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研究領域
- 「グラフィック心理学」3.3 確率を判断する P74
日常生活におけるさまざまな出来事は、確実に起こるとは限らないことが多い。
今日雨が降るか、どの道が渋滞しているか、希望する職業に就職できるか、など私たちが直面する環境世界の事象の多くは確率的性質を持つといえるだろう。
これらの事象が起こる可能性を判断したり、判断するために推理する思考過程を確率判断という。
確率判断とは、確率的性質を持つ事象が起こる可能性を判断・推理する思考過程である。
(ただし、言語を持たない動物に判断・推理能力がないため、動物はヒューリスティックで確率を扱っていると考えられる)
前提となる学問・研究領域
ヒューリスティック
確率論やベイズ推定以前の確率判断は、利用可能性ヒューリスティック(availability heuristic)、代表性ヒューリスティック(representative heuristic)、係留と調整(anchoring and adjustment)などのヒューリスティックによってなされる。
認知バイアス
- 「グラフィック心理学」3.3.2 確率判断のヒューリスティック P76
このように、ある個別事象よりもそれを含む連言事象のほうが高いと判断される現象は「連言錯誤」と呼ばれ、人間の確率判断におけるバイアスの一例を示している。
確率判断は認知バイアスを含む。
自信・確信
- 「グラフィック心理学」コラム 解答への自信は? 自己知識の確信度判断 P86
確率判断の研究の中では、自分が持っている知識内容の確かさに関する確率判断の研究も行われている。
これは「自己知識の確信度」に関する判断であり、"自分の認知"の特性についての認知、つまりメタ認知の問題でもある。
(中略)
特徴として、正解の確率が低いと判断する領域では実際の正解率のほうが高いこと、正解の確率が高いと判断する領域では実際の正解率はそれより低いことがあげられる。
これは、自信がないと判断する場合には「自信過小」、自信があると判断するときは「自信過剰」の傾向があることを示すものである。
確率判断は自信・確信の影響を受ける。