エピソード記憶

Last-modified: 2016-03-21 (月) 04:02:52
 

研究領域

エピソード記憶とは、時間や場所、その時の感情が含まれる、出来事の記憶である。

前提となる学問・研究領域

時間感覚・空間認知・感情

エピソード記憶とは、時間や場所、その時の感情が含まれる、出来事の記憶である。

睡眠・夢

  • リタ・カーター「脳と意識の地形図」第五章 脳と意識 P179

    まず出来事を経験する。

    その経験は繰り返し再現されることで「保温」され、やがて神経ネットワークのパターンが脳の組織にしっかり「刻み込まれ」るのだが、このときほかの概念も道連れにする。

    この最後の二段階は、主に睡眠中に行なわれる。

    (中略)

    こうして神経細胞の発火パターンは、たんなる事実を脱し、その人だけの叙述――自叙伝的で「再現できる」経験へと変容する。

    (中略)

    こうして海馬と連合皮質に、記憶のかすかな痕跡が作られる。

    第二の段階は、休息中やうとうとしているときに起こる。

    (中略)

    こうして記憶のかすかなパターンが皮質に伝えられ、痕跡の照合が行なわれる。

    (中略)

    第三段階は、眠りがさらに深くなり、皮質の活動がすっかり静かになってからだ。

    (中略)

    これが長期増強(LTP)であり、神経細胞の発火が昼間に残したかすかな痕跡が、確かな記憶に定着するのである。

    (中略)

    そして最終段階は、レム(急速眼球運動 REM)睡眠のときに訪れる。

    臨場感のある夢を見るのはこのときだ。

    (中略)

    だからノルアドレナリンがレム睡眠時に減少すると、当然のことながら抑制もきかなくなり、古い記憶――すでに皮質で増強されている――が流れ込んで、新しくできた記憶と統合される。

    「犬はかみつく!」という新しい概念が、前から存在していた「犬は唸る」という概念とくっつくのは、このときだ。

    こうして今日犬にかまれた記憶が、去年犬に吠えられた記憶につながる。

    (中略)

    夢のなかでは、万華鏡さながらに奇想天外なイメージや観念が出現する。それは新しい記憶と古い記憶がからみあい、混ざりあうときに自由奔放な連想が行なわれるからだ。

エピソード記憶は睡眠中や夢の中で長期記憶として形成される。

学習学・学習

アントニオ・R・ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳」第八章 仮説を裏付ける神経学的事実 P288

(4)視床下部の両側性的損傷によって中核意識が損なわれることはない。

しかし、事実に対する新たな学習が阻害されるから、その損傷が自伝的記憶の増加を止め、その維持に影響し、その結果、将来の延長意識の質を変える。

自伝的記憶は学習によって増加する。

短期記憶・作業記憶・ワーキングメモリ

  • 「ミラーニューロンと<心の理論>」第4章 事故が成立するための記憶の仕組み 記憶による知覚経験を越えた自己の拡張 P137 図4-1 タルビングの記憶モデル(Tulving, 1991から作成)

記憶には手続き記憶システム、知覚表象システム、意味記憶システム、短期記憶システム、エピソード記憶システムの五つが存在する。
エピソード記憶システムは短期記憶システムの上位概念である。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

記憶

  • 「ミラーニューロンと<心の理論>」第4章 事故が成立するための記憶の仕組み 記憶による知覚経験を越えた自己の拡張 P137 図4-1 タルビングの記憶モデル(Tulving, 1991から作成)

記憶には手続き記憶システム、知覚表象システム、意味記憶システム、短期記憶システム、エピソード記憶システムの五つが存在する。
エピソード記憶は記憶の一種である。

長期記憶

エピソード記憶は長期記憶の一種である。

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)