人類学・人類・人間性

Last-modified: 2017-06-15 (木) 02:49:17
 

研究領域

  • wikipedia 人類学
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6

    人類学(じんるいがく)とは人類(霊長類ヒト科)に関して研究する学問である。

    生物学的特性について研究対象とする学問分野を形質人類学若しくは自然人類学と呼び、言語や社会的慣習など文化的側面について研究する学問分野を文化人類学若しくは社会人類学と呼ぶ。

  • wikipedia 自然人類学
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6

    自然人類学(しぜんじんるいがく)は、(中略)

    人類やチンパンジーやゴリラなどヒト科の共通祖先からどのように原生人類が進化してきたのかを解明する学問である。

    骨や歯の形態からその古人類の運動様式・食性・性・生活環境・社会構造などを明らかにする。

  • 山極寿一『家族進化論』第2章 進化の背景 15 人類の食の特徴と進化 P111

    現代の知見によれば、人類の祖先はチンパンジーとの共通祖先から約七○○万年前に分かれたことになっている。

    最古の化石サヘラントロピス・チャデンシスがそのころの地層から出ているし、チンパンジーと現代人との遺伝的分化時間とも一致するからだ。

    サヘラントロプスに認められる人類的特徴は、直立二足歩行をしていたと推定されることと上顎の犬歯が小さくなっていることだ。

人類学では人類(霊長類ヒト科)を扱う。
特に自然人類学ではヒト科の共通祖先からどのように原生人類が進化してきたのか解明する。
人類の特徴は「直立二足歩行」と「上顎の犬歯が小さくなっていること」である。

前提となる学問・研究領域

動物行動学・行動・生活・日常生活動作・恒常性・食事・性・環境学・環境・自然・アフォーダンス

人類学は運動様式(生活)・食性・性・生活環境・社会構造などを研究する。
なお、ヒトの社会構造については後述する。

過去に位置する学問・研究領域

強者同盟

チンパンジー・ボノボ・ヒト等において、支配者や持つ者が、対抗する服従者や持たざる者の同盟にさらに対抗すべく、強者の間で同盟を組むことがある。
これらの同盟や、血縁においては、その中で占有物(主に肉)を分配し、外に対しては行わないことがある。

道具使用・道具製作・文化人類学・文化

  • wikipedia 文化 (動物)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96_(%E5%8B%95%E7%89%A9)

    動物の文化[編集]

    最初に動物に社会を認める立場は欧米の動物社会学者たちであったが、河合雅雄によれば、梅棹忠夫に示唆されて[13]、人間以外の生物にも文化カルチュアがあると予言したのは今西錦司である[14]。

    また川村俊蔵は採食品目から子守行動、性行動、順位性などの社会構造など幅広い行動をカルチュアと捉えた。

    道具の使用[編集]

    他方で、例えば人類の進化に関わって文化の程度を問う場合などに道具使用が挙げられることも多い。

    自分の体を使う方法はわかっていて当然であるが、自分の体以外のものを生活に利用するためには高度の知能が必要であると考えられるからである。

    また、一定の目的のために一つの集団の個体が同一の器具を用いるのはやはり個体間の技術の伝承が必要であるから先の定義にも関わっている。

    (中略)

    霊長類の文化[編集]

    (中略)

    チンパンジーの場合[編集]

    野性チンパンジーの餌付けに最初に成功したジェーン・グドールはチンパンジーの道具使用「シロアリ釣り」を発見した。

    シロアリを食べる場合に、蟻塚に穴を空け、これに小枝を差し込むのである。

    シロアリは小枝に引っ掛かり、あるいはそれに噛み付いた状態で釣り出される。

    これを一気に口にいれてしごき取って食べる。

    この時、シロアリ釣り用の枝は、チンパンジーが折り取って歯でしごいて作るが、人間が真似してもうまくシロアリが釣れることは中々なく、結構高度の技術であるという。

    チンパンジー自身にとっても大事なものであるらしく、うまくできた枝は次のアリの巣まで持って行くともいわれる。

    他にも、葉を噛み潰してスポンジ状にして、木のうろから水を吸い出して飲むとか、堅い木の実を石で割って食べるなど、多彩な道具の使用が知られる[21]。

  • フランス・ドゥ・ヴァール『サルとすし職人』6 最後のルビコン川 動物も文化を持てるのか? P214

    「流行」という言葉をチンパンジーにからめて最初に使ったのは、ヴォルフガング・ケーラーだ(一九二五年)。

    彼が観察していたチンパンジーたちは、いつも新しい遊びを発明していた。

    次の記述を読むと、チンパンジーがいかに集団志向で、仲間と同じように行動したい動物かがよくわかる。

    チンパンジーの集団は、全体が精巧な動作パターンを見せることがあった。

    たとえば二頭が遊びで取っ組み合い、柱の近くでじゃれていたとする。

    この動きはすぐにお決まりの型になって、二頭は柱を中心にして輪を描くように歩きまわる。

    やがて一頭、また一頭とやってきてはここに加わり、全員が同じ「流行」に従って、一列になって柱のまわりを何度でも行進する。

    やがて動きの特徴が変化してきて、ただ歩くのではなく、速足になったり、片方の足の動きを強調して、もういっぽうは軽いステップにするといった決まりができてくる。

    大まかではあるがリズムも生まれて、おたがいに「テンポを保とうと」する。

    「ダンス」のステップに合わせて首を振る姿は、この原始的な遊びを本気で楽しんでいる様子だ。

  • フランス・ドゥ・ヴァール『サルとすし職人』7 くるみ割り人形組曲 自然のなかで文化を当てにする P238

    サンディエゴのボノボたちは、目隠し遊びや、私が「ファニーフェイス」と名づけたゲームなど、特別な遊びも考案している。

    (中略)

    最初はひとり遊びだったが、誰かがはじめるとほかの子供も追随することが多かった。

    ファニーフェイスのほうは、ひたすら変な顔をする遊びだ。

    (中略)

    これはすべての子どもが参加した。

    ただし変な顔は誰かに向けたものではなく、それぞれがただ腰をおろし、これといった理由もなくおかしな表情をしているのだ。

    同様のゲームはほかのボノボはもちろん、チンパンジーでも見たことがないので、おそらくサンディエゴ動物園のコロニー独自のものだろう。

  • wikipedia オランウータン
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%B3

    スマトラ島では、小枝を使って堅いドリアンの実を開けて、栄養豊富な種を食べる。

    また枝を木の洞に差し込んで、アリやシロアリなどを釣って食べる。

    飼育下やリハビリテーションセンターではよく道具を使用するが、野生での道具使用の例は、最近まで発見されていなかった。

    なおボルネオ島では道具使用の報告はほとんどない。

  • PLOS Biology: First Observation of Tool Use in Wild Gorillas
    http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.0030380

    We first observed an adult female gorilla using a branch as a walking stick to test water deepness and to aid in her attempt to cross a pool of water at Mbeli Bai, a swampy forest clearing in northern Congo.

    (webmaster訳)

    我々は北コンゴに広がる湿地が多い森"Mbeli Bai"で、水の深さを測り、水溜りを横断しようとするための杖として枝を使っている成体雌のゴリラを最初に観察しました。

  • wikipedia ボノボ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%8E%E3%83%9C

    知性

    本種の知性はチンパンジーよりも高いと考えられているが、野生での道具使用は報告されていない。

    (中略)

    プロジェクトで飼育したボノボは以下の事を自ら、若しくは人間に声のみによる指示を受け行う。

    ・薪を集め、マッチで火をつけ、たき火をする。

    ・そのたき火でマシュマロを焼く。

    ・特殊なキーボードを使い、人間と会話する。

    ・ルールを正確に理解し、パックマン(ビデオゲーム)で遊ぶ。など[6]。

  • wikipedia チンパンジー
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BC

    蟻塚に棒を差込みシロアリを捕食する、石や倒木を使って堅い果実の殻を割る、木の葉を使って樹洞に溜まった水を飲む、木の葉を噛みちぎる音を使って求愛するなど様々な用途で道具を使う[2]。

    これらの道具および行動には地域変異があり、文化的行動と考えられている[2]。

  • 山極寿一『家族進化論』第1章 家族をめぐる謎 4 狩猟仮説の魅力と誤り P29

    先端を尖らせた動物の骨がみつかっており、おそらく地面を掘って根茎類を食べていただろうと推測される。

  • wikipedia(en) Tool use by animals
    https://en.wikipedia.org/wiki/Tool_use_by_animals

    Both bonobos and chimpanzees have been observed making "sponges" out of leaves and moss that suck up water and using these for grooming.

    (webmaster訳)

    ボノボとチンパンジーは共に葉と苔でスポンジを作成し、水を吸い上げたり毛づくろいに使ったりするのが観察されている。

チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・オランウータン等では道具使用の文化がみられる。
チンパンジー・ボノボ等では道具製作の文化がみられる。
また、チンパンジー・ボノボともに、遊びにおいて文化の影響を受けることがある。
よって、文化はヒト以前からの性質である、と言えるのではないだろうか。

教育学・教育・教示・模倣

  • wikipedia 文化(動物)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96_(%E5%8B%95%E7%89%A9)

    しかし、これが本当に人間に固有のものであるかどうかを考えるためには、他の生物と比較できるような形で、文化を定義する必要がある。

    そのような立場から考えた場合、文化は何にかかわるものかと言えば、個体の行動や個体間の伝達に関わるものであるから、それが生態学、行動学の分野の問題であるということがわかる。

    行動学においては、行動を支える仕組みによって分類する考え方があり、生得的に決まっている行動を本能行動、後天的に、経験によって身につけた行動を学習行動、および知能行動などと分類する。

    生得的な行動は遺伝子レベルで決まっているものである[9]。

    この立場で考えれば、文化やそれに基づく行動は遺伝的に決まっているわけではないから、後天的なものに含まれる。

    しかし、一般的な学習行動とは異なり、個々の個体がその行動をそれぞれ独立に、試行錯誤的に身につけるものではなく、決まった型を前の世代から伝えられる事で身につける。

    その伝え方には、先行世代が積極的、具体的に教える場合もあれば、後発世代が先行世代を模倣することで身につける場合もあるが、方法はともかく、遺伝子によらずに、しかも個体間で伝達されることが重要な特徴である。

文化は教示または模倣によって伝達されることがある。
よって、教示・模倣はヒト以前からの性質である、と言えるのではないだろうか。

世代・外婚制

ヒトの社会構造はゴリラ(との共通祖先)から継承したものであり、世代と外婚制を特徴とする。

清潔

霊長類はグルーミングなど体を清潔にする習性がある。

遊び

チンパンジー・ボノボともに遊びがみられる。

規範

類人猿においては、命令等と罰のセットという形の規範がある。

医学・医療・薬学・薬物・薬品

チンパンジー・ボノボともに、薬草を食べるなどのいわゆる自己治療が見られる。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24105933

New evidence for self-medication in bonobos: Manniophyton fulvum leaf- and stemstrip-swallowing from LuiKotale, Salonga National Park, DR Congo.
上リンクはトウダイグサを用いたチンパンジーとボノボの自己治療に関する論文を参照している。

役割

ボスに仲裁などの特別な役割があるなどの事例はチンパンジーなど広くみられる。
また、ボノボにおいてはメスが群れ同士の仲裁の役割を担っている。
すなわち、チンパンジー・ボノボともに役割がみられる。

愛着

チンパンジーとボノボにおいても愛着はみられ、愛着は人間以前からあるとみなすべきである。

報復・追放・失踪

チンパンジーとボノボにおいても報復目的の追放による失踪はみられ、報復・追放・失踪は人間以前からあるとみなすべきである。

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

採集

  • 山極寿一『家族進化論』第2章 進化の背景 15 人類の食の特徴と進化 P111-112

    直立二足歩行がなぜ生まれたかについてはいまだに多くの議論が続いているが、①エネルギー効率をよくするため、②外敵への威嚇に用いるため、③食物を運ぶため、という三つの仮説が有力とされる。

    (中略)

    初期の人類が分散した食物を採食するために遊動距離を延ばす必要があったとすれば、この歩行様式は有利に働いたにちがいない。

    (中略)

    そこで登場したのが、栄養価の高い小さな食物を手で運び、それを仲間に分けたという考えである。

人類の二足歩行は、採集時のエネルギー効率をよくするため、および食物を運ぶため、という目的がありうる。

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

農学・農業・農耕・畜産学・畜産業・牧畜・林業

人類の農業・林業は人類以降のものである。
また、ハキリアリの農業・牧畜、ビーバーの林業と、人間の農業・牧畜・林業は関係がなく、独立のものである。