公平・公正

Last-modified: 2015-09-12 (土) 14:23:04
 

研究領域

  • wikipedia 公平
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%B9%B3

    公平(こうへい)は、「公に平等」、すなわち、一部だけに手厚くしない、偏らないということである。

    (中略)

    「公に平等」という意味の公平であるが、実際には「平等」とは異なるものと言える。

    (中略)

    公平感

    しかし、現実に「公平」という概念が適用されるのは、具体的卑近な事例だけではない。

    社会学の分野では、例えば「公平判断は、当該社会における社会的資源や生活機会を所与としたときに、評価者が正しいと考える配分原理をもとに生じるであろう仮想的配分を基準にして、現実の配分状況(の認知)がどれだけ逸脱しているか、という評価である」[1]といった定義がなされることがある。

    (中略)

    (2)評価者が正しいと考える原理に基づく配分結果と現実の配分状況との異なり具合を評価するということは、「公平かどうか」の判断が評価者によって異なる、すなわち評価者の主観(依拠する原理)次第で「公平な結果」が異なってくることを示唆している。

    (中略)

    その場合、客観的巨視的な「公平」とは別に、分配に参加する人々の「公平感」を失わないような分配方法を重視することがある。

    (中略)

    公平性

    一方、個人的主観をも含む「公平」とは異なる、客観的巨視的、あるいは一般的な、「公平」も議論されている。

    (中略)

    また、1963年発表された『Equity Theory』の中で、J.S.アダムズは人々が「投入に対する報酬の比」が「すべて一定であると感じること」を「equity」(衡平 = 公平)としており、この場合、「参加者の交換率の平等」が「公平」の本質であるということもできる。[2]

公平とは、配分が配分原理に従って平等であるか、投入に対する報酬の比が平等であること。
当項目では前者の意味で扱う。

前提となる学問・研究領域

過去に位置する学問・研究領域

大物狩り・設計・狩猟用具

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第6章 自然界のエデンの園 考古学と、平等主義の推移 P108

    スタイナーらは、大きな獲物の狩りがまだ本格的におこなわれていなかったと思われる四〇万年前と、有蹄動物の積極的な狩りが主体になってからすでに五万年ほど経っていた二〇万年前とを比べて、大きく違う傾向に気づいた。

    四〇万年前の骨の切り傷は、無秩序で変化に富み、何人かがいろいろな角度からさまざまな道具で、それぞれ独自の切り方でさばけばそうなるだろうと思われるものだった。

    この初期の人類の解体方法は、チンパンジーやボノボが肉を食べる場面とかなり一致しているように思える。

    そうした場面では競争的な政治力学ばかりが働き、たいていは同時に何人かが肉を切りとっている――たとえひとりが明らかに主導権を握っているとしても。

    こうした旧石器時代中期の人類は、尖った石の破片を肉の解体に使っていたので、あまり争わずに分け合う必要が生じたかもしれない。

    というのも、肉をめぐって大喧嘩が起きた場合、今日のチンパンジー属の二種とは違い、解体している者はすでに殺傷力の高い武器を手にしていたからだ。

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第6章 自然界のエデンの園 いかにして人間は別の道を見つけたのか P176

    われわれが効率的に、協力的に、機会均等主義でもって肉を分配するようになったことは、人間が総合的に進化で成功するために重要だった。

    それによって食事の幅が広がり、生存のための新しい手段の可能性が開けたからだ。(33)

    思うに、比較的大きい社会的な脳をもっていた原初のホモ・サピエンスは、協力して狩りをすることの重要性や、集団全体で肉を分け合う利点について、何かを理解していたにちがいない。

    今日、平等主義の狩猟採集民は、集団に狩人が大勢いることには利点があると確かに認めているようだ。

    そうすると、大きな肉がより頻繁に手に入って分け合えるため、食べる肉を切らす期間が短くなるのは明らかだからである。

    彼らは、平等な肉の分配に、かなり明白な長期的利点があることを知っていたのではないかと思う。

    それは、この重宝される食べ物を均等に分けて食べると、全員がより元気で健康になるという栄養面のメリットがあるからにほかならない。

    自然のなかで不安定な暮らしをしている人々は、そんな慧眼をもちやすいのだ。

    いずれにせよ、行動生態学から生まれた現代の諸理論は、まったく同じ結論に至り、こうした人間の傾向(34)が、オオカミやライオンなど純粋な社会性肉食動物のあいだで純然たる本能から生じるものと大変よく似ていることを示している。

    すべての社会性肉食動物は、同じ食料供給上の問題に直面している。

    大きくて仕留めにくい獲物を少なくともかなり定期的に入手しつづけるためには、集団で狩りをしなければならない。

    それだけでなく、チームを組んでの狩りのようにエネルギーを要する仕事を支えるのが食事だとしたら、こうした大きな獲物をかなり公平に分配する必要もある。

    チームを組んでの狩りが最もよく機能するのは、つねにチームのメンバー全員にきちんと栄養が行き渡っている場合なのだ。(35)

チンパンジーやボノボと区別されるヒトの公平な分配は、大型動物の狩猟に必要なメンバー全員の栄養状態の確保と、大型動物の解体に伴う殺傷力の高い武器である、設計の産物である剥片石器による争いの回避によってもたらされた可能性がある。

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)