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研究領域
- wikipedia 言語学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E5%AD%A6言語学(げんごがく)は、人類が使用する言語(ことば)の本質や構造を科学的に記述する学問である。
- wikipedia 言語
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%80%E8%AA%9E言語(げんご)とは、コミュニケーションのための記号の体系。
狭義には人間の音声による音声言語を指すが、広義には身振りなど音声以外の要素も含む。
また、動物間のコミュニケーションや、コンピュータに指示するための記号体系を指す場合もある。
日本語や英語のように自然発生的に生まれた言語を自然言語と呼び、これに対して人為的に創作された言語を人工言語と呼ぶ。
- 山極寿一『家族進化論』第6章 家族の行方 2 言語はアフリカで生まれた P293-294
まず二〇〇一年に、それまで遺伝的な言語障害があると認定されていたKE家に、その障害のもとになっていると考えられる遺伝子が特定された。
これはFOXP2遺伝子とよばれ、ほかの遺伝子の働きを調整する役割を果たしている。
この遺伝子に異常があると、人間では言語の神経回路の正常な発達が阻害されて言語障害が生じるらしい。
(中略)
重要なことは、人間とマウスのFOXP2遺伝子を構成するタンパク質のアミノ酸配列は三つ、チンパンジーやゴリラなどほかの霊長類とは二つちがうということだ。
この二つのちがいが発話にとって決定的だったとすれば、その変化が起こったのは約二〇万年前と推定されたのである。
これは、ミトコンドリアDNAを用いて計算された、アフリカにサピエンスが登場した年代にぴったり符号する。
つまり、サピエンスは言葉をしゃべるという新しい遺伝的な改変をともなって誕生したことになる。
言語学では言語を扱う。
言語(げんご)とは、コミュニケーションのための記号の体系であり、広義には音声以外の手段、また動物やコンピュータなどの主体がありうる。
このwikiではこの項目は主に自然言語を扱う。
自然言語はホモ・サピエンス以後の特徴である。
前提となる学問・研究領域
知能・知性
- 山極寿一『家族進化論』第6章 家族の行方 1 ホモ・サピエンスの登場 P290
イギリスの考古学者スティーヴン・マイスンは、サピエンスが言語によって獲得した能力を「認知的流動性」と表現した。
言語が登場するまで、人類はさまざまな知識をいくつかの神経モジュールとして脳のなかに蓄積してきた。
神経モジュールとは同じような問題を解決するための知識に対応する神経の束で、博物的知能、技術的知能、社会的知能のモジュールがある。
(中略)
ただ、これらの知能は言葉ができるまではたがいに独立していて、相互に応用されることはなかった。
言葉のもっとも重要な機能は比喩である。
(中略)
しかし、それをするためには、そのものが本来もっている機能を別の用途に応用するという能力、すなわち比喩の力が必要なのだ。
言語には複数の知能どうしを応用させる比喩の能力がある。
社会学・社会・音楽・共感
- 山極寿一『家族進化論』第5章 家族の進化 11 ヒトの音楽能力の進化 P268-269
そして、小さな集団が分かれたり集まったりするには、草原で暮らすゲラダヒヒのような多様なメロディをもつ音声が発達した可能性もある。
音楽的な音声は仲間どうしを同調させ、たがいに相手を操作しやすくする効果がある。
初期の人類は音楽的な音声を用いて同調意識を高め、たがいに距離をおいたり近づきあったりしながら、さまざまな協力行動を発達させたのではないだろうか。
- 山極寿一『家族進化論』第5章 家族の進化 12 音楽から言語へ P284
ただ、言葉が登場する前に人類が音楽の能力を手に入れていたことはたしかであり、言葉は音楽がもたらした高い共感力の上に築かれたといってよいだろう。
ホモ・サピエンスが言語を手に入れる前、コミュニケーションの主体は歌などの音楽であり、これによって社会統合を行い、また共感力を高めていた。言語はそのような共感をもたらす音楽を基盤としている。
規範・権利・資格
- ヒース「ルールに従う」第4章 志向的状態 4.6 理由を与えたり求めたりするゲーム P201
この場合には、われわれは主張(assertion)をするが、これはある種の規範的地位に対応している。
われわれはそうした主張をする権利を付与されていなければならないし、翻ってこうした主張がさらなるポジションを取る資格を与えてくれるのである。
言語ゲームは、規範に基づいた地位=権利に基づいている。
過去に位置する学問・研究領域
人類学・人類・人間性
自然言語は人類にのみみられる。
子ども期・青年期
- 山極寿一『家族進化論』第4章 生活史の進化 11 老年期の進化 P205
現在わかっている化石証拠からは、子ども期は約二二〇万年前、青年期は約八〇万年前には始まっていたと推測される。
つまり、脳の増大が始まったホモ・ハビリスのころにはすでに早期の離乳と身体の成長遅滞が起こっている。
そして、現代人並みの脳の大きさが達成されたホモ・ハイデルベルゲンシスでは、思春期スパートが起こっている。
ヒトはホモ・サピエンス以前に、子ども期をホモ・ハビリスの時代に、青年期をホモ・ハイデルベルゲンシスの時代に発現させた。
家政学
ヒトはホモ・サピエンス以前に、狩猟・採集・調理・子育て等による家庭生活を成り立たせていた。
原因となる学問・研究領域
解決すべき問題となる学問・研究領域
目的となる学問・研究領域
コミュニケーション
言語はコミュニケーションのための記号の体系である。
属する全体である学問・研究領域
本質的な部分である学問・研究領域
表現・動物行動学・行動
- ヒース「ルールに従う」第4章 志向的状態 4.6 理由を与えたり求めたりするゲーム P201
したがって、言語ゲームは、セラーズが言語参入(language-entry)と言語退出(language-exit)の手番と呼ぶものを含んでいる71)。
単純化のために、一語文的記号からなる言語(すなわち、合成的構造を持たない言語)を想像しよう。
「煙」というようなことを言うことがこのゲームにおける手番となるが、このことがさらに、他の多くのゲーム内手番に対する資格を与えるだろう。
たとえば、「火」と言うことなどである。
しかし、「煙」と言う権利がこのゲームの外の状態から生じている必要はない。
ある人にそのように言う権利を付与するのは、周囲に煙が存在することであってもよい(したがって、このことは環境の特徴に対して差異的に反応する能力を反映している)。
同様に、「火」はゲームにとって外的な一連の手番の資格を与えるかもしれない。
たとえば、手を引っ込めるという行為や逃げ出すという行為である。
言語は表現と行動を結び付けたものであり、何か言うことと何かすることを関連付けて、「このルールにおいて、この人は、こうなったからこう言うものであるし、こう言ったからこれをするものである」というシステムである。