選択

Last-modified: 2015-05-22 (金) 04:11:07
 

研究領域

判断・命題という用語は、言語哲学的には言語・文に依存している。
言語・文を持たない動物が、何らかの選択肢を選択する場合、判断・命題という用語は使えない。
また、意思決定という用語も、目標と、具体例を見ると全て何らかの意味で意識的な思考過程に依存している。
目指すべき具体的な目的としての目標を持たない、非意識的な選択について語る時、意思決定という用語は使えない。
このため、このwikiでは、言語・文を持たない動物が、目標を持たない何らかの選択肢を非意識的に選択する場合を表す用語として、選択という用語を使う。

前提となる学問・研究領域

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

学習学・学習・動機・動因・情念・目的論・目的・情動・プライミング・知覚表象

  • マイケル・S・ガザニガ「人間らしさとはなにか?」4章 内なる道徳の羅針盤 P175

    脳がいちどきに意識できるのは一つのことに限られているのだ。

    残りの判断はどれも自動的に行なわれている。

    自動プロセスには二つのタイプがある。

    自転車の運転は第一のタイプの例で、自動的になるまで時間をかけて学習された、意図的(職場へ車で行くという意図がある)で目的志向(始業に間に合うようにたどり着くという目的がある)のプロセスだ。

    (中略)

    第二のタイプは、知覚された事象が意識に上る前に受ける処理だ。

    (中略)

    この働きは「情動プライミング」と呼ばれ、あなたの行動に影響を与える。

(判断とあるが、この場合には)選択には二種類あり、学習・(後述する理由で意図ではなく)動機・目的志向に基づくものと、情動・プライミングに基づくものがある。

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

言語

言語・文がなくても、判断・命題の主たる機能である真偽に似たものを含む行動は、動物は採っているように思われる。
形の知覚の能力がある動物は、たとえば道として歩きやすいところと歩きにくいところを区別して歩いているように見えるが、これはしやすさ・しにくさという、yes/noだけではない、量的な連続性と差異が関わっている。しかし、実質的にはしやすさ/しにくさがもたらす行動はyes/noがもたらす行動と似た結果をもたらす。
よって、真偽がなくとも、真偽に似た行動を動物が採ることはできるのではないだろうか。
しかし、この考えは、判断・命題という用語が言語・文を前提としている可能性を排除するものではないので、この用語とは別に、選択という用語で、動物の行動における判断的なものを表現することとする。

意図

  • コトバンク 意図
    https://kotobank.jp/word/%E6%84%8F%E5%9B%B3-31653

    ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

    意図

    いと

    Absicht; intention

    ゲシュタルト心理学の用語。

    適当な機会がくれば,ある目標達成のための特定の行動を実行しようとする決意。

    目標の選択に関する場合と目標達成の手段の選択に関する場合とに分けられ,一般に前者は態度に,後者は意図に関係する。

意図は手段の選択である。
前述の通り、選択は目的を前提としている。
手段は目的を前提とするのであり、目的が手段を前提とするのではない。よって、手段に関する意図が目的に関する選択に先行するとは考えにくい。
手段に関する意図が目的に関する選択を前提とする方がより整合性がある。