空間認知

Last-modified: 2016-03-19 (土) 11:52:38
 

研究領域

  • M・シュピッツァー「脳 回路網のなかの精神」第4章 大脳皮質の地図 P114

    視覚入力は二つの同時進行する経路で分析される。

    これらの経路の目的は、ひとつは対象の確定であり、他方は空間内での対象の位置の確定である。

    「what(なに)-経路」は一次視覚野と二次視覚野を出発点として側頭葉の方向へ進む。

    これに対して「where(どこ)-経路」は頭頂葉へと進む。

  • wikipedia 視覚野
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E9%87%8E

    背側皮質視覚路は V1より始まり V2 、背内側野、 MT 野 (V5 とも) を通過し、後頭頂皮質へと向かう。背側皮質視覚路は時に、where経路とも呼ばれ、運動、物体の位置や、眼や腕の制御、特に視覚情報を用いたサッカードや到達運動に関連付けられている[1]。

    (中略)

    一次視覚野 (V1)

    (中略)

    機能

    V1 は視覚における空間情報の明確なマップを持つ。

    (中略)

    視野と V1 における位置の対応は非常に正確で、盲点でさえも V1 でマップされている。

    この対応関係は進化的に基本的で、V1 をもつ殆どの動物において見られる。

    (中略)

    重要なことは、このような皮質での視覚処理の初期では、視覚情報の空間的な位置は局所的なコントラストのコーディングのなかで強く保存されている点である。

視覚系知覚の中には空間認知が存在する。

前提となる学問・研究領域

体性感覚野・視覚野・身体イメージ

  • ジャコモ・リゾラッティ&コラド・シニガリア「ミラーニューロン」3 周りの空間 P068

    この結果を踏まえ、こうしたニューロンは二つのグループに分類された。

    「体性感覚ニューロン」と「体性感覚-視覚ニューロン」で、後者は「二重様相(バイモーダル)ニューロン」とも言われる[注3]。

  • ジャコモ・リゾラッティ&コラド・シニガリア「ミラーニューロン」3 周りの空間 P071

    F4野のバイモーダルニューロンについていは、数々の実験が行なわれてきた。

    その結果は、こうしたニューロンの七〇パーセントで視覚受容体が体性感覚野と結びついており、網膜座標ではなく身体座標で空間内の刺激をコードすることを示している。

  • ジャコモ・リゾラッティ&コラド・シニガリア「ミラーニューロン」3 周りの空間 P077

    つまり、LIP-EEF回路のニューロンの視覚受容野は網膜座標でコードされる(すなわち、それぞれの受容野は網膜上で中心窩に対して固有の相対位置が決まっている)のだ。

    (中略)

    一方、すでに見たように、VIP-F4ニューロンはほとんどが二重様相(バイモーダル)で、たんなる光刺激よりも三次元の物体に強く反応する。VIP-F4ニューロンの受容野は身体座標でコードされ、体のさまざまな部位に固定されている[注11]。

    言い換えれば、視覚刺激は、手に届く範囲にある物をすべて含む空間領域内に出現しなくてはならない。

    この領域のことを、手の届く範囲外である「遠位空間」(「遠い空間」)と区別するために、以下では便宜上、「近位空間」(「近い空間」)と呼ぶことにする。

    (中略)

    網膜座標系から、空間内での位置をコードできる座標系へどのように移行できるのかを説明するために、これまでに多くのモデルが提案されてきた。

    (中略)

    VIP-F4回路が空間内の物の位置を突き止めるのに使う座標系が、これとは根本的に異なることは明らかだ。

    この回路では、空間は体のさまざまな部位を中心とする身体座標によってコードされる。

  • マルコ・イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」第1章 サルの「猿真似」 P29

    つまり、これらの細胞のもうひとつの特徴は、サルの顔や首や腕に軽い接触があっただけで反応するということであり、結論として、視覚受容野(生物の周囲の空間の中で視覚刺激が細胞の発火を誘発する部分)と触覚受容野(触れられたときに細胞の発火を誘発する身体部分)は、これらF4野のニューロンに関係しているということになる。

    この驚くべき反応は、これらの細胞が身体の周囲の空間地図、いわゆる「身体近傍空間(ペリパーソナル・スペース)地図」を形成していることを示唆するものだ。

    同時にこれらの細胞は、その空間でのサルの腕の動きを誘発してもいる。

    二つのまったく異なる機能が同じ一群の細胞に表れているわけだ。

    こうした生理学的特性は、身体の周囲の空間地図が、その身体のとれる可能な行動の地図であることを示している(4)。

視覚野の最も基本的な領域であるV1は、空間及び位置の情報の明確なマップを持つ。
体性感覚-視覚ニューロンは、近位空間・身体近傍空間地図においては身体イメージにおける座標をもとに、遠位空間では視覚のみをもとに空間認知を行う。

運動野

  • ジャコモ・リゾラッティ&コラド・シニガリア「ミラーニューロン」3 周りの空間 P081

    ヒトでもサルでも皮質の空間表象は、単一マップというかたちには程遠く、個別の感覚-運動回路の活性化に基づいているようで、それらの回路の一つひとつが、(手を伸ばす、といった)運動行為を構成・制御するらしい。

    (中略)

    サルが能動的に動いているときにも、視覚刺激に反応しているときにも発火するニューロンが、F5野や前部頭頂間野(AIP)だけではなく、F4野やVIPにもあるのだ。

空間認知には体性感覚-視覚ニューロンだけでなく、運動-視覚ニューロンと呼ぶべきものにも基づいている。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

知覚

知覚の中には空間認知が存在する。

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)