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研究領域
- 山極寿一『家族進化論』第4章 生活史の進化 10 脳の大きさと生活史の変化 P199-200
直立二足歩行を始めたことによって、人類の骨盤はお皿のようなかたちに変形した。
これは内臓や上半身の重さを支えるためである。
しかも、足を前後に平行に出すため、骨盤を横には広げられない。
そのため、産道を広くすることができず、大きな頭の赤ちゃんを産むことが不可能になっていたのである。
そこで、人類は胎児の状態の赤ん坊を産んで、生後に赤ちゃんの脳を胎児の成長速度で増加させた。
その後はゆっくりとした速度で脳を長時間かけて大きくすることにしたのである。
- 山極寿一『家族進化論』第4章 生活史の進化 11 老年期の進化 P205
現在わかっている化石証拠からは、子ども期は約二二〇万年前、青年期は約八〇万年前には始まっていたと推測される。
つまり、脳の増大が始まったホモ・ハビリスのころにはすでに早期の離乳と身体の成長遅滞が起こっている。
この項目では、脳の成長と身体の成長遅滞が存在する期間である、子ども期について扱う。(早期の離乳はむしろ多産と関係があるのでここでは考えない)
前提となる学問・研究領域
脳の大型化
脳の成長と身体の成長遅滞は、脳の大型化が出産に与える影響の結果もたらされた。
過去に位置する学問・研究領域
人類学・人類・人間性
子ども期は人類固有の現象である。