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研究領域
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第3章 「向社会的」共感の心理・生物学的メカニズム P104
従来、共感性に関する多くの定義が提唱されており、その個々の立場は以下の3種に大別することができよう。
(中略)
その一方は、認知的側面を強調する立場、すなわち「他者の感情の中に自分を置き、その視点から他者を理解する」(Goldman, 1993; Hogan, 1969)という視点取得(perspective taking)の概念に相当する定義である。
視点取得とは、他者の感情の中に自分を置き、その視点から他者を理解することである。
前提となる学問・研究領域
自己認識・他者認識
視点取得のためには、自己と他者の区別がついた上で、他者の視点の中に自分を置くことができなければならない。
感情・理解・悟性
視点取得は、他者の感情を理解することである。
空間認知
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第5章 ミラーとメンタライジング P169
視点取得には、空間的なものと、心理的なものがある(Aichhorn et al., 2005)。
空間的な視点取得とは、自分とは異なる位置から空間がどのように見えるか、という認知であり、心理的な視点取得とは、それが「他者」からどのように見えるか、さらに、ある出来事が他者にはどのように経験されるかということの認知である。
そして、空間的な視点取得は、心的な視点取得の基礎となる認知機能と考えられる。
視点取得は空間認知に基づく。