのやり方で真相を突き止めてやる。伯爵が見つかるまで、誰もこの城から逃さないさ。
      そういえば、怪しいやつらが迷宮に逃げ込んでいたな。
      斷罪:特殊な方法を使って、やつらの口を割らせなければ。
    • 10月30日 庭園
      斷罪:全員がこの石鐘の城に閉じ込められた。呪いの核となっているのは異変が生じた迷宮だ。
      昨夜0時から、城に新たな客は來ていない。伯爵を探すよう部下を送り出したが、一人も戻ってきてないな。
      斷罪:月夜の下に出現した迷宮を通らなければ、この城の外に出ることはできない。
      迷宮から魔術師の悪臭がする。犯人は迷宮の奥で機をうかがっているのか、それとも……
      誰も動く気がないようなら、私が行こう。
      迷宮の奥で機をうかがっているのか、それとも……誰も動く気がないようなら、私が行こう。
      斷罪:12回目の鐘の音が鳴ると、モノと化した者たちは、永遠に意識と魂を失ってしまう。
      斷罪:彼らと伯爵を救うために、挙動が怪しいやつらを片づけなければ。
      犯人はきっとやつらのうちの誰かだ。全員が共犯というのも考えられるが。とにかく、1人たりとも逃すわけにはいかない。
    • 10月31日 ダンスホール
      斷罪:伯爵様、あなたが城の中でずっと苦しんでおられたのに、私としたことが一向に気づきませんでした。
      あの女はきっと私にも魔術をかけていたのです……
      斷罪:どんな罰でも甘んじてお受けいたします。あの裏切り者を捕まえ、処刑した後に。
  • 月佑
    • 10月29日 ダンスホール
      月佑:はじめまして。「月佑」とお呼びください。北方の者で、旅をしています。
      ここを通りかかった時に、城の主が「ハロウィン仮面舞踏會」の參加者を募っていると聞き、様子を伺いに参りました。
      このような鳥の羽を知りませんか?青紫色に光っていて、火にも水にも強い羽です。
      ヘレン・デッケン:ごめんなさい、見覚えがないですね。そういうものなら、普通の羽ではありませんよね。
      何か魔法でもかけたのでしょうか?私は詳しくないので、あそこの魔女の格好をした女性に聞いてみてはいかがでしょうか?
      月佑:あの人ですか?やめておきます。かつては同族だったかもしれませんが、今あの人から感じるのは私と正反対の気配です。
      それに、今のこの姿では、同族に合わせる顔もありませんし……
      月佑:他の人に聞いてみます。そうだ、もし伯爵を見かけたら、教えていてだけますか?
      伯爵にお願いしたいことがあるんです。伯爵ならこの羽のことを何かご存じかもしれません。
      月佑:それから、カボチャにご用心を。前を通り過ぎるときは、カボチャの目の中の明かりを消すようにしてください。
    • 10月30日 ダンスホール
      月佑:伯爵を見ましたか?やはり見つけられませんでしたか。
      おかしいですね……この城には伯爵の気配がしません。普通気配が消えるのは死者だけなのですが。
      月佑:誰かが黒魔術で伯爵を隠してしまったのでしょうか。
      おそらく、その魔術師の目的はただひとつーー『神託の書』を手に入れることです。
      月佑:まずい、伯爵にもしものことがあったなら。まだ答えを手に入れてないのに。彼女を止めなければ!
      月佑:デッケン先生、分かりますよ、先生も私の同族ですよね。
      覚醒して間もないようですが、先生のお力はご自分で思っているよりもはるかに強大です。
      お力添えいただけませんか?
      ヘレン・デッケン:ごめんなさい、月佑さん、何のことだかさっぱりです。
      それに、私には特別な力なんてありません。伯爵の行方について聞き込みを続けることならできますが、それ以上は恐らく何も。
    • 10月31日 ダンスホール
      月佑:『神託の書』は手に入れました。ですが、求めていた答えはまだ見つかりません。
      私が開いても、この本には何の文字も浮かび上がりませんでした。
      私は不可能なことに執著していると伯爵に言われましたが、探し続ければ必ずいつか辿り箸ると、そう強く信じております。
      ここを発つ前に、あなたに謝らなければなりませんーーごめんなさい、ヘレン・デッケン先生。
      私、あなたを騙していたんです。
      月佑:私は遥か前から、魔術師ではなくなっていました。
      あなたに協力を求めたのは、実のところ、あなたの純粋なる魔術師の力を吸収したかったからなのです。
      魔術師の力がなければ、魔術師の呪いを解き、伯爵を解放し、『神託の書』を見つけることはできなかったものですから。
      ヘレン・デッケン:でも、私たちはもう大丈夫なんですよね。
      教えてくれませんか、月佑さん。一體何を探しているんです?
      月佑:とある友人の行方を探しています。私はその人を傷つけてしまったんです。
      月佑:もしまたお會いする機會がありましたら、その友人についてお話ししましょう。
  • 伯爵
    • 10月31日 ダンスホール
      伯爵:デッケン先生、ご心配をおかけしました。ご覧のとおり、私は大丈夫です。
      ただ、お見苦しい姿を見せてしまいましたね。お恥ずかしい。
      ヘレン・デッケン:かすり傷程度でよかったです。伯爵様がご無事で安心いたしました。
      結局のところ、すべては人々の『神託の書』への欲望が生んだものです。
      事件は解決しましたが、第二の「エクティック」が出てくるのではないかと心配です。
      ヘレン・デッケン:十分な力がなければ、『神託の書』も自分の身も守れません。
      『神託の書』を持つ者は、暗がりに潜む獣に狙われているごちそうのようなものです。
      ヘレン・デッケン:それなのに、伯爵様はどうしてあのような宣言を?
      舞踏會の参加者全員に『神託の書』を得る機會を公平に與えるなだなんて……いささか……
      伯爵:いささか思慮が足りませんでしたか?
      ヘレン・デッケン:ご無禮をお許しください。
      伯爵:ご存じですか?デッケン先生。私が手に入れるまで、『神託の書』がどこにあったのかを。
      伯爵:行方知れずになっていたのです。
      『神託の書』はまるで命があり、自分の存在が爭いを招くことを知っているかのように、この世から姿をくらましました。
      伯爵:8日前、『神託の書』はひっそりと姿を現しました。皆にも開放している私の蔵書室にです。
      伯爵:覚えていますか?あなたが8日前に私の蔵書室から借りて返したあの古い本を。
      伯爵:あれが『神託の書』です。


第二章-仮装 舞踏会 黒の魔女

※舞踏会準備中のエクティックルートのストーリーと設定が前提になっている

  • エクティック
    • 10月29日 庭園
      エクティック:ねぇ、ヘレン・デッケン。デッケン、ねぇったら。何をぼうっとしてるの?
      ヘレン・デッケン:あっ、すみません、エクティックさん。
      さっき、城の鐘が鳴ったとき、なぜだか心と体がタイムスリップしたかのように、見覚えのない人や景色がたくさん目に浮かんだんです……
      エクティック:何バカなこと言ってるの。タイムスリップなんて高度な魔術はとっくに途絶えてるのよ。
      妄想に浸っているヒマがあるなら、あの白の魔女を見張っててくれる?あと、あの血族どもも。
      ヘレン・デッケン:白の魔女って、月佑さんのことですか?それに、血族って?
      エクティック:ああ、すっかり忘れてたわ。
      あたしのおバカな教え子は魔術師の血が覚醒したばかりで、まだ人間以外の種族の気配を見分けることができないんだったわね。
      ヘレン・デッケン:血族といえば、真っ赤な目をしていて、髪が白っぽく、肌がひび割れているのが特徴ですよね。
      でもハロウィン舞踏会では大勢の人が血族に仮装していますから……
      エクティック:バカね。このあたしが黒の魔女の格好で正体を隠せてるんだから、血族のやつらだって同じよ。
      まあいいわ。ずばり教えてあげる。クインランと血の剣と断罪よ。三人とも血族だから、見張っててほしいの。
      ヘレン・デッケン:えっ?断罪さんもですか?断罪さんはずっと伯爵に付き従っていたのに……あっ、まさか伯爵も血族なんじゃ!?
      エクティック:あなた、どうしようもないわね……
      エクティック:伯爵のお抱え医師だったのに、そんなことも気づかなかったの?
      そうよ、血族よ。あいつのような身分の血族で、長い時を生きてきた老いぼれは、人間らしく装うコツをとっくにマスターしてるの。
    • 10月30日 庭園
      ヘレン・デッケン:エクティックさん、どうしてそれほど『神託の書』を手に入れることにこだわるのですか?
      こんな危険まで冒して、一体何を知りたいのですか?
      エクティック:昔だったら絶対に教えなかったけど、あなたも魔術師としての力が覚醒し始めてるし、少しは知っておくべきかしらね。
      エクティック:その昔、あたしたち魔術師の祖先は強大な自然の力を司っていたの。
      とくに最初期の魔術師たちは意のままに風雨を操れたし、昨日言ったタイムスリップの術だって使えたのよ。
      エクティック:でもいつからか、その力は大きく弱まってしまった。
      ほとんどの魔術師は自然の力を召喚できなくなり、炎を出して薪に火をつけるほどの自然の力すら使えなくなった。
      エクティック:魔術がどんどん失われていく中、魔術師の一族を存続させ、
      異族の侵入を防ぐために、一部の魔術師が闇の力に頼り始めたの。つまり、のちの黒魔術ね。
      エクティック:でも黒魔術は卑怯で、残虐だった。自分も他人も傷つける。
      それにすぐに制御不能に陥るから、結局使用が禁止されたわ。
      エクティック:あの偽善者たちは、黒魔術のおかげで生きながらえていた時は黒魔術の力に感謝していたくせに、
      平和な時代になると今度は黒魔術の力を恐れ、完全に取り除こうとしたのよ。
      ヘレン・デッケン:では、『神託の書』にもっと高度な魔術を教えてもらうつもりなのですか?
      エクティック:いいえ。あたしは『神託の書』に、魔術師の力が弱まった原因を尋ねたいだけ
    • 10月31日 庭園
      エクティック:『神託の書』は手に入ったわ。さっさと逃げるのよ!
      予言の書が現れた時の力で、伯爵の気配を覆い隠していた私の魔術が乱れたの。
      やつらに伯爵を発見されてしまったわ。
      エクティック:とりあえず北方の極寒の森に身を隠そうと思ってる。
      あそこにいる知り合いに助けてもらえば、森の中で伯爵の部下たちに見つかることはない。
      エクティック:ただ、あなたはあたしと一緒に逃げなくても大丈夫よ。
      すべてはあたしがやったことだもの。あなたは私の邪魔をしかねない奴をこっそり見張ってくれていただけだから、
      そのことをやつらに気づかれなければ、ここで「デッケン先生」を続けられるわ。
  • 月佑者
    • 10月29日 庭園
      エクティック:汚れた血の混じった「純白の魔女」なんて、実に皮肉ね。
      伯爵に招待されてもいないのに、何しに来たの?
      月佑:黒魔術を一心に研究している「夕暮れの魔女」、エクティック。
      それはこちらのセリフよ。伯爵はどうしてあなたを舞踏会の責任者にしたの?
      あなたも私も、種族からのけ者にされている身。魔術師でさえ受け入れてくれないのに。
      エクティック:可哀想な振りなんかしないで。あなたなんかと一緒にされたくないわ。のけ者にされているのは月佑、あなただけよ。
      人間以外の種族で魔術師が一番人間に似ているのは、普通の人間と同じように老いもするし、死にもするからでしょう。
      エクティック:なのにあなたは、いったいどれだけ生きてきた?
      死神サウィンが封印されてから、もう数世紀が経つわ。月佑、胸に手を当てて、あなたの命を支えてきたその心臓に訊ねてみなさい。
      エクティック:どう?今のあなたは魔女、それとも血族?魔女の力と知識はあるけど、魔族の血が流れてるものね。
      エクティック:もっとも忌み嫌われるのは黒魔術じゃない。あなたたちのような混血の存在よ。
    • 10月30日 ダンスホール
      月佑:デッケン先生、あのう……あれっ?
      ヘレン・デッケン:どうかなさいましたか?伯爵様をお探しでしょうか。
      私も探しているのですが、一向に見つかりません。
      月佑:違うんです。このような青紫色の鳥の羽を見かけなかったか聞こうと思ったのですが、
      いざ尋ねようとした瞬間、なんだか前にも先生に同じことを聞いたような気がしたもので。初めてお会いしたというのに。
      月佑:それに、なんだか先生にいろいろお話を聞かせたい気もしました。
      うふふっ、変ですよね。酔ったのなら、戻って休んだほうがいいかもしれません。
      デッケン先生、お先に失礼します。
      ヘレン・デッケン:月佑さんーー
      ああ、実は私も同じような錯覚がしたんです。
    • 10月31日 ダンスホール
      月佑:『神託の書』はエクティックに奪い去られてしまった。
      もう少しであの女の計画を阻止して、迷宮内でモノと化してしまった人たちを救うことができたのに。
      月佑:一体誰が私のコップに薬を入れたのかしら?
      エクティックを近づけないようにずっと目を光らせていたから、あの女に薬を入れるチャンスはなかったはず……
  • クインラン
    • 10月29日 ダンスホール
      ヘレン・デッケン:クインランさん、楽しんでおられますか?
      クインラン:ええ。デッケン先生とエクティックさんの行き届いたおもてなしのおかげです。
      おや?デッケン先生、お疲れなのではありませんか?よろしければ今すぐここを抜け出して、僕と一緒にお茶でもいかがです?
      ヘレン・デッケン:私は大丈夫ですよ。お気遣いいただきありがとうございます。
      失礼ですが、以前にどこかでお会いしましたでしょうか?
      クインラン:今年お会いするのが初めてなのは確かですね。僕はしばらく北方を旅していましたから。
      その前なら、伯爵様の別のパーティーの際にお会いしたことがあるかもしれません。
      ヘレン・デッケン:ふふ、そうですか。どういうわけか、クインランさんにはすごく懐かしさを感じるのです。
      まるで長年親しくしてきた友人のように。
      クインラン:僕も先生のような方は大好きですよ。ですから、ためらう必要なんてありません。
      今から友人になりましょう。ヘレン、どうぞよろしく。
      ヘレン・デッケン:こちらこそ、よろしく!
    • 10月30日 ダンスホール
      クインラン:魔術師の衰退?ああ、多少なら知ってるよ。
      別に教えてもいいけど、聞いて楽しい話じゃないぞ。
      クインラン:魔術師には寿命があるだろ。しかも、自然の力を借りてる分、大いに命をすり減らしてる。
      だから、人間より短命なことも少なくない。
      クインラン:そこで一部の魔術師が、一族の力が途絶えることのないよう、そうした力を備えた魔術師を、
      永久的に保存・使用可能な魔法のアイテムへと無残にも変えてしまったんだ。
      クインラン:たとえば君が言っていたタイムスリップだが、時間と因果を遡る力を持つ偉大な魔術師が、
      油断した隙に時計に変えられてしまったという話を聞いたことがある。
      クインラン:その時計の針を巻き戻せば、戻りたい時間へとタイムスリップができ、人間関係をリセットできるってわけさ。
    • 10月31日 ダンスホール
      クインラン:僕にはどうでもいいことだけど、まあ、あの女に取られてよかったんじゃないかな。
      あの本は持ち主に面倒ばかりもたらし、しわじわ苦しめるから。
      クインラン:それなのに、伯爵はあんまりうれしくなさそうだな。
  • 断罪
    • 10月29日 ダンスホール
      斷罪:素性の知れない者をお抱え医師にするべきではないと口を酸っぱく申し上げたのですが、それでも伯爵様はあなたをお選びになりました。
      これも伯爵様がお決めになったことですから、私は尊重します。ただし、真摯に務めを果たしてくださいね。
      斷罪:伯爵様や石鐘の城の裏切るような真似をしたら、見つけ次第容赦なく手を下します。
    • 10月30日 庭園
      斷罪:石鐘の城には由緒ある石鐘があるんです。
      その鐘が鳴ると、城の外の、山の麓の町でさえ人々の歓声につつまれます。
      斷罪:町の者たちはその鐘の音を縁起のいいものとし、夜の12時に鐘の下で願いごとをすれば、必ず叶うとさえ噂されていました。
      斷罪:ですが、その噂はデタラメだったようです。
      私は昨夜、伯爵様が無事に姿を現すよう石鐘の下で願ったのですが、効き目はありませんでした。
    • 10月31日 ダンスホール
      斷罪:伯爵様、あなたが城の中でずっと苦しんでおられたのに、私としたことが一向に気づきませんでした。
      あの女はきっと私にも魔術をかけていたのです……
      斷罪:どんな罰でも甘んじてお受けいたします。あの裏切り者を捕まえ、処刑した後に。
  • 血の剣
    • 10月29日 ダンスホール
      血の剣:伯爵は本当に病気なのでしょうか?
      この城にいるのは間違いないようですが、伯爵の気配は途切れ途切れにしか感じません。何者かが覆い隠しているようですね。
    • 10月30日 ダンスホール
      血の剣:あの怪しい月下の迷宮ですか?もちろん見ましたよ。
      なにせ私は、遅刻したせいであの迷宮の出現に出くわし、真っ先に迷宮を通り抜けることになった者たちの一人なんですから。
      血の剣:ただ、迷宮にはなじみのある魔術の気配がしました。
      伯爵の気配を覆い隠している魔術と出処は同じです。同一人物の仕業でしょう。
    • 10月31日 庭園
      血の剣:伯爵は見つかりました。ですが、伯爵自身も同族の記憶を消す方法を知りませんでした。
      まあ、私ももしかしたらと思っていただけでしたが……
      血の剣:まさかカギは伯爵ではなく、『魔典』にあったのでしょうか?
  • 伯爵
    • 10月31日 ダンスホール
      伯爵:デッケン先生。
      ヘレン・デッケン:は、伯爵様……ああ、ご無事で何よりです。
      伯爵:『神託の書』は今夜、鐘が12回鳴った後にダンスホールの真ん中に出現します。
      エクティックは具体的な現れ方までは知らなかったはずですが、今夜まで待てば必ず何かしらあることはわかっていたようでした。
      伯爵:しかし、このことは一部の人間にしか明かされていなかった。
      デッケン先生、私を裏切ったのは誰だと思いますか?
      ヘレン・デッケン:申し訳ございません、私にもさっぱり……
      伯爵様、どうか専属医師のお勤めを辞退させてください……私の能力や経験では、石鐘の城の医師はとても務まりません。
      この一年間、大変お世話になりました。感謝いたします。
      伯爵:先生は魔術師の一族に、タイムスリップして因果を変えた者がいたことをご存知ですか?
      ヘレン・デッケン:はい、小耳に挟んだことは。ただし、その力はとうに失われてしまったとも聞きました。
      伯爵:人の命は自ずと限りがありますが、モノと知識は恒久的だ。
      デッケン先生、この懐中時計を受け取ってください。今度はあなたが針を巻き戻す番です。


第三章-真相 鐘の音 伯爵の従者

※舞踏会準備中の断罪ルートのストーリーと設定が前提になっている

  • 断罪
    • 10月29日 庭園
      斷罪:デッケン、知っておいてほしいことがあります。
      『神託の書』は伯爵の蔵書室にずっと置いてあったわけではありません。
      蔵書室の管理員は定期的に蔵書をすべて点検していましたがーー
      斷罪:数年にわたり、管理員が『神託の書』を発見したという報告は一度たりとも上がっていないのです。
      ヘレン・デッケン:では、あの本はーー
      斷罪:『神託の書』はあなたに必要とされて初めて蔵書室に出現したのでしょう。
      なぜなのかは分かりません。『神託の書』があなたを選んだ理由も。ですが、くれぐれも気をつけてください。
      ヘレン・デッケン:しかし私は、あの本の装丁がどんなものかも全然知りませんし、
      最近借りていた本も魔術師や歴史関連のものばかりだったのですよ?
      斷罪:さようですか。では、そういうことにしておきましょう。
      いいですか。狙われたくなければ、『神託の書』を借りたことや見たことを誰にも口外しないことです。
    • 10月30日 庭園
      斷罪:ええ、その通りです。私も伯爵様も血族です。
      伯爵様と私には上下関係があります。伯爵様が私をお創りになったのです。
      ヘレン・デッケン:伯爵様は予言の書にどんな質問をするのでしょう?
      城にやってきた血族たちは何を知りたがっているのですか?
      斷罪:……
      思うに、血族の大多数が知りたがっていることはただ一つーー
      血族が「吸血を通して仲間を増やすこと」ができなくなったのはなぜか、でしょうね。
    • 10月31日 庭園
      斷罪:『神託の書』を大切に持っていてください。
      あなたは伯爵様と予言の書がともに選んだ「夕暮れの星」なのですから。
      もし誰かに狙われるのが心配でしたら、城に留まっていただいても結構です。
  • 血の剣
    • 10月29日 庭園
      斷罪:かねてより隠棲していた大長老がどうして突然、辺境の町に堂々と姿を現したのですか?
      血の剣:消失ということにかけては、あなたの主人である響宴の伯爵に敵う者はいないでしょう。
      私は自身が何者であるかくらいは認識しているつもりですが、数百年ぶりにもう一つの古城に姿を現した伯爵は、
      己の正体すら忘れてしまっている。
      血の剣:そうピリピリしないでください。私がここに来たのは、あなたの主人と昔話をするためです。
      ですがその前にーー断罪、三つの質問に答えなさい。
      斷罪:くっ……
      分かりました。
      血の剣:あなたの主人の記憶はどれくらい回復しましたか?
      斷罪:はっきりと答えることはできません。
      伯爵様は『神託の書』をお読みになって、ようやく私の本名を思い出したのです。
      それまで、伯爵様にとって私はただの人間の研究者にすぎませんでした。
      血の剣:数百年前に魔族の不死鳥が消滅した後、『神託の書』も燃え尽きました。
      今となってどうしてここに現れたのでしょうか。その本がニセモノであるとは思えません。
      二つ目の質問です。あなたの主人はどうやってその本を見つけたのですか?
      斷罪:蔵書室です。伯爵様の蔵書室から、その本を借りた者がいたのです。
      誰もが知っていることですが、伯爵様の蔵書室に『神託の書』はありませんでした。
      ですから、あの本は自ら現れたのです。
      血の剣:いいでしょう。最後の質問です。その本を借りたのは誰ですか?
      斷罪:ヘ……ゴホッ、ヘレン……デッケンです。
      血の剣:ん?いつもあなたの後ろをついて歩いていたあのおチビさんのことですか。
      わかりました。起きなさい、断罪。
      斷罪:ゴホゴホッーー私に何をしたのですか?
      血の剣:大したことではありません。あのおチビさんから目を離さないようにしてくださいね。
      あなたの主人の行動の理由が分かったような気がします。
    • 10月30日 ダンスホール
      血の剣:クインランは血族と違って赤い目でも白い髪でもない?ふふっ、当然ですよ。
      血の剣:クインランは純潔の血族ではなく、魔術師と血族の混血なのですから。
      こうした存在は本来なら魔術師と血族の双方によって抹殺されるものなのですが、
      クインランはそれに屈さず、生き抜いてきました。
      血の剣:今となっては、クインランに手を出せるほどの力など、もはや誰も持っていません。
    • 10月31日 ダンスホール
      血の剣:伯爵は見つかりました。
      ですが、伯爵自身も同族の記憶を消す方法を知りませんでした。
      まあ、私ももしかしたらと思っていただけでしたが……
      血の剣:ん?なぜでしょう。この台詞、なぜか前にも言ったことがあるような?
  • クインラン
    • 10月29日 ダンスホール
      ヘレン・デッケン:クインランさん、こんばんは。ヘレン・デッケンです。
      クインラン:どうも、デッケン先生。何かご用でしょうか?
      ヘレン・デッケン:クインランさん。突然ですが、運命って信じますか?
      私、夢の中で何度もあなたに会っているような気がするんです。
      クインラン:ははははっ!デッケン先生、いくらなんでもストレートすぎますよ!
      ヘレン・デッケン:はは、いや、まあ、そういうことにしておいてください。お会いできてうれしかったです。
    • 10月30日 ダンスホール
      クインラン:『ノインテーター』の記事がどうしてこんなにタイムリーなのか知りたいって?
      ははっ、よく見てみなよ。編集担当は誰なんだ?
    • 10月31日 庭園
      クインラン:所定の者に救い出され、『神託の書』によって選ばれたーー
      これが伯爵の思い描いていた結末なんだろうな。
      クインラン:頑張って強くなれよ、魔術師のデッケンさん。
      そうすれば、いつか君も自分の力ですべてを守れるようになる。
  • エクティック
    • 10月29日 ダンスホール
      エクティック:ヘレン・デッケン?何よ。用がないなら話しかけないで。忙しいんだから。
      ヘレン・デッケン:『神託の書』は生きていると聞きました。
      誰かに盗み去られたとしても、その者に所有されることを『神託の書』自身が望まない場合、
      書は絶対に問いに答えず、予言の力も使わない、と。
    • 10月30日 庭園
      ヘレン・デッケン:エクティックさん、あの噂を知っていますか?
      ヘレン・デッケン:なんでも、古城に来た客が長居すると、夜の鐘が7回鳴る時刻に嗅覚を失い、
      8回鳴る時刻に味覚を失い、9回に聴覚、10回に視覚、11回で触覚を失い……
      ヘレン・デッケン:0時の鐘が鳴ると、客は古城のモノと化してしまい、次に来る客たちに振る舞われるそうです。
      ヘレン・デッケン:もし誰にもそのことに気づいてもらえず、誰にも助けてもらえずにいると、
      モノと化した者たちは二度と人間に戻れなくなってしまうとか。
      ヘレン・デッケン:これは城の呪いのようには思えません。黒魔術の類でしょうか。
      エクティック:あなた、駆け出しの魔術師にしてはサマになってきたじゃない。
    • 10月31日 ダンスホール
      エクティック:全く、まさかこんな結果になるとはね。
      念入りに策を巡らせたのに、力が覚醒したばかりの魔術師ちゃまにしてやられるなんて。
      いいわ、好きにしてちょうだい。
  • 月佑
    • 10月29日 ダンスホール
      ヘレン・デッケン:月佑さん、夕刊にあったあの『狼男、村を襲撃』のニュース、実験の発端はあなたですよね。
      月佑:えっ?どうしてそう思うんですか?
      ヘレン・デッケン:誰から聞いたのかは忘れましたが、今のあなたは半分魔族で半分魔術師の身。
      そのおかげで永遠の命を手にしたけれど、もう二度と魔術を使うことはできなくなりました。
      ヘレン・デッケン:だからこそ、他の魔術師が迷宮と城にかけた魔術を完全に解こうとしたあなたは、
      やむを得ずかつての手段を使ったーー
      月光の下で無数の牛や羊を生贄とし、それと引き換えに一時的な力を手に入れたのです。
      ヘレン・デッケン:数世紀前のあなたと比べたら、今回はずいぶんと冷静でしたね。
      少なくとも、村の人を生贄にはしなかった。あなたの胸で脈を打つその心臓に、そう諭されたのですか?
    • 10月30日 ダンスホール
      月佑:一つお話をお聞かせしましょう。昔々、仲良しの三人組がいました。
      ですが、そのうちの一人の女の子は悪魔にたぶらかされ、自分の信仰に疑問を抱き、他の二人を裏切りました。
      月佑:この裏切りにより、悪魔はいとも簡単に蘇り、容赦なく村を襲いました。
      ですが、幸いにも正義が勝ち、悪魔は再び封印され、女の子は処刑されました。
      月佑:ただ、一生を犠牲にした女の子がこのような最期を迎えたことを、仲良し三人組の男の子の一人が忍びなく思い、
      自分の心臓を与えて女の子を救い、自らはこの世から消えました。
      月佑:友人二人の死を背負うことになったもう一人の男の子は、やがて魔物ハンターとなり、他と変わらぬ人生を送りました。
      月佑:ですが罪を犯した女の子は、その後の長い歳月を永遠に生き続けていたのです。
      彼女の唯一の望みは、かつての友人を探し出し、心臓を返すこと。
    • 10月31日 ダンスホール
      月佑:私は北方の森林で新たな啓示を探すことにします……
      月佑:本当に、予言の書がそう言ったのですか?
      デッケンさん、ありがとうございます!私、すぐに出発します。
  • 伯爵
    • 10月31日 ダンスホール
      伯爵:デッケンさん、お見事でした。
      ヘレン・デッケン:伯爵様、このようなことをお聞きするべきではないのかもしれませんが、
      この9日間、気になって仕方がなかったことが一つございましてーー
      もしかして、伯爵様はわざと捕まり、姿を隠されていたのではありませんか?
      ヘレン・デッケン:黒の魔女を捕まえるため、私と『神託の書』の関係を試すため、あるいは、私と『神託の書』を城内に留めておくために。
      伯爵:ふふっ、9日間?何を言っているんですか、デッケンさん。
      まだ3日しか経っていないではありませんか。
      ヘレン・デッケン:……


その他

  • 月夜の脱出
    ヘレン・デッケン:この門の向こうは迷宮へと続いている。やっぱりどこか様子が変だ……
    ヘレン・デッケン:迷宮に長く留まればお茶菓子やティーセットになり、最悪人の姿に戻れなくなるから気をつけるようにとエクティック先生に言われた。
    でも、見て見ぬふりなんてできない。
    ヘレン・デッケン:ちょっとくらいなら舞踏会から抜け出しても平気だよね?急がないと。
    迷宮に閉じ込められているお客さんたちが危ない!
  • エピローグ
    クインラン:黒魔術でずっと監禁されてたからって、体調不良を理由にホールを出ていったくせに、
    まさか今度は慌てた様子で城の外に現れるなんてね。
    いったいどこに行くつもりなんだ、伯爵?
    クインラン:予言の書とエクティック一族の見送りは澄んだとはいえ、ハロウィンパーティーはまだ終わってないんだ。
    ホストが先に帰るなんて、非紳士的じゃないかな。
    伯爵:クインラン・デッケン……
    クインラン:ああそれ、僕のファミリーネームだったか。自分でも忘れかけてた。
    さすが伯爵、来賓全員の名前をしっかり記憶してるんだな。
    あるいは、急いで町の中心の蔵書室に行ってデッケン一族が残した封印を調べたくなったから、僕のことを思い出したのかな?
    伯爵:やはりすべて覚えていながら、知らぬふりをしていただけか。ヘレン・デッケンのことも。
    クインラン:あんたの持ってる懐中時計は、デッケン家の先祖でタイムスリップの能力があった魔術師を材料に作られたものだ。
    僕にはデッケン家の血が半分流れてるから、そいつで時間を巻き戻しても、完全には記憶が消えなかったのかもね。よく分からないけどさ。
    伯爵:お前はずっと母親をーー裁きを受けたあのデッケン家の魔女を探しているが……
    私の推測が正しければ、お前が私の邪魔をするのは、デッケン家の恨みを晴らすためではないな。
    見たところ、自分が血族であることも認めているようだ。
    クインラン:恨みを晴らす?そんなつまらないことに興味があるわけないだろう。
    僕が知りたいのは、『神託の書』出現の真相に気づいたあんたが、ヘレン・デッケンに何をしようとしているのかだ。
    伯爵:私が?魔術師相手に何ができるというのだ?
    クインラン:まだとぼけるか。僕が何も知らないと思ってるのか?
    クインラン:魔典の力が衰えた今、血族は「吸血を通して仲間を増やす」能力を失い、攻撃力や回復力も大幅に低下している。
    云わば、一族存亡の危機に瀕しているわけだ。
    かつて魔典を守っていた大長老は手をこまねいてなどいられないだろう。
    クインラン:一族が衰退した原因と一族を救う方法は、万霊の起源たる『神託の書』に記されているが、書はずっと行方知れずだった。
    それがどういうわけか、突然あんたの蔵書室に出現した。
    クインラン:そこであんたは、予言の書の出現の引き金になった可能性のある人物をすべて集めることにした。
    とりわけ、あの魔術師たちーーデッケン一族、エクティック一族、そしてとっくに死んでいるはずの月佑者を……
    クインラン:あんたは封印の魔法陣をホールの絨毯の模様に紛れ込ませ、その下に『神託の書』を隠した。
    ダンスや衣装が一番美しい者がっていう噂はあんたのでまかせだ。
    満月の夜に、ホールの封印の魔法陣から『神託の書』を出現させた者こそが「夕暮れの星」……そういう仕組みだったんだろう。
    クインラン:何度も検証した結果、あんたは確信した。
    『神託の書』に文字が一番はっきり浮かび上がるのは、デッケンが手にしたときだと。
    しかも予言が現れた後も、書は封印状態に戻らない。蔵書室に出現したときと同じようにーー
    クインラン:予言の書は、ヘレン・デッケンのためだけに現れる。
    伯爵:正に今、お前がその者のために現れたようにな。クインラン、何が心配なのだ?
    私が蔵書室で時間を巻き戻し、『神託の書』の力を手に入れて覚醒したヘレン・デッケンを促えることか?
    忘れるなよ。お前の父親が魔女に殺されたとき、お前を救ったのは私なのだぞ。
    クインラン:勘違いするな、あんたの邪魔なんかしない。便乗したいだけだ。
    あんたはヘレン・デッケンを手に入れ、あいつと『神託の書』を利用して血族衰退の謎を解きたいんだろう?
    一方、僕もあいつに頼みたいことがある。時間を巻き戻してやり直すつもりなら、僕にも活躍させてもらいたいね。
    クインラン:ノーとは言えないはずだ。あんたも気づいているだろう。
    時間を巻き戻しても、ヘレン・デッケンの記憶は一部残るって。記憶ゼロの状態に戻したいなら、デッケン一族の助けが必要になる。
    伯爵:……
    クインラン:じゃあ、そういうことで決まりだな。今回は三日前じゃなく、もっと前まで戻ろうじゃないか。


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庭園
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ダンスホール
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石鐘の城
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登場人物(ノインテーター)

~独占スクープ~
舞踏会の謎のゲストの招待を暴く

  • エクティック
    「最後の踊り」.png
    【身分】招かれざる黒の魔女
    【種族】魔術師
    【動機の推測】『神託の書』を手に入れること
    閉じこもって黒魔術を研究している魔女。
    人外たちの休戦期において、黒の魔女は最も人々に恐れられる存在である。
    そこで彼女たちの力を恐れる者たちは手を組んで彼女たちを中傷し、迫害した。
  • 月佑
    「月佑者」.png
    【身分】通りすがりの者
    【種族】混血らしき者
    【動機の推測】『神託の書』に誰かの行方を尋ねること
    元はいにしえの宗教の聖女だったが、死んだ後とある魔族によって替えの心臓を與えられ、生き残った。
    魔族と魔法使いのハーフになった彼女は人々に煙たがられ、生きる唯一の目的はあの魔族を見つけることだった。
  • クインラン
    ティーパーティー.png
    【身分】招かれた貴族
    【種族】混血らしき者
    【動機の推測】見物客
    クインランの母親は自然の力を有する魔女で、父親は始祖血族の1人だった。
    彼らが結ばれたことによって一族に見捨てられ、魔法使いの一族と血族の両方から追われる身となった。
  • 斷罪
    断罪.png
    【身分】石鐘の城の住人、伯爵お墨付きの研究者
    【種族】血族
    【動機の推測】石鐘の城と伯爵に害をなす者を懲らしめること
    蝋人形を利用した犯罪學研究者だったが、報復に遭って死亡し、伯爵の「抱擁」を受けて血族となった。
    今の血族はもう抱擁の能力を持っていない。
  • 血の剣
    血の剣.png
    【身分】噂を聞いて来たよそ者
    【種族】血族
    【動機の推測】伯爵の記憶を呼び覚ますこと
    始祖血族1人。
    魔典事件の後、各族の視線から姿を消した。
    そして今回、響宴の伯爵の出現に伴い石鐘の城に姿を現し、指定の記憶を的確に消す方法を求めていた。
  • 伯爵
    伯爵.png
    【身分】石鐘の城の主、ハロウィン舞踏会の主催者
    【種族】血族
    【動機の推測】『神託の書』を召喚した人を見つけること
    血族の至寶『魔典』を管理する長老だったが、魔典事件以降は古城とともに姿を消し、行方不明となった。
    そして今、『神託の書』の出現と同時に、新たな古城とともにノインテーターに現れた。

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