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研究領域
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」序章 自己と他者 発達的アプローチ P6
このように、自己とは異なる主観性を持った他者との主観性の共有が始まることを第二次間主観性という(Trevarthen & Hubley, 1978)。
このwikiでは、他者認識を、他者を自分とは異なる主観性等を持った存在であると認識することと定義する。
前提となる学問・研究領域
視覚野・体性感覚野・運動野・時間感覚
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P46
一方で、体性感覚野等からの内在性感覚情報及び運動野由来の運動情報(遠心性コピーと呼ばれる)が頭頂葉(ないしEBA)へと投射される。
そして頭頂葉(特に右半球)のいくつかの領域において、主に時間的整合性をベースとしてこれらの情報の統合あるいはマッチングが行われる。
(中略)
マッチングの結果、体性感覚・触覚等あるいは遠心性コピーと時間的整合性のある視覚的身体が自己身体として認識され、身体保持感はこのときに感じられる。
上頭頂葉にはこれらの情報が自己身体イメージとして保持される。一方で時間的不整合の検出された視覚的身体は下頭頂葉ないしSTSへと処理が移り、他者身体として知覚される。
他者身体としての知覚は視覚野・体性感覚野・運動野・時間感覚に基づく。
過去に位置する学問・研究領域
原因となる学問・研究領域
解決すべき問題となる学問・研究領域
身体保持感
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P46
まず身体に関する視覚刺激が視覚野(後頭葉)へと入力されEBAにおいて身体部位として同定される。
一方で、体性感覚野等からの内在性感覚情報及び運動野由来の運動情報(遠心性コピーと呼ばれる)が頭頂葉(ないしEBA)へと投射される。
そして頭頂葉(特に右半球)のいくつかの領域において、主に時間的整合性をベースとしてこれらの情報の統合あるいはマッチングが行われる。
(中略)
マッチングの結果、体性感覚・触覚等あるいは遠心性コピーと時間的整合性のある視覚的身体が自己身体として認識され、身体保持感はこのときに感じられる。
この記述は身体保持感に相当する箇所であるが、身体保持感の不在が他者認識をもたらしているということになる。
運動主体感
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第2章 私のような他者/私とは異なる他者 間主観性の認知神経科学 P78
前者では順モデルによる感覚結果の予測と自己受容感覚や視覚フィードバックなどの求心性情報が照合され、この段階で特に情報間の不一致が検出されなければ、さらなる処理はなされず、自分が行為主体だと感じられる。
この記述は運動主体感に相当する箇所であるが、運動主体感の不在が他者認識をもたらしているということになる。
目的となる学問・研究領域
属する全体である学問・研究領域
本質的な部分である学問・研究領域
予測・フィードバック・意図
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第2章 私のような他者/私とは異なる他者 間主観性の認知神経科学 P78
前者では順モデルによる感覚結果の予測と自己受容感覚や視覚フィードバックなどの求心性情報が照合され、この段階で特に情報間の不一致が検出されなければ、さらなる処理はなされず、自分が行為主体だと感じられる。
しかし、情報間に不一致がある場合、対象化のプロセスが開始され、次の概念的推論の段階での処理がなされる。
この段階では、意図や信念や文脈手がかりなどを利用して、誰が行為主体かに関する最適な説明が探されることになる。
他者を行為主体とする見方は予測・フィードバックに基づく。
概念・推論・意図・信念に基づいて行為主体の説明がなされる場合があるが、概念・推論・信念といった機能は高度なものと考えられ、トップダウン的に行われており、本来これらなしで行われていた時期が存在したと思われるため、単純に前提とはできない。
ただし、意図に基づく行為主体の説明は可能である。
非本質的な部分である学問・研究領域
前提となる学問・研究領域(疑いあり)
ミラーニューロン・間主観性
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第2章 私のような他者/私とは異なる他者 間主観性の認知神経科学 P92
他者は、程度の差こそあれ、私のようであると同時に私とは異なる。
われわれは、そのつど、ミラーニューロンを通して相手の行為を自動的に理解したり、それがかなわなければ、自分と相手の視点を区別して、私とは異なる相手の意図を推測したりしている。
ミラーニューロンで相手の行為を自動的に理解するが、それができなかったとき、自分と相手の視点を区別する必要が出てくる。
ただし、ミラーニューロン以前の動物も社会的相互作用やコミュニケーションを行なっており、その際に同種他個体に対してのみ特定の行動をとっているため、他者認識が存在していると考えられる。