当wikiの動機等

Last-modified: 2015-09-13 (日) 20:33:53
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動機

  • 昔々あるところに(具体的にははてなダイアリーで)、「生物学←化学、化学←物理学、物理学←数学、では数学←哲学なのか?」という趣旨のエントリがありました。
    http://d.hatena.ne.jp/Moto_M/20080509/1210345624 (2014/12/02現在プライベートモードのため閲覧不可能)
  • 学問領域の間に依存関係がありうる。ある学問を前提条件として別の学問がはじめて成立するということがありうる。というアイデアです。これに私は強く反応しました。そういう階層構造的な世界観に魅力を感じたからです。
  • 私の親は変わった本をいくつか持っていまして、栗本慎一郎『パンツをはいたサル』もその一つでした。彼はこの中で経済人類学者カール・ポランニーと、物理化学者・社会科学者・科学哲学者マイケル・ポランニーの兄弟の知見を日本に紹介していました。
  • マイケル・ポランニーの知見の一部として「層の理論」と「創発」というものがあります。彼の関心の一つに、物質から生命が生じたり、身体から精神が生じたりするときに、パッと見るに飛躍があるように見える、これは当時の科学で支配的だった、飛躍を認めない還元主義(今はやや事情が異なるらしいが詳しくは説明しない)と整合的ではないではないか、という問題がありました。つまり、物事の在り方に階層構造があり、下と上とで飛躍があり、上の在り方を下の在り方に完全に分解することはできない、ということです。下の存在が一定のパターンを取ると、上の存在が飛躍して発生する、そしてそれは下の在り方とは異なる新しい在り方を示す、というのが「創発」の基本的な考え方です。たとえば、物質から生命が、身体から精神が生まれるようなことです。
  • この発想に私が触れたのは多感な高校生の頃でしたが、この「層の理論」と「創発」というモデルは、その後も私の頭の中にずっと残っていました。
  • 件のブログのエントリに出会ったのは社会人になってからです。エントリの内容を見た瞬間、すぐに「層の理論」のことを思い出していました。
  • このエントリは理系の学問の、それもいわゆる理学部分の一部と数学について触れているだけでしたが、当然理系の他の学問や、いわゆる文系の学問についてはどういう位置づけが可能なのか、興味の出てくるところです。
  • その頃、確か私は健康上の理由で、三年間続けてきたプログラマを辞め、失業者となり、公務員になるため実家で勉強している最中だったと記憶しています。公務員試験対策で私は図らずも文系の学問、特に社会科学を幅広く勉強することになります。公務員試験のためには法学・政治学・行政学・社会学・ミクロ経済学・マクロ経済学の一通りの知見が必要とされるからです。
  • そもそも私は大学生時代には人文科学、特に哲学や倫理学を勉強していたのでした。その頃の知見は当時はほとんど自分の為になりませんでしたが、失業中は公務員試験の合間に、積んであった哲学書や啓蒙書を現実逃避の為に読みふけることがしばらく続きました。
  • 実は公務員試験の範囲には、比重はそれほど大きくないものの、人文科学も含まれており、それが再び私が人文科学に触れるきっかけになったという理由もあります。
  • 以上の状況が整い、私は私の当初の目標として、学問領域の依存関係を体系化するために、『学問を体系化しようWiki(当時)』を作成したわけです。
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